BLOG

「今、私が会いたい人」見ているだけで”ふふっ”となるイラスト|イラストレーター・zacchino!さん

「今、私が会いたい人」見ているだけで”ふふっ”となるイラスト|イラストレーター・zacchino!さん

こんにちは。クリーマの萩原です。

今回は、僕が前々から気になっていたイラストレーターzacchino!さんをご紹介させていただきます。初めてパンツのイラストブローチを見たとき、「なんだこのポージングは!」と、自分の中に衝撃が走ったことを覚えています。エロティックではなく、ちょっと笑ってしまうようなチャーミングさを感じる作品で、思わず「ふふっ」となってしまう。どこか楽しい気持ちにさせてくれるデザインです。

イラストブローチ/パンツ

https://www.creema.jp/item/215409/detail

猫たちのピンブローチ/レッド

呼んでも返事がなかったり、嬉しい時にも無表情。そんな感情を表に出さない猫のツンとした表情が、かえって愛らしい雰囲気を醸し出している猫のブローチ。こちらも僕のお気に入りです。

そんな、ちょっとユニークでどこか可愛い、表情豊かなオリジナルキャラクターを描く、イラストレーター:zacchino!さんに、インタビューする機会をいただき、アトリエでものづくりにかける想いやこだわりを伺ってきました。

(zacchino!さんのアトリエ)

30歳目前で好きなことを仕事にする決断を

― イラストレーターになろうと思ったきっかけを教えてください

幼い頃から絵を描くのは好きでしたが、実は仕事にしようと思ってはいませんでした。現実的なことを考えてしまい、「絵で生活するのは難しいのではないか」とずっと思っていたからです。なので、デザイン系の専門学校を卒業後もデザインの仕事には就かず、旅行ガイドブックの編集プロダクションに勤めていました。

順風満帆に正社員としての生活を送る中、20代後半になり、いよいよ30歳目前。ふと、「このままずっと、好きなイラストを仕事にしなくていいのか?チャレンジしなくていいのか…」と考え始めました。そんな思いを抱いている中、イラストレーターになろうと決めた大きなきっかけが2つありました。

 

1つ目は「誰かに自分のイラストを認めてもらえたこと」でした。それまでは、人にイラストを見せる機会はあまりなかったのですが、当時シェアハウスに住んでいたので、なんとなく描いたイラストを住人に見せたんです。想像以上に褒めてもらい、その時思ったんです。「ひょっとして、私のイラストを評価してくれる人が他にもいるのかな?」と。第三者からの評価を受けることで、大きな自信となりました。

その後、仕事にしていた旅行ガイドブックの編集部内でもイラストが評価されるようになり、イラストの依頼を受けることが度々ありました。自分の描いたイラストがガイドブックに掲載された時は本当に嬉しくて、自分の作品が世の中に出る喜びを初めて知りました。これまで味わったことのない気持ちになり、こういった体験がひとつのきっかけになったと思います。

 

2つ目は、ちょうどその頃に出会った友人の言葉に背中を押されたこと。イタリアでお世話になったのは、当時住んでいたシェアハウスの住人(友人)のお父さんだったのですが、その方はイタリアで画家として活動されていました。そこで、「アトリエを見学に行ってみたらどうか」という提案を友人にもらい、イタリアに行くことにしました。滞在中の3ヶ月間はその友人家族の家でお世話になりました。

正直かなりの不安はありましたが、折角行くならビザが効く3ヶ月間滞在したいと思い、その時初めて仕事を辞める決断をしました。「行ってしまおう!」と。

― 思いきった決断でしたね

そうなんです。正社員として働き続ける選択肢を捨て、「イラストだけで生きていきたい」と思ったんです。大丈夫かな?という不安がありつつも「どうにかなる!」って自分を信じていました。

― 実際、イタリアに行ってみてどうでしたか?

イタリアでは色んな絵を観てきました。自分の作風とは異なりますが、古典的な絵が好きで宗教画をよく見ていました。現代のイラストを見るより、古典的な絵の方が好きなんです。作品制作において最も刺激を受けるのは、絵を見ている時です。特に古典的で世界的に有名な絵を見ている時が、一番創作意欲が湧いてくるんです。自分とは到底比べものにならないくらいの巨匠の絵って、見ているだけで、なんかこう凄くドキドキして、興奮するんですよね。

(ご自宅にも絵がたくさん飾られていました)

描きたいと思っているものをカタチに

― 今のスタイルが確立されたのはいつからでしょうか

帰国後にすぐ、クリエイターとして活動を始めました。絵のテイスト自体は初めから変わっていないんです。破廉恥系のイラストも会社員時代から遊びで描いていて、裸とかいっぱい描いてました(笑) 絵が好きだなと描き始めた時くらいから、すでに自分のスタイルが出来上がっていました。意図的に破廉恥なものを描こうというよりも、好きだから自然とそっちの方向に行ったような感覚です。

イニシャルおしりブローチ/三つ編み

https://www.creema.jp/item/215540/detail

ハレンチメッセージカード【げっぷ】

https://www.creema.jp/item/272892/detail

描いたイラストをどうカタチにするか、という作品のスタイルについてはブランド開始からブローチを制作するまで1年以上模索していました。最初はハンコやフェルトのアイテムを制作していましたが、1年ぐらいはほとんど売れませんでした。その間ずっと模索し、ブローチ制作を始めたところ、徐々に作品の幅を広げることができ、作品数も増えていきました。今もずっと模索中ではあるんですけどね(笑)

見た人に楽しんでもらいたい

― 作品制作において大切にしているポイントやこだわりはありますか?

