BLOG

アートジュエリー作家・ conoa(コノア)さん-常識にとらわれない、美しさを追求して_作り手インタビューvol.7 

イラストレーター、絵本作家、店舗デザイナー、映写技師などの経験を経て、現在アートジュエリー作家として活動するconoa (コノア)さん。流れるように美しく、繊細なデザインのインスピレーションの源は「水」。ジュエリーにこめる”とらわれない”こだわりと、大切な思いをお伺いしました。

3歳から「物は作ってそろえるもの」

「父が大工、母は絵を描いたり服を作っていたりして、それを見て育ったからか、物は作ってそろえるものだと自然と考えていましたね。友達が買ってもらっていた飛行機も、木や竹で作って、ヘタだけど「自分で作れる!」と思っちゃうんですよ」

 

時計や玩具もバラバラにしてしまうという、好奇心おう盛さ!そして、絵も好きだったconoaさんは、幼稚園を卒園するまでにクレヨンを5箱も空にしてしまうほどでした。

「こういう風に生きたい」と衝撃をうけたロンドンでの出会い

かつては、アクセサリーや雑貨を企画・制作する雑貨問屋に勤務していたconoaさん。ロンドンやイタリアの約200人の作家を集めたお店を作るという企画があり、海外へ小物をバイイングしに行った時のこと。

 

「山奥で彫金のジュエリーを作って、ロンドンの市内で売っているジュエリー職人に出会いました。ジュエリーってこういう感じなんだと初めて知って、衝撃でしたね。その時、どうせ歳をとるんだったら、いつかこういう風に生きて行きたいと思いました」

 

ジュエリーに魅力を感じつつも、その後は縁があり映画業界へ。8年つとめた映写のマネージャーを続けるかどうか迷った時、conoaさんが思い出したのは、かつてロンドンで出会った、ジュエリー職人でした。

 

「あの時に見た、職人が自分で作って売ってというスタイルが、やっぱりしっくりくるなと思って。そういう生き方をしようと決めました。そこで映画の仕事をパッとやめて、彫金の専門学校に行き、完全にジュエリーの世界に入りました」

作り始めてまず浮かんだ「水」のイメージ

「まず何を作りたいのかを突きつめていったら、水のイメージが浮かんできました。実家にいた頃にずっと見ていた雪からは凍った感じを、金属を磨いてキラキラ光るところからは水の源を想像しましたね。

ただ、最初はあまり売れなかったです。作ったものは、きちんと人に説明しないと共感してもらえない。だから、自分の好きなもの作りたいもの、根本のコンセプトはどんどんクリアにしていきました」

「とらわれない」は、ゆずれない

ゆずれないことはと聞くと、「とらわれていないことを表現したいです」と、まっすぐなお返事がありました。引っかかるから、痛いから、という理由でやめることはしない。常識にとらわれず、美しいと思うものにフィルターをかけないようにする。それを徹底することで“自分のものと思えるデザイン”を追求しているのだそうです。

 

「ジュエリーは、身に付けていないような感覚で使ってもらうのが目標です。極限まで薄く華奢にして、まるで体の一部になっているような。繊細に見えるけど強度はしっかりという、見た目のギャップで驚かせるのが楽しかったりします(笑)」

作品の対価は、今の自分の存在価値

「ハンドメイドって、今のその人の感覚でしか作れないもの。だからこそ、大切なものだと思います。誰かに共感されて、対価を払っていただいているのは、今の自分を評価してもらえているということです。だから、続けているんだと思います。作品を作って売るということは、どんどん成長させていただいている感覚ですね」

 

「作品が売れたら、存在していてい良いんですよ、と言われているような気がします。

1万円分売れたら、1万円分の生活をしてくださいねと。500円しか出せませんと言われたら、自分の身の丈には500円だと思って生きていく。そういう思いでものづくりを続けてきました」

 

最近は、作家さんのアート作品を買うようになったというconoaさん。それは、評価されることが作り手にとっていかに大切かを知っているから。「バトンを渡して行かないとね」という笑顔の一言が印象的でした。

 

「私の考える“プロフェッショナル”は、妥協せず、手を抜かない、曲げない人。お金をもらって仕事をする人がプロだとは思いません。ものづくりに対する頑固さは、すごく大事にしたいと思っています」

インタビューを終えて

「ハンドメイドは、今のその人の感覚でしか作れないもの」という言葉は、ありのままの感性でジュエリーを生み出している、conoaさんだからこそですね。

肌を流れるような繊細なジュエリー。独自の水の表現や、原石そのものを生かした作品は、「美しい」と感じたことをそのままジュエリーに変身させているよう。conoaさんのジュエリーを身につけると、とても自由な気持ちになれるのは、そういう思いがこめられているからだと感じました。

 

conoa(コノア)さん、どうもありがとうございました!第8回の作り手インタビューもお楽しみに!

ブログで紹介する▼
HTMLコードをコピーしてブログに貼り付けてください
この記事のタグ
同じカテゴリーの記事
人気の記事