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帽子作家さんに学ぶ、似合う麦わら帽子の選び方とおしゃれなコーディネート法
猛暑でもおしゃれを楽しみたい気持ちと、紫外線から身を守る機能性を両立してくれる嬉しいアイテムが、「麦わら帽子」。ジメジメした湿気の中でも通気性抜群。見た目も爽やかで、思わず海や山、ひまわり畑などに出かけたくなります。
そんないいことだらけの麦わら帽子ですが、実は一つだけ、ハードルが高いと思わせてしまうポイントが、「自分に似合うものがよく分からない」ということではないでしょうか。カンカン帽やティンガロンハット、セーラー型など、形の種類も多い麦わら帽子。試しに被ってみても、高さが出すぎてしまったり、少し浮いてしまうような気がしたり。「私、麦わら帽子似合わないんだよね」という声を聞くことも、少なくありません。
そんな風に麦わら帽子を敬遠してしまっている皆さんに、本日は、Creemaで活動中の帽子作家・カワムラ帽子店さん監修のもと、「自分に似合う麦わら帽子の選び方」を、実際のコーディネート例とともに解説していきます。
カワムラ帽子店さんプロフィール
カワムラ帽子店さんは、帽子作家であるとともに、元美容師という経歴の持ち主。イベントに出展される際は、直接お客様と顔を合わせて、その方の顔の形や身長、服装の雰囲気などに合わせて帽子やリボンの幅をコーディネートしてくださるそうです。
それを聞いた編集部の「帽子選びのポイントを教えていただきたい!」「コーディネートをしていただきたい!」というわがままを聞いていただき、今回は帽子の選びかたを解説&クリーマスタッフ3名に対して、帽子を実際にコーディネートしていただけることになりました。
麦わら帽子の選び方 基本の3つのポイント
お客さまに帽子を選ぶ際、カワムラ帽子店さんはその人の顔の形や身長、服装のテイストや雰囲気などを総合的に見てコーディネートをされるそうです。
その中でも、押さえておくだけでぐっと帽子選びの精度があがるポイントがいくつかあるとのことで、まずはそちらを教えていただきました。
ポイントその1:帽子の深さを決める
まずポイントとなるのは、帽子の深さ。自分には深めの帽子が似合うのか、浅めの帽子が似合うのか、考えたこともなかった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カワムラ帽子店さんによると、顔の形によって似合う帽子の深さが変わってくるそうです。
まず、あごから頭のてっぺんまでの長さを、目のラインで分けてみてください。
カワムラ帽子店さん
目から頭のてっぺんまでの長さと、目からあご先までの長さがちょうど1:1になるようでしたら、浅めの帽子も深めの帽子も似合うお顔の形ということになります。
目から上の長さのほうが下側より少々短くなる方は、少し浅めのデザインを選ぶ方がおすすめです。
ポイントその2:サイズ選びのポイント
帽子が大きいか小さいかは、被ってみれば多少はわかることですが、被り心地も見た目も良い、「ちょうどいいサイズ感」とはどのようなものなのでしょうか?
こちらについても教えていただきました。
サイズ感のポイントは、まず鍔(つば)の根本よりも内側に頬が収まること。
カワムラ帽子店さん
そして、頭に対してみっちりと帽子が接するよりは、指1本分ほどの余裕があると、より綺麗に被ることができますし、被り心地もいいと思います。
ポイントその3:リボン幅を決める
3つめのポイントは、麦わら帽子には欠かせない、リボン。
実は、リボンの太さによっても帽子の印象はグッと変わります。自分のファッションのテイストに合わせて好きなリボンを選ぶのもいいですが、カワムラ帽子店さんによると、身長によってもバランスがよく見える帽子は変わってくるようです。
1.5cm程度の細いリボンは女性らしい、優しげな印象になります。そして3〜4cm程度の太さになると、よりカジュアルで活発な印象になってきます。
カワムラ帽子店さん
5cmくらいの太さは、しっかりとリボンの存在感を出したいというこだわりをお持ちの方や、より個性的な装いにしたいという方におすすめですね。
小柄な方が太いリボンをつけられると少し重たい印象になってしまうため、身長が153㎝くらいまでの方には細め~中間のリボンをおすすめしています。
身長が高めな方はどの幅でも合いますので、お洋服の雰囲気やどういった印象にしたいか、という観点でお選びいただくのがよいと思います。
実際に、スタッフ3名に帽子をコーディネートしていただきました
さて、基本のポイントをおさらいできましたが、せっかくなのでぜひ、実際にコーディネートをしていただきたい!とお願いし、今回はクリーマスタッフ3名に対して、帽子を見立てていただくことになりました。
対象はこちらの3名。川越、佐々木、そして私竹中です。3名とも身長や服装のテイスト、顔立ちも違うので、それぞれどのような帽子を見立てていただけるのか、ワクワクしますね。
さて、カワムラ帽子店さんの見立てはどのようになるのでしょうか?
