BLOG
日本の「伝統色」をまとう。冬色アクセとファッション厳選14選

1月6日は「いろ(16)」の語呂合わせから、「色の日」として制定されています。カラーコーディネーターなど色に関わる職業の人の記念日として知られています。
皆さんにとって、色とはどんな存在でしょうか。
鮮やかな色に活力をもらったり、淡く優しい色に穏やかな心地になれたり。なんとなく惹かれてしまうその色にも、さまざまな由来や意味が込められているのかもしれません。美しい四季が楽しめる日本。季節の移り変わりを、伝統色とともに味わってみませんか。
今回は、色の中でも日本の感性や文化に紐づいた「日本の伝統色」と呼ばれる色やその成り立ち、美しい伝統色を感じるアクセサリー・ファッション作品をご紹介いたします。
縁起が良い神聖な色。朱色

魔除けや不老長寿の象徴とされる色で、黄色がかった赤色のことを指します。神社の鳥居など、日本の宮殿や神社仏閣で朱色のものを目にする機会が多いですよね。また近年御朱印帳という言葉もよく聞くようになりましたが、神社やお寺でいただく御朱印も、その名の通り朱色。神社仏閣との縁が深い色です。
私たちの暮らしで馴染深いものとしては、大事な書類に欠かせない朱肉もありますよね。また懐かしく感じる方も多いと思いますが、書道の時間に添削で使われたあの色も、赤ではなく朱色です。
ウルシハジメマシタさんの漆の椿ブローチ。緩やかな曲線は、ナイフで一つひとつ削って作られたもの。下地から全て漆が使われているので、劣化しにくいのも特徴です。漆器は「育てる器」と呼ばれており、時間の経過と共に艶が増していくので、そんな漆ならではの魅力も楽しめます。ヘアゴムに変更もできるので、用途に合わせてお選びいただけますよ。
朱色はコーデの差し色としてもぴったり。朱に近い鮮やかなレッドに魅了されるRAG-STOREさんのストールはいかがでしょうか。カシミア100%の心地よい肌触りに加えて、とことん風合いにもこだわった一品です。主に1960年代まで活躍していて現在希少となっている吊り編み機(旧式の編み機)を使用して編まれており、使い込むほどにやわらかな風合いが増し、手編みのような温もりも感じられます。
懐かしさ感じるハレの色。小豆色

小豆の実のように深みのある赤紫色。茶色がかっており、落ち着いた印象をもつ伝統色です。甘い餡の香りがふわっと漂ってきそうな色ですよね。
江戸時代の俳人・与謝蕪村(よさ ぶそん)が詠んだ「やぶいりの夢や小豆の煮えたるうち」という小豆にちなんだ俳句があります。「やぶいり」とは商家に仕える奉公人が正月と7月の16日前後に休暇をもらい親の元へ帰る期間のこと。帰省した我が子にご馳走するために小豆を煮る母と、実家に戻ってほっとしたのか、小豆を煮るわずかな時間でも眠ってしまう我が子の情景を捉えた句です。離れて暮らす親と子の久々の再会で、子どもを目一杯もてなしたいという母の愛情が感じられますね。そして、きっと温かいお部屋には小豆の香りが広がって……と実家が恋しくなるような、暖かな雰囲気が感じられる一句です。このご時世だからこそ、強く共感してしまいますね。
また小豆は古くから邪気を払う食材という伝承もあり、古くから無病息災を願って食べられてきました。赤は祈願の色という意味も込められており、子どものお食い初めなどの祝い事には赤飯が欠かせないものとなっています。
いすといすとさんの小豆色のレッグウォーマー。アームウォーマーとしても使えるので、冬場だけでなく夏場のクーラーによる冷え対策にもおすすめですよ。草木染めによるカラーバリエーションも豊富で、やわらかな風合いが楽しめます。天然素材と植物染料にこだわって作られたいすといすとさんの衣類は"至福の普段着"がコンセプト。自然由来の美しい色と肌に負担の少ないコットン素材で、見た目も着心地もほっこり。どんな日でも、リラックスして過ごせそうですね。
cluetoさんのリュック。ランドセルのようなシルエットに遊び心も感じられます。やさしい小豆色で、老若男女どなたでも使いやすいデザイン。通気性、耐久性に優れた岡山県の倉敷帆布が使用されており、A4サイズの書類もすっぽり入ります。収納に優れたポケットも多いので荷物が多い方も安心ですね。通勤・通学にもおすすめしたいリュックです。
ガラスビーズを使用した透明感のあるアクセサリーを中心に制作する、透明創造室さんのヘアゴム。ガラスを編み込んで作られており、すりガラスのような独特の透明感が魅力的です。和のテイスト感じる小豆色のアクセサリーは、和装にもおすすめ。まとめ髪のワンポイントに、おしとやかな雰囲気をプラスしてくれますよ。
古来より人気!永遠の定番。鉄紺

