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日本の「伝統色」をまとう。冬の5色の由来と、季節のうつろいを感じる作品

日本の「伝統色」をまとう。冬の5色の由来と、季節のうつろいを感じる作品

さまざまな色のなかでも、日本で古くから親しまれてきたのが「日本の伝統色」。季節の花々や、空、動物や食べ物など、身の回りの色を繊細に感じ取り、装いに取り入れてきました。たとえば、透けるほど薄い着物を重ね着して表現する「襲(かさね)の色目」。身にまとう色の組み合わせで四季のうつろいを表現するのは、日本独特の美意識といわれています。

今回は、日本の伝統色のなかでも、冬の色とされる5色を、由来やエピソードとともにご紹介します。それぞれの色を身近に感じられる作品もさがしてみました。
美しい四季が楽しめる日本。季節の移り変わりを、色を通して感じてみませんか?

縁起が良い神聖な色。朱色

魔除けや不老長寿の象徴とされる色で、黄色がかった赤色のことを指します。神社の鳥居など、日本の宮殿や神社仏閣で朱色のものを目にする機会が多いですよね。また近年御朱印帳という言葉もよく聞くようになりましたが、神社やお寺でいただく御朱印も、その名の通り朱色。神社仏閣との縁が深い色です。

私たちの暮らしで馴染深いものとしては、大事な書類に欠かせない朱肉もありますよね。また懐かしく感じる方も多いと思いますが、書道の時間に添削で使われたあの色も、朱色です。

漆の椿ブローチ【朱】/URUSHI Camellia Brooch(Vermilion)

ウルシハジメマシタさんの漆の椿ブローチ。緩やかな曲線は、ナイフで一つひとつ削って作られたもの。下地から全て漆が使われているので、劣化しにくいのも特徴です。漆器は「育てる器」と呼ばれており、時間の経過と共に艶が増していくので、そんな漆ならではの魅力も楽しめます。ヘアゴムに変更もできるので、用途に合わせてお選びいただけますよ。

■ピュアカシミア100% ストール■ レッド 吊編み丸胴 ウォッシャブル プレミアムタッチ 手洗い可

朱色はコーデの差し色としてもぴったり。朱に近い鮮やかなレッドに魅了されるRAG-STOREさんのストールはいかがでしょうか。カシミア100%の心地よい肌触りに加えて、とことん風合いにもこだわった一品です。主に1960年代まで活躍していて現在希少となっている吊り編み機(旧式の編み機)を使用して編まれており、使い込むほどにやわらかな風合いが増し、手編みのような温もりも感じられます。

漆器のマグカップ 朱色

ライチョウのワンポイントが可愛らしい、藤澤蒔絵さんの漆器のマグカップです。ふんわりやわらかそうな羽と、どこかキリッとした表情がユーモラス。ライチョウは、限られた地域にのみ生息する貴重な鳥。自然の豊かさに思いを馳せる器です。

懐かしさ感じるハレの色。小豆色

小豆の実のように深みのある赤紫色。茶色がかっており、落ち着いた印象をもつ伝統色です。甘い餡の香りがふわっと漂ってきそうな色ですね。

江戸時代の俳人・与謝蕪村(よさ ぶそん)が詠んだ「やぶいりの夢や小豆の煮えたるうち」という小豆にちなんだ俳句があります。「やぶいり」とは商家に仕える奉公人が正月と7月の16日前後に休暇をもらい親の元へ帰る期間のこと。帰省した我が子にご馳走するために小豆を煮る母と、実家に戻ってほっとしたのか、小豆を煮るわずかな時間でも眠ってしまう我が子の情景を捉えた句です。
離れて暮らす親と子の久々の再会で、子どもを目一杯もてなしたいという母の愛情が感じられますね。そして、きっと温かいお部屋には小豆の香りが広がって……と実家が恋しくなるような、暖かな雰囲気が感じられる一句です。

また小豆は古くから邪気を払う食材という伝承もあり、無病息災を願って食べられてきました。赤は祈願の色という意味も込められており、お食い初めなどの祝い事には赤飯が欠かせないものとなっています。