絵を見た人に楽しい気分になってほしいと思っています。パンツとか裸とか、元々女性の裸を描くのが好きなんです。身体のラインを生々しく描いたりエロティックにしたりするより、もっと単純な線でちょっと笑ってしまうような感じが好きなんです。ただ可愛いもの、可愛い絵を見ることで幸せな気持ちになるんですけど、そこに面白い要素が加わると、ちょっと「ふふっ」て笑ってもらえるんじゃないかと。見た人に楽しんでもらいたいっていうのがありつつも、根本的には自分が描いていてすごく楽しいんですよね。ちょっとふざけた感じが。

― これまでの活動で一番印象に残っているのはどんなことでしょうか?

やっぱり一番覚えているのは、最初に自分の作品が売れた時です。帰国して間もない頃、何を作れば良いのか模索中で、売れればラッキーぐらいの気持ちで、ハンコとニードルフェルトをCreemaに出品していました。そんな中、最初に売れたのは裸のハンコでした。当時、ブログで絵日記をつけていて、それを見て応援していてくれたお客様でした。グループ展を開催した時にもわざわざ足を運んでくれた方で、その方がCreemaで初めてハンコを購入してくださったんです。本当に嬉しかったです。自分の作品の対価として、誰かがお金を出して購入してくれるという体験が初めてで、感動しました。発送に行った時のことを、今でも鮮明に覚えています。作品を梱包して、自転車で郵便局に行った時の全てのシーンをはっきり思い出せるほどです。

ゴムはんこ/マチコ

https://www.creema.jp/item/10242/detail

「セガトイズ × Creema クリエイターコラボ企画」にご参加いただいて

― 今回、zacchino!さんにはセガトイズ とのコラボ企画「おもちゃ×クリエイターコンテスト」にもご応募いただきました。おもちゃを素材に作品を制作する、難しさや工夫したところを教えてください

今回、「おもちゃ×クリエイターコンテスト」では、子ども向けのおもちゃとして販売されている『ぷにジェル』を初めて使って、作品づくりに取り組みました。ぷにジェルに付属している型を利用すれば、綺麗に仕上がるのだろうなと思いましたが、それは使わずに完全なオリジナル作品に仕上げたいと思いました。

 

通常は、完成品のイメージが固まったうえで制作するのですが、初めて利用する素材で制限もあったため、どんなことができるか十分なイメージが湧かないまま、まずはお店に出向きました。実際に売られている様子を見て、どんなことができそうかを想像し、何が利用できるか考え…試行錯誤しながら完成させました。イメージが湧かない中で取り組む制作は非常に難しく困難ではありましたが、その分楽しく、完成した時には大きな達成感がありました。

(実際の作品)

― 子どもの視点で考えた時の使い心地はいかがでしたか?

ぷにジェル自体はとても使いやすかったです。子どもでも作れる素材でありながらも、仕上がりの透明感やフォルムのエッジなどが効いており、おもちゃの域を超えた本格的なハンドメイドのツールとして使えると感じました。

親子で作るのもいいですね。また、こういったメイキングトイは「考えて作る」遊びなので、アイディアや創造力が豊かになりそうでプレゼントにもおすすめだと思います。

インタビューを終えて

自分の好きなことに真っ直ぐで、自然体で制作に打ち込むzacchino!さん。絵を描くことに真摯に向き合あう姿に間近でお会いしたことで、もっと好きになりました。

「会社員と違って定年がないので、手が動かなくなるくらまでやれたらいいな。ただそれには、継続する力が必要なんだと感じます。全然売れなくてお金が本当に稼げなくなったらやめざるえない時もくるかもしれないので、続けていくために頑張らないとなと思っています!」そんな柔らかな表情で語るzacchino!さんが印象的でした。

「おもちゃ×クリエイターコンテスト」展示会で、zacchino!さんの作品をご覧いただけます

zacchino!さんにもご参加いただいた「おもちゃ×クリエイターコンテスト」には、たくさんのご応募をいただきました。ご参加頂いたクリエイターの皆さま、本当にありがとうございました。

今回の企画では、おもちゃの可能性が引き出された30名のクリエイターによる、クリエイティビティ溢れる、世界にひとつの作品が集まりました。これらの作品は、期間限定で作品展示会でご覧いただけます(入場無料)。お近くの方はぜひお立ち寄りください。

【 概要 】


名 称   :「ありがとう平成!おもちゃで作るハンドメイド作品展」

期 間   :  2018年11月30日(金)〜12月2日(日)11:00~16:00 

入場料   : 無料

開催場所  : Creema HASHTAG GALLERY(クリーマ ハッシュタグギャラリー)
                   東京都渋谷区神宮前3-1-14 LE REVE 1F(表参道駅から徒歩約8分)

特集ページ : https://www.creema.jp/feature/841

zacchino!さんの作品一覧はこちら

ブログで紹介する▼
HTMLコードをコピーしてブログに貼り付けてください
この記事のタグ
同じカテゴリーの記事
人気の記事