リボンの色でぐっと印象チェンジ。優しいデザインのカンカン帽
トップバッターの川越は、身長162cmと女性の平均身長よりちょっと高め。普段の服装は、白やベージュなどのベーシックカラーを好みつつも、古着テイストも大好きで柄ものシャツも愛用。ボトムスはふわっとしたシルエットのものが多く、その日の気分によって様々なコーデを楽しんでいます。
そんな川越にコーディネートしていただいた帽子は、浅めのキャノチエ(カンカン帽)。日によって服装の印象もガラリと変わりがちな川越には、リボンも2色おすすめいただきました。
頬に丸みのある川越さんには、帽子のラウンドに丸みのあるデザインのキャノチエ(カンカン帽)をチョイスしました。被りに丸みを出すことで、お顔とのバランスを取ります。ピンク系のお肌には、未晒を選びました。
カワムラ帽子店さん
ツバ幅も控えめで、優しい印象を与えてくれます。
リボンはカーキ系のグレー(クチナシ、鉄媒染)、キナリをチョイスし、ファッションに合わせてリボンを替えて楽しんで頂けるようにしました。
カジュアルにもナチュラルにも対応できる、おしゃれが際立つキャノチエです。
たしかに、リボンの色を変えるだけで、ぐっと印象が変わります。グレーだとアクセントがプラスされて全体が締まりますし、キナリで全体のコーディネートの色を統一するのもスタイリッシュですね。
服が好きで、日々色んなコーディネートを楽しむという川越には、気分によってリボンの色が選べることはとっても嬉しいポイント。
今日はどちらのリボンにしようかな、とお出かけ前に考えるのがとても楽しそう。
マニッシュさんには、深めデザインと紅茶染のダークカラー
お次は佐々木。153cmと小柄で、普段はマキシ丈のスカートやワンピースコーデが多く、無地かつ1~3色でシンプルにまとめるのが好み。ゆったりサイズのトップスやTシャツにスカートを合わせるのも、お気に入りのスタイルです。
そんな佐々木には、少し深めの「露草」という作品を選んでいただきました。
少しマニッシュさを感じる佐々木さんには、被りが深めな露草をチョイスしてみました。
カワムラ帽子店さん
被りが深めな帽子は、かっこ良さやハード感が出ます。そこに紅茶染の色味を添えて、活発さも出しました。
2.5㎝幅のリボンを巻いて、キリッと決めた帽子です。
リュックとの相性もばっちり。後ろから見ても、リボンのシルエットが可愛らしいですね。
女性らしい浅めデザインに、色とリボンで躍動感をプラス
3人目は僭越ながら私・竹中。170cmでクリーマの女性陣では一番高身長。普段からスキニーデニムにシャツなど、シンプルかつ細身なデザインの服を好み、モノトーンかデニム生地の服がほとんど。ベーシックな服装が多いため、小物は少し華やかさのあるものを選びがちです。
そんな私には、コーヒーで染めた「勿忘草」という帽子を選んでいただきました。
竹中さんには、お顔のバランスを考え「勿忘草」をチョイス。
カワムラ帽子店さん
カジュアルな服装ですが、小物に女子力を感じ被りが浅めのデザインを選びました。浅めの帽子は女性らしい印象を与えます。
ただし、細目のリボンにしてしまうとかわいらしさが出すぎてしまうので、3㎝幅の太めリボンとコーヒー染で躍動感を出しました。甘すぎないデザインに仕上がっていると思います。
デニムと合わせても違和感のない、適度な柔らかさのあるデザインがとても気に入りました。あまり季節感が出ない服装が多いので、一気に夏らしいコーデになるのが嬉しいですね。
番外編:同じ帽子でも、リボン幅次第でまるで別もの
先述の通り、同じ帽子でもリボンの幅によって、帽子の印象は大きく変わります。細いリボンは小柄な方や女性らしい印象を与えたい方におすすめ、太めリボンは身長が高めな方やカジュアル感を出したい方におすすめ。
そこで、実際に同じ帽子を、佐々木・竹中の2名がリボン違いで被ってみました。未晒の「亜麻」という帽子にそれぞれ2cmと4cmのリボンを合わせていただいています。
一見、違う帽子を被っているのかと思うくらい、印象が大きく変化しているのが分かりますね。
それぞれ、2cm幅はシックなノースリーブと、4cm幅は活発に見える白シャツとの相性もばっちりです。両方のリボンを購入して、服装の印象に合わせて付け替えてみるのもいいかもしれません。
Creemaでみつけた、おすすめの麦わら帽子12選
ナチュラルな印象が強い麦わら帽子ですが、クラシカルな雰囲気を出すために印象的な太リボンを巻いたELLIEさんの麦わら帽子。明治創業の老舗帽子メーカー、石田製帽さんとのコラボ作品です。普段帽子をあまりかぶらない方も身につけてやすい4cmのショートブリムに仕立てあり、小柄な方でも全体のバランスがとりやすいサイズ感です。きりりと引き締まるブラックと、麦の色に優しく溶け込むようなオフホワイトの2色展開です。