草木染*oMamori レッグウォーマーシルク×コットン 小豆色

いすといすとさんの小豆色のレッグウォーマー。アームウォーマーとしても使えるので、冬場だけでなく夏場のクーラーによる冷え対策にもおすすめですよ。草木染めによるカラーバリエーションも豊富で、やわらかな風合いが楽しめます。天然素材と植物染料にこだわって作られたいすといすとさんの衣類は"至福の普段着"がコンセプト。自然由来の美しい色と肌に負担の少ないコットン素材で、見た目も着心地もほっこり。どんな日でも、リラックスして過ごせそうですね。

リネンフレアスカート アズキ

たっぷりと優雅に広がる、couleur de fleurさんのリネン100%のフレアスカート。落ち着いたあずき色が、優しい大人の雰囲気です。ウエストサイズ、着丈が選べ、ポケットもオプションでつけられるのが嬉しいポイント。ウエスト総ゴム仕立てで楽な着心地ながら、前側はギャザーを少なくしてすっきりした印象に。シルエットにこだわって作られたスカートです。

drops hairtie (あずき)

ガラスビーズを使用した透明感のあるアクセサリーを中心に制作する、透明創造室さんのヘアゴム。ガラスを編み込んで作られており、すりガラスのような独特の透明感が魅力的です。和のテイスト感じる小豆色のアクセサリーは、和装にもおすすめ。まとめ髪のワンポイントに、おしとやかな雰囲気をプラスしてくれますよ。

古来より人気!永遠の定番。鉄紺

鉄色(緑味を帯びた鈍い青色)がかった紺色で、箱根駅伝の常連参加校でもある東洋大学のユニフォームの色、鉄紺。日本で多くの人々から親しまれた色の一つです。

藍染が盛んだった日本では、明度や彩度の違いで様々な紺色が存在しおり、鉄紺もその一つでした。そんな紺色は江戸時代では最も日常で愛され、需要が高かった色でした。現代においても紺色は、スーツなどのきっちりしたシーンでの着こなしから、普段着としてカジュアルシーンでの着こなしまで、どんなシーンにもフィットしてくれる定番人気のカラーです。

ちなみに鉄紺には、冷静・自己評価・独創という色言葉も込められています。冷静になりたい時、きっちりとした印象に見せたいときなどに鉄紺やネイビーのファッションアイテムを選んでみるといいですね。

Furusuオーバーオール(木綿 鉄紺)【受注生産対応】

リラックス着にもお出かけ着にもOK!mabatakiさんのオーバーオールです。並んだボタンが可愛らしく、シンプルながら個性のあるデザイン。素材には国産木綿が使用され、肌触りと着心地が抜群です。また、ポケットが両サイドに付いているのでちょっとした小物を入れられるのも嬉しいポイント。ベーシックカラーなので、季節や流行に関わらず長く愛用できます。

新色➖薄さが嬉しい!ミニマムな「スナップウォレット・M」ダークブルー

黒よりの青みが美しい、RECHTECKさんの濃紺の小さなウォレット。使うほどにスクラッチの白い跡が消え、より深みのある色合いに育っていきます。天溝押口という金具を使った、心地よい開け心地と、すっきりしたデザインが特徴です。

リバーシブルトート Msize 鉄紺×グレーカーキ

刺繍好きなnicoさんとあみもの好きなmitoさんによるユニット・nicomitoさんが作るトートバッグ。鎌倉の小さな工房にて、帆布のリバーシブルトートバックを中心に制作されています。マチが広いので、お弁当や財布、ペットボトルなどもすっぽり。やや厚手で丈夫な生地なので型崩れもしにくくなっています。

▲裏返すと鉄紺色に。

裏返せばシンプルなデザインも楽しめるリバーシブル仕様なので、その日のコーデの雰囲気に合わせて使用できます。特殊ワッシャー加工が施された帆布が使用され、シワのある風合いも魅力的です。

江戸っ子のおしゃれ心が生んだ粋な色、銀鼠

ほんのり青味を含んだ明るい灰色、銀鼠(ぎんねず)。金属の錫(すず)の色に似ていることから、古くは「錫色」とも呼ばれていました。

銀鼠が誕生したきっかけは、江戸時代の「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」と呼ばれる贅沢を禁ずる法令でした。人々は派手な着物を着ることができなくなり、そんな中で需要が高まったのが地味な色とされていた茶系や鼠系の灰色。わずかな色の濃淡を組み合わせて着こなしを楽しむことが大流行し、「四十八茶百鼠」と呼ばれるほど多彩の色を生み出しました。

