花喰いの眼 -2
瞳の花は、宇宙からの風を受けて凪ぐ。
月が綺麗な晩はとくに風が強く、月を見ながら深夜の散歩をしたいと思う反面、目の中がごろごろする感覚が嫌でたまらなかった。
ただ、風を受けて凪ぐ感覚とも違う、目眩がするほどにめまぐるしく花の色が変わるのも初めてで、紫紺と花に何か関係があるのかと思考を巡らせた。
何か掴めそうなのに何かを決定的に忘れているもどかしい感覚と、思い出したくないような恐ろしい感覚に襲われて緩く頭を振る。
しばらく座り込んでいた水辺からようやっと立ち上がって、急いても思い出せないものは仕方がない、と諦めにも似た気持ちでため息をついたのは、恐らく、無意識の自己防衛だった。
「花喰いの眼」挿絵
木製A2パネル/型染め/木綿
月が綺麗な晩はとくに風が強く、月を見ながら深夜の散歩をしたいと思う反面、目の中がごろごろする感覚が嫌でたまらなかった。
ただ、風を受けて凪ぐ感覚とも違う、目眩がするほどにめまぐるしく花の色が変わるのも初めてで、紫紺と花に何か関係があるのかと思考を巡らせた。
何か掴めそうなのに何かを決定的に忘れているもどかしい感覚と、思い出したくないような恐ろしい感覚に襲われて緩く頭を振る。
しばらく座り込んでいた水辺からようやっと立ち上がって、急いても思い出せないものは仕方がない、と諦めにも似た気持ちでため息をついたのは、恐らく、無意識の自己防衛だった。
「花喰いの眼」挿絵
木製A2パネル/型染め/木綿
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