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クリエイターを支える、革の卸売とは?ハシモト産業「バーチャル展示会」潜入レポート

2020.09.04
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クリエイターを支える、革の卸売とは?ハシモト産業「バーチャル展示会」潜入レポート

こんにちは、クリーマの石渡です。

みなさんは、栃木レザーをご存知ですか?

革に興味のある方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、国内外問わず評価され続けている日本最高峰の革素材であり、Creemaにも栃木レザーを使用した作品が7,500点以上も出品されています。

日本最高峰のタンナー「栃木レザー」、「新喜皮革」

伝統を引き継ぎ、品質を維持され続けてきた両社の革は、使い込むほどに色艶もしっとり変化していき、永く使い込みたくなるまさに“革らしい革”。身近な例では、お財布やスマホケース、バッグ、靴など生活の様々なシーンで私たちの暮らしに寄り添ってくれています。

 

今もなお多くのクリエイターに命を吹き込まれ、新たな作品・製品となり作られ続けています。

クリエイターと製造元をつなぐ「革の卸売」というお仕事

そして、その裏側でクリエイターを支え続けているのが「革の卸売」というお仕事。

今回は、革の卸売を手掛けるハシモト産業が主催するオンライン上の革の展示会「バーチャル展示会」の設営会場に潜入してきました。

▲ハシモト産業 橋本社長

そして、毎日革に触れ、お客様と製造元の想いを繋げてきたハシモト産業の橋本信一社長に、よりどりみどりの革がならぶ展示会場をご案内いただきながら、ハシモト産業の革に対する情熱や、素材の魅力からクリエイターへの思いまで、たっぷり語っていただきました。

革の魅力はもちろんのこと、クリエイターのものづくりを支える革の卸売という仕事についても、楽しみながら知っていただけたら、と思います。

いざ、バーチャル展示会の設営現場へ

さて、早速ハシモト産業さんが構える展示会場へと足を運びます。ガラス張りのギャラリーの中に入ると、その広い空間の中に色鮮やかな革が吊り下げられ、圧倒されます……!

まるで迷路のよう……。
▲大きな革が、壁に貼りつくように展示されているこんな所も。

バーチャル展示会とは

通常の展示会を、オンライン上で公開し、クリエイターはもちろん、どなたでもオンライン上で革選びを楽しめる革の展示会です。実際に近くで手にとって革を眺めているような体験がオンライン上で可能になる、皮革業界初の試みです。詳細はこちら→https://hashimotoexhibition.com/

今回は、撮影のために作られた展示会場にお邪魔し、ハシモト産業が扱う革の魅力や、この展示会の開催に至るきっかけ、クリエイターさんとの向き合い方について社長にお話を伺いました。社長、よろしくお願いいたします!

(左:橋本社長、右:クリーマ石渡)

ーー「オンライン展示会」を決断した背景について、教えてください。

今私たちもこうしてマスクをして話していますが、コロナがきっかけですね。

従来、1枚1枚個体差のある革素材について、お客様と一緒に直接触れながら対話し、丁寧な販売を心掛けてきましたが、今回のコロナ禍において国内外で予定していた展示会は全て中止。膝を突き合わせて対話をする機会が奪われてしまいました。

そこで、「いつでも、どこでも展示ができる」バーチャル展示会という選択肢を見つけ、そこに飛び込むことにしました。今こそ「新たなコミュニケーションの場」を構築するチャンスだと思います。

まずは弊社を知って頂く。その為のツールとしては非常に有効だと考えています。

オンラインをきっかけに海外や地方の方々など、従来の展示会スタイルでは出会えなかったお客様と結びつき、皮革(ひかく)という素材の素晴らしさをより多く方々に体感して頂きたい。そんな想いで、今回のバーチャル展示会の開催に至りました。

▲社長が一番好きだという、ベジタブルタンニン鞣しの牛革「オイルバケッタ」
※ベジタブルタンニン鞣し革:植物に含まれる渋(タンニン)で鞣され、使い込むほど経年変化が楽しめる本来の革の良さが詰まった革。5~10年経ってやっと完成品になるため、展示している革は、本来持っている魅力がまだ30%も出ていない若い状態だという。
▲手に取ってみると、硬く重厚感のある風合い。
部分部分によって革の表面の繊維の詰まり具合も変化しています。時間をかけて丁寧に鞣しているので繊維がしっかりしており、くしゃっと両手で摘んでも、水性染料なので色が中から出てくることで、跡が残ることは無いそう。これが栃木レザーの持つ一番の特徴です。
▲クローム鞣しのグローブ革
クローム鞣し革:化学薬品で鞣す近代的な手法で製造された革。
発色が良く薄くした際の引裂き等にも強い特徴を持っています。
ピンクやブルーなど鮮やかな色や軽さの求められる製品などに採用されるので女性人気が高いです。
▲しっとり、柔らかい質感が特徴で、カバンなどに使用される事も。
▲実際にクローム鞣しが使用されたカバンも展示されていました。クローム鞣しだからこそ、鮮やかでパキッとした色が出て、コーディネートの差し色になりそうです。
▲コンビ鞣し革:クローム鞣しの後にタンニン成分を浸透させたり、また逆にタンニン鞣しの後にクローム成分を浸透させる製法。色が鮮やかで傷に強いというクロームの良さと、経年変化が楽しめ味が出る、タンニンの良さを併せ持つ良いとこどりな革。

