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木の種類が違うと何が変わる?インテリアや家具選びに役立つ、木材の知識

家具選びやインテリア選びのときに目にする木材の種類。マホガニーやナラ(オーク)、ヒノキ、パイン、ウォールナットなど一度は聞いたことがあると思いますが、それぞれの性質や特徴が分からないまま選んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は家具に使われる人気の木材12種類の特徴を徹底解説。色や硬さ、木目の違い木材の特徴や、色や硬さ、木目の違いについてご紹介します。デザインや色味はもちろん大事ですが木材の性質を知っておくと、さらにインテリアや家具選びに役立つはずです。
目次
1. 木材の種類は大きく分けると2つ。「針葉樹」と「広葉樹」の種類と特徴、違い
− 「針葉樹」の特徴
− 「広葉樹」の特徴
− 世界三大銘木とは?
2. 家具に使われる人気木材の種類と特徴(針葉樹の場合)
− ヒノキ(檜)
− パイン(松/マツ)
− スギ(杉)
3. 家具に使われる人気木材の種類と特徴(広葉樹の場合)
− ナラ(オーク)
− ブナ(ビーチ)
− ケヤキ
− タモ
− ラバーウッド
− ウォールナット【世界三大銘木】
− チーク【世界三大銘木】
− マホガニー【世界三大銘木】
4. ほかにもある、家具に使われる人気素材
− 竹
5. 無垢材とは? 集成材とは? 併せて知りたい、木材加工の種類
6. 木材の種類・特徴を知って、家具やインテリア選びの楽しみを広げよう
木材の種類は大きく分けると2つ。「針葉樹」と「広葉樹」の種類と特徴、違い
木の種類は大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。英語で針葉樹を「ソフトウッド」、広葉樹を「ハードウッド」とも呼ぶように、針葉樹と広葉樹の大きな違いは、重さや硬さや木目にあります。それぞれ性質が異なり、簡単に表すと以下のような特徴の違いがあります。
「針葉樹」の特徴
【特徴】
・柔らかく軽量
・加工しやすい
・肌触りが良く、香りが残る
【針葉樹で人気の木材】
ヒノキ(檜)・パイン(松/マツ)・スギ(杉)など
柔らかく傷がつきやすいため、大型家具として長期的に使うようなものには向いていませんが、軽いのでインテリア雑貨や折りたたみ式のテーブルなど、移動させることが多い家具であれば持ち運びが楽というメリットがあります。
また柔らかく肌触りが良いので子ども家具や、日常的に触ることが多いテーブルなどにもおすすめです。
「広葉樹」の特徴
【特徴】
・硬く重い
・強度があり傷がつきにくい
・揺れに強い
【広葉樹で人気の木材】
ナラ(オーク)・ブナ(ビーチ)・ケヤキ・ウォールナット・チーク・マホガニーなど
しっかりと目が詰まっている広葉樹は揺れにも強いのでソファーや椅子のフレームにも良く、傷がつきにくいため勉強机や書斎のデスクなどにも。また広葉樹である「ウォールナット・チーク・マホガニー」は世界三大銘木と呼ばれ、世界的にも人気の高級木材です。
「世界三大銘木」とは?
世界三大銘木とは、世界中で良材として知られる木材3種類のことで、広葉樹の「ウォールナット」、「チーク」、「マホガニー」を指します。加工性の高さや木目や色、つやの美しさ、強度などの観点で良材とされています。
家具に使われる人気木材の種類と特徴(針葉樹の場合)
● ヒノキ(檜)
ヒノキの特徴
・腐朽しにくく耐久性、緻密弾力性に優れる
・リラックス効果のある特有の香りを持つ
・滑らかで、優しく心地の良い手触り
日本が世界に誇る木材の代表といえば、ヒノキ(檜)。仏閣や神社を建てるための木材として古くから用いられ、建設から1,300年以上経つ法隆寺を今も支えているのがこのヒノキです。
ヒノキは切ってから約200年の間強くなり続けると言われ、腐朽しにくく耐久性にも強い木材です。また、ヒノキ風呂などが愉しまれるように、気分を落ち着かせてくれる香りを漂わせるのもヒノキ。これはヒノキに含まれるヒノキチオールという成分の効能です。ほかにもヒノキには殺菌効果の期待できる成分が含まれているため、まな板などのキッチン用品にも用いられることがあります。
● パイン(松/マツ)
パインの特徴
・柔らかいため加工しやすく、DIYにも最適
・触り心地が良い
