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リネン生地の魅力、特徴って?リネンの魅力あふれる夏のファッションアイテム

この頃は雨が続きじっとりとしたり、かと思えば日中には気温があがったり……初夏の訪れを感じる気候となりました。みなさんはこの夏に必要なものの準備、はじめていますか?
湿気の多い梅雨時期や夏といえば、肌触りのよい質感や、涼しさを感じさせてくれるアイテムが欲しくなりますよね。特に恋しくなる素材と言えば、リネン(麻)素材。
リネンは通気性の良さやさらさらとした肌触りなど、夏にぴったりな素材です。今回は、これからの季節にぴったりのリネン生地の歴史や特徴、リネンの魅力を生かした作品をご紹介します!
リネンの原料は?

リネンを語る上で欠かせないのが、フラックスと呼ばれる亜麻科の植物です。フラックスはリネンの原料となる植物で、気温の低い地域で栽培されています。海外では、フランス北部のフランドル地方や、ベルギーが主な生産地として知られています。
フラックスは日本国内でも、古くは種を薬として使うために栽培されてきました。明治から昭和時代にかけて、繊維を使用するために北海道地方で多く生産されるようになりました。
フラックスの良いところは、生育がとても良く、除草剤や肥料などの力を借りなくとも栽培が可能というところです。そのため、地球環境に優しい植物とも言われています。こうした特徴を持つフラックスを乾燥させて、茎の繊維から取った糸がリネンと呼ばれています。
リネンと麻との違いは?
リネンは時に麻と呼ばれることも多いですが、実は、「麻」という言葉は植物の繊維を総称した呼び名なんです。
先ほど述べたように、リネンは、フラックスという植物の繊維から作られています。そのため、リネンは麻というジャンルの一つととらえることができます。
リネンの他にも、ラミー(苧麻 ちょま)、ジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ヘンプ(大麻)など、植物の繊維を使用した麻は数多く存在します。
その用途も様々で、リネンやラミーは主に衣類に、ジュートはカーペット類、ヘンプはロープなどに使用されています。
リネンの歴史。リネンは元々、どこで作られたもの?
今でこそ私たちにとってとても身近なリネン生地。一体いつ・どこで使われ始めたものなのでしょうか。実はリネンは、人類が使用した最古の繊維だと言われています。
有史で確認できる限り、リネンがはじめて繊維として使われ始めたのは、紀元前8000年頃。人類最古の文明・メソポタミア文明が生まれたチグリス川、ユーフラテス川付近で使われ始めました。
その後、エジプトでも神事や儀式に使用されたり、古代ギリシャやローマでは上流階級が純白のリネンを大切にするなど、高級素材として大切に扱われます。そんなリネンがより一般的になったのは、12世紀のヨーロッパ。織物産業や技術が発展したことからリネンの織物が流行り、庶民にとってもリネンが身近なものになったのです。
西アジアを発端に、ヨーロッパを渡り、その過程で技術が進歩し高級品から一般的な素材に……。リネンという素材が、世界中で古くから愛されてきたことがよく分かります。
今でも、中世ヨーロッパで使われていたアンティークリネンは貴重なものとして、高値で取引されているそうですよ。
リネンの4つの特徴
・使えば使うほど、肌になじむ柔らかさ
リネンといえば、あのなんとも言えない肌触りが特徴ですよね。はじめは、しゃりしゃりっと固めの質感でも、洗えば洗うほど柔らかな質感になっていきます。時間をかけて、使えば使うほどに、肌に馴染んでいくのがリネンの魅力です。
・丈夫で長持ちする
生地が丈夫で長持ちするかどうか。長く使いたいお洋服を選ぶうえで、意外と大切なポイントかと思います。
植物由来のリネンは、繊維がしっかりした生地であるために、耐久性も安心◎ さらに水を吸収すると繊維の強さが増すため、洗濯を繰り返しても丈夫さが保たれます。
・汚れにくい
リネンは、繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが染み込みにくく、うっかり汚してしまっても汚れを落としやすいのだそう。洗濯にも強いから、衛生面においても安心です。そのため、キッチンクロスとしても使われております。
・通気性と保湿性
リネンと言えばまず思い浮かぶのが通気性の良さ。夏場には汗など余計な水分をすぐに外に逃がしてくれます。
それだけではなく、繊維の中に空洞があるから、冬場には体温で温まった空気を含んでくれます。
夏のイメージが強いリネンですが、内側に着こむことで冬場にも活躍してくれる素材です。
今年の夏はこれ!リネンを使ったファッションアイテム
上記でご紹介した以外にも、発色の良さや毛羽立ちにくさなど、たくさんの魅力があるリネン生地。Creemaでも、リネン生地を使用した洋服やバッグは注目を集めています!
今回は、この夏を快適&おしゃれに彩ってくれる、おすすめのファッションアイテムをご紹介します!
