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【今、私が会いたい人】1本の映像に導かれて、オートクチュール刺繍とフランスへ|刺繍作家・kei haneishiさん

【今、私が会いたい人】1本の映像に導かれて、オートクチュール刺繍とフランスへ|刺繍作家・kei haneishiさん

こんにちは。Creemaでクリエイター活動のサポートを担当している内藤です。
今回の「今、私が会いたい人」でご紹介するのは、刺繍作家の kei haneishi・羽石さん。オートクチュールの本場、フランスで身につけた刺繍の技術で、「おとぎ話の世界からやってきた動物たち」をテーマにした刺繍作品を制作しています。

初めて羽石さんの作品を目にしたとき、その細やかな美しさに、思わず胸がときめいたのを覚えています。まるで命を吹き込まれたかのように生き生きとした動物たち。その繊細な表情や、ふんわりと佇む姿に、魅了されました。

それまで刺繍にあまり関心のなかった私が、羽石さんの作品にすっかり惹き込まれてしまった——。その不思議な引力のような魅力の源をもっと知りたくて、実際にお会いしてお話を伺うことにしました。

▲ 刺繍作家・kei haneishiさん

「やりたい」と思ったその瞬間に、フランス行きを決意

—— 刺繍との出会いはどのようなものだったのでしょうか?

「ファッションが好きな私はある日、何気なくCHANEL(シャネル)のドキュメンタリーを観ていたんです。そのなかで、ほんの数分の、オートクチュールの刺繍を映すシーンが流れて。
『これ、すごくきれい。やってみたい!』そう思った瞬間、なぜか迷いなく、本場・フランスで学ぼうと決めたんです。

もともと『やらずに後悔するより、やって後悔したい』と考えるタイプで。

刺繍に出会う前には、10代のころから憧れていたファッションの仕事がしたくて、資格を取った栄養士の仕事を辞めてファッション関係の仕事に転職したことも。当時は寝る間も惜しんで働く日々でしたが、すべてが経験になると信じて、がむしゃらに走り続けていました。

そんな状況だったので、刺繍に出会ったのは20代後半でしたが、まったく思いは揺るがなかったですね」

▲ アトリエには大きな本棚があり、ファッションやフランスの本、子どもの頃から好きだという絵本・図鑑までずらっと並んでいました。本から作品のインスピレーションを得ることも多いそうです。

—— 実際にフランスに行ってみて、いかがでしたか?

「フランス・パリでの生活は、刺繍の技術を学ぶ時間であると同時に、文化や価値観に触れるかけがえのない体験でもありました。雑誌やネットでしか見たことのなかった場所に気軽に行けましたし、美術館やオペラ座のバレエを生で観たときは、本当に感動しました」

▲ フランスの学校で技法を学びながら制作した作品のひとつ。
▲ さまざまな技術を駆使して作られており、すべてが今に活きているそうです。

刺繍学校での課題制作や、独学での試行錯誤を重ねるなかで、羽石さんの刺繍への理解は少しずつ深まっていきました。
やがて “自分の表現したい世界” を模索し始めたといいます。

「やっぱり、動物が好き」——原点をたどってたどり着いたモチーフ

——作品には、動物モチーフが多く登場しますね

▲ ねこのブローチ/バッグチャーム
▲ ひつじのブローチ / バッグチャーム

「刺繍を始めた頃は、お花をモチーフにしたアクセサリーも作っていたんです。でも、なんだかしっくりこなくて…。やっぱり、自分の “好き” を表現したいと思ったんですよね。

私は小さいころから動物が大好きで。うさぎや鳥、メダカを飼っていましたし、動物園にもよく連れていってもらっていました。小学生の頃には動物好きが高じて、飼育員のお仕事体験で動物園にお泊まりする体験ツアーに参加したこともあって、それはすごく楽しい思い出として心に残っています(笑)

“好き” を突き詰めていった結果、自然と動物モチーフに辿り着きました」

▲ 刺繍制作の様子。「没頭して取り組むこの時間が大好き」そうおっしゃる羽石さんの嬉しそうな表情が印象的でした。

「いちばん小さいビーズ」に込める、表現へのこだわり

—— 作品づくりでのこだわりを教えてください

「いちばん小さいビーズを使う、と決めています。小さいと作業は大変なんですが、その分表現の幅がぐんと広がって。動物たちの色のニュアンスや、曲線の繊細さが出せるのは、極小ビーズならではだと思っています」

「なかでも特に大切にしているのが、目。その動物の表情を決める部分なので、バランスを見ながら最初に刺します。集中力をぐっと高めて取り組む工程ですね。

「それから、裏面にもこだわっています。ブローチの裏に革を貼る作業は、実はいちばん神経を使うんです。使い心地や仕立ての美しさに関わる部分なので、見えないところにもきちんと向き合いたいという思いがあります」

▲ まさか裏側にこだわっているとは思ってもみませんでした。

インタビューを終えて

▲ シュナウザーのブローチ/バッグチャーム

ふわふわとした毛並み、つぶらな瞳、小さな肉球…
まるでおとぎ話から飛び出してきたような動物たちを、繊細なビーズで丁寧に表現する羽石さん。そんな作品の可憐さとは対照的に、「思い立ったら行動する」という芯の強さと潔さが、とても印象的でした。

最近では、写真をもとにしたオーダーメイドの刺繍にも力を入れているそう。
「『そっくり!』とか『かわいい!』って喜んでもらえる瞬間が何よりうれしい」と笑うその表情からは、自分の “好き” が誰かの喜びに繋がっている実感が伝わってきます。

▲ 実は私も、羽石さんに愛犬のブローチチャームをオーダーしたことがあります。バッグにつけて大切に持ち歩いていますが、見るたびに愛犬がそっとそばにいてくれるようで、心がじんわりあたたかくなります。

「表だけでなく裏側にも心を込め、手を抜かない」——その姿勢にも、ものづくりへ真摯な思いがにじんでいました。

羽石さんの作品には、見えない部分に宿る “愛” を感じます。実際にお会いして、私はきっとその見えない想いに惹かれていたのだと思いました。

kei haneishiさんの世界が広がる、“おとぎ話の動物たち” に出会えるギャラリー。
ぜひ、のぞいてみてください。

<文=Creemaスタッフ>

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これまでの、作り手インタビュー【今、私が会いたい人】はこちら

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