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アイデア満載!HMJで目に留まったアクセサリーのイベントディスプレイと魅せるコツ

アイデア満載!HMJで目に留まったアクセサリーのイベントディスプレイと魅せるコツ

先日ビッグサイトで開催されたCreema主催のハンドメイドイベント、ハンドメイドインジャパンフェス2022。その会場で目に留まった、アイデアが光るアクセサリーブースのディスプレイをご紹介します。作家さんの創意工夫が施されたディスプレイは、ブース自体もまさに一度きりの作品のよう。

 

イベントのディスプレイにいつも悩む。自分の世界観を伝えられるおしゃれな見せ方って?と悩みを抱える作家さんも必見の内容です!

テーマはラボ(=研究所)。|olさんのディスプレイ

“静かな風景” をテーマに、繊細ながらも生命の力強さやその儚さを感じられるようなデザインの作品を制作するアクセサリーブランド・olさんのディスプレイは、ラボ(=研究室)をテーマに作り込まれています。

遠くから見ても、病室の白い仕切りのような布に覆われた壁が目に入り、どんな作品と出会えるんだろうとワクワクしながらブースに向かってしまいました。出店ブースが多いイベントだからこそ、遠くからでも目に留まるブースがあると近づいていってしまいます。

どこもかしこも、ラボ感が溢れる什器選び。実験に使用されるガラス皿・シャーレに飾られたアクセサリーは、飾られたピアスの陰まで台に落ちてとても神秘的でした。購入後はシャーレごとのお渡しになるので、身につけていないときは、そのままインテリア感覚で飾っておくこともできますね。

実験でおなじみのフラスコも什器として使用されています。無機質な佇まいが、洗練されたシルバーアクセサリーと不思議とマッチしています。

T字型の板を差し込むことで、フラスコもアクセサリー什器に大変身! ただオブジェとしてフラスコを飾るのではなく、ちょっとした工夫で什器にさせるという、アイデアが光るディスプレイでした。

こちらのアクセサリーが入っているのは、実験室にありそうなアイテム・培養チューブ。業者にオーダーして作ったそうで、蓋部分にはブランドロゴが刻印されたシールが貼り付けられていました。

この作品も培養チューブに入ったままお渡しいただけるので、おうちに帰っても、イベント時に体感したラボの世界観ごと持ち帰ることができます。

ラックや鏡、トレイが全てシルバーカラーで統一されていた、無機質ながら存在感がある洗練された佇まい。偶然にも会場の床面との相性も抜群です。

「ディスプレイごと、作品として見せたい。」|真鍮工房Ramaさんのディスプレイ

動物や植物をモチーフにした真鍮アクセサリーを手がける真鍮工房Ramaさんのディスプレイは、うねる流木やくっきりと木目の入った木材など、自然ならではの有機的なシルエットが際立つ什器が多く使われていました。こっくりとした落ち着きのある什器に、キラッと光る真鍮アクセサリーがよく映えます。

多くの作家さんが、リングはリングホルダーに入れて飾ったり、トレイの上に一つずつ並べる飾り方をすることが多いなか、段差をつけてリングをオブジェのように飾ったディスプレイに目が留まりました。目線の高さに飾られていたので、よりオブジェを眺めているような心地がしてとても新鮮……。

うねる流木で作られた、鳥の止まり木のような什器には、小鳥のピアスが飾られています。流木のディスプレイは作家さんにオーダーして作ってもらったというこだわりっぷりです。

「この流木の止まり木も含めて、作品として見せたい」という作家さんの想いが詰まったディスプレイ。眺めているだけでも、真鍮工房Ramaさんの世界観にどっぷりと浸れるようで、気づけば隅から隅までじっくりと眺めてしまっていました。

最近人気が急上昇中の馬モチーフも、今回多くのお客さんの注目を集めていたようです。真鍮工房Ramaさんが当日並べていた作品のモチーフは、鳥、マンボウなどの海の生き物、花、抽象的なラインの作品など実にさまざま。モチーフごとに飾るエリアを分けてディスプレイされているので、お目当ての作品も探しやすそうです。