クラウンに麦、ブリムに麻のレースブレードを使い定番のカンカン帽に仕上げたtête salondechapeauさんの麦わら帽子。しっとりとした艶感のあるラフに巻かれたリボンが上品で印象的なデザインです。
繊細な高品質の細麦を使った広つば、浅めのクラウンのボーターハット(カンカン帽)に長いリボンを飾ったグログラン 天然素材の麦わら帽子さんの作品。リボンはポリエステル素材ゆえシワになりにくく、後頭部や顎下に結び帽子を安定させることができます。
後ろに流せば印象的な後ろ姿に。顎下で結ぶとノスタルジックな雰囲気にも。リボンカラーはブラック、もしくはホワイトから選べます。
なだらかにトップからプリムを編み上げ、継ぎ目のない仕立てになったpages*さんの夏ハット。はじけるようなフリンジが暑さとともに夏を楽しませてくれそうなデザインです。サイズ別オーダーも可能なので、ぜひご自分に似合うちょうどいいサイズをオーダーしてみてくださいね。
天然素材「バオ」にシンプルなリボン巻きを合わせたソリッドさが印象的なROOTS135°さんのショートブリムキャノチェ。きめ細かく整った石目調のバオ帽体(帽子の原型となる材料)は、職人が丁寧にひとつずつ手編みをして出来上がった貴重なものです。材料のバオは一本一本に僅かな色の違いがあり、染色や加工では表現できない素材そのもののナチュラルな色味で、天然素材ならではの味わいです。
ブラックのグログランリボンをシンプルに巻いた、レトロなカンカン帽の趣きは、和装・洋装問わずコーディネートのアクセントとして楽しめます。
黄緑をメインにネクタイ4本を接ぎ合わせた、hagu by yours⊿さんのアーミッシュタイハット。
両サイドから垂らした紐は首元でリボン結びにしてもネクタイのように結んでも、後ろ低めの位置で髪の毛を結んでリボンにしても◎
リボンは取り外し可能な為、オフシーズンはスカーフやブラウスのリボンとしても使えます。アイデア次第で何通りものスタイリングを楽しめる帽子です。
ストライプのリボンが爽やかな、クボミさんの雰囲気のあるレトロなデザインの麦わら帽子。
表地は手織りの麻100%の生地で、風通しの良い素材です。深めのブリムが夏の暑い日も涼しく快適で、風が吹いても飛びにくいので自転車でも安心。後ろのリボンでサイズの調整が可能になっているので、締め付けが少なく自分サイズにフィットする、機能的にもおすすめの帽子です。
シルエットをキープさせたリネンと天然麦わら素材を組み合わせた、LeMixさんのソフトなカンカン帽。
あご紐付きなので自転車に乗るときや、旅行等の持ち歩きにも最適。シワ加工を施したレザーベルトがポイントです。
バオというココヤシの木の葉や幹の皮を加工した天然素材で作られた、NEKOKAMURIさんの麦わら帽子。ともて軽くて丈夫な上に光沢も淡いのでカジュアルに被れます。
帽子の中のスベリ(黒いサイズリボン)にマジックテープの付いた紐が仕込まれており、色々な髪型や被り方に応じて紐を引っ張ってサイズを調節することができます。
マダガスカル島に生息するヤシ科の植物「ラフィア」を使用して作られたcocochiyoiさんの帽子。ラフィアは天然樹脂が内部に多く含まれている素材のため、長く愛用するほど美しい光沢へ変化していきます。
ベージュ色に手作り感と温もりを感じるオリジナルレースを施し、夏らしさをぎゅっと集めたナチュラルなデザイン。繊細な女性らしさを漂わせる白レースと、大人のスパイスを利かせた黒レースの2種類から選べます。
「わたしに似合う麦わら帽子」は、きっと見つかる。
いかがでしたでしょうか。実は、今回帽子を見立てていただいたスタッフ3名も、麦わら帽子を自分で選ぼうとしたことがあまりなく、憧れを抱きつつも自分に似合うのか不安に思っていました。
ですが、カワムラ帽子店さんにコーディネートいただいた帽子を被った瞬間、全員笑顔がこぼれ、「これ、欲しい!」と大はしゃぎ。取材にご協力いただくだけの予定が、全員帽子を購入させていただきました。「麦わら帽子が似合わない」のではなく「似合う帽子の選び方を知らない」だけだったのだと、強く実感できました。
夏の装いに、麦わら帽子を取り入れたい!と思いつつもこれまで踏み切れなかったという方は、ご紹介した3つのポイントと、カワムラ帽子店さんのアドバイスを活用いただき、今年の夏こそは「理想の麦わら帽子」を見つけてみてはいかがでしょうか。