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動物たちの心に秘める寂寥感が心をほぐす - 造形作家・Tokoro masayasu workさん「Creemaの気になる世界」

動物たちの心に秘める寂寥感が心をほぐす - 造形作家・Tokoro masayasu  workさん「Creemaの気になる世界」

こんにちは、編集部の川越です。

 

ものづくりに対する思いや制作の様子など、作家さんの魅力を1分間の動画でご紹介する「Creemaの気になる世界」クリエイター編。今回は、レジンを用いて動物のオブジェやブローチなどを制作する造形作家のTokoro masayasu work・所さんをご紹介します。

 

古道具屋さんや蚤の市で出会うようなアンティークの風合いは、レジンでできているときいたら誰しもが驚いてしまうはず。そんな私も、所さんからこのお話を初めて伺ったときは「え!そうなんですか!」とつい口から漏れてしまいました。

 

見ているだけでほっこりと優しい気持ちになれるような作品たちは一体どのように作られているのか……。まずは、動画をご覧ください。

ー制作工程について教えていただけますか?

実は、作品を生み出し続ける中で制作工程が変わりました。以前は彫刻刀で木を削り、その削ったものに着色をするというシンプルな手順で制作をしていました。

 

ただ、木には木目がありますよね。デザイン上、狐の足や、猫の尻尾など、色付け作業や型をとっている時に、ぱきっと折れちゃうことがあるんですよね。「あ、またやってしまったな……」と。そこで考えついたのが木をレジンに置き換えるという方法でした。木で原型となる型を作る作業は変わっていないのですが、今はさらにそれをレジンに起こし直すことで型を作っています。

 

木のままだと不安な部分もレジンに置き換えることで強度が増して、少しひっかかったくらいでは欠けないですし、カビにも強い。金具の接着工程においても、木だとネジなどで留めないと耐久性が心配だったところが、レジンであれば同じレジンで上から接着させることができるので、相性が良く、強度もかなり上がりました。この方法にすることで、木材の風合いや質感とレジンの良さである細部の強度、この2つの素材の良いところを掛け合わせて、より良い作品作りが可能になりました。

▲まずは、木をひと削り、ひと削り、平面のイラストを元に立体へと起こしていきます
▲木型をレジンに置き換える作業。固めたレジンが気持ち良いくらいにぱかっと外れました。この後レジンの凹凸を削り取り、縁を滑らかにしていきます

ーレジンでできていたのですね!どのようにしてレトロな風合いを出しているのですか

そうなんです。この話をすると驚かれる方ばかりですね。絵の具でレジンに色を塗ったあとにヴィンテージ感を出すために、グレーの絵の具で全体を塗りつぶしてしまうんです。そこを濡れた布で拭き取ることで、溝には濃い絵の具が残り、飛び出しているところは絵の具が拭き取られて地の色が出てくる。そういった工程を経て作品にヴィンテージ感を出しています。

▲透明のレジンに白の下地を塗り、色をつけていきます
▲グレイシングの作業で使う絵の具は、こんなに濃い色。せっかく綺麗に着色したのに、なんだかもったいない気もしてしまいますが、これが風合いを出す秘密だったとは驚きです
▲濃い絵の具を全体に塗り、濡れた布でさっと拭き取ると……。何十年も経たようなレトロな風合いに

ー作品たちの独特な世界観はどのように生み出されているのでしょう?

動物ときくと可愛らしさや元気さを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、僕の場合は動物たちから伝わってくる静けさや寂寥感を前面に出すようなテイストでデザインをしています。例えば、動物たちの綺麗でぱっちりとした引き込まれるような目も魅力の一つだと思うのですが、あえてそうせず、まぶたが降りていたり、目をつぶって瞑想していたりというような雰囲気で動物たちを表現しています。

 

デザインのベースは、ヨーロッパなど海外のコテっとした厚塗りの絵本ですね。そう言った世界観がもともと好きで、今でも作品作りの発想のコアな部分にあります。そんな平面の絵を自分なりに立体に起こしたらどうなるかな?面白いかな?という思いでデザインをしています。

 

そんなデザインの工程は、制作の中で特に大切にしている部分です。描いたイラストを立体に起こすことで、見える部分が変わってくることがあります。そこで、描いたものがどう立体になっていくのかというところを意識しながら作業しています。

▲こちらが見せていただいた作品の元になるイラスト。ここから立体になっていくなんて凄いです

ー作品を手にとった方に、どのように感じていただきたいですか?

作品ひとつひとつに小さな物語を込めてタイトルをつけていますので、作品たちの持っている無言の言葉を手にとった方に感じていただけたら嬉しいなと思っています。私の込めた物語を汲み取ってレビューをいただけることももちろん、この作品にはこういう側面もあるのかと、自分の知らない面をお客さまから教えていただけるのも新鮮でとても嬉しいですね。

「あなたが迷わぬように」

雪の積もる中、うさぎがランタンを持ってきてくれ暗い雪道を照らしてくれるというワンシーン。

この作品のように、困った時に手を差し伸べてくれる人がいてくれたら、そして自分も誰かにとってそういう存在であったら、という思いが込められています。ほっこりと優しい気持ちになれますね。

「冬のお買い物」

とある寒い日、親ギツネが手袋を持って家路を急ぐ、という物語。童話の中のキツネが飛び出したような雰囲気のある作品です。

小さな子ギツネへのプレゼントなのか、親の愛に心が温かくなり「雪がひどくならないように、気をつけて帰ってね」と声をかけたくなります。

 

ー今後の目標を教えていただけますか?

作家を始める前は元々は、大きな人形などを制作していました。そんな中で仕事を辞めるのをきっかけに、もっと皆さんに自分の作ったものを気軽に手にとっていただきたいなと思い、身につけやすいアクセサリーを作るようになりました。なので、今は動物のブローチの制作が主なのですが、今後は以前作っていたような大きめの人形やオブジェなどの制作にも力を入れていきたいなと思っています。 

インタビューを終えて

制作の様子を実際に見学させていただき、作品が生まれる瞬間に立ち会うことに、改めて「感動……!」しました。

 

日頃サイトで見ていた作品が、アイデアからこんな風に形になって、その作品には作家さんのどんな想いが詰まっているのか、身をもって感じさせていただいたとても素敵な時間でした。

 

何十年をもの時を経てきたような哀愁漂う動物たちの姿は、たゆまぬ工夫の積み重ねと、ものづくりや作品を大切に想う気持ちが元になっているのかもしれませんね。

 

所さんが作品たちに込めた小さな物語が、たくさんの方へ届き、皆さんの心をほぐしてくれますよう。

Tokoro masayasu workさんのギャラリーページはこちら

過去の作り手インタビューはこちら

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