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北欧生まれの"光のモビール"、ヒンメリ。飾り方や作り方、おすすめ作品

北欧フィンランド生まれの伝統的なモビール「ヒンメリ」。
細い藁(わら)でできた幾何学的な多面体がつなぎ合わさり、空気の流れにたゆたうように回る美しい様子を眺めていると、不思議と気分が落ち着き、心惹かれるものがあります。
発祥の地・北欧フィンランドでは、 "幸せを願う光のモビール" として、暗く寒い冬に飾るクリスマス時期のインテリアとして一般的に知られているヒンメリ。今回は、そんなヒンメリが持つ意味や由来、込められたストーリーに目を向け、ヒンメリの魅力に迫ります。
また、ヒンメリの作り方や、おすすめのヒンメリ作品、自分で簡単にヒンメリ作りに挑戦できる制作キットも一緒にご紹介。今年はお部屋にヒンメリを飾って、北欧の空気をお家で感じてみませんか。
目次
● ヒンメリとは
● フィンランドで大切にされてきた伝統工芸・ヒンメリの由来
− 太陽がないフィンランドの冬
− 暗い冬に希望をもたらす、幸せを願う光のモビール・ヒンメリ
● 日本でも楽しみたい、ヒンメリの魅力。おすすめの飾る場所や飾る時期について
− ふわりとたゆたう、神秘的な動き
− 夜になると現れる、影のコントラストが生み出す芸術
− 正八面体以外に、星やツリーなどの形も
− ナチュラルにお部屋に馴染む、クリスマスインテリアとして
● 基本的なヒンメリの作り方と材料
● ナチュラルな素材感を楽しむ、麦藁のヒンメリ作品
● 麦藁以外の素材でも。クリエイターオリジナルの個性派ヒンメリ
● 作ってみたいあなたに。ヒンメリキットで手作りにチャレンジ
● 光のモビール「ヒンメリ」で、北欧の空気をお家で感じてみませんか。
ヒンメリとは
ヒンメリ(himmeli)とは、乾燥した藁を糸でつないで多面体を作り、それをさらにつなぎ合わせることでできる北欧の国・フィンランド伝統の飾りです。12本の麦藁を使って作られる八面体が基本形となり、幾多にもつなぎ合わせることでさまざまな形のヒンメリになります。
藁はストローのように中が空洞になっていて、そこに糸を通してヒンメリを作ります。完成したヒンメリは大きさにもかかわらず非常に軽く、天井から吊るすとゆったりと回り、まるで見えない空気の動きを美しく魅せてくれているかのよう。
スタンドライトや照明に照らされる位置に飾ると、壁や天井にもヒンメリの影が写ってとても芸術的な空間を演出してくれます。
フィンランドで大切にされてきた伝統工芸・ヒンメリの由来
ヒンメリは、フィンランドでは別名 "光のモビール" とも呼ばれています。ナチュラルな麦藁の素材感から「光」はイメージしにくいかもしれませんが、なぜ「光のモビール」なのでしょうか?
