BLOG

歴史を知ればもっと好きになる。秋冬コーデに欠かせない「チェック柄」5選

歴史を知ればもっと好きになる。秋冬コーデに欠かせない「チェック柄」5選

こんにちは。クリーマ編集部の根津です。

 

秋になると見かけることが多くなる「チェック柄」。この時期の街中を見渡すと、スカートやバッグ、マフラーなど色んなアイテムにチェック柄が使われています。

 

いきなりですが、ここでみなさんに質問です。

「チェック柄」と聞いてまずどの柄が思い浮かびますか?王道のタータンチェック?いや、日本になじみ深い千鳥格子?もし10種類以上挙げられた方がいたら、その方はすでにチェック通です。

 

じゃあもう一つ質問を。

そのチェック柄がどこで生まれたのか、どんな歴史をたどってきたのか、知っていますか?

……これはきっと知らない方が多いはずです。

 

そこで今回の記事では、これからの季節に重宝すること間違いなしのチェック柄を5つ厳選し、その歴史や特徴を中心にチェック柄を深堀っていきたいと思います。歴史を知れば、あなたももっとチェック柄が好きになるはずです。

【目次】

1.そもそも「チェック柄」ってどんな柄?

2.こんなにある!「チェック柄」

3.秋冬コーデに取り入れたい代表的な「チェック柄」5選

  ‐波乱万丈な歴史をたどった伝統柄・タータンチェック

  ‐タータンチェックがルーツ・アーガイルチェック

  ‐実は「犬の歯」が由来・ハウンドトゥース(千鳥格子)

  ‐繊細な線でコーデに深みを・グレンチェック

  ‐春夏だけじゃない。カジュアルコーデの万能柄・ギンガムチェック

そもそも「チェック柄」ってどんな柄?

チェック柄とは「格子縞」「格子柄」のこと。縦縞と横縞が一定の間隔で交差している模様の総称です。ちなみに英語では、「check」よりも「checkered」や「plaid」という表現の方が一般的なようです。

 

チェック柄は世界中に古くからあり、なんと紀元前1200年ごろのミイラが上質な格子柄の布地をまとった姿で発見されてもいるんです。その歴史の深さに圧倒されてしまいますね。

 

言うまでもなくチェック柄にはたくさんの種類があり、色・縞の幅や本数の組み合わせによってそれぞれ名前が付けられています。日本で有名なチェック柄といえば「市松模様」や「千鳥格子」などが挙げられますが、世界にはもっとたくさんのチェック柄があるんです。

こんなにある!「チェック柄」

チェック柄の中で有名なものを挙げると、以下のようなものがあります。

・タータンチェック

・アーガイルチェック

・ギンガムチェック 

・グレンチェック

・ハウンドトゥース(千鳥格子)

・ブロックチェック

・ウィンドウペーン(ウィンドペン)

・マドラスチェック

・バッファローチェック

・ガンクラブチェック

・ハウスチェック

……など

「聞いたことある!」というものや、「初めて聞いた!」というものもあると思います。正直私も上に挙げたもののうち、半分程度しか知りませんでした。その上聞いたことのあるチェック柄も、「じゃあどんな特徴のチェックなの?」と聞かれると、うまく特徴を説明できないものばかり。せめて、代表的なものだけでも知識を備えておきたいものです。

秋冬コーデに取り入れたい代表的な「チェック柄」5選

そこで、たくさんのチェック柄の中から、これからの秋冬コーデにとりいれたいチェック柄を5つ厳選しました。それぞれの歴史や名前の由来、そして特徴を知ることで、この秋冬はもっとチェック柄を使いこなしてみましょう。

1.波乱万丈な歴史をたどった伝統柄・タータンチェック

タータンチェックとは、二つ以上の色で染めたウールの糸を綾織りにした柄のことです。秋冬のチェック柄と言われれば、この柄を真っ先にイメージする方も多いのではないでしょうか。

 

日本では「タータンチェック」と呼ばれていますが、世界的にはシンプルに「タータン」と呼ばれています。このタータンという名前は、布地の種類を示すフランス語の「ティルタン(tiretaine)」、またはスペイン語の「ティレターニャ(tiretana)」に由来すると言われており、ほどなく「タータン(tartan)」という英語に統合されたそうです。

 

タータンの起源は、なんと3世紀までさかのぼります。当時、スコットランドの北西部・ハイランド地方に定住していたケルト人が、タータンを日常着としていました。

しかし、1707年にスコットランドがイングランドと連合して王位継承に関する反乱が起きたのをきっかけに、政府からスコットランド・ハイランド地方の象徴であるタータンの使用が法律で禁止されてしまいます。この禁止法によってタータンは文化的に大きな打撃を受けたわけですが、当時は法律の適用外の立場だった人々(女性など)がこのタータンの文化を紡ぎ続けた結果、今日まで生き残ったわけです。