・森林浴を思わせるような香り
・木目に節が見られ、ナチュラルな風合い
松のことを「パイン」と言いますが、パインには50種類以上もあり、イエローパインやホワイトパイン、アカマツなどが家具用木材として知られています。その柔らかさからDIY用の加工素材としても需要があり、値段も比較的お手ごろで人気の木材です。
もとは白っぽい黄色ですが、全体的に油分が多いため経年変化により艶のある色合いへと変化していきます。木目のところどころに見られる節はナチュラルな風合いを感じさせ、温かみのある質感はカントリー調のダイニングテーブルや食器棚などにもぴったりです。柔らかい分、傷がつきやすので長く使いたい方は丁寧に扱うことをおすすめします。
● スギ(杉)
スギ(杉)の特徴
・中心は赤褐色やピンク系、年輪を重ねた外側は白系と、色の違いがはっきりしている
・軽量・耐水性が良い
・食のシーンにもよく合うほんのり甘い香り
とても軽いのが特徴の「スギ」は、とにかく家具は軽量が良い! という方におすすめ。アウトドアで使うものや折りたたみ式のテーブルなど移動させることが多いアイテムはスギにしておくと持ち運びも楽になります。
気密性が低く、反りの原因にもなる湿気を逃しやすいため、変形や狂いも生じにくいのもポイント。スギの語源であるともされる「まっすぐな木」という言葉の通り、スギはまっすぐと伸びて成長するので、床材としても用いられることが多いようです。
家具に使われる人気木材の種類と特徴(広葉樹の場合)
● ナラ(オーク)
ナラ(オーク)の特徴
・虎斑という模様が見られる
・重厚で硬いため、反りが生じにくく傷がつきにくい
・耐水性に優れ、長年使い続けられる
耐久性に優れているため大型家具に用いられることが多く、床材としても人気の「ナラ(オーク)」。
ナラとオークは厳密には違う木材ですが、特徴や色味が似ているため同じ種類として扱われていることもあります。基本的には日本や中国、ロシアで採れる木のことをナラ、北米で採れる木のことをオークというそうです。
木目には虎の毛並みに似た虎斑(とらふ)という模様があり、人によって好みは分かれますが、虎斑の出ている部分が最も硬くて良いとされる部分だそう。
ウイスキーの樽としても使われているなど、耐水性にも優れているので台所周りのアイテムに用いられることも多い木材です。重厚で硬いので反りが生じにくく傷もつきにくいため、長年使い続けたい家具はナラのものを選ぶと良いかもしれません。
● ブナ(ビーチ)
ブナ(ビーチ)の特徴
・白っぽい北欧風の色味と、きめの細かい柔らかな質感
・硬さとしなやかさを併せ持つため、曲げ加工に強い
家具材料の中でもよく使われる木材のひとつ「ブナ(ビーチ)」。木には水分を多く含み、果実には栄養分が豊富で山の動物たちにも人気なことから、森の豊かさを象徴する木でもあるといわれているそうです。
硬いのに曲げに強い、という性質を持っているため、曲げて使用されることが多く、家具の脚や背もたれでよく見かけられます。色味は白っぽいので北欧風の家具のイメージにも合い、その柔らかな風合いから赤ちゃん用のおもちゃにも多く使われています。きめ細やかな木目と明るいカラーが可愛らしい木材です。
● ケヤキ
ケヤキの特徴
・赤からオレンジの色味にくっきりとした木目
・重厚感と格調高さ
・柱として使われるほどの大きさと耐久性
硬く重たい大きな木に育つため、大黒柱や梁など大きな木材を必要とする部分に使われてることが多い「ケヤキ」。語源は、際立つ・美しいという意味を持つ「けやしき」からきているという説も。
特有のくっきりとした美しい木目が特徴的で、強靭で狂いも少ないという性質もあり、古くから日本で最良の広葉樹として扱われ、お寺の建築には欠かせないものとなっていたそうです。和家具の木材としても有名で、お盆やお椀などの漆器、和太鼓や餅つきの臼や杵などとしても用いられ、格調の高さを感じさせる木材です。
● タモ
タモの特徴
・ナチュラルで淡い木の色と美しい均一な木目
・肌触りもなめらかで、硬く頑丈
「タモ」は「アッシュ」と呼ばれることもある木材で、ナチュラルで淡い木の色と、ところどころで色味の深さが異なるグラデーションと均一な木目が美しいことで人気です。
肌触りもなめらかで、硬く頑丈なので、その木目を活かしたテーブルや、シンプルなデザインの家具で使われることが多いようです。
● ラバーウッド
ラバーウッドの特徴
・なめらかな肌触り
