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伝統工芸×Creemaクリエイター アイディア溢れるコラボ作品が誕生!【熊本ものづくり紀行】

2022.12.16
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伝統工芸×Creemaクリエイター アイディア溢れるコラボ作品が誕生!【熊本ものづくり紀行】

美しい阿蘇の山々や草原など雄大な自然に囲まれ、農産物や温泉、全国的に有名な観光スポットを有する熊本県。そんな魅力溢れる熊本県には、古くから人々が守り続けてきた伝統工芸品があり、ものづくりが盛んな地域としても知られています。

https://lp.creema.jp/event/kumamoto-2022

熊本県の職人が持つ伝統的技術・技法を活かし、Creemaで活躍するクリエイターとコラボレーションして新たな作品を生み出す企画「くまもとの伝統工芸×Creema アイデア募集コンテスト」。

昨年に引き続き今年も実施し、今年は数多くの応募の中から5名のクリエイターが選ばれ、熊本県で伝統を受け継ぐ職人たちとのコラボレーション作品が誕生しました!

今回の記事ではそのなかから、熊本県の伝統工芸品である「肥後象がん」の伝統工芸士とCreemaのクリエイターがつくった、2組のコラボレーション作品をご紹介します。

歴史ある熊本県の伝統工芸品と、クリエイターの持つ斬新なアイディアが組み合わさると、一体どのような作品が生まれるのでしょうか。作品完成に至るまでのエピソードや、コラボ作品に込められた想いやこだわりをお伝えします。

「くまもとの伝統工芸」肥後象がんとは?

▲ 肥後象がんでつくられた、プレゼントにも人気のネクタイピンやループタイ、上品なワンポイントのついたペーパーウェイト

熊本県には「肥後象がん」や「鬼瓦・飾り瓦」、「手漉き和紙」、「竹工芸」など、その数なんと約90品目もの伝統工芸品があります。

 

なかでも代表的な「肥後象がん」とは、鉄の板に細い切れ目を入れて象(かたど)り、その溝に金や銀をはめ込み、さまざまな美しい模様を描き出す金工品のこと。

金銀の模様を全体的に施したきらびやかな京都の象がんに比べて、「肥後象がん」は地鉄の黒を活かした渋い仕上がりで、しみじみとした味わいを感じられます。

▲ 肥後象がんの伝統工芸士・関さんが手掛けた刀のつば。肥後象眼の始祖といわれる林又七(はやしまたひち)の名作「桜九曜紋透し象眼鍔」が写された、圧巻の作品です。

肥後象がんの歴史は、およそ400年前。江戸時代初期に肥後藩主に仕えていた鉄砲鍛冶が、刀のつばや鉄砲の銃身の装飾として象がんを施したことが始まりであるといわれています。

力強い素材同士が織りなす美しい肥後象がんは、見る人を圧倒させる繊細な模様と煌びやかな光をまとい、現在ではアクセサリーやネクタイピンなどの装飾品を中心につくられています。

「新しく魅力ある作品を」肥後象がん×ミニチュアの和の雰囲気漂うコラボボールペン

Creema クリエイター>>ミニチュア造形作家・Studio Humming Birdさん

今回のコラボレーション一組目は、肥後象がんの伝統工芸士・関 維一(せき・つなかず)さんと、お寿司やスイーツなどのミニチュアが入ったボールペンなどを手掛ける、ミニチュア造形作家・Studio Humming Birdさんです。

▲ ずらりと並ぶStudio Humming Birdさんのミニチュアボールペン作品。人気のお寿司ボールペンから麻雀モチーフも。見ていてわくわくが止まりません。

色使いや質感などたくさんのこだわりが詰まったStudio Humming Birdさんがつくるミニチュアは、見ていると思わずお腹がすいてしまいそうなリアルなものから、クスッと笑えるモチーフまで、ユーモア溢れる作品ばかり。

海外の方にも人気のお寿司や和菓子などのミニチュアが入ったボールペンは、和柄や伝統工芸品ともしっくりと馴染みます。

肥後象がん伝統工芸士>>関 維一(せき・つなかず)さん

▲ 肥後象がん ペーパーナイフ 丸型 桜

大好きな肥後象がんを、まだ魅力を知らないたくさんの人に伝えて喜んでもらいたい。そんな強い想いを持つ伝統工芸士の関さんは、黒い鉄と金が織りなす美しいデザインに惹かれて大好きな肥後象がんの道へ。

