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革作家「Vendange/CROW DOG」齋藤さん-経年変化で完成する作品づくり_作り手インタビューvol.22

持っているだけで喜びを感じるアイテムがあります。

アクセサリーであったり、バッグであったり、財布であったり…

人それぞれですが、どんなアイテムでも、作り手のこだわりが感じられる逸品には心惹かれます。

 

モノが溢れ何でも手に入る現代だからこそ、「こだわりたい」そんな人も増えているのではないでしょうか。

今回の作り手インタビューでは、一点一点手で仕上げた革製品が人気のVendange / CROW DOG:齋藤さんに、革に込めた究極のこだわりを伺ってきました。

一つひとつ表情の違う革の魅力に惹き込まれた
>革作家になったきっかけを教えてください

子供の頃は、西部劇映画が好きでよく観ていました。

10代の時にアメカジが大流行して、その時に見たインディアンアートに衝撃を受け、アートブックや写真集などたくさん買ったのを覚えています。

そのうち自分でもビーズを使ってアイテムを作り始めたのですが、アートブックに載っていた「インディアンアートに近づきたい」という思いから素材の事も考えるようになりましたね。

レザークラフトを始めたのも、そんな素材の奥深さに触れたからだと思います。

問屋さんでいろいろな革が並んでいるのを見て、革の表情やコンディション、形状にもバラつきがあって・・・

時間が経つと変化していくという、簡単には扱えない素材の難しさに面白さを感じました。

当時、一般に「革の作家」というカテゴリーが無く、漠然と作る技術を持った革職人になるという事に憧れていました。

革の良さを生かしたもの作りがしたい
>現在の作風に至った経緯を教えていただけますか?

現在の活動を始めるまでは、手縫いを主体としたオーダーメイドをやっていました。

金具や銀の装飾品も手作りです。

作る物はアメリカンテイストの強いものが多く、機能面を考慮した雰囲気重視の作品に力を入れていました。

 

お客さんと何時間も打ち合わせをしていく事で、依頼主の気持ちやその物に込めた思いを形にする事が出来る。

そのような一つの物をじっくり作っていく事が「ハンドメイド」という意識がありました。

「手縫いのレザー」というのもそういう意味では必然的な手法だったと思います。

そこに彫金を組み合わせる事でオリジナルな世界感を生み出しました。

大好きなネイティブアートに似てますしね...。(笑)

 

そんな中2009年、一般の方にも「オーダーメイド」スタイルを体感して頂きたい、という思いから「Vendange」をスタートさせたのです。

素材やデザインの良さという事だけに捕われず、繊細さや美しさ機能性「モノ」が訴えかける手作りの雰囲気を、オーダーメイド以外の所でも感じられるものを作りたいと考えました。

手染め、手作りの真鍮金具、鹿革素材はこれまで幾度と制作して来た作品の応用的な要素があります。

洗礼されたイメージを表現するために、ミシンは欠かせないツールだと考えています。

システマチックに稼働して生産される量販物など、ミシンはコストダウンに繋がる要素を持つ機械という概念があるのですが、これを表現するための道具として理解していく事で「Vendange」という新しい形が生まれたと思います。

B.long wallet 手染めブルー 受注制作品 
Pass case double 受注制作品
https://www.creema.jp/item/479818/detail
素材の特質を理解した上で最高の色を出す
>作品を作り上げるうえでのこだわりを教えてください

手染め染色も工房内で手作業で行っています。

手染めをするヌメ革はイタリア、ベルギーなどインポート革から国内の名門タンナーの革まで多種多様です。

毎度同じ色が出せるという訳ではありません。

 

革も変われば色も変わる、染料の種類も違えば色も違う。

一言でヌメ革といっても数百種はありますし、染料の種類も豊富でそれぞれの特性があります。

 