どんな状況であっても、おしゃれを諦めたくない!という気持ちは今も昔も変わらないものですね。

PIERCE:「Ginnezu」銀鼠 Vine

アクセサリーデザイナーOShiOさんのタッセルピアスは和洋折衷がテーマ。陶器のような印象のガラスや唐草模様のようなメタルパーツの組み合わせで、日本的かつ、洋風な雰囲気が演出されています。シンプルなコーディネートにアクセントを加えたい日や、お洒落が好きな方へのプレゼントとしてもおすすめですよ。

贅沢なウール*銀鼠色×白鼠色*ストール

銀鼠色×白鼠色をグラデーションに染めた、fukura sparrowさんのストール。ウール100%で、あたたかくとろけるような肌触りです。大きめサイズでいろいろな巻き方を楽しめ、シーンを選ばず活躍します。

銀鼠色のガラスペン

硝子工房きつねらんぷさんのガラスペン。ガラスならではの透明感がある銀鼠色は、見ていると吸い込まれそうな不思議な感覚。季節の便りを一筆したためてみるのも良いかもしれません。

英語では「Japan」!漆黒

伝統色の中で一番暗い色が、漆黒。書いて字の如く、あのしっとりと艶やかに輝く「漆を塗ったような黒」を表しています。艶のある黒髪を「漆黒の髪」、手元すら見えないほどの真っ暗闇を「漆黒の闇」と例えるほど、深い黒さを誇る色。色が褪せないことから、純黒(じゅんこく)とも呼ばれています。

 

ところで、漆と切っても切り離せないのが「漆器」。日本は英語で「Japan」ですが、実は漆器も「Japan」と呼ばれるんだそう! それほど日本特有の工芸品として海外にも知れ渡っているのでしょう。そんな漆器は縄文時代の遺跡からも発掘されていたほど、古くから人々に愛されてきた器なのです。つまり漆黒は、漆器の歴史とともに伝わってきた、日本ならではの色といえるのです。

漆黒の美濃焼タイルとレースフラワーの耳飾り

SOARA another lineさんの耳飾り。日本の伝統工芸品である美濃焼タイルに漆黒の釉薬が艶か。漆黒をさらに引き立てるように、可憐なレースフラワーもあしらわれています。レースフラワーは「感謝」「繊細」「可憐な心」「細やかな愛」の花言葉を持つお花。日頃の感謝の気持ちを込めて、親しい方への贈り物としても喜んでもらえるのではないでしょうか。

3WAY 北欧×エコファーブラック ショルダーバッグ【DouDou】

HANEANT KOBE ハネアント神戸さんのバッグで、大人なオールブラックコーデを楽しんでみるのもいいですね。思わず触れたくなるような全面もこもこのエコファーが、今の季節にぴったりなショルダーバッグ【DouDou】は、デザインの可愛らしさだけでなく、3wayで楽しめる使い勝手の良さも◎ 肩からかけるだけでなく、斜めがけにしたり、チェーンを外してクラッチバッグにしたりとシーンに合わせた使い方ができます。その使い勝手の良さは、作家さん自らが使い、改良して何度も作り直すことで生まれています。

育てるストール ハーフ 起毛リネン 黒

リネン作家岡詩子さんの育てるストールは、しっかりとした厚みのあるリネン生地の表面を起毛させたもので、その手触りはまるでウールのようなんだそう。ふわふわで柔らかな肌触りで、保温性も十分。国内工場で織られ、手染めで作られた作品で、使いこむのも楽しみになりそうですね。

季節の移り変わりを、伝統色と愉しんで

今回は、冬の日本の伝統色を5つご紹介しました。色に込められた意味や時代背景を知ることで、より日本の景色が美しく感じられるかもしれません。

 歴史ある素敵な名前の色を通して、四季の移り変わりを愉しんでみてはいかがでしょうか。

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