 

タータンは、地域特有のもの(ディストリクト・タータン)や、氏族が家柄を示す家紋のようなもの(クラン・タータン)など用途や目的によって様々な種類があります。さらに大きな特徴の一つとして、世界中のタータンがスコットランド政府の登記局によって保存・保護・登録管理されている点が挙げられます。つまり、ここに登録されていないタータンチェックは、「タータン」と名乗ることができません。

秋冬 ウール 赤×緑×紺×黄色 タータンチェック ロングスカート ●MARIE●

高品質のタータンチェック生地を贅沢に使用した、LOU by MIGIWAさんのロングスカート。定番の色使いでありながら、深みのある上質な大人の赤が秋冬コーデの主役になってくれます。秋冬のコーディネートに迷ったら、このスカートにシンプルなトップスを合わせるだけで季節感・華やかさを表現できます。

クラシックタータンチェック サコッシュバッグ(ベージュ)

ベージュの地色に黒と赤のチェックのアクセントがクールな、FunnyGoods!さんのサコッシュバッグは、秋のお出かけにぜひ連れて行きたい作品。ダブルファスナー仕様なので収納できる容量も多く、男女どちらでもお使いいただけます。シンプルな服を着ていても、このようにバッグなどの小物で柄を取り入れると、コーデ全体にメリハリがつきます。

 

 

タータンチェックと聞くと、赤やピンクなど暖色ベースのチェック柄をイメージする方も多いと思いますが、青ベースに緑と黒の格子が特徴的な「ブラックウォッチ」というタータンチェックもあるんです。「黒い見張り番」という意味があり、イギリスの連帯が身に着けるタータンの一種です。

リネンブラックウォッチタックスカートワンピース

Petal*さんのブラックウォッチワンピースは柔らかいリネンで作られており、前を開いて羽織ったり、紐を結んでウエストマークをしたり、3wayで使えるところがいいですね。落ち着いた大人の雰囲気になります。

2.タータンチェックがルーツ・アーガイルチェック

アーガイルチェックは、細いラインとダイヤ柄の連続で構成された柄のことです。紳士服やカーディガン・セーターなどのニット製品で見かけることが多いですね。これ一つでクラシックな雰囲気になる大ぶりな柄が特徴なので、シンプルなものを合わせると全体のバランスが良くなります。
 

起源にはいくつかの説がありますが、16世紀~17世紀ごろにスコットランド・アーガイルの氏族だった、キャンベル家が使っていたタータンチェックがルーツと言われています。元々は靴下に使用されていた柄で、当時若者の間で大流行しました。その後、セーターなどの柄として広く用いられるようになったようです。 

暖かくてオシャレ オーストラリアウール混ベレー帽 チェックベージュ

RALULU.SHUさんのオーストラリアウール混素材のベレー帽は、暖かさ・やわらかな手触りを兼ね備えた品の良い帽子です。服がシンプルな日でも、このベレー帽がアクセントになってくれます。

木の蝶ネクタイ #Argyle wulnut

木のぬくもりをそのままにアーガイル生地をあしらった、wood chocolateさんの世界に一つだけの蝶ネクタイ。ワンタッチで簡単に装着でき、普段ネクタイを着け慣れていない方でも取り入れやすい作品です。結婚式やパーティーに着けていけば、目を引くこと間違いなし。

3.実は「犬の歯」が由来・ハウンドトゥース(千鳥格子)

英語の「hound(猟犬)」+「tooth(歯)」からきたハウンドトゥースは、「犬の歯」の形が名前の由来です。日本では「千鳥格子」という呼び名で有名ですね。ブラックとホワイトで構成されることが多く、シンプルな色使いですが存在感は強いです。レトロな雰囲気を演出してくれるのも特徴ですね。

 

スコットランド州部のローランド地方で、19世紀ごろに生まれたとされるこの柄は、ブレザーやドレスなどのデザインとして流行し、その後第二次世界大戦後に再燃して大衆の間に広がりました。

モリノガッコウ ネックウォーマー【千鳥格子ベージュ×ネイビー】/4747678/

寒くなってきたから首に何か巻きたいけれど、ストールはすぐ取れてしまうので苦手……という方も、ネックウォーマーなら解決してくれます。もりのがっこうさんのネックウォーマーは、表地はウール生地、裏地はもこもこの手触りの良いボア生地。ベージュ×ネイビーのハウンドトゥース柄がコーディネートにも自然になじみます。