鉄色(緑味を帯びた鈍い青色)がかった紺色で、箱根駅伝の常連参加校でもある東洋大学のユニフォームの色、鉄紺。日本で多くの人々から親しまれた色の一つです。
藍染が盛んだった日本では、明度や彩度の違いで様々な紺色が存在しおり、鉄紺もその一つでした。そんな紺色は江戸時代では最も日常で愛され、需要が高かった色でした。現代においても紺色は、スーツなどのきっちりしたシーンでの着こなしから、普段着としてカジュアルシーンでの着こなしまで、どんなシーンにもフィットしてくれる定番人気のカラーです。
ちなみに鉄紺には、冷静・自己評価・独創という色言葉も込められています。冷静になりたい時、きっちりとした印象に見せたいときなどに鉄紺やネイビーのファッションアイテムを選んでみてもいいかもしれませんね。
リラックス着にもお出かけ着にもOK!mabatakiさんのオーバーオールです。並んだボタンが可愛らしく、シンプルながら個性のあるデザイン。素材には国産木綿が使用され、肌触りと着心地が抜群です。また、ポケットが両サイドに付いているのでちょっとした小物を入れられるのも嬉しいポイント。ベーシックカラーなので、季節や流行に関わらず長く愛用できます。
鉄紺のタティングレースに淡水パールが揺れるfilo(フィーロ)さんのピアス。『シャトル』という糸巻きを使って糸を指に絡めながらレースを編み上げる技法、"タティングレース"で作られたアクセサリーです。使用されているレースは、京都 西陣織で有名な西陣の着物染色の技術で手染めされたこだわりの鉄紺色。繊細なレースに、鏡を見るたびに心がときめいてしまいそうですね。
刺繍好きなnicoさんとあみもの好きなmitoさんによるユニット・nicomitoさんが作るトートバッグ。鎌倉の小さな工房にて、帆布のリバーシブルトートバックを中心に制作されています。マチが広いので、お弁当や財布、ペットボトルなどもすっぽり。やや厚手で丈夫な生地なので型崩れもしにくくなっています。
裏返せばシンプルなデザインも楽しめるリバーシブル仕様なので、その日のコーデの雰囲気に合わせて使用できます。特殊ワッシャー加工が施された帆布が使用され、シワのある風合いも魅力的です。
江戸っ子のおしゃれ心が生んだ粋な色、銀鼠