太陽がないフィンランドの冬
日本に住む私たちにはちょっと想像できませんが、高緯度にあるフィンランドの冬は、ほとんど太陽が顔を出しません。フィンランドの首都であるヘルシンキでも、冬は太陽が昇るのは朝10時頃。夕方には太陽が沈んでしまいます。
さらにフィンランド北方では、1日中まったく太陽が昇らない「極夜」と呼ばれる時期が2ヶ月も続く地域も。
これほど太陽の光が貴重なフィンランドでは、昼の時間が一番短い日であり、その日から春に向けて昼の時間が長くなる日でもある冬至を "太陽が生まれる日" として盛大にお祝いしてきました。
そしてこの冬至祭の慣習が、今では12月のお祭り「クリスマス」のルーツとして今でも北欧で残っています。冬に差し掛かると、フィンランドのあちらこちらのお店で、クリスマス用の飾りと一緒にヒンメリが吊るされ始めます。
暗い冬に希望をもたらす、幸せを願う光のモビール・ヒンメリ
長い冬を越えるフィンランドの人々にとって、ヒンメリは太陽とのつながりを感じられる光のモビール。
太陽と豊穣のシンボルである麦藁を使ってつくる幸運のモビールとして、冬の時期以外にも日頃から食卓やゆりかごの上などに吊るし、幸福を願うためにも飾られるそうです。
日本でも楽しみたい、ヒンメリの魅力。おすすめの飾る場所や飾る時期について
ふわりとたゆたう、神秘的な動き
ヒンメリの大きな魅力は、なんといってもそのゆったりと回る神秘的な動きです。
大きなヒンメリでも数十グラム〜数百グラムほどの重さなので、天井から吊るすと空気の動きに常にたゆたい、眺める人を癒してくれます。その繊細さは、部屋の中で人が歩くだけで、時間をおいてゆっくりと回るほど。
夜になると現れる、影のコントラストが生み出す芸術
もうひとつの魅力は、夜になると照明やライトに照らされて天井や壁に現れる、芸術的な影のコントラスト。
特に北欧の暮らしのように、間接照明で部分的に明るくなる、壁に近い場所にヒンメリを吊るして飾っておくと、より美しい影の芸術が愉しめます。リビングや寝室だと、昼間と夜と、ヒンメリのいろいろな姿が見られそうですね。
正八面体以外に、星やツリーなどの形も
基本形は正八面体ですが、作り方や図面によって緻密な幾何学的なフォルムのものもあるヒンメリ。中には可愛らしい星の形やツリーの形、月の形などもあるので、モチーフを楽しむインテリアとしてもアクセントになってくれます。
またCreemaには、ナチュラルな藁を使ったヒンメリ作品はもちろん、真鍮を使ったヒンメリも。インテリアのテイストに合わせて、さまざまなヒンメリを選ぶことができます。
ナチュラルにお部屋に馴染む、クリスマスインテリアとして
もともと北欧では冬のクリスマスシーズンに愉しまれることが多いヒンメリ。
装飾が少なく、幾何学模様の組み合わせでデザインされることが多いヒンメリですが、クリスマスに飾るものには赤いタッセルがつけられたり、伝統的な結婚式に飾るヒンメリには、鏡や紙の装飾が華やかに施されていたりするそう。
クリスマスリースやクリスマスツリーだけでなく、天井から吊るすクリスマス飾りとして、またナチュラルなお部屋にぴったりなクリスマスインテリアとして取り入れるのもおすすめです。
また、1年中飾れる色合いやデザインなら、好きなときに好きな場所で楽しめます。
基本的なヒンメリの作り方と材料
ヒンメリに使われる材料は、藁(わら)とそれをつなぐ糸だけで、とてもシンプル。基本の形は、12本の藁に一本の糸でひと筆書きするように通して作る、正八面体です。
藁の長さで八面体の形を変えたり、八面体を組み合わせたりすることで、さまざまな形のヒンメリを作ることができます。興味のある方はぜひ、図面や作り方つきの制作キットをさがして挑戦してみてくださいね。
ヒンメリの材料
□ 藁(細い紙製のストローなど、中が空洞のものであれば代用可能)
□ 細い糸(白以外に、赤などを使ってもアクセントになります)
□ はさみ
□ 定規
□ 長めの針
ナチュラルな素材感を楽しむ、麦藁のヒンメリ作品
藁を使ったヒンメリは、インテリアによく馴染むナチュラルな質感が魅力です。麦藁を組んでいるのでとても軽く、窓から入る微かな風でゆったりと回る様子が楽しめます。
国内で栽培された無農薬栽培のライ麦の麦わらで制作されているこのヒンメリは、星々が瞬く様子をイメージして作られた作品。室内のかすかな空気の動きでゆらゆら揺れて素敵です。
天然素材でベッドメリーとして使うのもぴったり。
クリスマスのインテリアとしてもおすすめの、星がアクセントになった& Yさんのヒンメリ、「麦わらのヒンメリ カラフル」。