博物館のような空間を目指して。kotokotoさんのディスプレイ

現地の古物商から買い付けたヨーロッパ(東欧中心)や日本の古雑貨をアクセサリーに仕立てるkotokotoさんのディスプレイは、博物館をイメージして作られていました。アンティークの品々が丁寧に陳列された様子は圧巻です。一つ一つ手にとって、眺めたくなります。

そして遠くからも目に留まったのがこのPOP(店舗に置く広告)。「ペン先」「古時計」という文字に引き寄せられます。

このポップは、フリーのデザイナーでもあるkotokotoさん自身が制作しているとのこと。古雑貨はどうしても小さなものが多く、古雑貨の写真だけのPOPだと、一見どういうものなのか伝わりにくいため、文字もデザインとして組み込んだPOPを作成しているそうです。POPやアクセサリーを照らすライトも、アンティークな雰囲気を演出するため、あえて暖色系がチョイスされています。

そしてペン先のピアスはプラケースに一つ一つ入っていました。プラケースに入れることで、より "博物館っぽさ" が演出されています。原稿用紙のようなパッケージも素敵。

POPのほかにも、作品の近くにはキャプションが展示されていました。kotokotoさんは仕入れた古雑貨をアクセサリーに仕立てる作家さんなので、どの国のものなのか、どういった特徴があるのか、などが簡潔にキャプションで説明されています。

こちらは活字キーホルダー。この什器には、アンティークの活版トレーが使用されています。活版トレーは重ねて積み上げることができるため搬入出もスムーズなのだとか。活版文字のキーホルダーに、活版トレーが使用されていて、自然と世界観にも統一感が出ていました。

 

サイト上とは違い、自分のお目当ての文字がないか探すワクワク感も含めて、リアルイベントならではの楽しさです(取材中も、私の好きな漢字はないかな……と思わず探してしまいました)。

▲ ゆったりと作品を並べて、「きっぷ」の世界観を作り込んだエリアも。作家さんの遊び心が感じられます。眺めているだけでも楽しいですね。

アンティークショップで揃えるこだわりの什器たち|yofukashi drawerさんのディスプレイ

草花をモチーフに消しゴムはんこを彫り、陶土に捺しつけることで模様を刻んだアクセサリーを手がけるyofukashi drawerさんのブース。模様が刻まれ、色がつけられ、そして磨き上げられた作品のアンティークな風合いが魅力的な作家さんです。その作品の持つ佇まいがそのまま、什器にも取り入れられていました。

シャビーな質感の什器たちは作家さん自らアンティークショップで見つけたものや、陶芸作家さんの器など、こだわりを持って選ばれたものばかり。作品の持つ世界観にそっと寄り添ってくれているようでした。

作品の持つ模様と通じるような、彫刻された模様が魅力的なボックスも発見。箱に入れて並べつつも、特にお客さまに見て欲しいイチオシの作品は、目につきやすいように独立させて飾っているのだとか。什器まで作品の一つのようにも感じられます。

▲ Creemaで販売中の作品の画像の中にも、イベント当日ディスプレイされていたボックスがちらりと写っています!

普段からサイトで作品をチェックするファンの方からは「このボックスとご対面できるなんて……!」と、作品のみならず出品画像に登場しているボックスや缶のファンまでいるそう。作品もボックスも、お互いを引き立て合う存在になっていますね。

花瓶の色も、選ぶドライフラワーも。どれもyofukashi drawerさんの世界観にぴったりなものばかり。ときには、市販の木の板を買って、自分好みのアンティークな風合いになるようにご自身で色を濃く塗装することもあるのだとか。什器一つひとつに愛着が感じられ、より世界観に浸れる素敵なブースでした!

