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フローリストに教わる一輪挿しアレンジ。花一輪からできるガラスの花器の楽しみ方
こんにちは。クリーマ編集部の川越です。
季節の変わり目や新生活、日々の暮らしに彩りを添えるアイテムが欲しい!という方におすすめしたいのが、ガラスの花器(一輪挿し)。
道端に咲いている花を一輪摘んでちょこんと生けるだけでも、なんだか可愛い。今回はクリーマいちのフローリスト渡邊監修のもとガラスの花器に合うおすすめの花と、その花を使った生け方をまとめてご紹介します。
いただいたお花一輪、庭に咲くグリーンひとつからでも手軽にはじめられるテクニックが満載です!さらに、少しアレンジをしてみたいという方には、きれいに魅せるポイントをおさえたアレンジ方法もご紹介しますので必見です。
ガラスの花器アレンジ。フラワーアレンジメントを愛するスタッフに教わります
ガラスの花器(一輪挿し)の魅力は?
涼しげな清涼感や、水を通してきらめく光の影の美しさ、上品な佇まいがガラスの魅力。さらに、透明なので花全体のシルエットを見ることができ、陶器などの花器では味わうことのできない花の楽しみ方ができるんです。
渡邊
花を選ぶときのワンポイント。素敵に見える生け方は?
大きさの花を同じ位置に生けるのではなく、コントラストを大切に
花の大きさや軽さ、動き、質感などのコントラストを大切にします。全て同じ大きさの花、同じ位置に生けるよりも、大きさをバラバラにしたり、重量感のある花とふわふわと軽さを感じる花を合わせたりなど、合わせる花の中でコントラストをだすことでお互いを引き立て合います。
渡邊
美しく、長持ちさせるために。生けるときのコツと裏技
生けるときは、霧吹きで花全体に水を吹きかけ水分を補いながら作業をするのがおすすめです。茎は斜めにカットし、花が水分を吸い上げやすくしましょう。水はできるだけ冷えている方が花が長持ちするので、特に夏場は氷や保冷剤を入れて水温に気をつけると良いです。
渡邊
色味と質感を引き立たせたい。一輪挿しを主役にするときは花は控えめに
ゆらゆらとした表情が印象的なヨシロ工房さんの一輪挿し。手の中に収まりそうな小ぶりなサイズは花を1本挿すだけでも素敵になりそう。オフィスのデスクなどスペースがないところでも癒やしの空間が楽しめます。一輪挿しのほかに、ウッドスティックを挿してルームフレグランスとして使用するのもおすすめです。
【サイズ 横:5cm 縦:3.7cm 高さ:8cm】
使用した花:オンシジュウム、カンガルーポー、バラ フォルム
ガラスなのにあたたかみを感じる風合いと、どこか懐かしい雰囲気を意識しました。特徴的なガラスの質感に異なる質感のお花を合わせ、花器とお花のコントラストを大切にしています。
渡邊
サイズも小さめで口径も狭いので一輪でもしっかり安定し、それだけでも十分さまになります。穂先に動きのあるオンシジュウムや、ポワポワとした枝が面白いカンガルーポーを試しましたが、つるつるとしたガラスに動きや質感の異なる植物を合わせることで面白みのある雰囲気に仕上がりました。
小さなグリーンから枝ものやバラまで、どんなお花とも相性が良いですね。バラのように、香り高いお花は見た目だけでなくその香りも楽しみ方のひとつです。花と葉を一緒に生けたいときは、ハサミでそれぞれを別々に分け、全体のバランスを取りながら生けることでより自由なアレンジができます。
花器のチャームポイントを活かして、季節感のあるアレンジに
口元に金箔をあしらったnanahoshiさんの水玉模様の花器。吹きガラスの柔らかさがでるようにとデザインされた金魚鉢のようなふっくら感が魅力的です。中に生ける花の邪魔をしないよう、金箔やブルーの粒ガラスを淡く優しく色味をつけました。庭先に咲いている野花を生けてもかわいいですね。
【サイズ 高さ:8cm〜9cm 口径:5.5cm〜6cm 】
使用した花:デンファレ きら星、アンスリュームの葉
砂浜をイメージした金箔と海のように透き通ったブルーの花器に白いお花を生けてみました。きら星とアンスリュームはどちらも南国の花なので、暑さにも強く今の時期にも長持ちします。大きめのお花を飾ることで立体感を演出し、花瓶のチャームポイントでもある縁の金箔をちらっと見せることで全体が引き締まります。花瓶の縁を上手に使ってバランスよく飾りましょう。
渡邊
nanahoshiさんのブルーの花器から新しく大きいサイズも登場しました。通常サイズの2倍ほどの高さで牛乳瓶のような可愛らしいフォルム。長い植物もこれならしっかり飾ることができそうですね。
大きいサイズの花器にもさっとアレンジ。2つを並べて飾ってみました。向日葵とレモンリーフはとても相性が良いので、組み合わせに悩んだときはぜひお試しいただきたい夏の定番です。
ころんと丸い一輪挿しは360度どこから見ても美しく、を意識して
リサイクルガラス特有の色味がアースカラーを引き立てるglass32.okinawaさんの一輪挿し。ビンなどをリユースしているので環境にも優しく、コロンとしたフォルムのかわいらしさにも優しさが現れているようですね。美しい海を感じる沖縄の工房で作られ、ほんのり色づいたカラーに心が癒やされます。主役たちをより美しく引き立てる名脇役になれたら、との思いで制作されているんだそうです。