そんな思いで、開催される「バーチャル展示会」。展示会をあきらめるのではなく、新しい形にチャレンジして開催しよう!というハシモト産業さんの決意の裏には、革の卸売りを手掛けるお仕事ならではの、クリエイターに対するこんな想いも込められています。

始まりは、革紐メーカーだった

まずは革のテープを世の中に広めたい!と思い、革テープの販売をしたのがハシモト産業のはじまりです。当時は、革の卸売りは副業としての立ち位置でした。そこから、お客さんがテープを自由に開発できるような、テープ専用の革を作るようになったんです。


以後、お客様の要望に合わせて色が増えていきまして、3色4色から始まり、最終的には65色ぐらいまで増えてしまいました。普通の革の材料屋さんも「色々な革の色があるから」と、我々の革を買いにきてくださるようにもなりました。

 

それらがきっかけで、在庫を積むようになり、革の卸売に力を入れ始めました。

お客様の要望に全力で応える」これが我々のモットーです。

普通の材料屋さんだと、季節によって革の色や特徴が変わるんですよね。ですが、我々は一度お客様に出した色はずっと継続し、お客様の要望に合わせ、オリジナル素材を開発するので今後もどんどん新たな商材が増えていくと思います。在庫が増えて大変な部分はありますが(笑)。

今ではテープ以外にお客様の要望に合わせて他の物も色々と製作していますし、東京、大阪、九州と支店があるので、革の色や種類は自分でも把握できていないほどですね。

素材提供だけでは終わらせたくない気持ちがあります。もっとクリエイターさんの皆さんと一緒にものづくりをするということが、我々の一番の目的であり、願いです。

ーークリエイターさんとの距離がとても近いように感じますね。

その距離の近さというのは元々、我々ハシモト産業が革の卸売ではなく、革紐をメインに製造している事により“作り手側の気持ちがわかる”ということも深く関係しているのかもしれません。

もっとコミュニケーションをとっていきたいと考えていますし、クリエイターさんの制作の相談にも乗ります。中には設計図を見せてもらって相談に乗っている事もあります。

 

「この革を買いに来ました!」って人よりも、「次これ作りたいんだけどどんな革がいいの?」と相談しに来る方はとても多くいらっしゃいますね。

今となっては、お客様の中には、既存のメーカーさんはほとんどなく、ほとんどクリエイターさんがお客様になって頂いているんです。もともと2、3人から革製品を作り始め、そこから少しずつ大きくなり成長していったというお客様が多いです。

そして、栃木レザーの評価が高まっているというのも、クリエイターの皆様が、日々作品を作り続けているからだと考えております。

▲馬革(うまがわ)
馬は牛よりも繊維が細かく、軽くて丈夫。その中でも馬の臀部(でんぶ)を使用する“コードバン”は革のダイアモンドと呼ばれるほどの高級品。ハシモト産業で取り扱う馬革は世界的にも有名なタンナー「新喜皮革」製です。

ーー実際に、ハシモト産業さんの革を使用されたお客様とのエピソードはありますか?

以前、弊社とは別の卸業者から革を仕入れたことのあるお客様から、「ある卸業者では、仕入れた当初から革のクオリティの変化があり、困っているんです」という相談を受けました。

聞いていくとその方はキズや色ブレなどに対して不満を持っているのではなく「どうして以前と同じようにはできないのか?」という純粋な疑問をお持ちのようでした。

天然素材を取り扱う上で品質を安定させる事は非常に難しい事です。そこには製造元である“タンナー”と革を実際に製品にする“作り手”との温度差が常に発生しています。

ただその方がお付き合いしていた卸業者の担当者はその温度差を「革は天然物だから」の一方通行の回答で済ませていたそうです。

大切なのは、徹底した対話。

そこで私共がそのお客様に行ったことは徹底した“対話”です。

作り手の方の要望をしっかりとタンナーへ伝えて一方で作り手の方へはタンナーがその企画に対して抱える問題点や天然素材の本質をその都度丁寧に説明しました。

やはり実情を知ることはとても大事で双方が歩み寄りを行うことでいいものづくりが出来ます。

作り手は革の本質を理解することでより革でしかできない魅力的なプロダクトを生み出せます。

▲馬革で作られたジャケット

またタンナーも作り手の想いに触れることで技術開発が進み新たな素材を生み出せます。ご相談をきっかけに、今ではその方への素材提供を弊社でお手伝いさせていただいています。