・温かみがある木目と、淡い色合い
・比較的軽くて柔らかい
・集成材で使われることが多い
「ラバーウッド」は別名「ゴムノキ」とも呼ばれ、比較的軽くて柔らかいため加工がしやすいことで知られています。いちばんの特徴はなめらかな肌触り。温かみがある印象の木目もあるので、テーブルとしても人気の木材です。
淡い色合いなので着色がしやすいといったメリットもあります。無垢材だと、だんだんと経年変化により飴色になります。
ラバーウッドは、反りや木の狂いを防ぐため集成材で使われることが多いようです。
● ウォールナット【世界三大銘木】
ウォールナットの特徴
・チョコレート色でまっすぐな縦縞の木目
・耐衝撃性・加工性・接着性に優れている
・高級感がありヴィンテージやレトロなお部屋と相性が良い
濃いブラウンから黒に近いブラウンまで、チョコレートのような色が印象的な「ウォールナット」は日本語でクルミのことを指します。西洋では富の象徴とされていたこともあるほどの高級木材で、今でも根強い人気があります。
反りや曲がりが少なく狂いが生じにくいことから楽器用の木材としてもよく使われます。また、ヴィンテージやレトロなお部屋との相性がよく高級感を演出したいときにおすすめです。小さめの装飾品やインテリア雑貨より、テーブルなどの大きめの家具に使うと深い色味や艶がより映え、存在感のある印象を与えます。
● チーク【世界三大銘木】
チークの特徴
・独特の筋の入った美しい木目に黄褐色
・湿気や水に強い
・硬く丈夫な素材で、耐久性が高い
古くから高級家具や豪華客船などにも使われている高級木材の「チーク」。
湿気や水、虫害にも強く、耐久性も高いので長年使い続けることができます。天然の油分を含んでいるので、時とともにゴールデンチークカラーと言われる黄褐色に変化していき、深い味わいを楽しめます。
マホガニー【世界三大銘木】
マホガニーの特徴
・アンティーク家具に使われるなど、上品な高級感が人気
・寸法安定性や加工性に優れ、軽量
“黄金色” を意味する「マホガニー」は古くから宮殿の装飾に使われるなど、高級木材として人気があります。その人気から、今では天然木の伐採や取引が制限されているため、市場に出回っている数も少なく、希少な木材として価値が上がっているほど。
軽量で加工しやすいうえにとても頑丈な性質から、繊細なデザイン家具ができると重宝されています。経年変化によって艶と赤みのかかった色へと変化していき、アンティークな落ち着いた風合いになっていきます。一定の周期で見られる縦縞模様の木目は一本一本をリボンに見立て「リボン杢」と呼ばれています。
ほかにもある、家具に使われる人気素材
● 竹
竹の特徴
・集成材として加工されて使われることが多い
・薄くしても強度があり、軽くて強い家具やインテリアにすることが可能
・成長速度が速く、持続可能な素材として注目を集める
薄く仕上げても強度が保たれるため、棚板の材料としても最適とされています。抗菌性や脱臭性にも優れ、テーブルや椅子、靴箱など、さまざまな家具や場所で活躍します。
またほかの木材と比べて成長速度が圧倒的に速い竹は、最近では持続可能でサステナブルな素材としても知られるようになりました。まっすぐな木目で、採寸や裁断もしやすい竹素材は今後家具やインテリアに使う素材としてますます注目度が増していくでしょう。
無垢材とは? 集成材とは? 併せて知りたい、木材加工の種類
● 無垢材とは?
丸太から切り出したままの自然な状態の木材のことを「無垢材」と言い、加工した木材にはない風合いや温かみがあり、美しい木目や経年変化が楽しめます。
● 集成材とは?
切り分けた木材を接着剤で組み合わせた人工の木材です。無垢材よりも扱いやすい、割れや反りが出にくい、耐用年数が短いなどの違いがあります。
木材の種類・特徴を知って、家具やインテリア選びの楽しみを広げよう
ヒノキ(檜)にパイン(松)、スギ(杉)、ウォールナットなど、よく聞く木材の名前。見た目や色の違いだけで選ぶのではなく、その木材の特徴もあわせて知っておくと、より使い勝手のいいインテリアや家具が選べるようになります。
家具に使われる木材、一見同じように見えても硬さや重さ、メリットやデメリットがあり、一つひとつ違いがあるんです。色味や木目のデザイン性で選んだり、用途や置く場所に合わせて素材を変えてみたり、木材の種類や特徴を知ることで、これからの家具・インテリア選びがますます楽しくなるはずです。