人間国宝である米光太平さんに弟子入りをし、肥後象がんと向き合いながらものづくりに打ち込んでいらっしゃいます。

以来、肥後象がんの魅力に惹かれて60年。「人に愛される図柄」「斬新で人に優しいデザイン」を目指し、デザイン性と伝統を大切にして、ボタンやペンダント、ペーパーナイフなど幅広い作品を手掛けています。

▲ 肥後象がんの魅力に惹かれて60年。「もう60年かぁ」と呟く姿が印象的でした。

お菓子職人から、大好きな肥後象がんの伝統工芸士の道へ

実は関さん、肥後象がんの伝統工芸士としてものづくりを始める前は、お菓子屋の職人だったのだそう。

60年の時を経て、かつてのお仕事でつくっていた和菓子のミニチュアが、ご自身がつくった肥後象がんとコラボレーションする感慨深い機会に。季節感を反映し、見ているだけで心がときめく美しいデザインは、お菓子屋の職人だった頃の経験や技術が肥後象がんにも活きているのかもしれません。

まずは、関さんがコラボレーション作品用に手掛けた肥後象がんのプレートを拝見。きらめく黄色の葉が表現された銀杏と、ひらひらと舞い落ちるような動きのある繊細な桜模様に、思わず目を奪われます。

▲ 関さんがお試しで制作した肥後象がんのプレート。これをクリアになっているボールペンの持ち手部分に入れます。「季節ごとにプレートを変えても良いかも」「桜の方にはミニチュアの和菓子をのせてみるのも面白いですね」とほかにもアイディアが出てきます。

普段ミニチュア作品を乗せている木のプレートとは異なり、貴重な肥後象がんの作品にミニチュアを貼り付けるのがどきどきなStudio Humming Birdさんを後押しするように、

「実際にやってみましょう。作品ができるのを見るのが楽しみなんだよ。ミニチュアをつけてボールペンに入れてみないと雰囲気が分からないからね」

と、関さんが優しく声を掛ける場面も。

 

Studio Humming Birdさんがつくった、馬刺しやからし蓮根、きじ馬など熊本の特産品のミニチュア作品がその場に現れると、「うわあ......! 細かい!」と気持ちが高ぶります。

▲ 肥後象がんのプレートにミニチュアを並べる緊張の瞬間! 小さな空間にミニチュア作品を入れるにはミリ単位の調整が大切で、少し厚みがあるだけで入らなくなってしまうこともあるそうです。

どの柄につけようか、銀杏の向きはどっちがいいかなと悩みながら、熊本県の特産品が形づくられたミニチュアを並べていきます。

「からし蓮根フチの黄色味を強くすると、より引き立つのでは」「馬刺しも美味しそうな良い色をしていますね」と意見交換をしながら、打ち合わせが進みました。

完成! 肥後象がん×ミニチュアボールペン

60年もの年月で培った伝統技術が光る、伝統工芸士・関さんの肥後象がんと、ミニチュア作家・Studio Humming Birdさんの、食べ物の特徴を緻密に再現したミニチュア作品。

 

——完成した肥後象がん×ミニチュアボールペンがこちらの2種類!

ミニチュア×肥後象がん コラボボールペン「熊本」

ミニチュア×肥後象がん コラボボールペン「熊本」
▲ ネギと大葉が添えられた馬刺しと鮮やかな黄色のからし蓮根、郷土菓子であるいきなり団子や特産品のスイカ、そして細かく色彩豊かなきじ馬のミニチュア。打ち合わせで出たアイディアが相まって、熊本の美味しいものと伝統工芸の魅力が溢れる作品ができあがりました。
▲ 反対側には肥後象がんの銀杏模様が。鉄地に金や銀を打ち込んで表現された銀杏は、葉先まで細やかで手仕事とは思えないほど繊細です。

持ち手の部分は、男女問わずミニチュアボールペンを使ってもらえるようにと、和の雰囲気とマッチする紗綾形や、肥後象がんの煌めきが引き立つ深い赤や青など色や柄を選ぶことができます。

持ち手のデザインは打ち合わせ時に何種類もの組み合わせを試しながら、「華やかな方がいいかな?」「渋めの方が肥後象がんが映えるんじゃないか」と試行錯誤しながら決定しました。