千鳥チェック ウールパンツ ※裏地付き

henry robinsonさんが作るウールパンツは、素朴な質感が素敵な千鳥チェック。後ろポケットや裾のボタンがアクセントになってくれています。今日はゆるっとコーデの気分だな~という日に履きたい作品です。

襟の大きい ニットのショートコート

ハウンドトゥースは黒やネイビー×白の配色が一般的ですが、福福福飾店さんのショートコートはグレー×白の配色。柄が主張しすぎることなく襟の形も色々変えられるので、ボリューム感を持たせてエレガントに着るもよし、パーカーのようにしてカジュアルにも着こなすもよし、自分に合った着方で楽しんでみてください。

4.繊細な線でコーデに深みを・グレンチェック

グレンチェックは、千鳥格子柄とヘアライン(髪の毛のように細い線)の格子柄を組み合わせた柄を言います。グレーがベースカラーになっていることが多く、その細かい柄が特徴です。取り入れるだけでシック・大人っぽい装いになり、全体的に深みを出してくれる柄でもあります。

 

元々はタータンチェックの一種で、14世紀ごろには存在していたのではないかと言われています。「グレンチェック」という名前の由来には諸説あり、スコットランドのアーカートという地の谷(グレン)で織られたのではという説や、グレナカート家の柄、グレナカート・チェック(glenurquhart check)の略称という説があります。

ぷっくりシルエットのサロペット×かぼちゃパンツ*グレンチェック

チェック柄は子ども服でも人気です。Areuさんのサロペットは、ぷっくりとしたシルエットが可愛らしい上、グレンチェックが知的な印象を与えてくれます。着替えがしやすいように後ろにはゴムが入っており、そのゴムで体にもフィットするのでお腹がスース―しません。

R19AW_グレンチェックブラック/ヘアバンド

グレンチェックはボトムスやジャケットなどに用いられることが多いですが、AKANE ANDOOさんのヘアバンドのように、小物で取り入れるのも素敵です。シックな印象を与えるグレンチェックも、リボンのデザインになれば可憐さ・女性らしさもアップします。

5.春夏だけじゃない。カジュアルコーデの万能柄・ギンガムチェック

ギンガムチェックは、白地に青やピンクなどをシンプルに交差させた柄のことで、爽やかさが特徴のチェック柄です。ファッションアイテムとしては春・夏に用いられることが多いですが、ブラックや茶色など色に配慮すれば通年使える万能なチェック柄でもあります。テーブルクロスやエプロンなど、キッチンまわりでもよく使われる柄ですね。

 

「ギンガム」という名前の由来は、縦縞を意味するマレー語の「genggang」、フランスのブルターニュの地方名「Guingamp」など諸説あります。

今までの4つのチェック柄とは歴史が少し異なり、18世紀ごろにイギリスのマンチェスターで織られたのが起源と言われています。当時のイギリスは産業革命の最中で、その中心的役割を果たしたマンチェスターの紡績工場が、現在のギンガムチェックの原型となるものを織り始めたそうです。

ボートネック立ち衿プルオーバー ギンガムチェックシルクコットン

tenoshigotoさんのプルオーバーは、ボリュームを持たせた袖のデザインや、程よくゆとり感のあるシルエットが女性らしさを演出してくれます。ボートネックの立ち衿も、顔周りをすっきり見せてくれる効果が。写真のようにジーンズとの相性も抜群です。

【2way】フリルとギンガムチェックの木製口金ハンドバッグ

アンティーク調のギンガムチェックに大き目のフリルをあしらったCINEMAさんのハンドバッグ。シックで落ち着いた色なので甘くなりすぎず、季節を問わず使えます。

歴史を知れば、魅力も深まる

想像できないほど遠い昔から用いられてきたチェック柄。世界中の人々が大切に紡いできた歴史を知ると、普段なんとなく選んでいたチェック柄のアイテムも、こだわりをもってコーディネートに取り入れることができそうです。さまざまな運命をたどってきた「チェック柄」を見かけたら、ぜひふと立ち止まって、その魅力を堪能してみてください。

この記事を読んだ方におすすめの記事・特集

(特集)差し色にも主役にも 頼れるチェック

コートやワンピースで主役として、小物や部分使いの洋服でアクセントに、と使い方次第で印象も変わります。自分にぴったりのチェック柄を見つけてみてくださいね。

(読みもの)プレゼント選びに役立つ、知っておくと粋な「縁起の良い和柄」8選

古いものでは紀元前から伝わってきた和柄。人々が長い間大切にしてきた和柄とその意味を知って、今の私たちの暮らしにも取り入れてみませんか?
ブログで紹介する▼
HTMLコードをコピーしてブログに貼り付けてください
この記事のタグ
同じカテゴリーの記事
人気の記事