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鉄瓶ではじめる白湯習慣。おすすめの作品とお手入れ方法
健康や美容に気を遣う人の習慣として注目を浴びている「白湯(さゆ)」は、実は鉄瓶を使って作るとさらに効果的なんだそう。——とはいえ、白湯の正しい作り方や、鉄瓶のお手入れ方法など、知りたいことも多いはず。
今回の記事では、白湯の基本的な作り方、最適な温度・飲むタイミングはもちろん、白湯をさらに美味しく味わうための鉄瓶を使った白湯の作り方とその効果、さらに初めての人にぜひ知っていただきたい正しい鉄瓶のお手入れ方法についてご紹介します。
目次
1.白湯とは? 「白湯」と「お湯」の違い
2.鉄瓶で沸かす白湯の効果。鉄瓶で作ると鉄分補給にも
3.基本の白湯の作り方・飲み方
4.いつ飲む?温度は?飲み方のポイント
5.鉄瓶のお手入れ方法
- 鉄瓶を買ったら最初にすること
- 使い終わったら必ずすること
- サビはどうする?困ったときのお手入れ
6.まろやかな白湯を味わおう。おすすめの鉄瓶と鉄瓶を楽しむ作品10選
白湯とは? 「白湯」と「お湯」の違い
白湯とは、水を沸騰する100度くらいまで温めたあと、飲みやすい50度くらいまで冷ましたもののことです。普通の冷たい水を飲むのとは違い、白湯を飲むことで身体がじんわりと温まり、冷えやすい身体もポカポカと温かくなって代謝も良くなると、健康や美容に気を遣う人の習慣として注目を浴びています。
本来、白湯という言葉は「水を沸かしただけで、何も入れていない無色透明の、飲むためのお湯」のことを指しています。しかし、近年のブームを受け、現在では白湯とは「水を沸かして作ったお湯を、飲みやすい温度まで冷ましたもの」、つまり「湯冷まし」を指すことが多くなっています。
「無色透明なのに、"白"湯?」と思われるかもしれません。白という漢字は、色のことだけではなく、「純粋」「何もない」という意味も持っています。また、元は「素湯(すゆ)」と呼ばれていたのが徐々に変化していったという説もあるそうです。
鉄瓶で沸かす白湯の効果。鉄瓶で作ると鉄分補給にも
鉄瓶を使って水を沸かすと、鉄分の補給も助けてくれるという効果もあります。やかんや鍋も手軽で良いですが、せっかく白湯を沸かすなら鉄瓶で栄養も摂れると嬉しいですね。
また、白湯習慣の長い人がよく口にするのが「鉄瓶を使うと味がまろやかになる!」ということ。味の感じ方には個人差がありますが、一説には鉄瓶の内側から溶け出した鉄分が、塩素の除去を助けるためだとも言われています。
鉄瓶を使って沸かす、基本の白湯の作り方
1)たっぷりの水/水道水を鉄瓶に入れる
白湯は沸騰させ続けながら作るのがコツ。蒸発するので、水は7分目くらいまでしっかり入れましょう。
2)蓋をして中火にかけて、沸騰するまで待つ
季節や水の量によりますが、およそ5分から10分ほど待ちます。
3)沸騰したら鉄瓶の蓋を外し、弱火で10分ほど沸かし続ける
水道水独特の臭いのもと、塩素(カルキ)を蒸気にして逃がすため、蓋を外して沸かし続けましょう。沸かし続けることで、塩素の蒸発を促してまろやかな白湯ができます。
4)飲みやすい温度(40~50度)になるまで待つ
体温に近い温度まで下げることによって胃腸への刺激が少なくなります。身体の内側からゆっくりと温まり、寒い季節もぽかぽか。
いつ飲む?温度は? 白湯の飲み方のポイント
◎ 飲むタイミングは、「朝起きた後」がおすすめ
人は寝ている間にも汗をかき、1リットル近くの水分を失う人も。しっかり水分を補うことで、すっきりとした目覚めに導きます。また、食後すぐの白湯にはご注意。白湯に限らず、食べた直後に水分を摂ると、消化吸収の機能が弱まってしまうと言われています。
◎ 飲み過ぎず適量を心掛けて
身体にいいと言っても、水分を摂りすぎると、逆にむくみやすくなることも。胃に過度の刺激を与えないためにも、1回あたりコップ1杯(約200ml)の白湯を、なるべく時間をかけてゆっくりと飲むことをおすすめします。1日あたりの白湯の摂取量は、700~800ml。飲み過ぎは腹痛にもつながるそうなので、適量に気をつけましょう。
鉄瓶のお手入れ方法
「でも、鉄瓶ってお手入れが大変そう……」という方に、簡単な鉄瓶のお手入れ方法・錆びてしまったときの対処法をご紹介します!