ミニチュア×肥後象がん コラボボールペン「春」

ミニチュア×肥後象がん コラボボールペン「春」
▲ こちらは春の訪れを感じられる和菓子のミニチュアボールペン。小さな空間には、牡丹の練りきりやお抹茶、ひし餅や桜餅など色鮮やかな和菓子がずらり。持ち手は、春らしい桜や梅などふんわりとした優しい色合いになっています。
▲ 和菓子のミニチュアボールペンの裏側には、桜模様の肥後象がんが。“花より団子”ではなく、花も団子も楽しめるボールペンになっています。
▲ お互いに意見や質問を交わしながら、作品の魅力がより伝わるよう試行錯誤を繰り返していたお二人。小さな作品を手に取りながらの打ち合わせは、とても充実したあたたかい時間でした。

「デザイン性と伝統を大切にしながら、何か新しいものをつくりたい」そうお話していた関さんの想いが実現し、日本が誇る伝統工芸と、海外でも喜ばれるミニチュアの技術が組み合わされ、お二人が大切にされている「和」を世界へと繋ぐ一作となりました。

「象がんをもっと身近に」肥後象がんアクセサリー×ニードルフェルトのコラボディスプレイ

コラボレーション二組目は、肥後象がん伝統工芸士・Standing Straightさんと、生き生きとした表情の動物たちが魅力のアクセサリーや、マスコットなどの作品を手掛けるもこもこ作家・あかころさんです。

そして今回の企画では、肥後象がんピアスを飾り、お部屋を彩るインテリアとしても楽しめるようなディスプレイのコラボレーションを臨んで企画に参加してくださいました。

Creemaクリエイター>>もこもこ作家・あかころさん

もこもこマスコット・赤柴のあかころ

華やかで、細かな模様の肥後象がんピアスをディスプレイできるよう、今回のコラボレーションに名を挙げたのは、可愛らしい羊毛フェルトによるぬいぐるみやバッチなど立体アート作品を手掛けるあかころさん。手に取ると思わずほっこりするような、動物たちの表情が愛らしいあたたかみのある作品が魅力です。

▲ 生き生きとした表情の動物たちが魅力のアクセサリーや、マスコットなどの作品を手掛けるもこもこ作家・あかころさん

肥後象がん伝統工芸士>>Standing Straightさん

肥後象嵌サクラピアス

アメリカで彫金を学び、25年前から彫金職人としてものづくりを始めたStanding Straightさん。帰国後に国指定の伝統的工芸品である肥後象がんに出会います。

 

金属の表面に彫刻を施す彫金の経験を活かし、手仕事とは思えないほど繊細なデザインを得意とし、伝統工芸士として彫金と肥後象がん双方の技術を活かしたアクセサリーを制作しています。

▲ 肥後象がんをもっと身近なものに、という想いで肥後象がんのアクセサリーをつくるStanding Straight・麻生さん。

Standing Straightさんこだわりの「布目象がん」技法は、純金・純銀の板に細かな溝を作り、その溝に金箔の100〜200倍ほどの厚さがある板を象がんすることによって、金銀柄が黒地鉄より盛り上がった仕上がりになるのが特徴。

強くて硬い黒錆を数週間かけて出すことによって、濡れたような艶のある黒色を出すことにこだわっています。

職人技が光る。ユニークなデザインの肥後象がんアクセサリー

Standing Straightさんの肥後象がんピアスには、和を代表する桜や可愛らしいりんご、ちょっとユニークな卵も!

作業場には何種類もの型がたくさん並んでいて、「あれ? こんな柄あったっけ?」と思うほど、モチーフは日々増えているそう。

 

貴重で繊細なものであるゆえに、使用していないときはほとんど木箱や紙箱の中に保管されている伝統工芸品。
Standing Straightさんは、「華やかなものであるのに閉まったままではもったいない」という気持ちから、アクセサリーを身に着けていないときでも、インテリアとして飾れるオリジナルの木製ディスプレイづくりを始めました。

▲ アクセサリーを着用していないときでも楽しめる手づくりの木箱にもこだわっているそう。工房には、木製のディスプレイに木箱に入った肥後象がんのアクセサリーが並べられていました。

身につけていないときでも飾って欲しい、という強い気持ちが、今回のコラボレーション作品に繋がっています。

やさしい手触りのフェルティングは、ものを包んだりするシートとしても使用されることから、素材としてはアクセサリーとの相性抜群。

 

あかころさん:アクセサリーが角張っていたりすると引っかかりが気になりますが、とても軽くてフラットなのでStanding Straightさんの作品と相性が良いと思いました!

