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刺繍を始めよう!初心者におすすめのステッチや基本を紹介!
布に糸を刺しながら模様を描いていく「刺繍」。繊細ながらも見る人を圧倒する刺繍の世界は、一見難しそうに見えますが、初心者でもできる簡単なステッチの種類だけでも素敵な刺繍ができるんです。道具は針と糸、そして布だけ!
今回は、「金票レース糸」をご紹介した第一回に引き続き、刺繍糸・レース糸の国内トップブランドの一つである手芸メーカー、オリムパス製絲株式会社さんにご協力いただき、初心者の方にもおすすめの刺繍道具のキットと、長い歴史を持つ刺繍糸の魅力をご紹介いただきました。Creemaで人気の3名の刺繍作家さんにも、刺繍糸を使って実際に作品を作っていただきましたよ。
刺繍を始めてみたいと感じている初心者の方や、もっといろいろな刺繍に挑戦してみたいと思っている経験者の方も、ぜひこの機会に刺繍を始めてみてくださいね。
刺繍に必要な道具とは?
刺繍を始めるにあたって必要な道具や、あると刺繍がやりやすくなる便利な道具をご紹介します。「25番」、「5番」など、初心者なら気になる刺繍糸の種類と特徴についても詳しく解説します。
● 【刺繍糸】まずは必要な刺繍糸。太さによって異なる種類や使い方もご紹介
◎自在に刺繍できるのが魅力「25番糸」
もっとも使う頻度が多いといわれるのが、6本の糸が1束になった「25番糸」。フランス刺繍やクロスステッチなど、刺繍全般で使用します。
実際に刺繍する際には、6本の束から使いたい本数の束に糸を引き出して使います。好きな太さに調整したり、25番糸を組み合わせて色を混ぜた形で使えたりするのが25番糸の魅力です。
◎立体感を出したいときや、太くはっきりさせたいステッチに「5番糸」
「5番糸」は25番糸よりも太くしっかりした糸で、2本の糸でできています。スウェーデン刺繍など、立体感を出したいときに活躍します。ほぐさずそのまま使い、はっきりしたより目が特徴となります。
◎細かいステッチをするのにぴったり「12番糸」
「12番糸」は5番糸を細くした糸です。5番糸と25番糸の間の太さで、5番糸と同じく2本の糸の束でできているので、細かい刺繍や繊細な表現をしたいときに使える刺繍糸です。
● 【刺繍針】初心者が最初に揃えるべき刺繍針の種類は?
刺繍針にもいくつか種類があり、大きく分けると「フランス刺繍針」、「クロスステッチ針」の2種類あります。「クロスステッチ針」は、その名の通り、クロスステッチ専用の刺繍針で先が丸くなっているのが特徴ですが、普通の刺繍をするには縫いづらいので、こちらはクロスステッチがしたい方のみ必要です。
◎刺繍を始めるなら、まず「フランス刺繍針」
刺繍糸が通しやすいように、普通の裁縫針よりも穴が大きくなっており、針先が尖っているのが特徴です。どんな布に刺繍するときにも、力を入れずに針が入るので、初心者さんにもおすすめ。
また、フランス刺繍針にも太さと長さにより「号数」が分かれます。号数は、使いたい刺繍糸の本数によって使い分けるのが一般的です。小さい号数ほど、太い刺繍糸や、厚みのある布に刺繍するときに向いています。
3〜4番のフランス刺繍針・・・25番糸の6〜5本どり/5番糸/12番糸
5〜6番のフランス刺繍針・・・25番糸の3〜4本どり
7〜10番のフランス刺繍針・・・25番糸の1〜2本どり
※ まずは1本から始めたい! という方は、真ん中の5〜6番のフランス刺繍針を揃えるのがおすすめですよ。
● 【刺繍枠】あると縫いやすさがアップな便利な道具
刺繍枠は、刺繍する布を枠にはめることでハリを持たせて刺繍しやすくするための道具です。こちらはなくても刺繍できるのですが、仕上がりを綺麗にしたり、刺繍しているうちに布が寄ったり縮んだりするのを防ぐこともできます。
特に薄い布に刺繍するときは布が安定して非常に縫いすすめやすくなります。刺繍をしてみて、もっと綺麗にやりやすく刺繍したい! という方はぜひ用意してみてください。
初心者におすすめのステッチはこれ
ランニングステッチ :難易度★☆☆☆☆
バックステッチ :難易度★★☆☆☆
チェーンステッチ :難易度★★☆☆☆
ストレートステッチ :難易度★☆☆☆☆
フライステッチ :難易度★★★☆☆
フレンチノットステッチ :難易度★★★☆☆
プロが作る魅力あふれる刺繍作品
深い歴史を持ち、多くの人々に親しまれてきたオリムパスさんの刺繍糸。その魅力は歴史だけではなく、使い手の工夫やイマジネーションによっていくらでも表現の幅が広がること。今回は、Creemaで人気の3名の作家さまに刺繍糸を実際にご使用いただき、作品を制作していただきました! 今回作品を制作してくれたのは、下記3名の作家さんです。
・アクセサリー作家 aki.no.さん(真ん中)
・布小物作家 Nunomushiさん(右)
● 物語の中のような世界観 スミレソラさん
日々の暮らしに寄り添う、がま口やブックカバー、ブローチなどを制作されているスミレソラさん。ギャラリーには、まるで物語の中の1ページを切り取ったようなどこか懐かしい風景が広がっています。今回は、ワスレナグサをモチーフにしたがま口ポーチを制作いただきました。
25番刺繍糸を長年愛用しているというスミレソラさん。どんなところがお気に入りポイントなのでしょう?