鉄瓶を買ったら最初にすること。「湯膜」をつくる、使い始めのコツ
鉄瓶を使う前に、まずは内部に付着した不純物を取りましょう。中を軽く水ですすいで捨てたあと、再度水を入れて弱火で沸騰させ、沸いたらお湯を捨てます。
お湯の濁りや、強い鉄のにおいがなくなるまで、3~5回ほど繰り返します。持ち手は熱くなるので、うっかり素手で触らないようご注意ください。
早ければ、鉄瓶を使い始めて1週間ほど経つと、内側に赤い斑点が生じるようになります。お湯が無色透明のままであれば害はないので、こすり落とす必要はありません。この状態でさらに使い続けると、「湯膜」と呼ばれる白い沈殿物が付着するようになります。この湯膜が育つと鉄瓶内部をサビにくくすると言われていますので、こちらもこすり落とさなくて大丈夫。
使い終わったら必ずすること
なんとなく難しそうに感じる鉄瓶のお手入れですが、基本はただひとつ「濡れたままにしない」ということだけ。
水を沸かしたら、中のお湯はなるべく早く別の容器に移し、蓋を開けて余熱で水分を飛ばします。鉄瓶を急に冷やすと割れてしまうこともあるので、水で急冷せずに自然に冷めるのを待ちましょう。
鉄瓶の表面についた水滴は、乾いた布巾で取ります。蓋が乗る部分にも水滴が残りやすいので要注意。
鉄瓶内部にはサビにくいよう処理が施されています。こすったり、洗剤をつけたりすると内部が傷つき、サビが発生しやすくなってしまうので、絶対に触らないようにしましょう。
鉄瓶のサビはどうする? 困ったときのお手入れ
お湯が赤くにごってきたときや、サビの強いにおいが気になったときは、下記の手順でお手入れしましょう。
1)内部の広範囲が真っ赤にサビている場合は、やわらかいブラシで内部を優しくこすり、すすぐ
2)7分目まで水を入れ、1杯分の煎茶葉(緑茶のティーバッグでも可)を入れてお湯を沸かす
3)沸騰したら火を弱火にし、30分程度沸かし続ける
4)火を止めたら、一晩そのまま放置する
5)軽く中をすすぎ、1~2回お湯を沸かす
お茶に含まれる成分のタンニンが鉄分と反応し、赤サビを抑える「タンニン鉄」となるため、にごりがなくなります。基本的には、毎回水分をしっかり蒸発させていれば、にごるほどサビが付くことはほとんどありません。
鉄瓶は毎日使い続けることによって湯膜が育つので、どんどんサビにくくなるともいわれています。白湯を飲むと同時に鉄瓶を育てられるから、楽しみも2倍に感じますね。
まろやかな白湯を味わおう。おすすめの鉄瓶と鉄瓶を楽しむ作品10選
南部鉄器の中でも「鉄瓶」に特化している工房・南部鉄瓶 くんざん工房さん。こちらの「車軸型」は工房オリジナルの形で、定番の人気作品なのだそう。昔ながらの伝統的な技術で一つひとつ手作りで作られているそうですよ。
1848年から南部鉄器の製造をしている南部鉄器工房 及富さん。こちらの作品の「アラレ模様」とは南部鉄器の代表的なデザインなのだそう。平たい形で、大きな底面、美しい瑠璃色が特徴の作品です。
katogoroshotenさんの鉄瓶は、黒のアラレ模様。茶こしが付いているので、緑茶を飲みたいときにも便利です。伝統的でありながら今のライフスタイルにもあうモダンな雰囲気が特徴です。
水沢鋳物工業協同組合さんは、岩手県奥州市を中心に活躍している製造工場・伝統工芸士、新進気鋭の作家さんが多数所属している組合。こちらの作品は、コロンとしたフォルムにマットな質感が特徴。小さめの鉄瓶で、片手で持てるくらいの重さがちょうどいいと評判です。
岩手の伝統工芸品『南部鉄器』にモダンなデザインやユニークなアイディアを取り入れ、幅広い世代の人たちに楽しんでもらえる製品を開発している壱鋳堂さん。こちらの作品はしずくの形がなんとも可愛らしい仕上がり。蓋のつまみにリングがついているのもポイントです。
南部鉄器の専門店 Shinwadenkiさんの鉄瓶は、ぽってりとした丸形。よく見ると、ふたのつまみの部分は松ぼっくりの形になっていて、シンプルな中にも遊び心を感じられる伝統的工芸品です。
PINTさんの鉄瓶は、山形生まれ。山形鋳物の特長は、他の産地に比べて薄い作りにあるのだそう。鉄瓶で気になるのが重さですが、使いやすく軽くするために、薄作りの技術が発展したそうですよ。
鉄瓶を使うときに用意しておきたいのが、茶巾や鍋つかみなど、取っ手の熱を防げるもの。ちょこんとさんのこちらの作品は、刺し子が施されていて、伝統的な技術で作られた鉄瓶によく合います。
陶芸工房kobayashi potteryさんのカップは、スタッキングができて、収納にも便利。デザートカップや小鉢としても使えるので、いくつか持っておくとたくさん活躍してくれそうです。容量は200ml、朝の白湯にちょうどいい小ぶりな湯呑みです。
日本の伝統文化である「OCHAとUTSUWA」を現代の粋なライフスタイルに落とし込んだブランドHAPPA STANDさん。こちらの作品は、岐阜県土岐市で美濃焼として、完全オリジナルで窯元と一緒に製作しているそうです。湯呑みの生地をなるべく薄く作っているとのことで、白湯のまろやかさをより引き出してくれそうです。
鉄瓶を使って、すこやかな白湯習慣を。
すでに白湯を飲んでいる方も、これから白湯習慣をはじめたい!という方も、せっかくなら鉄瓶を使って、体にやさしく、美味しく白湯を味わってみてはいかがでしょうか。
「健康のため」「美容のため」と気負わなくても、お気に入りの湯飲みで一息つく時間は、心まで温めてくれるはず。鉄瓶だけでなく、ぜひ、お気に入りの茶巾や湯呑みも見つけてみてくださいね。