固定概念にとらわれず。目に留まるディスプレイを|MICOASIAさんのディスプレイ

日本の伝統工芸である彫金を生かして、草花や物語を感じさせるモチーフを中心に作品に落とし込んでいるMICOASIAさん。白を基調とした中に、重厚感のある額縁やランプが飾られていて、独特の世界観が見る人をブースへと誘い込みます。

特にブースの前を歩いていて思わず目に留まったのが、イヤーカフの飾り方でした。メモクリップにイヤーカフを挟んでおり、一見オブジェのような佇まいです。というのも、イヤーカフをそのままテーブルに並べると素通りされてしまうのだとか。そこで目に留めてもらうために、作品に支障が出ないような箇所をクリップで留め、宙に浮かせたように展示しているそうです。

イヤーカフは、表面に細やかなレリーフが刻まれているものや、小さな中にも水平線やメリーゴーランドなどの景色が描かれているものもあります。目線の位置まで高く見せることによって、小さなオブジェを眺めるような感覚でイヤーカフの繊細な模様に注目しやすくなっていました。

また旧作のティアラやオブジェも、現在メインで販売を行なっているイヤーカフやネックレスのそばに飾られていました。大きな作品がそばにあると、より世界観に引き込まれますし、今までの制作過程についてのお話を聞くこともできました。

ネックレスは作品の世界観に合うような、アンティークなランプに引っ掛けて飾られていました。光に当たり、チェーン部分がきらめきとても美しく見えます。

ネックレスはこんな飾り方も。額縁に取り付けることで絵画を眺めているような心地でネックレスを眺めることができます。アクセサリースタンドに掛けたり、テーブルに平置きしたりするのとは一味違う、世界観が引き立つ飾り方ですね。

揺れる糸玉に吸い寄せられてゆく……。|ひらり the airy jewelryさんのディスプレイ

最後にご紹介するのはひらり the airy jewelryさん。ブースを歩いていると揺れる糸玉に思わず目が留まり、吸い寄せられるようにブースにお邪魔しました。作家さんお手製のブルーグレーの壁も、白い糸玉が引き立ちます。

ひらりさんといえばこの糸玉。アクセサリーに使用している糸玉がディスプレイにも取り入れられています。ちょうど冷房の風が優しく当たる場所で、ゆらゆらと糸玉が心地よさそうに揺れていました。なんだかとっても癒される……。

ディスプレイ全貌はこんな感じ。ベーシックな糸玉一つタイプから、大ぶりで何連も連なった夏らしいものまで。それぞれまとめられて陳列されています。特に季節問わず使いやすいベーシックなものは手前に陳列されていました。

一部、スタンドに掛けて展示しているエリアも。冷房の心地よい風が当たってゆらゆら〜くるくる〜と揺れる姿に心躍ります。

そんなひらりさんは、価格を表にわかりやすく出すことに抵抗があったそう。そこでボールペン字のように主張しすぎることなく、かつ世界観に溶け込む淡い色合いのインクを探して、ガラスペンで文字を書いているとのこと。水分が含まれた文字はみずみずしく、ひらりさんの世界観が、値札一つにまでも詰まっていました。

購入後作品を入れてお渡ししている紙袋にも、値札と同じ台紙が使われていました。作品だけでなく、ディスプレイには欠かせない値札や梱包材も大事な名脇役。こだわればこだわるほど、心地よいお買い物体験になりそうですね。

思わず立ち止まって、心がときめく。イベントでは、ディスプレイも含めて堪能してみては?

6名のアクセサリー作家さんのイベントディスプレイをご紹介しました。ブースに足を運んだ瞬間に胸が高鳴ったり、こんな見せ方あるんだ! と驚かされたり。作家さんに直接こだわりを聞きながら作品に直接触れるリアルイベントには、オンラインのお買い物とは一味違う、楽しさがありました。

世界観が伝わる、アクセサリーのイベントディスプレイのコツまとめ

今回、実際にブースを拝見して、また作家さんからお話を伺ってみた中では、こちらの5つの注目ポイントが浮かび上がってきました。

・什器一つにも世界観が合うものをチョイスする

・ブースも自分の作品だと思って、什器選びやディスプレイを考える

・小さなアクセサリーは、POPで惹きつける

・目に留まりやすくするよう、高い位置にアクセサリーを設置する

・作品のパーツや、作品に使用している素材をディスプレイにも生かす

これからイベントや展示会に出展される方は、これらをヒントに、自分らしいディスプレイを考えてみてはいかがでしょうか。

 これまでイベントに出展されてきた方も、ほかの作家さんのブースを改めて見てみて、自分のディスプレイを改めて振り返るきっかけに、そして今後のブースづくりに役立てていただければと思います。

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