ひとつ吊るすとお部屋のポイントになる、麦わらと羊毛のフェルトボールのヒンメリは下から覗いた様子も美しい作品。てっぺんについたフェルトボールは、まるでクリスマスツリーのようです。
自家栽培の麦藁でつくる、ヒンメリshop danglingさんのヒンメリ。こちらのヒンメリは、教会のバラ窓から優しく差し込む光をイメージしてデザインされています。
重ね合わせて作られた細かな模様はまるでステンドグラスのよう。小さなパーツがゆったりとまわる様子を眺めるだけで癒されそうです。
いくつもの八面体を重ねた、きのこさんさんのヒンメリ。複雑に回る様子や落ちる影も存在感があります。材料のライ麦は、照明が当たると金属のような輝きを見せるそう。昼と夜の表情の違いも楽しんでみてください。
「星のかけら」と名付けられたこの作品は、希望や幸せを運ぶと言われている星をモチーフにしたヒンメリです。一粒のダブルポイントクリスタルがついており、風に揺れると小さく光ります。
麦藁以外の素材でも。クリエイターオリジナルの個性派ヒンメリ
フィンランドと気候が異なり湿度が高い日本では、麦わらのヒンメリをちゃんと飾れるか心配、という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方には、真鍮やプラスチックなどいろいろな素材で作ったヒンメリがおすすめです。
真鍮で組んだヒンメリに、動きを感じるドライフラワーを組み合わせた@アウリンコさんのモビール。真鍮は時間が経つと輝きが穏やかになり磨けばまたきれいに光るので、自分好みの雰囲気を見つけるのも楽しい素材です。サイズが小さいタイプや4連タイプなど、組み合わせて飾ると空間に広がりが生まれそう。
brass_himmeliさんの真鍮製のヒンメリモビールは、天井からぶら下げて、立体のモビールとしても、エアプランツを飾るエアプランツハンガーとしても飾れる作品。透明のテグスで吊るすので、まるで空中を浮遊しているかのように見えます。
壁にかけられるリースの形は、天井から吊るすのが難しいお部屋にもぴったりです。一緒についてくるエアプランツを飾ったり、クリスマスの時期はクリスマスカラーのドライフラワーをあしらって飾っても素敵です。季節に合わせてコーディネートできそうな作品。
クリスマスの飾りにぴったりなShioMokko.(シオモッコ)さんの木とヒンメリのモビール。
大きめのヒンメリが目を引くモビールには、サイズやカラーが異なる3種類の木材の星が組み合わされています。
天井から吊るしたり、カーテンレースにかけてみたり...どんな飾り方をしようか迷ってしまう可愛さです。
作ってみたいあなたに。ヒンメリキットで手作りにチャレンジ
簡単な形であれば特別な道具もいらず、お家で作ることができるヒンメリ。実は、初めての方向けのヒンメリキットもあるんです。のんびり、ゆったりとしたおうち時間を楽しんで。
kaori emoriさんの、ヒンメリが作れるキット。初心者さんにおすすめの基本的な八面体を使ったレシピと、中級者さん向けの少し複雑な形のレシピの2つがついていて、ステップを踏んで楽しめます。麦藁は多めに入っているので、最後にオリジナルのヒンメリに挑戦することもできますよ。
こちらは5種類のヒンメリの作り方が掲載された小冊子と、材料、道具が入ったすぐに始められる制作キット。国産の極細プラスチックストローを使用していて、初めてヒンメリを作られる方に最適です。
2種類からストローの色が選べ、合計100本のストローがついてきます。
クリスマスに向けて、クリスマスらしいヒンメリを作ってみたい方は、こんなタッセルつきのヒンメリ制作キットがおすすめ。タッセルの色は、赤、オレンジ、水色ミックス、紫、緑の5色から選べます。
全て京都嵐山自家栽培のライ麦を使用しており、全て寸法にカットされているのが嬉しい制作キット。こちらは少し発展的な、正20面体のヒンメリが作れます。写真のように3つを重ねたヒンメリを作っても、また雰囲気が変わりますね。
光のモビール「ヒンメリ」で、北欧の空気をお家で感じてみませんか。
幸せを願う光のモビール、ヒンメリ。空気の流れに合わせて回るヒンメリを眺めたり、黙々と手を動かしてヒンメリを作ったりする時間は、ゆったりとした気持ちにさせてくれそうです。
ヒンメリが部屋の中でたゆたう空間は、いつものお部屋がちょっと特別に感じられるはず。光のモビール「ヒンメリ」で、北欧の空気をお家で感じてみませんか。