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「今、私が会いたい人」ずっと永く使いたくなる時計を作りたい|時計作家・Ayari Designさん
こんにちは。クリーマ エンジニアの大石です。
普段は「Creema」のサイトやアプリの開発・改善を担当しています。
私は成人してから最近まで腕時計を着けたことがありませんでした。そんな私がCreemaを眺めていたときに、ふと目に止まったのが Ayari Design(アヤリ デザイン)さんの腕時計でした。
奇をてらうことのないシンプルさ、そして計算された美しいデザインに一目惚れしてから数年後。改めて「やっぱり欲しい」そう思い、2年ほど前に購入しました。それからは毎日身につけるお気に入りアイテムとなっています。
この機会にぜひ、作品に込められた想いや魅力について直接伺いたいと思い、「Ayari Design」川内さんにお会いしてインタビューをさせていただきました。
実際に購入した時計
─ 腕時計との出会いについて教えてください
小さい頃から自分で何かを作るのが好きでした。得意科目は図工。ずっと何かを作りたかったんだと思います。
中学生の頃から建築家を目指していて、大学では建築学科を専攻しました。
でも、いざ入学して本格的に勉強がはじまると、自分の想像するものとちょっと違ったんです。建築で自分が携われるのは、全体のごくごく一部だということに気づきました。
卒業後は全くの別の仕事に就きましたが、その後も「ものづくり」への思いを忘れることができませんでした。自分で形あるものを生み出したい、ゼロから作り上げることを仕事にしたい。そう思っていた時、家の近所で「手作り腕時計教室」が開かれていました。それが「手作り腕時計」との出会いです。
体験教室に参加しましたが納得がいかず、もっと深く学びたいと思い、その後は独学で手作り腕時計についての勉強を始めました。
─ 今のスタイルはいつ頃確立されたのでしょうか
独学を始めた頃、世の中の手作り腕時計を調べてまわりました。これは何の材料を使っているんだろう?これはどうやって作っているんだろう?と、調べて、試して、調べて、試して、その繰り返しでした。2年ぐらいは試行錯誤を繰り返していたと思います。時間もお金も費やしながら、ようやく自分のスタイルができてきました。
最初は個性の強い時計ばかり作っていたんです。「一点もの感」のある、凝ったデザインのものが中心でした。でも、最終的には「自分が身につけたいもの」を考えているうちに、シンプルな今のデザインにたどり着きました。
─ 腕時計を作る上で、一番のこだわりを教えてください
「文字盤」です。時計の顔ですからね。
最初は色々なことを考えてやっていましたが、だんだんシンプルになってきました。これは文字盤をクロスステッチという刺繍で作ったもので、文字盤だけで4時間程かかっています。
あとは、こだわりというか最も苦労したところになりますが、電池を交換するときに開ける「裏蓋」も手作りにこだわった点となります。
ケースも手作りなので一つひとつ微妙にサイズが違い、それに合わせて裏蓋も作る事になります。その際に小さいとほんの少しの衝撃で簡単に裏蓋が外れてしまったり、逆に大きいとケースが広がってしまったり、歪んでしまったりします。
1ミリ以下の精度が必要な部分だったのでで非常に苦労しました。
たくさんの手作り時計をみてきましたが、「裏蓋」まで自分で作っている方はあまり見かけませんでした。
─ 川内さんにとって「理想の腕時計」とはどんな時計でしょうか
腕時計って電池が切れたら動かなくなりますよね。
ご購入いただいた方に「電池交換をお願いします」とおっしゃっていただけるような、ずっと永く使いたくなる腕時計を作りたいと思っています。
インタビューを終えて
冒頭でお伝えさせていただいた通り、私は最近まで腕時計を着けたことがありませんでした。
エンジニアという仕事柄も手伝って、腕時計があると机やらパソコンやらにガチャガチャ当たってしまいますし、携帯電話を持つことが当たり前になった世の中で、特に「ほしい」という欲求が働いたことはありませんでした。
Creemaのシステム開発に携わっていた当初から、私はCreema の作家さんが出品している作品を時折見ては、気になるものを「お気に入り」に追加していました。
その中で、ふと目に止まった腕時計。
それが Ayari Design さんの腕時計でした。
性別や年齢に関係なく、永く大事にしたい腕時計を作られている Ayari Design さん。
私もそのようなアウトプットが出せるエンジニアでありたい、と思った出会いでした。
今回のインタビューを機に、ハンドメイドならではの腕時計の魅力が伝われば嬉しいです。
皆さんもぜひ、自分だけのお気に入りの時計を見つけてみてください。