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陶芸の道を極めた先に。 ”陶器のいちごカップケーキ” 誕生ストーリー|陶芸家・studioMoriMoriさん「ただ、ひたすら、ものづくり。」

陶芸の道を極めた先に。 ”陶器のいちごカップケーキ” 誕生ストーリー|陶芸家・studioMoriMoriさん「ただ、ひたすら、ものづくり。」

いちごのショコラカップケーキ......? 実はこれ、粘土でできた陶器の入れ物なんです。一瞬で目を引くリアルで可愛らく美味しそうな佇まいに、思わず「食べてもいい?」と手にとってしまいそう。

 

よく見ると、いちごのツヤっとした質感に、美味しそうに焼けて膨らんだケーキの表面、そしてサイズ感まで丁寧に作られています。

小物入れや、薬味入れとしてはもちろん、ただ飾って眺めているだけでも幸せな気持ちに。イチゴの部分にはカードを挟めるので、カード立てやフォトスタンドとしても使うこともできます。

 

この作品を制作しているのは、陶芸家のstudioMoriMoriさん。普段はオブジェや土鍋までさまざまな作品を制作、培った技術を活かして精力的に制作活動をしていらっしゃいます。

そんな陶芸一筋のstudioMoriMoriさんが、どうしてこの美味しそうないちごカップケーキを焼き上げるに至ったのでしょうか。この作品の背景にあったストーリーついて伺ってきました。

「つくること」それ自体が喜び

▲ 一つひとつ「ケーキの焼き上がり」に変化があるのも、まるで本物のカップケーキのよう。

中学生のころ、テレビ番組で伝統工芸が取り上げられているのを見て、そのストイックな作業に興味を持ったstudioMoriMoriさん。それが今のものづくりにも通じる原点だそうです。

 

「作っていて苦しいことはありません。作業自体を面白いと感じています。それよりも制作の時間を取れないことの方が悩みです。もっと制作に割ける時間が増えれば...... と思います。

新しい作業がなくなってしまうとモチベーションが下がってしまうので、何かチャレンジというか、新しいことに足を突っ込んでみる時間は大切ですね」

▲ studioMoriMoriさんが作る、手びねりの土鍋。指の跡をあえて残していて、どこかほっとする柔らかさを感じます。

陶芸の道に進んで以来、技術的にも、そして食器や土鍋、オブジェまで、制作する作品のバリエーション的にも、いろいろなことに挑戦してきたというstudioMoriMoriさん。

 

「そのとき興味があることをまずやってみる、ということを制作するうえで大切にしています。その都度興味があるものが変わるので、それに従って自分の技術をアップデートしていくようなイメージです。そうやって学びながら、新しいものを作っていきます。

新しい技法が好きなんです、今までやってきてないことって面白いじゃないですか。こういう風にやったら、どう粘土が変わるだろう? とか考えながら、新しいものに手を出してきた感じです」

今まで培った技術を活かした、新しい作品

studioMoriMoriさんは、「自分のやりたいことだったり個性を出したりできるのが陶芸」と言います。

“陶芸” という道のなかで、そのとき自分が興味が沸いたことに対して真摯に向き合い手を動かしていく。そんなスタイルでものづくりを続けてきました。

そんななかできたのが、はじめにご紹介した「いちごのカップケーキの入れ物」でした。一見可愛らしくポップな印象までも感じる作品ですが、実は制作過程でいろいろな技法が必要になってくるのだそう。さまざまな技法を極めてきたstudioMoriMoriさんだからこそたどり着いた作品なのでした。

 

「作品を通していろんな技法を紹介できないか、と思ったのが最初です。

例えば、粘土はずっと触り続けるとヒビが入るんですよ。この性質を形にしようと思って、このヒビが何に見えるか? ということから思いついたのが、カップケーキでした」

▲ こねるとだんだん乾燥してきて、粘土にヒビが。

さまざまな工程があるなかでも、studioMoriMoriさんがこだわっているポイントはカップケーキの質感。

 

「僕は粘土の表情が好きなんです。色も塗ったりしていますが、あまり整えすぎず、土っぽさやざっくりした感じは活かしていきたい。このカップケーキでいうと、それぞれヒビの入り方も違うし、焼き上がりの色も違って。なんだかカップケーキと似たような感じで面白いなあと思います」

最後にカップケーキに乗せるいちごは、本物のいちごから型を取ります。小ぶりで形が整っているものを選ぶのだそう。このイチゴもリアルすぎず、可愛らしさとバランスをとりながら絶妙に土らしいざっくりした感じも残しつつ作られています。

手に取った人の暮らしに溶け込んで、ふんわり心を温める作品を

▲ この動画では、「いちごのカップケーキの入れ物」の制作風景をご紹介しています。カップケーキが焼けたときのひび割れを表現する注目の成形工程から、息を呑んで眺めてしまういちごの着色工程まで、陶芸のさまざまな陶芸技術をご覧ください。

それまでstudioMoriMoriさんが発表してきた作品に比べるとはるかに可愛らしい「いちごのカップケーキの入れ物」でしたが、「意外にも作品自体を面白いと言ってくれる人が多かった」のだそう。

 

「受け入れてもらえるとやっぱり嬉しいです。今までは、僕にとってこういう可愛らしさが邪魔というか、どうなんだろう? という思いが自分自身あったので、こんなふうに受け取られるんだなという発見でもありました。」

▲ 新作のモンブラン。モンブランクリームの質感と、栗の渋皮が本物そっくり。

今後は、「日常に溶け込みながら、少し華やかな気持ちになるようなものを作っていきたい」と言うstudioMoriMoriさん。

「 ”想いを届けたい” という大きな願いではないんです。使ってくれる人の生活のなかで、ふわっと楽しい時間を作れれば十分です。僕の今までの作風とは違うけどいいなと思うものを作ってみて、たまたまいいなと思う人がそれと出会ってくれたら」

おわりに

「studioMoriMori」というクリエイター名は、ご自身のあだ名から。

「あとは、”元気モリモリ” ともいうように、ちょっと元気が出るじゃないですか(笑)」とおっしゃっていました。

 

私がはじめてこのカップケーキを見たとき、日々のモヤモヤを少し忘れるように、心がときめいたのを覚えていて、このお名前の由来が腑に落ちました。

これからも新しいことに挑戦し続けるstudioMoriMoriさん。次はどんな作品が飛び出すのか、とっても楽しみです。

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