BLOG

おもちゃ作家・atelier-fu(アトリエ・フ)さん-笑顔を出し続ける! をテーマに_作り手インタビューvol.1 

第1回の作り手インタビューは、木のおもちゃを制作するatelier-fu(アトリエ・フ)さん。「工房は、極寒で粉まみれですよ」というお返事とともに、快く迎えてくださいました。ずっと笑顔で、思いやこだわりをにこやかに語る表情は、ご自身の作品のスマイルそのもの。極寒どころか、心の底からぽかぽかと温かくなる工房でした。

とにかく作っているのが楽しくて。自然と木に行きつきました

「中学生の頃から図工や美術が好きで、その延長でデザインの学校に進みました。とにかく、作っているのが楽しくて。いつしか自分の作る場所がほしいと思い、工房を構えました。昔は、仕事をしながら自分の工房でものづくりを続けていましたね。

木という素材は、自分の作りたいものを表現しやすかったので、木工を選んだのは自然な流れでした。制作を続けているうち、『おもちゃとして販売してみない?』というお話をいただいて、2005年にatelier-fuとしてスタートして、10年になります。

もともと、『ネフ(NAEF)』というヨーロッパの木製おもちゃの、デザインが可愛くて好きでした。おもちゃって、どこか不細工なんだけど、“下手うま”というか、そういう魅力的な世界があるんですよね。他には、ディックブルーナのそぎ落とされたデザインだったり、ムーミンの本の中で描かれる自然の残酷さだったり。可愛いだけじゃない部分にひかれた気持ちが、ずっと心の中にあったのかもしれませんね」

いろいろな感情がある中で、笑顔を出し続けるんだ! をテーマに

「作品は、笑顔をテーマにしています。見ているだけでもにっこりしてしまう、そんなおもちゃです。大それたことを言えば、伝えたいのは、『みんなに平和にいこうよ!』ということ。それを、おもちゃを通じて感じてもらえたらうれしいですね。

もちろん、人間はいろいろな感情があるから、いつもハッピーとか、決して一辺倒ではありません。それでも、『笑顔を出し続けるんだ!』ということを、テーマにしたいんです。だから、今作っている作品は、人間の表情の中でもハッピーなところだけを切り取っています。

制作をする時は、同じ笑顔のモードにシフトします。だから、自分が複雑な気持ちの時は、絶対に作れれません(笑)。顔を入れるからには、心がともなっていないといけない。ただ単に、この表情をつけるとキャッチーだからとか、そういう理由で顔を入れたくはないなと思っています。」

TEETH・BOX(ティース・ボックス)

作品に嘘はつかない。それが自分の中のリアリティ

「〈ひつじのこもりうた〉は、人に近いところにいる家畜をイメージして作りました。『だったら、ゾウはそこの世界にこないな』とか『犬はサイズ感のつじつまが合わないな』とか。実は、最初はオオカミもいたんですけど、『羊たちを食べちゃうからいらない!』と思って、却下になりました(笑)。自分の中で、作品には嘘をつかない、そのリアリティを守っていますね。

「〈スムースシリーズ〉は、公園で遊んでいる子供を見てぴぴっときたんです。何にもとらわれずに、すごく自由に遊んでいる姿。それを表現したくて、最初に浮かんだのは、楽しそうに側転をしている人たちでした。そのアイディアを、積み木の要素とミックスして、このおもちゃは生まれました。」

スムース・ナチュラル

おもちゃからおもちゃは生まれない

「普段の生活の中で感じたことを、おもちゃに取り入れています。もちろん、おもちゃの勉強はしますが、そこばかりを掘り下げることはあえてしません。どこかで、『おもちゃからおもちゃは生まれない』という気がしているから。いろいろな経験をしてきた人が作ったものだからこそ、きっと面白いんじゃないかな?と。だから、日常からおりてきたものをきちんと表現すること、これがスタートかなと思っています。」

感情が動く瞬間に触れたい。

「作品を見てくださる中では、「これで良いかな」じゃなくて、「あっ、これっ!」という瞬間をねらっています。自分の作品の前で、ぱっと表情が輝く瞬間が一番うれしいですね。人の感情が動く、あの瞬間に触れたいという思いが、いつでもあります。

「クリーマでずっと見てました」という方が、イベント会場に直接来られて、ご購入いただけた時はうれしかったです。その逆に、クリーマ主催のハンドメイドインジャパンフェスに出展した後、クリーマ上でお問い合わせをいただいたこともありました。
クリーマでは、実際に展示している時に近い感覚でお客さんとのやりとりができるのが良いですね。今後もその辺りを意識して、より良くしていきたいと思います」

クリーマのお気に入り作家さんはいますか?

デザイナーズウィークの時にご一緒したnomuoさんの作品がシュールでよかったです。

ものづくりのプロフェッショナルとは?

とにかく、続けること。それしかないのかなと思いますね。

インタビューを終えて

「表現したいことを形にする」を追求しながら、ものづくりを続けるatelier-fuさん。作品の中に描かれた100%の笑顔は、嘘をつかないものづくりへのこだわりから生まれたものでした。どんな心の状態の時も、atelier-fuさんの作品を見ると、いつも同じ、しあわせなところに連れて行ってくれる気がしたのは、そういう背景があったからなのだと納得しました。作り手の思いはがすべて、作品にも乗り移るものなのですね。

atelier-fuさん、どうもありがとうございました!第2回のインタビューも、どうぞお楽しみに!

ブログで紹介する▼
HTMLコードをコピーしてブログに貼り付けてください
この記事のタグ
同じカテゴリーの記事
人気の記事