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笑顔と驚きの、裏側に。本気の “こだわりすぎ” 、覗いてみませんか?
「えっ、そんなことまで?」
「そこまでやるか」
今回登場するのは、見ているだけで頬がゆるむような、ユニークでチャーミングな作品たち。
でも、その愛らしさの奥には、ストイックなまでのこだわりが隠れている―― そんなことがあります。
遊び心と真剣さは、実は同じところから生まれているのかも。
そんなことに気付かされる、作品の裏側をのぞいてみませんか。
目次
1. 夕食は、しばらくシュウマイでした。|naooo3 houseさん
2. 色味に、20回以上の試作と観察を重ねて|こみくんば製作所さん
3. 最少2mmの建物が紡ぐ、光と水の没入ジオラマ|greenery rojiさん
4. 我が子との出会いから3年。お菓子に編み込んだあたたかな家族の物語|Pâtisserieシュシュさん
5. まじめに遊ぶ、その情熱が私たちの日常を照らす
特別企画「まじめに、遊ぶ。」
現在Creemaでは、作り手の本気の “遊び心” に注目する特集やコンテンツを一挙公開中。
今回の記事ではその特別企画に寄せて、クリエイターが “こだわりすぎた” 作品を深掘りします。関連特集は記事の最後にも掲載中。ぜひ一緒にご覧ください。
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1. 夕食は、しばらくシュウマイでした。|naooo3 houseさん
並外れた探究心でユニークなひらめきを形にする、キャンドル作家・naooo3 houseさん。
一見、おいしそうな中華の定番、シュウマイですが、実は火を灯すと “食べかけ” に変化するという驚きの仕掛けが隠されています。
「単に本物そっくりに作るだけでなく、驚きと遊び心がぎゅっと詰まった作品に仕上げたかったんです」と話すnaooo3 houseさん。
火を灯し終えると “食べかけ風” に変化する仕掛けに加え、グリーンピースの「あり」・「なし」2種類を展開するなど、手にした人が思わずクスッと笑ってしまうような演出にこだわりました。
そのこだわりようは、試作にも表れています。芯の太さや設置位置が異なるものを複数パターン作り、実際に火を灯しては、どれが最も絶妙な食べかけ具合で溶け残るかを比較・検証。
グリーンピースの「なし」バージョンでは、「あり」との違いをいかに面白く見せるかにもこだわり、取れた跡のくぼませ方や、そこにあったであろうグリーンピースの色味まで、何度も試行錯誤を重ねたといいます。
「実物を徹底的に観察したくて、しばらくは夕食の献立にシュウマイを出していましたね」
普段の制作で譲れないこだわりを尋ねると、「自分にしか生み出せないものを作ること」「自分自身が楽しんで制作すること」というふたつの答えが返ってきました。
「ひらめきを形にする過程で生まれたわくわく感は、作品を手にしてくれた人にも必ず届くと信じている」と語るnaooo3 houseさん。
真剣に遊んで生まれた、暮らしに小さな驚きと笑顔が灯る「シュウマイキャンドル」です。
2. 色味に、20回以上の試作と観察を重ねて|こみくんば製作所さん
もうひとつ、“おいしそう” な作品が。
樹脂粘土などでユニークな立体作品を手がけるこみくんば製作所さん。秋の味覚、さんまをモチーフにしたアクセサリーは、生から塩焼きまで、皮の質感や脂の乗り具合まで実にリアル。ですが、どこか抜けた愛くるしい表情をしています。
このさんまのおいしそうな表情を引き出すために、色味はなんと20回以上も試作を重ねたのだそう。
「リアルだけどリアル過ぎない、愛嬌やユニークさにとことんこだわりました。さんまの生と焼きの資料をたくさん集めて、形や色をさまざまな角度から観察して。もちろん、本物のさんまも、観察を名目にたんまりいただきました(笑)
ちなみに、密かなチャームポイントは 、しゃくれたアゴ。それと出来栄えを左右する目には、いつもひと呼吸おいて気合を入れて描いています」
流行に左右されないデザインを心がけているというこみくんば製作所さん。長く使ってもらうため、強度と美しさの両立には手を抜きません。
選りすぐった材料から何通りも試作を重ね、最適な組み合わせを見極めていて、その数はなんと40通り以上。作品ごとに製法も異なるため、材料を使う順番まで、ひとつずつ試しながら決めているのだそうです。
思いきり遊ぶために、見えないところはどこまでもまじめに。作品にはお手入れ用のオリジナルクロスが同封されていて、「届いたときのわくわくが、そのまま続きますように」という願いが込められています。そんなものづくりが、この作品を支えています。