【サイズ 幅:7.5cm 高さ:8cm】
使用した花:スプレーバラ シーアネモネ(日本限定)、木苺 ベビーハンズ
週末に家族や友達と一緒に楽しむティータイムに添えるおもてなしをイメージしました。ひとつはテーブルフラワー用に360度どこから見ても丸く美しく見えるようにお花を3つ輪になるように生け、もう一つは一輪だけをベビーハンズという優しい黄緑色の葉で包んで生けました。同じ花なのに生け方でこんなに雰囲気が変わるのだから不思議ですね。
渡邊
6色とカラーバリエーションも豊富でどれにしようか悩んでしまいそう。生けるお花や飾る場所に合わせて選んだり、いくつか並べて置いたり、全色揃えてシーンによって使い分けていただくのにもおすすめです。
印象的なカラーの一輪挿しには、色を合わせて統一感を
カラフルなガラスたちが踊っているようなあづみ野ガラス工房さんの一輪挿し。中心から下にはガラスがぎゅっと詰まり重厚感を感じます。ぽこぽことした気泡は水の中の一瞬を切り取ったようでつい見とれてしまいます。空気の泡に映り込むガラスが輪に見えることから名付けられたそうです。
【サイズ 横:5cm 縦:7cm 高さ:8cm】
使用した花:アルストロメリア エリカ
ビー玉や水風船のようなポップなイメージから、ワクワクと元気になるようなアレンジを考えました。カラフルなガラスが特徴的なので、使うお花はこの中の色から選ぶと全体的にまとまりが生まれます。
渡邊
花を長く美しく保たせるためには"茎を短く"して水揚げを良くすること。日にちが経って茎がくったりしてしまったお花やガーベラなどの比較的水がなくても元気なお花は思い切って短く切って使うことで長く美しく飾ることができます。また、赤には緑、黄色には紫などの補色を用いることで、お互いを引き立て合うのでお花選びをするときにおすすめです。
この一輪挿しはガラスの散りばめられ方や気泡の雰囲気もひとつずつ違うので、見比べながら飾ってみても楽しいですね。
高さのあるステンドグラスの一輪挿しには、立体感をプラス
クリアガラスとブルーやホワイトが混ざり青空のような色合いのステンドグラス hualiさんの一輪挿し。和紙のような質感のブルーガラスのかけらや、クリアなレトロガラスを使用し、模様ひとつひとつが見ていて楽しいデザインです。制作するにあたっては、ガラス本来の美しさを失わないよう丁寧な作業を心がけているそう。花の種類や生け方によってステンドグラスの表情が変わるので、一面一面ゆっくり眺めたくなります。
【サイズ 底面:7cm 上部:4cm 高さ:10cm】
使用した花:向日葵、アルケミラモリス、キキョウラン
クラシカルなステンドグラスから、夏と蝉の声や暑い日差しなど夏の思い出をイメージしました。長さと安定感があるので夏の花である向日葵を使い、たっぷりとアレンジに挑戦。スラッとしたフォルムの一輪挿しには茎を見せる向日葵がとても似合います。花器と花のてっぺんが1:1になるように生けるとバランスよく見えます。
渡邊
キキョウランはリボンに見立て、ブーケのようなボリューム感を演出しました。口の広い花器なら一輪挿しでも色々な楽しみ方ができそうですね。
お花だけじゃない。グリーンでつくる初夏の装い
お祭りで見かける水風船のようなデザインが可愛らしい、アトリエソラさんの一輪挿し。こだわりは、飾る場所に合わせて花の色や景色に染まる透明感、光を浴びてより一層きらめくフォルム、空間を爽やかに引き立てる純白の色ガラスです。ずっとお気に入りとして使い続けてもらえるようにとアトリエソラさんの思いがたくさん詰まっています。
使用した花:ブルーベリー、利休草
青いブルーベリーの枝もので初夏の匂いを感じさせるアレンジです。今だからこそ見られる色づく前のブルーベリーのプチプチとした実が可愛く、ちょっと個性的で素敵ですね。
渡邊
くるっとした穂先が特徴的な利久草は涼を感じられるようにふんわり垂れるようなシルエットに。縦に生けるイメージのあるお花を横にバランスをもたせることによって、横への動きを演出します。一輪挿しの上品な白さがグリーンを一層引き立て、お花がもちにくい季節にはグリーンがおすすめです。
お手入れ方法は?
暖かい季節はお花の水を毎日変えることをおすすめします。1日経つだけでもカットした茎部分が茶色く変色するので、水切り(空気に触れないよう水の中で茎を斜めに切ること)も毎日すると良いです。お出かけのときには冷蔵庫に入れておくことで長持ちさせることができます。
渡邊
ガラスの花器は花一輪から楽しめる。一輪挿しで自分だけのアレンジを
光の当たる窓辺に置けば、ガラスそのものの美しさも楽しめるガラスの花器(一輪挿し)。光の降り注ぐ天気のいい日はガラスのきらめきを存分に感じることができます。
今回はフローリストのスタッフが花器に合わせてフラワーアレンジメントに挑戦してみました。同じ花でも数や組み合わせでこんなにも雰囲気が変わるなんて、驚きでした。花器のデザインによっても上品になったり、かわいらしくなったり、色々な楽しみ方ができるんですね。
みなさんも、お好きな花一輪からはじめてみてはいかがでしょう。ガラスの花器で、毎日の暮らしにほんの少しのときめきと彩りを添えてみませんか?