25番刺繍糸は豊富な色数があり、作品づくりに欠かせない素材です。
中間色が豊かでイメージ通りの配色が出来ます。
25番刺繍糸は6本撚りの糸から1本ずつ引き抜いて、2本どり、3本どり、と好みの太さで使用できるので様々な表現が可能です。
今回の作品では、花は2本どり、蝶は1本どりで刺繍しています。
綿100%なので生地とのなじみも良く、やわらかなツヤも魅力です。
25番刺繍糸は全434色という豊富な色数も魅力のひとつ。「こんな刺繍をしてみたい!」というイメージ通りに表現できる色がきっと見つかるはずです。たくさんの色の中から糸を選ぶひとときも楽しいものになりそうですね。
<使用色はこちら>
25番刺繍糸:390、850、580、245、253、815、814、731
● 季節や自然を刺繍で表現 Nunomushiさん
動物や植物をモチーフに、布小物を制作されているNunomushiさん。「忙しい毎日の中でも自然を感じられるように」という思いで季節の草花や生き物たちを刺繍しているというNunomushiさんの作品は、眺めているだけで心がホッとするような暖かさが伝わってきます。
そんなNunomushiさんに今回制作いただいたのは、巾着袋です。
空色の花が咲き誇る花園を颯爽と通り抜けるツバメの様子を手刺繍で表現した巾着です。
春先の野原のような淡い色合いのリネン生地に、抜けるような青空を思わせる空色の花をたくさん咲かせました。
小さなツバメの背に乗り、この花園を一緒に旅しているような気分になっていただけたら嬉しいです。
今回25番刺繍糸を使って、お気に入りになってしまったというNunomushiさん。率直なご感想を伺いました。
まず一番に感じたことは、使い始めの糸の端がとても見つけやすいことです。刺繍糸は2か所の両端どちらかを引き出して使いはじめますが、そのとき選んだ端によっては引き出しにくくて糸がモジャモジャと絡まってしまうことがよくあります。
それが地味にストレスだったりしたのですが、オリムパスさんの糸はそのようなことがほとんどありませんでした。
実際に刺し始めて気づいたことは、糸に程よい張りがあり絡みにくくスムーズだということです。
何度も抜き差ししていると、次第に糸がよれたり絡まって結び目ができたりして刺しにくくなることがあるのですが、オリムパスさんの糸はそのようなことも少なくサクサクと気持ちよく刺繍が進んだように感じました。
初心者の方は特に、糸が絡まったりよれてしまうとどうしても嫌になってしまう……なんてこともあると思います。染色後に独自の加工を施したオリムパスさんの糸は、均一で滑らかな糸通りが叶うので、プロはもちろん初心者の方もストレスなく縫い進めていただけます。
<使用色はこちら>
25番刺繍糸:1702、1704、1706、580、581、582、583、235、236、237、238、363、364、365、3050、3051、3052、356、358、196、900、800
● 遊び心を忘れない、大人のためのヘアアクセサリー aki.no.さん
存在感のあるお花をたっぷりとあしらったヘアアクセサリーを手掛けるaki.no.さん。立体感のあるヘアアクセサリーは、ひとつ身につけるだけで一気に装いを華やかにしてくれます。aki.no.さんが制作してくださった作品は、春らしいミモザをモチーフに刺繍を施したカチューシャです!
