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「今、わたしが会いたい人」ものづくりを通じて、森の循環を作りたい - きとぷらすさん

「今、わたしが会いたい人」ものづくりを通じて、森の循環を作りたい - きとぷらすさん

こんにちは。クリーマの亀田です。

今回は、木のチップを使ったクッションやサシェ、枕など、日本の安心・安全な木材を使った作品を手がける、きとぷらすを展開する矢野さんにお話を伺いました。

 

私がきとぷらすさんの作品に初めて出会ったのは、クリーマの常設店舗「暮らしとクリーマ(二子玉川)」でした。店舗内には器や生活雑貨、インテリア等がずらりと並んでいるのですが、きとぷらすさんの作品が並ぶ一角だけは、森林浴をしているかのように「木の香り」に包まれていました。


普段の生活ではなかなか感じることができない香りにすっかり魅了され、思わずクッションとサシェを購入していました。現在は、オフィスや自宅で愛用し、木の香りに包まれる毎日を送っています。

(実際のオフィスでの様子)

森のクッション Geometric pattern Back black -ヒノキの香り-

青森ヒバの香り -Natural humidifie-

今回のインタビューでは様々な素材があるなかで、なぜ木という素材を選び、木にこだわってクリエイター活動をしているのか。そして、作品にはどんな思いが込められているのかをお伺いしてきました。

まちづくりのコーディネーターから、ものづくりの世界へ

ー 木の魅力に気づいたきっかけを教えてください

元々は大学で建築を学び、まちづくりのコーディネーターをしていました。そこで古民家再生の仕事に携わるようになったのですが、長い年月が経っても色褪せず、むしろ輝きを増す木の魅力にすっかりはまってしまいました。

 

木の勉強をしていくうちに林業家や製材所の方たちとも出会い、色々なことを教わりました。近年は農業や漁業は消費者と直接繋がることが多くありますが、林業だけは間に卸売業者が入るのが一般的です。そのため、どうしても価格は高くなってしまい、日本の国土の70%が森林なのにも関わらず高価な日本の木材は敬遠されがちで、比較的安価な輸入木材ばかりが使用されているという現状になり、いつしか日本の木は私たちから遠い存在になってしまいました。

 

そんな現状を打破し、木の魅力そして木の文化をもっと知ってもらいたい。身近に感じてもらい、もっと木のファンを増やしたい。そんな思いから、コーディネーターの仕事を辞め、林業に関わる人たちから木材を仕入れて、現在のクリエイター活動をスタートしました。

 

日常生活の中に木を取り入れ、木を身近に感じてもらえるようにという思いを込めて、木と+(プラス)○○(何か)=「きとぷらす」というクリエイター名で活動しています。

(きとぷらす:矢野さん)

写真では伝えられない「木の香り」を知ってほしい

木は伐って「木材」となっても呼吸を続けています。そんな木の特徴を生かし、国産の木材を使って最初に作ったのが木のチップを使った枕でした。

 

枕から直接木の香りが漂うのでリラックス効果が抜群なうえ、チップの量を調節できるので、枕の高さも自分好みにできます。人間は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われています。木はチップになっても呼吸して水分を吸ってくれますし、水分を含むと香りがたつので、理にかなった作りになっているわけです。

森のおやすみ枕  スギの香り オーガニックコットン

森のおやすみ枕 三分割 -ヒノキの香り-

森のおひるね枕


きとぷらすでは3種類の木を用意しています。スギは深い眠り、ヒノキは目覚めの良さ、ヒバはリラクゼーション効果をもたらすと言われています。そのため、なかなか寝付けない方や眠りが浅い方から「不調が解消された」というお声も多くいただいています。

 

安心して使っていただける国産木材の枕なので、睡眠に悩みがある方はぜひ一度お試しいただきたいです。

(左から青森ヒバ、スギ、ヒノキ)
(木材特有のしっとりした香りが気分をリフレッシュさせてくれます)

以前、クリーマのイベントで『スギとヒノキから自身で好きな香りをブレンドし、オリジナルのサシェを作る』ワークショップを行いました。ネット販売では伝えられない木の香りや本当の魅力を直接伝えられるので、とても嬉しかったです。

 

木の魅力はなんといっても香りなのですが、ネット(写真)だけではなかなか伝えられないのが難しいところです。亀田さんも私の作品との出会いは店舗だったとおっしゃっていましたし、実際に香りを体感いただける機会をもっと増やしたいなと思っています。

(ワークショップで作ったサシェ)

香りや性質の良さはもちろん、見た目も含めて様々な角度から木の魅力を伝えたい

ー 現在も様々な木の作品を手がけられていますが、今後取り組んでみたいことはありますか?