そんなものづくりが、この作品を支えています。
3. 2mmの建物が紡ぐ、光と水の没入ジオラマ|greenery rojiさん
手のひらの上に息をのむような美しい街を表現する、ジオラマ作家のgreenery rojiさん。
この作品は、「ジオラマで巡る世界旅行シリーズ」のひとつです。
手のひらに乗るほどの小さなガラスケースに広がるのは、気球に乗って空から世界を見下ろしたような、広大さすら感じる世界。
「気球から壮大な景色を眺めるイメージ」を形にするため、全体のバランスを突き詰めた結果、崖の上に並ぶ建物は最少2mmという極限の小ささになってしまったそうです。
「細部まで作り込むことで、この街に響く音や風、そこに住む人々の様子まで感じてもらえたら。まるで自分がその場にいるような没入感を、大切にしています」
さらに、海や湖の表現力にも目を奪われます。
「水の色は、7種の青をブレンドして、何度も試作を重ねて作り出したこだわりの青です。
このシリーズはすべての作品に、湖や川などの水の要素が入っています。作品によって、日の光で透かすと波の影が砂地に映りキラキラ輝いたり、海の中に沈んだ月が光ったりと、仕掛けを施しています。明るさによって変わる水の表情も楽しんでいただけたら」
たった2mmの建物を積み重ね、7色の青で水の揺らぎを描く。
手のひらの小さな世界が、私たちの忙しい日常を止めて、一瞬で “ここではないどこか” への雄大な旅に連れ出してくれます。
4. 我が子との出会いから3年。お菓子に編み込んだあたたかな家族の物語|Pâtisserieシュシュさん
お菓子を通じて笑顔と幸せを届けるPâtisserieシュシュさん。
やさしい味わいの焼き菓子が詰まった「きみと季節のとなりに」シリーズには、お菓子を口にするひとときを何倍も愛おしくする、あたたかな家族のストーリーが込められています。
きっかけは、我が子との出会い。子どもが産まれてから、それまで何気なく過ごしていた日常や、あたり前のように過ぎていた季節、すべてが特別で大切な瞬間に変わったといいます。同時に、自分自身が幼かった頃、毎日が新しくて新鮮でわくわくしながら過ごしていたことも、思い出させてくれたそうです。
「この子が見ている素敵な世界をお菓子で表現できたら」——
構想3年、ようやく形になりました。
「子どもから大人まで一緒に楽しめるお菓子にしたかったんです。子どもから見たら、今の自分と重なる親近感を。親や祖父母世代の方には、我が子や孫と重なる部分や、幼い頃の懐かしさを。そんなふうに、さまざまな視点で楽しんでいただけたらと考えました。
タイトルには、『きみが素敵な季節を過ごしているとなりで、いつもやさしく見守っているよ』という、母からの隠れたメッセージも込めています。我が子が大人になったとき、『あなたが産まれてできあがった素敵なお菓子だよ』と伝えられる日を、こっそり楽しみにしているんです」
「贈る人も、贈られる人も、そして作り手である私自身も。みんなが笑顔で、幸せな気持ちになれるお菓子でありたい。作り手の気持ちと、贈る人の想いと、受け取った人の気持ちが、ひとつに繋がるように。それが、私がいつも大切にしていることです」
ひとりの母としての我が子への深い愛情と、お菓子づくりのプロとしての徹底的な構想。
そんなあたたかなストーリーが編み込まれたお菓子は、大切な誰かへの、そして自分自身への、この上ないやさしい贈りものになるはずです。
まじめに遊ぶ、その先に生まれるもの
今回ご紹介した4名のクリエイター。それぞれが “こだわりすぎた” 先にあったのは、手にした人を笑顔にしたい、驚かせたいという、まっすぐな想いでした。
技術や素材への探究心そのままに、遊ぶことにも、誰よりもまじめに向き合う。だからこそ、思わず笑ってしまったり、「こんなの見たことない!」と驚いたりする作品が生まれるのかもしれません。
作り手が楽しみながら重ねた工夫やひらめきは、作品を通して、今度は使い手の笑顔や驚きへ。
みなさんは、どのクリエイターの “こだわり” に心が動きましたか?
まじめで、ちょっと愛おしい。そんな遊び心あふれる作品にぜひ触れてみてください。
特別企画|まじめに、遊ぶ。
ものづくりに本気で向き合う作り手たちの “遊び心” に注目する特別企画、「まじめに、遊ぶ。」は、この記事が最終回です。
これまでの全5コンテンツを、振り返ってみてください。
<文=庄司彩>
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