この事を理解した上で、作品として表現出来る革素材を探しました。

そこには革としての素材のクオリティー、使い心地、経年変化に至る内容も含めた「使うための革」を選ぶという拘りもありました。

手染めを初めて十数年経ちますが思い通りに染まる様になったのはここ2,3年です。

現在では革の種類、状態から染め上がりを予測し手染めの段階で微調整を行える様になりました。

あと手作りの真鍮金具ですね。

これはインディアンアートに見られる手法を使って一つ一つ仕上げていきます。

メッキをしていない無垢真鍮素材なので革と共に経年変化するのもポイントです。

既成の金具とも違い自身の世界感を表現するためには欠かせないマテリアルです。

また、春に向けて「手染めサクラ」も制作しました。

昨年お問い合わせも多くご依頼もたくさん頂いた色ですが、染色の難しさもあり先延ばしになっていたアイテムの一つ「サクラ色の財布」です。

淡い色を何層も染め重ねた目新しい色合いは透明感、奥行きがあります。

とても綺麗な色なので、この手染めならではの色合いを楽しんでもらいたいです。

 

受注制作品 B.RL.wallet 手染めサクラ、ハンドメイド ブラスボタン
経年変化によって、その人だけの一品が完成する

Vendangeというブランド名は、英語では「ヴィンテージ」の意味にあたります。

「ヴァンダンジュ」とはラテン語の「ブドウの収穫」という言葉が由来と成っていて、現在はフランス語の「あたり年のワイン」を指します。

Vendangeの中には「特別な逸品」などの意味も含まれていて「使用とともに色が変化していくことで、その人だけの逸品が完成していく」そんな想いを込めました。

経年変化は使い方によって個々に違いがあり、手染めの色によって色変化も異なるので是非ご自身の色を作り上げて、楽しさ、所有する喜びを体感して頂きたいです。

製品として出来上がった時はまだ完成ではなく、経年変化した色味や革の質感がお客様の手に馴染んで、ようやく完成だと思っています。

お客様により喜んで頂けるよう、商品展開を増やしたい

最近はCreemaを通じて、大変多くのお客様からご依頼をいただいています。

お問い合わせの多い、スマホケースやIDケース、新作バッグなど制作していきたいのですが、ご依頼頂いてから3ヶ月くらいはお待ち頂く状況が続いているため、なかなか着手出来ないのが現状です。

また、お待ち頂いているお客様にも大変申し訳なく思っています。

少しずつではありますが、今回の「サクラ色の財布」の様に発表していきたいと思いますので、気長にお付き合いを頂けましたら幸いです。

 

バッグも好評をいただいており、リクエストの多かった「Deerskin handle bag」のMサイズもご用意しました。

より多くの方に手に取って頂けると嬉しいです!

新作バッグの多くは、イタリアの革をはじめサンプル革やスポット商品の革など再入荷の無い珍しい革を使用して制作します。

完成するバッグの数も限られているため、限定商品になる事も多々あるのですが、それもある意味オーダーメイドの様な物なのかなと思います。

革素材の多くは再入荷すると全く違う革に変わっている事が頻繁にあり、クオリティーの高い革でも当てにならない部分もあります。

その革ごとに似合ったバッグを一つひとつ考えていくのが、「モノ作り」の本当のスタイルではないでしょうか。

イタリア・オイルヌバックの革を使用したトートバッグ。
ハンドル、ベルト等は手染めのヌメ革(参考作品)
KUDO Soulder bag グレー/ 手作り真鍮金具
アフリカに生息するkudo(クーズー)の革を使用したバッグ
取材を終えて

美しい発色に、思わず目を奪われるVendange / CROW DOG:齋藤さんの革作品。

制作の全工程をご自身の手で行っているということでしたが、とりわけ色に対しては強いこだわりを感じました。

今回お話を伺って、美しい色の秘密をほんの少しだけ垣間見ることができました。

 

現在、Vendange / CROW DOGさんの作品はオーダーから納品まで2ヶ月半〜3ヶ月かかる状況が続いていますが、一つひとつの工程にかけられた手間ひまを考えれば、商品を待つのも楽しいひとときになりますね。

こだわりと奥深さが感じられるアイテムは、きっと手にした人が自分だけの大切な逸品に育てていくはずです。

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