 

Standing Straightさん:最初あかころさんの作品を見たときに可愛すぎるから自分の作品が負けるかと思いました(笑)でも実際にアクセサリーをつけてみると、良い感じに馴染みました。特にサルと桜がお気に入りで、アクセサリーの模様や組み合わせによって印象が変わるので、クリエイター側も組み合わせるのがとても楽しいです。

「この組み合わせも可愛いね」「これもファンシーで面白いですね」と、いろいろな組み合わせを楽しみながら順調に打ち合わせが進みました。

完成! 肥後象がんピアス×ニードルフェルト 

——そして、完成したコラボレーション作品は、こちら!

あかころさんの作品でお馴染みの柴犬やチワワ、白猫など愛らしいマスコットたちが可愛くおめかし。Standing Straightさんの肥後象がんのピアスが耳元できらりと輝きます。

ピアスをつけていないときでも飾って楽しんでもらいたい、そんなStanding Straightさんの想いと、あかころさんのユーモア溢れる世界でたった一つのコラボレーション作品が出来上がりました!

こちらは今回オリジナルで制作したサンショウウオ。熊本県指定の天然記念物であるベッコウサンショウウオは、全体がベッコウのような模様をしており、日本産のサンショウウオでは最も美しいといわれています。

ぽつぽつとした丸い模様が特徴のこちらのマスコットは、なんと4組ものピアスが飾れるんです。

今回のコラボレーション作品のなかでも特にバランスをとるのが難しかったとおっしゃっていたくまモンのディスプレイ。大きく手を伸ばすくまモンの両手には、桜の肥後象がんピアスが。日本だけでなく、海外からも人気の高いくまモンの可愛らしいディスプレイは観光客の人にも喜んでもらえそうです。

▲ 木製のディスプレイや肥後象がんの作品たちに囲まれたギャラリーにて。お互いの作品の組み合わせを楽しんで、賑やかな打ち合わせ時間でした。

「もっともっと探求したい」とひたむきにものづくりと向き合い、腕をあげることがいちばんの目標だとおっしゃっていたStanding Straightさん。もっと上を目指したい、その一心でものづくりを続けている強い志が会話のなかで感じられました。

 

「伝統的工芸品を身近に感じていただきたく、お部屋を彩るようなディスプレイをつくりたい」そんな想いを叶えるべく実現した、フェルティング作品とのコラボレーション。

繊細で美しい肥後象がんを素材の持つ温かさで包み込むような、優しくほっこりするディスプレイはお部屋を華やかに、そして日常に豊かさと笑顔を添えてくれそうです。

日常に溶け込むような、そんな魅力溢れる伝統工芸品を目指して

国指定伝統的工芸品である肥後象がんを手掛ける職人と、Creemaクリエイターとのコラボレーション作品の様子をご紹介しました。

 

「伝統工芸品とマッチするのかな?」とイメージが想像できないようなジャンルでも、それぞれの魅力が組み合わされた時、これまでにない新しく、そして面白い作品が誕生した今回のコラボレーション企画。

打ち合わせからお互いの作品に触れ、異なる視点で意見を交わしながらより良いものを制作しようとする姿はとても印象的で、溢れるアイディアで作品が完成に近づく様子にわくわくが止まりませんでした。

https://lp.creema.jp/event/kumamoto-2022
▲ 「熊本ものづくり紀行」では、肥後象がんのほかにも鬼瓦・飾り瓦や織紙の工芸品などユニークなコラボレーション作品を生み出してくださった作り手たちと作品をご紹介しています。熊本の歴史ある伝統工芸とクリエイターの溢れるアイディアが生み出した、まさにここでしか出会えないオリジナルの作品を、ぜひお楽しみください。

今回のコラボレーション作品は、2023年1月21日(土)、22日(日)に東京ビッグサイトにて開催されるハンドメイドインジャパンフェスのほか、2月22日(水)~2月27日(月)の期間中、熊本市にある鶴屋百貨店特設会場で作品を購入することができます。
画面だけでは伝わらない、繊細さや作品の温かみ、艶めきを実際に感じてみてくださいね。

(特集)熊本ものづくり紀行Vol.2

江戸時代、中世からの文化を受け継ぐ細川家が治めた肥後・熊本。文武の文化が花開いた熊本は、肥後象がんや陶磁器をはじめ多くの伝統工芸が息づいています。昨年に続き、「熊本ものづくり紀行」では地元で活躍する作り手とCreemaクリエイターがコラボレーションした作品をはじめ、熊本に根付く伝統工芸の逸品をご紹介しています。

※ 本記事は熊本県の伝統工芸品・地場産品に係る販路拡大の取組の一環として、 株式会社クリーマが制作しています

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