後日分かった事なのですが以前の卸業者の仕入れ先は私共が仕入れているタンナーと同じでした。またそのタンナーの担当者も同じだったのです。

その事から改めて作り手と製造元を繋ぐ“対話”の重要性を実感しました。

私共はその想いをつなげる役割を果たすべきなのだと思います。そこに対する時間とコストはしっかりと掛けて行きたいと考えています。

ーーここまでコミュニケーションを密にとる卸売業者さんって、他にあるんでしょうか。

まずものづくりが、素材屋さんではできないですよね。

なので、一人のお客さんが相談から入り何回も来られることによって次第に自然に関係は深くなっていきます。

とにかくクリエイターさんが作りたい!と思う作品のため、我々が切磋琢磨し、その作品が実現できるようサポートしていきたいですね。

また、革と作品の相性には、向き不向きもあります。我々の提供する革に限らず、他の革の方が向いている場合や実現ができない場合は、他の卸売をご案内する事もありますし、何よりクリエイターさんの希望を叶えることを徹底しています。

 

まさにクリエイターとタンナーの架け橋となるようなポジションにいるのが、ハシモト産業さん。では、ここからはクリエイターさんとの関わりについて伺ってみます。

ーーハシモト産業さんの革は、どんな革製品にご使用いただきたいですか?

用途についてのこだわりはありませんが、革でしかできない表現や製法にこだわりを持っている方に使用して頂ければと思います。

私たちも革に対して愛着や感謝の気持ちをもって接しているので同じように革を愛してくれる方々とのお付き合いが増えれば幸いです。

ーークリエイターの皆さんと、どのように向き合いたいと考えていらっしゃいますか?

これから僕らがやっていきたいのは、ただ単にクリエイターの方へ新しい革を提供するだけではなく、クリエイターの皆さんと一緒に新しいものを産み、一緒に作り上げて行きたいというのが一つの大きな目標です。

クリエイターさんのオリジナルのアイデア・要望を、素材から形に至るまで協力することができますので、そこが私たちの強みだと思っています。

作家さんお一人で、革の仕入れから行うとどうしても端材、ロスが出てしまう場合がありますが、僕らを活用していただければ、革の提供、裁断、加工と行えますので、クリエイターさんも作業が捗り制作時間を充実させる事もできると考えております。

ぜひ、Creemaのクリエイターさんには、僕らを活用していただいて、一緒に新しい作品を作り上げられたらと考えております。

▲ちなみに、Creema内でも革の販売を開始しております。
こちらでは、限定一点物の革のみ、特別に販売しておりますので、ぜひチェックしてみてください!

ーー最後に、Creemaのクリエイター様に向けてメッセージをお願いします。

SNSが発達した現代において発信が容易に行えるようになりました。

そんな中でCreemaというプラットフォームが賑わいを見せていることは必然のように感じています。

これまで栃木レザーをはじめとした弊社の素材は“革本来の風合いを活かす”をテーマに開発、販売を行ってきました。

当初から百貨店や大手メーカーに採用される事は少なく20~30代の若手クリエイターの方々に支持されながらその方達の成長と共に弊社も歩んできました。

私たちはいつの時代も素材と向き合うクリエイターの方達から刺激を受け続けています。

そんな皆様のものづくりのサポートを全力で行っていけたらと思っています。

共に新たな時代を歩めることを願っております。

取材を終えて

終始広い会場に社長の朗らかな関西弁と笑い声が響き渡っていたこのインタビュー。そんな社長とスタッフの皆様のおかげで、私も革について興味深く取材をすることができました。

 

クリエイターに近い距離で寄り添い、支え合うハシモト産業。今もなおクリエイターさんからの相談もたくさんあるそうで、それほど厚く信頼されているということが、社長の人柄から納得できました。

この記事を読んでくださった皆様、ぜひ今ならではの「バーチャル展示会」で、おうちで革の魅力に触れ、今しかできない体験をしてみませんか?

橋本社長、そしてスタッフの皆様、この度は本当にありがとうございました!

※本記事は、ハシモト産業株式会社より委託を受け、株式会社クリーマが制作させていただいております。

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