宮澤賢治童話「銀河鉄道の夜」に登場するジョバンニとカムパネルラが車窓から顔を覗かせる仕掛けを施したオリジナル便箋です。
封筒にはゴールドインキで夏の大三角の白鳥座・琴座・鷲座を客車に描き、便箋は両面カラーの厚くコシのある用紙に折目加工を施したこだわりの便箋です。
折り方を変えて車内のみを見せても面白いですよ。
封筒は2枚、便箋は3枚をご一緒したセットです。

銀河鉄道と〝ほんたうのさいわい〟を探す旅へ…

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ごとごとごとごと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈のようでした。
百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっと向うからかときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙が、かわるがわるきれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。じつにそのすきとおった奇麗な風は、ばらの匂いでいっぱいでした。
「いかがですか。こういう苹果はおはじめてでしょう。」
向うの席の燈台看守がいつか黄金と紅でうつくしくいろどられた大きな苹果を落さないように両手で膝ひざの上にかかえていました。

銀河鉄道の夜　より
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