夏らしさもあり着心地も快適!リネンのお洋服
「上質な素材」「丁寧な縫製」を大切に、上品かつ個性的な大人向けファッション作品を一つひとつ大事に作られているcucu 「ハレノチネコ」さん。リネン生地ならではの質感と、脇下から袖にかけて広がる花柄の切り返しの組み合わせが目を惹きますね。
ゆったりとした形のワンピースなので体系もカバーしつつ、美しいシルエットを演出してくれます。リネン特有のシンプルさも欲しいけど、適度なアクセントもほしい……!という方におすすめの、こなれ感のあるワンピースです。
淡いくるみ色の生地に、風に揺れる様子が目に見えてきそうなゆったりとしたドレープ。子ども服販売の経験を活かして、リネン生地を使った洋服やエプロン作家として活躍されているE'PICEさんのエプロンワンピースです。背面の紐のクロスとリボンのあしらいが、さりげないアクセントに。
ゆったりとしたラインが休日のワンマイルコーデに取り入れられるのはもちろんのこと、エプロンやマタニティウェアとしても違和感なく、日常の様々な場面で活躍してくれます。
洋裁一筋25年のお母様とともに、パタンナーとして活躍しているmako&rokoさん。主張しすぎないナチュラルなブラウングレーと上品な七分袖の組み合わせで、オンオフどちらでも使えそう……! ウェストラインに入ったギャザーによって、生地に影が入り、場所によって濃淡のコントラストができている様子も美しいですね。
休日のお出かけをいつもより華やかにしてくれたり、夏はもちろんのこと、七分袖なのでオールシーズン活躍してくれるワンピースです。
シックで知的な印象の色味がとても美しい、ビリジアングリーンのギャザーパンツ。身長が高く、お店に売っている洋服のサイズが合わなかったことをきっかけに、16歳から自分でお洋服作りを始めたというcouleur de fleurさん。ガウチョパンツなので動きやすく、かつフレアスカートのようなシルエットで上品さや華やかさも演出してくれます。
今年トレンドのブラウスなどを組み合わせて、お散歩を楽しみたくなりますね。
Petal*さんの、ふわっとしたシルエットで履きやすく、コーディネートもしやすいワイドパンツ。季節感を感じるホワイトに、リネン生地のナチュラルさが加わることで、甘すぎない落ち着いた雰囲気で着こなせそうです!
裏地が二枚仕立てになっているので、透けるのを心配しなくても大丈夫。着回ししやすいデザインなので、いろんな色のトップスや、アクセサリーとの組み合わせを楽しんでみてください。
ぶたのしっぽさんの、たっぷりとしたギャザーが華やかなガウチョパンツ。スカートのような柔らかさと可憐さもありますね。薄紫色が紫陽花や藤の花のようで、初夏や夏の季節に映えそうです。
こちらはコットンリネンなので、リネンの持つさらさら感に綿のやわらかさをプラス。ゆったりとしたウエストゴムなので、外出先はもちろん、おうちでくつろぐときにもおすすめ◎
コーデのワンポイントや冷え対策にも。リネンのストール
“肌に触れて気持ちの良いもの”をテーマに、リネンやコットン等の天然素材からストールやスカートを製作されているDeco de Rさん。ヴィンテージリネンのような深みある亜麻色と、適度なシャリ感が大人っぽいストールです。
リネンらしい細かなシワの出方で、ナチュラルで繊細な印象に。リネン好きさんにもファンの多い生地だそうですよ。
手編みで、素材にこだわったストールを手掛けるbotanyuki*さん。リネンで編み出された花模様がなんとも繊細で華やか! 室内でもアクセサリー感覚として羽織れるストールです。いつものコーディネートの上にさっと羽織れば、また違った印象も楽しめそう。贈り物としてもおすすめです。
Joli Bouquetさんの、一見シャツにも見えるようなリネンのストール。こちらは上半身を包み込んでくれるほどの大ぶりなストールなので、首元だけではなく、体を冷やしやすい人にもおすすめ。もちろん、通常のストールのように首元に巻いて使うこともできるので、様々なシチューエーションで使い分けることが可能です。
軽やかで丈夫!リネンのバッグで季節感を取り入れよう
alinさんの、リネン特有の色味と柔らかさ、そして適度なボリューム感が特徴のあずま袋。あずま袋とは、2枚の布を縫い合わせることでできる袋のことで、そのナチュラルな見た目と容量の大きさから愛用者が増えています。メインバッグとしてはもちろんですが、リネン生地なので小さく畳んでしまうこともできます。お買い物の際に、サブバッグとしても活躍してくれそうですね。
Grandirさんの、リトアニア産の織りの美しいリネンから作られたシンプルなトートバッグ。たっぷりの収納力で、どんなシチュエーションにも似合うバックです。ブルーグレーのタッセルがほどよいポイントになっており、涼し気な印象。通勤用にも、休日のお出かけにもおすすめです。
生地目に沿った裁断、ミシン目のピッチ、ステッチ幅……そうした一つひとつの工程にこだわり、デザインから縫製まで全てを手掛けるBluemさん。裏地の色や、持ち手の長さも変更が可能なトートバッグです。たっぷりのマチで収納力がありますが、ほどよいカジュアル感のあるリネン生地なのでデイリーユースにもぴったり!
蒸し暑くなってきたら、リネン素材を取り入れて涼やかに。
じめじめとした梅雨や、蒸し暑い夏になると恋しくなるリネン生地。
時代を問わずに世界中で使われてきたのには、その機能性はもちろん、肌触りのよさや独特の質感に魅了される人が後を絶たなかったからかもしれませんね。
夏はまだまだこれからですが、一足先に涼しげなファッションアイテムを揃えて、ワードロープを豊かにしながら、これからの季節に備えてみてはいかがでしょうか。