土佐硯 ~製作風景~
土佐硯の製作過程をご紹介いたします。
■原石選び
採掘場から切り出された原石は倉庫の中で
大切に保管されています。
希少な原石を無駄にしないよう、目的の硯に応じた
最適な大きさのものを選び出します。
堆積層に沿うように、
ところどころに裂け目が生じている場合があるため、
小槌でたたき、その反響を聞いて内部の状態を確認し、
十分な幅や厚みを確保できるかどうか慎重に検討します。
■形状の検討
長方硯などの決まった形のものの場合は、
墨堂をどの部分にあてるかなどを中心に検討します。
自然石の姿を生かした硯を作る場合は、
表面と裏面、切り落とす部分、残す部分を検討します。
墨を磨る墨堂、墨液を溜める海の配置、
どの部分に自然の岩肌を割り当てるべきか、
どのような火率が好ましいかをじっくりと検討します。
■切断
初回は確実に切り落とす部分を大まかに切断します。
切断面を観察し、原石の内部の状態を確認しながら、
思い描く硯の形に切り整えていきます。
この段階で石にひびや、大きな欠けが生じた場合には、
サイズを落とした硯を作ることを再検討します。
■平面出し
切断した原石の天地は岩肌が波打ったような状態で残っています。
切断面を見て、最も状態のよい部位を見定め、
天地をどの程度削り落とすかを決めます。
電動工具を使い、粗く表裏を削り、その後
平板機と呼ばれる鋼鉄製の円盤の上で平面にならしていきます。
■周囲の整形、粗彫り
改めて、外形と縁のラインを石に描き、
振動によるダメージを最小限にするよう注意をしながら、
電動工具による粗整形、粗彫りを行います。
■彫り
柄の長い突き鑿、短い手鑿を用いて彫り作業を進めていきます。
鑿の先端は丸みを帯びたもの、直線的なものがあり、
また幅に関しても広いものや狭いものなど様々があります。
まずは1mm程度を削り取るような力強さで、
縁や墨堂、海を設計通りに均等に整えていきます。
その後は0.5mm、0.1mm、それ以下の厚みを削るように、
繊細に凹凸や全体の均衡を整え、
状態の良し悪しを目視と指先の感覚で確認します。
■磨き
作業の三分の一から半分はこの磨き作業となります。
数種類の砥石、耐水研磨紙、仕上げ用砥石や砥粒を用いて、
磨き込んでいきます。
通常は6~8周して仕上がりとなりますが、その一周ごとに
あらためて鑿を入れ直し修正を施します。
面がならされていくことによって、バランスの崩れ、非対称などが
はっきりと浮かび上がってきます。
研磨紙の粒度を小さくしていくごとに、わずかなズレが見え、
磨きと彫りを繰り返して、最後の番手の研磨紙に移る時には、
高い精度で水平や対称性が揃った状態となります。
最後に墨堂を墨を磨るために適当な状態に整えます。
■仕上げ
石には堆積層に沿った、目では確認できない
亀裂を含んでいます。
水に晒し、乾かし、ということを繰り返すことで、
その亀裂は徐々に大きくなる可能性があります。
そこで、硯の外面には風化止めの処理として、
皮膜を行うことが一般的です。
墨液を表面に塗布してから、合成樹脂を塗ることで、
周囲をコーティングし、硯の仕上がりとなります。
■原石選び
採掘場から切り出された原石は倉庫の中で
大切に保管されています。
希少な原石を無駄にしないよう、目的の硯に応じた
最適な大きさのものを選び出します。
堆積層に沿うように、
ところどころに裂け目が生じている場合があるため、
小槌でたたき、その反響を聞いて内部の状態を確認し、
十分な幅や厚みを確保できるかどうか慎重に検討します。
■形状の検討
長方硯などの決まった形のものの場合は、
墨堂をどの部分にあてるかなどを中心に検討します。
自然石の姿を生かした硯を作る場合は、
表面と裏面、切り落とす部分、残す部分を検討します。
墨を磨る墨堂、墨液を溜める海の配置、
どの部分に自然の岩肌を割り当てるべきか、
どのような火率が好ましいかをじっくりと検討します。
■切断
初回は確実に切り落とす部分を大まかに切断します。
切断面を観察し、原石の内部の状態を確認しながら、
思い描く硯の形に切り整えていきます。
この段階で石にひびや、大きな欠けが生じた場合には、
サイズを落とした硯を作ることを再検討します。
■平面出し
切断した原石の天地は岩肌が波打ったような状態で残っています。
切断面を見て、最も状態のよい部位を見定め、
天地をどの程度削り落とすかを決めます。
電動工具を使い、粗く表裏を削り、その後
平板機と呼ばれる鋼鉄製の円盤の上で平面にならしていきます。
■周囲の整形、粗彫り
改めて、外形と縁のラインを石に描き、
振動によるダメージを最小限にするよう注意をしながら、
電動工具による粗整形、粗彫りを行います。
■彫り
柄の長い突き鑿、短い手鑿を用いて彫り作業を進めていきます。
鑿の先端は丸みを帯びたもの、直線的なものがあり、
また幅に関しても広いものや狭いものなど様々があります。
まずは1mm程度を削り取るような力強さで、
縁や墨堂、海を設計通りに均等に整えていきます。
その後は0.5mm、0.1mm、それ以下の厚みを削るように、
繊細に凹凸や全体の均衡を整え、
状態の良し悪しを目視と指先の感覚で確認します。
■磨き
作業の三分の一から半分はこの磨き作業となります。
数種類の砥石、耐水研磨紙、仕上げ用砥石や砥粒を用いて、
磨き込んでいきます。
通常は6~8周して仕上がりとなりますが、その一周ごとに
あらためて鑿を入れ直し修正を施します。
面がならされていくことによって、バランスの崩れ、非対称などが
はっきりと浮かび上がってきます。
研磨紙の粒度を小さくしていくごとに、わずかなズレが見え、
磨きと彫りを繰り返して、最後の番手の研磨紙に移る時には、
高い精度で水平や対称性が揃った状態となります。
最後に墨堂を墨を磨るために適当な状態に整えます。
■仕上げ
石には堆積層に沿った、目では確認できない
亀裂を含んでいます。
水に晒し、乾かし、ということを繰り返すことで、
その亀裂は徐々に大きくなる可能性があります。
そこで、硯の外面には風化止めの処理として、
皮膜を行うことが一般的です。
墨液を表面に塗布してから、合成樹脂を塗ることで、
周囲をコーティングし、硯の仕上がりとなります。
展示
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