長らくのお休みからの復帰新作第一号は冬の風物詩、ゆきうさぎのぬいぐるみです。
いつものまん丸子ウサギと型紙は同じですが、真っ白の柔らかいファーに耳は濃い緑色のショートモヘアで葉っぱの形を作り、目は赤色のアゲートを使いました。
初めて見たゆきうさぎは絵本作家かこさとしさんの『だるまちゃん』の絵本の隅っこで、黒塗りか朱塗りのお盆の上にちまっと座っている可愛い姿だった記憶があります。
動物大好き幼児の自分は、こんなかわいい子が雪で作れるのか、冬になったら絶対作るぞ、と息巻いていたもののもともと住んでる処は雪が少ない上に、降ったとしても大した量ではなかった為真っ白い雪もちょっと掘れば泥塗れ、また、満足のいく赤い実も葉っぱも近所になかったので大きさバラバラの四角い灰色の石の目に泥汚れの雪で作ったごつくて太い棒か角みたいな耳という、やや残念な姿の子になったものでした。
後々に赤い実、葉っぱ、綺麗な雪と条件が揃って憧れの、丸い赤い目をした真っ白なゆきうさぎを作る夢は叶いましたが。
それから随分時間が経って大人になってから見た、いつぞやNHKニュースで『愚痴川柳』だったかそんなものを紹介していまして、その中で嫌いな相手への絶交並びに嫌がらせとして『ゆきうさぎを贈る』という表現がありました。
一見かわいいけれど貰っても嬉しくないし、解けてドロドロになると逆に汚くなるし……的な解説があり、凄い表現思いつくなあという感心と同時に子供の頃からのゆきうさぎ好きとしてはちょっと面白くなかったのも事実です。
そんな訳で今回は解けないゆきうさぎを作ってみました。
ふわふわでずっしりしていて、温かい日差しが大好きな子です。
まだ生まれたばかりで雪を見た事はありませんが『雪』が何なのかはよぉく知っています、ゆきうさぎですから。
雪が空から降ってくる事も、雪が解けて水になる事も、解けた水は川に流れて海に行く事も、空の雲になっていつかまた雨、冬になれば雪となって戻ってくる事も、ゆきうさぎですからちゃんと知っています。
ゆきうさぎとしての基礎ですから。
でもこの子は解けて無くならないゆきうさぎなので、空から降る雪から生まれる他の仲間を見送る立場です。
そう思うと少しだけ寂しそうにも見えてきます。
この冬が来て、雪が降って、そうして仲間達を見送って春になっても、雪とは違うふわふわの身体を包んで傍にいてくれる優しい飼い主様をお待ちしています。
仕様素材：フェイクファー、天然石ビーズ、化繊綿、プラスチックペレット

ご自宅に乳幼児のお子様がいらっしゃる、出産のお祝いとして贈られる場合は気軽に御相談下さい。丈夫な中袋を入れる、目付糸を四重にする等、誤飲防止の為の強化をさせて頂きます。

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