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皇室の祝い事にも!幸せ呼ぶ器「ボンボニエール」とは?
皆さんは、どんな瞬間に幸せを感じますか?
とても些細なことですが、私は甘いお菓子を味わうひと時に幸せを感じます。甘いものを食べている時は、自然と気持ちがほぐれて安らぐもの。
忙しない日々の中で小さな幸せをくれるお菓子たち……そんなお菓子をかわいく入れられる「ボンボニエール」という器をご存知ですか?
Creemaで出品されているのを見かけたのが、私とボンボニエールとの出会い。思わず声に出して読み上げたくなるネーミングと佇まいの可愛らしさに、心がときめきました。
実は可愛らしいボンボニエールには、高貴な歴史や様々な魅力が隠されていたのです。今回は調べてみると奥が深いボンボニエールの世界をご紹介します。
目次
● ボンボニエールとは?
− 発祥の地はヨーロッパ
− 皇室の引き出物として、現代でも活躍
● ボンボニエールの魅力
魅力1 いくつも集めたくなる、かわいらしいビジュアル
魅力2 砂糖菓子以外にも◎小物入れにもなる実用性
魅力3 インテリアとして、飾って楽しめる
魅力4「幸せが宿る器」とも呼ばれる、縁起の良さ
● Creemaで出会えるボンボニエール
● ボンボニエールで、暮らしに小さな幸せを。
ボンボニエールとは?
発祥の地はヨーロッパ
ボンボニエールとは、皇室の慶事の際に配られる小さな菓子器のことです。その可愛らしい名前は、フランス語の砂糖菓子「bonbon」から名付けられています。
ちなみに「bonbon」の語源は、フランス語の「bon」(意味:よい、美味しい)という形容詞を2つ重ねた幼児語で、日本語でいうと「うまうま」といったところでしょうか。
フルーツやナッツを、砂糖から作った殻で包んだお菓子がbonbonと呼ばれ、砂糖以外にチョコレートでコーティングされたものもあります。日本ではウイスキーをチョコレートで包んだ「ウイスキーボンボン」などが馴染深いのではないでしょうか。
そもそもボンボニエール発祥の地はヨーロッパ。出産や結婚式などの祝事の際に砂糖菓子を配る風習があり、そこで使用されていた菓子器が「ボンボニエール」と呼ばれていました。
皇室の引き出物として、現代でも活躍
お祝いの品として贈られていたため、装飾は華やかで細やかな意匠が施されているものが多く、まさに小さな工芸品です。
日本に初めて登場したのは、明治22年。皇室の慶事(憲法発布記念式典)での引き出物としてボンボニエールが配布されるようになりました。
当初は皇室・皇族の間で出回っていましたが、大正~昭和10(1912 ~ 1935)年代前半に大流行を迎えると、企業や一般家庭にまでその慣習が広がっていきました。
当初は「ボンボニエール」という名前ではなく、「ボンボニー」「ボンボン入れ」など様々な呼ばれ方をされ、徐々に「ボンボニエール」という名前が定着していきました。現代の皇室でも、この慣習は続いています。
ボンボニエールの魅力
魅力1 いくつも集めたくなる、かわいらしいビジュアル
ころんとした小さな器に、華やかな装飾が施されているので、手に乗せてじっくりと眺めてたくなる可愛らしさです。小さなサイズだからこそ、お気に入りのものをいくつも集めたい!という気持ちになりませんか?
魅力2 砂糖菓子以外にも◎小物入れにもなる実用性
主に金平糖などの砂糖菓子を入れる、というのが本来の使い方ですが、蓋付きなので小物を入れることも。デスク周りに置いて、細々としたものを収納するのもおすすめです。
小さい器なので、お気に入りの指輪やピアスをそっと入れれば、より愛着が湧きそうですね。
魅力3 インテリアとして、飾って楽しめる。
華やかな装飾が施された小さな工芸品・ボンボニエールは、小さいながら存在感抜群。玄関や、リビングなどのちょっとしたスペースに飾れば、お部屋のアクセントにもなってくれそうですね。
お菓子をそっと忍ばせつつ、お部屋のインテリアとして飾っておけば、お子さんに見つからずに糖分補給もできるかもしれません(笑)
魅力4「幸せが宿る器」とも呼ばれる、縁起の良さ。
高貴な歴史をもつボンボニエールは、「幸せが宿る器」とも呼ばれています。
出産祝いや結婚式などのシーンに留まらず、誕生日祝いやちょっとしたギフトとして贈っても喜んでもらえそうです。相手の好きな色や形、装飾のものをプレゼントすれば、小さな幸せも一緒に届けてくれそうですね。
Creemaで出会えるボンボニエール
ここからはCreemaで販売されているボンボニエールをご紹介します。
丁寧に絵付けが施されたものから、漆の美しさが際立つものなどを集めました。お気に入りのボンボニエールと出会えますように。
京都・清水焼団地にある和食器ギャラリー、rakuさんで出品されているのが、「優雅な貴婦人」という花言葉を持つカトレアのボンボニエール。紫色を金で縁取られたカトレアが美しく描かれています。
主に折り紙・幾何学をモチーフにした器を手がけるplumbookさん。こちらのボンボニエールのモチーフは”宝石”です。その洗練されたシルエットには、可愛らしさの中にも上品さが感じられますね。
昭和7年(1932年)より続く京焼・清水焼の専門店清雅堂工房「陶谷窯」さんによる、鳥獣戯画のうさぎをモチーフにしたボンボニエール。京都の伝統と職人の遊び心が融合した、いきいきとした造形です。
櫻井窯 potterysakuraiさんのボンボニエールは、淡いペールグリーンのたまご型に、曲線で切り込みが入ったユニークなかたち。ろくろによる制作のため、たまごのかたちや切り込みの曲線は一つひとつ異なり、息遣いを感じる作品となっています。
会津塗漆蔵さんの、木地の温もりを活かしつつ、表面をきらきら光るパール粉を用いた会津塗で仕上げたボンボニエール。洋食のうつわとしても活用できそうです。凛としたたたずまいは、贈り物にもぴったり。
古くから漆器の盛んな町、和歌山県の海南市で漆を身近に感じながら創作活動を始めた伝統工芸士・漆屋はやしさん。美術品から普段使いできる器やアクセサリーなど、幅広いジャンルの作品を手がけられています。
そんな漆屋はやしさんが手がけるボンボニエールは、両手でそっと持ち上げられる大きめサイズ。まず目を惹くのは、鮮やかに染まった朱色です。
そして揺らいだような器の曲線は、花をイメージして仕上げられており、凛とした存在感があります。お部屋に並べるだけで、ぐっと空間が引き締まりそうですね。
ボンボニエールで、暮らしに小さな幸せを。
小さく愛らしいボンボニエールは、明治20年代より日本に登場し、祝事を通して多くの人々の幸せに寄り添い続けてきました。そばに置いておくと、心がちょっぴり豊かになって、幸せな気持ちになる。ボンボニエールにはそんな魅力もあるのかもしれません。
お菓子を入れてデスクにそっと置いたり、プレゼントとして贈って相手に小さな幸せを届けたり。とっておきのボンボニエールをひとつ、暮らしに迎えませんか。