25番刺繍糸は色の幅があり、豊富な選択肢から選ぶことができます。今回は落ち着いた風合いが出せる、ナチュラルカラーの色の糸を選びました。発色が鮮やかで色落ち、色褪せしにくく、しなやかな手触りが魅力です。
25番糸そのまま1本の状態で使用すると柔らかさと光沢が良くて絵画のように多彩な色調で細やかに表現できます。
「ミモザの花」をフレンチノットステッチで刺繍する時、何回糸を巻きつけて引き抜いても、糸の艶が変わらないです。
aki.no.さんの作品は、手描きのステッチが細部まで繊細に再現され、まさに絵画のよう。糸の艶や、表現したい色合いをそのまま表現できるのも、オリムパスさんの刺繍糸だからこそです。
<使用色はこちら>
25番刺繍糸:210、227、562、583、800、2014、2016
初心者には刺繍キットがおすすめ
刺繍に憧れがあっても、「何を揃えたらいいのか分からない」「糸ってどうやって選ぶんだろう……」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、まずキットから始めてみるのがおすすめ。
今回ご紹介する初心者向けキットは1~3までレベルが分けられているので、ご自身に合ったものをチョイスできるのが嬉しいポイントです。
刺繍の世界に憧れを抱きつつもまったくの手芸初心者である私は、まずはレベル1のキットをセレクト。
実は恥ずかしながら、高校卒業以来ほとんど針と糸を使ってこなかった私。初めての挑戦へのワクワクと、「私でもできるのかな……」というほんの少しの不安を抱きつつ、さっそく挑戦してみました!
説明書を熟読しつつ、いよいよ縫い始めます! キットに入っている布の左側で縫い方の基礎を練習し、右側で応用編にチャレンジします。所要時間の目安は約5時間なので、休日に時間をかけてじっくり取り組むもよし、日常のすきま時間に少しずつ進めるのもよし、楽しみ方はさまざまです。
説明書には、縫い方はもちろん糸の扱い方まで詳しく書かれているので、手芸に慣れていない私でも安心して取り掛かることができました。
こちらのキットで練習できる基本の縫い方は全部で9種類。
「この縫い方は家庭科の授業でやったことがある気がする!」とテンションが上がったり、「この動作からこの形が出来上がるなんて」と刺繍の奥深さに驚いたり、一喜一憂を繰り返しながら気づけば刺繍の練習に没頭。
縫い方のレベルが上がってくると少し時間がかかるものの、一度慣れてしまえばあとは黙々と縫い進めていくことができました。
左側が完成したら、学んだ技術を使いながら本格的なお花の刺繍へ挑戦。刺繍布には最初から図案がプリントされているので、説明書と図案に従いながら学んだ技法を組み合わせてお花を作り上げていきます。
一針一針縫い進めるごとにだんだんとお花が色づいてゆく様子は、まるで命を吹き込んでいるようでわくわくしました。
「できた!」
刺繍キットは、糸を切るためのハサミさえ準備すれば気軽に刺繍に挑戦できるのでお家時間のおともにもぴったり。一つ一つ技法を覚えてレベルアップを目指す楽しみもあるので、モチベーションにも繋がります。ぜひ気軽に、暮らしに刺繍を取り入れてみてくださいね。
ほかにはCreemaにもこんなキットも。
100余年の歴史を支える、刺繍糸へのこだわり
そんな魅力溢れるオリムパスさんの刺繍糸。いったいどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。その歴史を紐解くと、日本でフランス刺繍が広がった経緯ともつながります。
オリムパスさんは1908 年明治 41 年に創業。大正時代の終わり頃から、一部の女性の間で嗜みとされていた刺繍が学校教育にも取り入れられるようになると、日本にもフランス製の刺繍糸が紹介され始めました。
この頃からオリムパスさんは、前例がない中で刺繍糸の初の国産化を目指すべく、刺繍糸を生産する機械の開発から研究開発を始めます。
技術指導者や文献もない中、1929 年(昭和4年)に刺繍糸の生産に日本で初めて成功して以来、オリムパスさんの刺繍糸は92年もの間、多くの人々に愛され続けてきました。
世界にひとつだけの、私だけの作品。刺繍を暮らしに取り入れよう
92年もの間、多くの人々に愛され続けてきたオリムパスさんの刺繍糸。
もっと多くの方に「刺繍・手芸を通して人生を豊かにしていただきたい」という思いで、刺繍をやってみたかったがまだ始めていない、という方へ向けて"ボタニカルガーデン"をテーマにしたブランド、「GARDEN PARTY」を新しく立ち上げます。
ボタニカルガーデンと、そこに咲く花々から着想を得たカラー展開は、眺めているだけでもなんだかワクワクしてきます。
初めての方にもおすすめのキットもたくさん揃っているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
キットで刺繍に慣れたら、ぜひご自身で色を選んでお好きなデザインの刺繍にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
マスクやハンカチ、Tシャツなど、ちょっとした小物に刺繍を施せば、どこにでもあるものが世界にひとつだけのオリジナル作品に。一針一針心を込めて手仕事に身をゆだねる時間は、きっと自分の心も癒してくれるはずです。
始まりの季節でもある4月。ぜひ刺繍を暮らしに取り入れて、手芸の世界を楽しんでみてくださいね。
※ 本記事は、オリムパス製絲株式会社様より委託を受け、株式会社クリーマが制作させていただいております。