ミルクとダークのチョコレート？
似たもの同士の素材、メタセコイアとハンノキの実です。
素材ですが、インテリアとしてこのまま飾って楽しめます。

ハンノキの実は水質改善効果があり、アクアリウムにも重宝されます。
また両素材とも、染色材としても使用されます。
煮沸するとメタセコイアの実は鮮やかな赤、ハンノキの実は茶色の色素が出ます。
ハンノキは、古くから実が染色に使われてきたヤシャブシの仲間です。

メタセコイアの実　18個　直径1.5cm前後　長さ1.5〜2cm
ハンノキの実　　　18個　直径1.0cm前後　長さ2.0cm前後
*共に、水洗い、煮沸、天日干し処理
*ハンノキの実には、ところどころ銀色の粉がついていますが、
木になっている時からついており、煮沸処理後も乾燥すると出てきます。
カビではありません。

メタセコイアは、生きた化石と言われる針葉樹。
最古の化石は中生代という、気の遠くなるような昔から、
地球に根ざしてきた植物。畏敬を感じざるを得ません。
日本で化石が見つかり命名され、絶滅した植物と考えられていましたが、
その後中国で生きている植物が同種だとわかったのだそうです。

針葉樹ですが、秋になると紅葉して落葉します。
一際高く空に突き抜ける三角錐型の樹形、燃えるようなオレンジ色に
紅葉した姿は、遠くからでも目に留まり印象的です。

ハンノキは、水辺や湿地に生える広葉樹です。
幹はごつごつとした無骨な感じですが、水辺にたたずむ姿は美しく、
幻想的、詩的な感じがします。

日本では田んぼの畦によく植えられ、稲束を掛けるために使われたそうです。
樹皮や実は着物の染色に使われ、万葉集にもうたわれています。
身近な木だったのですね。

ヨーロッパでは、妖精の国の入り口に生える木と言われるそうです。
細い紐のように垂れ下がる花序に、妖精が隠れていると信じられたそうです。
実を採取した12月には、もうたくさんの小豆色の花序が、ゆらゆらと風に揺れて
いました。(そろそろ花粉症注意)

最近、ハンノキにミドリシジミという蝶が住むと知りました。
今まで何度も木の側を通っても、蝶がいることに気づいたことは
ありませんでしたが、幼虫はハンノキの葉を食べて育ち、卵はハンノキの
幹や枝で越冬するのだそうです。
緑やブルー、紫の羽をした小さい蝶が、大きな木から一斉に羽化して
辺りを飛びまわったら、それこそ妖精の木のようでしょう。

6月になったら、何度も木を見に行ってみようと思います。