ほんのり青味を含んだ明るい灰色、銀鼠(ぎんねず)。金属の錫(すず)の色に似ていることから、古くは「錫色」とも呼ばれていました。
銀鼠が誕生したきっかけは、江戸時代の「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」と呼ばれる贅沢を禁ずる法令でした。人々は派手な着物を着ることができなくなり、そんな中で需要が高まったのが地味な色とされていた茶系や鼠系の灰色。わずかな色の濃淡を組み合わせて着こなしを楽しむことが大流行し、「四十八茶百鼠」と呼ばれるほど多彩の色を生み出しました。
どんな社会状況であっても、おしゃれを諦めたくない!という気持ちは今も昔も変わらないものだったのですね。
銀鼠色のheliodorさんのピアス。花びらがふんわりと浮き上がった立体的なデザインで、耳元で小さなお花が咲いているようです。銀鼠色の刺繍糸で仕上げられた花びらの中には、西陣織にも使用される金糸が上品に輝きます。パールやメタルビーズの輝きも相まって、可愛らしさと上品さを併せ持ったピアスですね。和にも洋にもマッチしてくれますよ。
伝統工芸とカジュアルファッションを掛け合わせた作品を制作する作家・ツムギラボさんの作品です。裾以外を黒染めしたネルシャツ"スソノコシ"は、裾のみ銀鼠を重ねられた一品。
名古屋の伝統工芸である名古屋黒紋付染の職人によって、一枚一枚手染めされています。黒と銀鼠の組み合わせは、ピンと張り詰めたような冬特有の空気感も漂っているよう。日本の冬がより美しく感じられるような一着です。
「春夏秋冬、寄り添う」をテーマに、麻ひもバッグの制作を行うキラメキ雑貨店さんの麻ひものバッグ。ころんとした可愛らしいフォルムですが、長財布や500mlのペットボトルも入り収納力も◎持ち手部分には包み編みが施されているので丈夫で、たくさん物を入れても伸びにくくしっかりと持ち運べます。麻ひもは焼却しても土に還り肥料にもなる、環境にやさしい素材のひとつなので、おしゃれをしながらサスティナブルの意識も高まりそうですね。
英語では「Japan」!漆黒

伝統色の中で一番暗い色が、漆黒。艶のある黒髪を「漆黒の髪」、手元すら見えないほどの真っ暗闇を「漆黒の闇」と例えるほど、深い黒さを誇る色です。色が褪せないことから、純黒(じゅんこく)とも呼ばれています。
また漆黒には「漆」という漢字も使われていることから、漆器を思い浮かべる方もいるかもしれません。日本は英語で「Japan」ですが、漆器の英訳も「Japan」!それほど日本の伝統的な工芸品として海外にも知れ渡っているのでしょう。そんな漆器は縄文時代の遺跡からも発掘されていたほど、古くから人々に愛されてきた器なのです。
SOARA another lineさんの耳飾り。日本の伝統工芸品である美濃焼タイルに漆黒の釉薬が艶か。漆黒をさらに引き立てるように、可憐なレースフラワーもあしらわれています。レースフラワーは「感謝」「繊細」「可憐な心」「細やかな愛」の花言葉を持つお花。日頃の感謝の気持ちを込めて、親しい方への贈り物としても喜んでもらえるのではないでしょうか。
HANEANT KOBE ハネアント神戸さんのバッグで、大人なオールブラックコーデを楽しんでみるのもいいですね。思わず触れたくなるような全面もこもこのエコファーが、今の季節にぴったりなショルダーバッグ【DouDou】は、デザインの可愛らしさだけでなく、3wayで楽しめる使い勝手の良さも◎ 肩からかけるだけでなく、斜めがけにしたり、チェーンを外してクラッチバッグにしたりとシーンに合わせた使い方ができます。その使い勝手の良さは、作家さん自らが使い、改良して何度も作り直すことで生まれています。
軽いのにボリュームたっぷり!ノグチニットさんのマフラーです。まるでマシュマロのようなもこもこ、ふわふわな手触りが楽しめます。縄を編んだようなきれいな模様(縄柄:なわがら)がデザインされ、シンプルな中にも作り手のこだわりが伺えます。長さは約160cmと巻きやすい長さなので、くるくるっと巻きつけたり、輪っかに通したり……とマフラーだからこそ様々なアレンジにもトライしてみては?巻き方を覚えれば、寒い冬がもっと楽しめそうですね。
季節の移り変わりを、伝統色と愉しんで
今回は、冬をイメージさせる日本の伝統色5色をご紹介しました。色に込められた意味や時代背景を知ることで、より日本の景色が美しく感じられるかもしれません。
これからも季節の変わり目に、四季をうつす日本の伝統色の由来や、色を楽しむアクセサリー・ファッションアイテムをご紹介していきます。 歴史ある素敵な名前の色を身にまとって、四季の移り変わりを愉しんでみてはいかがでしょうか。