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「今、私が会いたい人」もっと着物を気軽に楽しんでほしい - イラストレーター・和小物作家 ペタコ-石橋さん

こんにちは。クリーマの木村です。

今回、私がご紹介させていただくのは、イラストレーター・和小物作家「ペタコ」の石橋さんです。私は「いいもの発見プロジェクト」を担当させていただいておりまして、ペタコさんには企画第一弾の「岡谷シルク」から、「岡山畳縁」「熊本いぐさ」「白河だるま」「京都水引」と毎回ご参画いただき、様々な切り口の独創的な作品を制作いただいています。

 

また、私自身が趣味で茶道を嗜むため着物で出かける機会も多く、「一度、ぜひ直接お話をお伺いしてみたい」と思っていたペタコ:石橋さんの自宅兼工房をお訪ねしました。

 

江戸や和服に関する書籍がぎっしりの書棚のある工房から拝見させていただきました。素敵なお着物をお召しになられた石橋さんに、着物や半襟、和装小物についてのエピソードをお伺いしました。

イラストレーター・和小物作家-ペタコ:石橋さん
欲しいものがなかったので、自分でデザインして作ることにしました
ー和装小物を作るきっかけはなんだったのでしょうか

元々主人が呉服屋の次男で、義母から普段使いの着物を沢山いただいたんです。そんなきっかけもあり、なんとなく「50歳になったら着物の生活に入りたいな」と思っていました。結局は45歳から着物生活に入ったのですが「年を重ねたら、やっぱり着物だな」と。

 

いざ着物生活を楽しもうとすると、自分の欲しいデザインの和装小物がなかったんです。そこで、もともとイラストレーターの仕事をしていたということもあり、自分で作ることにしました。現在は、自身で描いたイラストを刺繍した半襟をメインに和小物を作っています。

ー「着物を楽しむ」から和装小物作りの道へと入られたんですね。「好きなものを作る」ペタコさんならではのこだわりがあれば教えてください

一般的な半襟の作り方とは違う点はイラストのように刺繍のデザインを考え、ストーリー性を大切にしているところでしょうか。描いたイラストをミシンにデータで取り込んで、一つひとつデザインから手作りしています。

通常は、桜をモチーフにした半襟だと全体に刺繍で模様が入っていたりします。それはそれで、とっても美しいんです。ただ、実際に着用すると、全体のコーディネートとして、どこにヤマをつけていいか分からなかったりします。

 

そこで私は、デザインにちょっと遊び心をプラスしてみるんです。例えば、桜の刺繍の中にお団子を入れてみたり。「花より団子」という感じで(笑)

-可愛いですね。なるほど、花より団子ですか!
※実際の作品がこちら

なにか「ひねり」と言いますか、クスっと笑ってしまうようなポイントを入れたいなと思っています。半襟をきっかけに、「桜なんだけど、ここにお団子もあるんですよ」みたいな感じで会話の糸口になればいいなって。

 

着物を楽しむ人は「遊び心」がある方が多く、加えて凝り性なんですよ。歌舞伎が好きで、落語が好きで、お酒が好きで、美味しいものが好き。だから、それに応えるような感じで、みんなで和気藹々と楽しんでいただけるようなそんな時に、半襟からちょっとでも面白い話題を提供できたなら、と思っています。

 

それに、例えば食事に行ったとして、どんなに素敵なお着物でも上半身しか見えないんですよ。だから「勝負は半襟」だと思うんです(笑)

 

着物自体がそもそも美しいですし、帯も綺麗なんだけど、テーブルに座ると帯から下は見えないし、帯も布巾とか手ぬぐいとかで隠してしまいます。だから、お顔に一番近くて、相手にも見える半襟にデザインを入れてみたらどうかなと思いました。半襟は沢山あっても邪魔にはならないですしね。

-足袋や半襟みたいに「白無地が基本」と思っているところに遊び心をつける発想がおしゃれですね
コスモスの花を刺繍した半衿
紫陽花の花の刺繍
かけた一手間を、お客様が喜んでくれたら嬉しい
ーどのデザインも凝っていて、ペタコさんの作品は手間がかかっているように思います

こういう風にしたらいいんじゃないか、と思って毎回アレンジするのでバリエーションがどんどん増えていきます。そうやって一点ものになっていくのですが、私の思いとしては良い方に変わるのであれば、いいのかなと思っています。

 

色々やっていく過程も含めて、「あ、素敵に仕上がった!」という瞬間を自分自身が楽しんでいるのかもしれません(笑)かけた一手間を、手にされたお客様が喜んでくださったら一番嬉しいです。

もっともっと着物の素晴らしさに触れてほしい

着物に目覚めたのには、実はもう一つ理由があります。私は日本とアジアに架け橋を掛けるというNGOでミャンマーの難民支援をしていたことがあるんです。

 

村の女性にミシンを教えていたのですが、ある日彼女たちの村を訪ねる機会がありました。彼女たちは村に帰った時に、沐浴をして着替えるんですね、長い髪も洗って結って。

 

ミシン教室に通っている彼女たちが、ミャンマーのロンジーという民族衣装を着て出迎えてくれたんです。それはそれは綺麗でした。

 

彼女たちは美しい装いをしていて「誇りを身にまとっている」という感じがしました。その時、ハッとしたんです。そして、私も「日本人として誇りを身にまとって生きていきたいな」と思いました。

-たしかに、民族衣装はその民族のアイデンティティであったり、文化の集積だったりしますね
左:クリーマ 木村、右:ペタコ 石橋さん

着物生活に入る前から着物には関心があって、その頃から半襟が好きだったんです。なので京都にもよく行きまして、舞妓さん用の半襟など、色々な半襟を見せていただきました。それらは全て、もの凄く高いんです。桁が一つ違いました。

 

もちろん、素材にも刺繍にもこだわって作られているのですが、なかなか手が出せません。悩んで悩んで、1枚か2枚買うんです。

 

そんな自身の経験もあって、自分が作るからには「着て、美しく楽しい」「自分で洗えて手間が掛からない」「誰もが求めやすい価格」、そんなことを意識しながら制作しています。もっともっと多くの方々に着物の素晴らしさに触れてもらい、気軽に楽しんでもらいたいです。

最後に

ペタコ:石橋さんの着物を始めとする日本文化への造詣の深さには、本当に驚きました。日本のアイデンティティとして、しかし肩肘張らずに着物を楽しんでほしいという思い。

 

これから2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、和装文化が見直される機会が増えるかもしれません。そんな時も、日本の文化を身にまとう「普段着で楽しむ着物」として多くの人に楽しんでもらえたらいいなと、心から感じました。

 

皆さんも、気軽な感じで着物を楽しまれてみてはいかがでしょうか。きっと、これまでとは違う世界が見えてくると思います。

ペタコさんのギャラリーはこちら

《お知らせ》

ペタコさんは7/7(土)・8(日)開催「ハンドメイドインジャパンフェス2018 in 東京ビッグサイト」に出展予定です!

ブース番号は、J-109。ぜひ直接会いに行ってみてください。

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