今は枕やクッションといった木のチップを使った作品が中心となっていますが、もっと身近に木を感じてもらえるインテリア要素が強い作品にも力を入れたいと思っています。

 

木は香りや性質の良さだけではなく、色や木目の美しさも特徴的です。

Wood cube clock ナチュラル×ホワイト

様々な角度から木の魅力を伝えられれば更にファンが増やせるのではないかと考え、Creemaで試験的に販売をした作品がこちらの「森のフレーム」です。

【展示作品】森のフレーム

年輪がはっきりと出るタモ材を使い、木材中心部まで高熱処理をしているので、赤身(=丸太を輪切りにした時の、中心に近い赤い部分)と白太(=丸太の外側の白っぽい部分)の色の差が無くなり、ダークブラウンの色調で統一できます。年輪には同じものが一つとないので、組み合わせることで世界に一つのアート作品が完成します。

 

お客さま自身が、中に飾るタモ材の並べ方・組み合わせを考え、自由に楽しんでもらえるのではないかと思い商品化しました。今後また、こういった作品づくりにも力を入れていきたいと思っています。

作品を通して、日本ならではの「木の文化」を継承したい

伐採しても呼吸を続ける木材は、生活の中に取り入れるだけで空気を清浄し調湿してくれるので、そこにあるだけで気持ちのいい毎日が過ごせます。実際、工房として利用している家の壁一辺を木にしましたが、木が調湿してくれるので、築20年の家の壁は劣化なく今でも新築同様です。また、夏でも朝は涼しく、森林浴をしているような気分になります。

 

枕やクッションに使っている木のチップがへたったり、香りが薄くなった場合は、そのままクローゼットに入れれば湿気取りに、靴に入れれば消臭剤として使えます。木は最後の最後まで使える資源です。

 

古民家再生がブームになっている背景として、リサイクル概念だけでなく日本人の根っこには「木のDNA」があるのではないかと言われています。もう一度、日本の木の良さを体感し、もっと木を身近に感じられる生活を多くの方々に楽しんでいただきたいと思っています。

 

私は「ものづくり」を通じて、日本ならではの木の文化を継承することを目指しています。日本の木材の需要が高まれば、その資金は森へ還元され、森林整備につながり元気な森が育ちます。 『日本の木の文化を次世代につなげていくことで、森の循環を作る』そんなことを思い描きながら、これからも木のデザインに取り組んでいきます。

取材を終えて

木にこんなにも素晴らしい魅力がつまっているとは全く知らず、今回のインタビューでは驚きの連続でした。作品を購入したときも「いい香りでリラックスできそう」そんな軽い気持ちで購入していましたが、「木は切られても呼吸をしていて、空気を調湿してくれている」ということ知り、癒し効果がアップした気がしています(笑)

 

何より、情熱をもって作品づくりに取り組むきとぷらすさんのことを知り、ますますにファンになりました。また1人、素敵な作家さんとその作品に出会えたことに幸せを感じています。

 

私自身が初めて知った木の性質や魅力について、この記事を通して少しでも多くの方々に届けられたら嬉しいです。

(写真左:クリーマ亀田、右:きとぷらす矢野さん)

きとぷらすさんのギャラリーページ

これまでの作り手インタビューはこちら

「今、私が会いたい人」 と題してクリーマスタッフが「お会いしたい人」「お話をしたい人」にインタビューをしてみるシリーズ企画。作家さんのものづくりへの思いはもちろん、スタッフと作家さんの間に流れるほのぼのとした空気感や、スタッフが思い思いに紡ぎ出す作家さんへの愛をぜひご覧ください。

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