〈メルマガエッセイ #16〉"気になる"に寄り道。「物語を感じる、猫と満月のグラス」｜ガラス工芸作家・可夜さん

このエッセイでは、いま編集部が“気になる”作品にフォーカスを当て、編集部目線でその魅力をお伝えする「“気になる”に寄り道。」シリーズをお送りしていきます。このエッセイをきっかけに、みなさんにもちょっとした“寄り道”を楽しんでいただけると嬉しいです。

今回は、ガラス工芸作家・可夜さんの「一日千秋 / 帰りを待つ猫と満月のグラス」をご紹介します。

一緒に、満月の美しさを味わうグラスの世界に寄り道しましょう。

残暑も落ち着き、秋の訪れを感じる頃となりました。

秋は空気が凛と澄みわたり、特に月が美しく見える季節。先日の“中秋の名月”では、夜空を見上げて幻想的な満月を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。

時間の経過とともに空高く昇ってゆく月をどこか切ない気持ちで眺めながら、この美しさをずっと楽しめたらいいのに…… なんて考えていた私。

そんなときに可夜さんのこのグラスに出会いました。

しん——と静まり返ったような夕暮れ時の中、月明かりに染まる窓の下に佇む猫。その目線の先には、落ちてきそうなほど大きな月が煌々と輝いています。

可夜さんが生み出す月は、表面の模様までくっきりと浮かび上がり、まるで本物の月をグラスに閉じ込めたよう。眺めていると、その神秘的な表情に思わず引きこまれそうになります。

より存在感のある満月を楽しみたい方は、グラスの底面いっぱいに満月が彫刻されたデザインもおすすめ。

グラスに注いだ飲みものを飲み終えると自分だけの満月が現れ、使うたびにワクワクとした気持ちにさせてくれそうです。

ところで、このグラスの作品名でもある「一日千秋（いちじつせんしゅう）」という四字熟語をご存知でしょうか。

「一日千秋」とは、一日が千年にも感じられる様から「非常に待ち遠しいこと」を表すそう。

窓辺で外を眺める猫は、まさに一日千秋の思いでご主人の帰りを待ちわびているのでしょう。どこか哀愁漂う猫の後ろ姿から、ご主人を愛おしく恋しく思う気持ちが伝わり、心がきゅっと締め付けられます。

グラスに彫刻されている猫は、実は可夜さんが保護して実際に飼っている猫がモデルになっています。どんなに苦しいときも、帰りを待ってくれる愛猫がいたから辛いことも乗り越えられたそう。

こちらの作品は、猫を愛する可夜さんの想いと大切な思い出が詰まったグラスでもあるのです。

空気の澄んだ秋の夜長は、幻想的な月のグラスとともに夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

——そろそろ寄り道の時間もおしまいのようです。

どうぞ次回もお楽しみに。

A. メールソフトによっては、会員登録メールがダイレクトメールやSPAMの類として別のフォルダやゴミ箱などに自動分類されることがあります。

お使いのメールソフトにそのような自動分類機能（フィルタリング機能）がある場合には、別フォルダもご確認ください。

なお、事務局からのメールは、【merumaga@creema.jp】より送信されます。
迷惑メールフィルター等を設定されている場合は、上記をセーフリストに登録してください。

A. 登録いただいたメールアドレスの変更は、各種設定（アプリの場合は、設定）ページの「メールアドレス変更」より変更いただけます。

※クリーマへ登録しているメールアドレスでログインの上、変更をお願いします。
※機種変更などでメールアドレスが変わった方につきましても、クリーマへ登録のある以前のメールアドレスでログインをした後に、新しいメールアドレスへ変更をお願いします。