BLOG

『ENLIGHT2021』福岡・糸島を照らすパブリックアート完成!

『ENLIGHT2021』福岡・糸島を照らすパブリックアート完成!

Creemaのクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」で実施した、全国にパブリックアートを同時展開するプロジェクト『ENLIGHT2021(エンライト)』。

その舞台の最西端・福岡(糸島)のパブリックアートが完成しました!

混沌とした現代において、「パブリックアート(公共芸術)」という手法を通して、未来を明るく照らすようなプロジェクトの実現を目指して始まった『ENLIGHT2021』。

昨月12月中旬から支援募集を開始し、目標を達成した横浜、富山、福岡(糸島)でアーティストによるパブリックアート制作が決定。福岡では4月11日より制作が始まりました。

舞台は、美しい海岸線が魅力の福岡県糸島市!

福岡でも屈指の人気観光地、糸島。

福岡空港から車で約1時間、福岡県の最西部に位置し、佐賀県とも隣り合わせの場所です。

日本海に面した海岸線は絶景で、そのロケーションを楽しめるカフェやフォトスポットの施設も多く、観光客で賑わっています。
 

その中の、国の天然記念物で日本最大の玄武岩洞「芥屋の大門(けやのおおと)」が位置する糸島市志摩芥屋(しまけや)地区が、今回のプロジェクトの舞台です。

クリーマにとってこの場所は、各地のすてきなものを見つけるイベント「Creema Craft Caravan」の初めての開催地でもあり、深いご縁のある土地です。

当時、会場を探していた時に出会ったのが「糸島ピクニックヴィレッジ」内のカフェCROWN COFFEEを運営する柴田后映さんでした。

(中央が柴田后映さん)

柴田さんは志摩芥屋地区の観光を盛り上げようと、長年に渡りライブペイントや音楽ライブ、青空マルシェなどのイベントに、精力的に取り組んでいらっしゃいます。

「Creema Craft Caravan in 糸島」が大盛況で幕を閉じてからも、何か有意義な取り組みが出来ないかと相談を重ねてきました。

そしてこの『ENLIGHT2021』で、柴田さんと、「糸島ピクニックヴィレッジ」村長の中村臣也さんの多大なるサポートのもと、観光遊覧船、その待合場所に隣接するカフェ、キャンピングトレーラー、民宿の壁面という4つの場所を舞台に、パブリックアートを制作するプロジェクトがスタートしました。

糸島でパブリックアートを創り上げることになったのは、120名の中から厳正な審査を経て選定された3名のアーティスト。

どんな作品が出来上がったのか、早速詳しくご紹介します!

生命が巡る海に、糸島の生き物も。繁田穂波さんが描く、コンテナアート「WADATSUMI」

大門遊覧船の乗り場に隣接するカフェテリア「ワダツミ」の壁画(高さ2.6m,幅16m)に、水棲生物をペイントしたのは、繁田穂波さん。

“海は命が生まれ、そして還る場所”――小魚を追ってペンギン、その後ろにはシャチ……と、食物連鎖が描かれ、“命の循環”が表現されています。

 

青森県出身の繁田さんは、制作にあたり初めて糸島を訪れました。約2週間に渡った制作期間には、海辺という場所柄、強風や寒さなど気候が厳しい日もあったそうですが、地元の方との温かい交流に触れ、“糸島をもっと盛り上げたい”という気持ちを抱き、作品を進化させていったそう。

――描いていると通りがかる皆さんが声をかけてくださるんです。

あるときは「これ描いて!」と生きたウニを持って来られて……。描いた後、海に返しましたよ(笑)。リクエストをたくさんもらったので、糸島名物の鯛も登場させました。

(「船を待っている子どもたちが指さして楽しめるような生き物を描いた」と繁田さん)

――糸島の皆さんが本当に温かく、恩返しをするような気持ちで制作しました。当初はカフェの入口側だけ描く予定でしたが、この場所に通ううちに後ろ側にも描いたほうがいいと思うようになり、建物全体に描かせてもらえるようお願いしました。

この作品と長く親しんで貰えたら嬉しいです。

そうして完成した作品は、透き通る海や晴れ渡る空に映え、まるで糸島の海の中を覗いているような清々しいオーラをたたえて、この場所を明るく照らしていました。

繁田穂波

繁田穂波
水棲生物画家 青森県弘前市生まれ
専門学校を卒業後、新人漫画家として週刊連載を開始。連載終了後は細密画の展示会を中心に画家として活動を始める。水干(スイヒ)絵具を塗り重ね、絵の具の層を彫って描くミクストメディアを制作しており、水棲生物をモチーフに「その生命から感じ取る息吹」を線にのせて表現する。

笑顔になって、また芥屋に来たくなる。cigarette-burnsさんの壁面アート「Hey!」

糸島の2箇所のアートを担当したのは、福岡を拠点に活動するアーティストcigarette-burnsさん。キャンバスは民宿とキャンピングトレーラーの壁面です。

民宿「天神堀」には、青空に映えるポップなカラーと笑顔で手を振るキャラクターが明るい印象を与えます。たくさんのアイデアから選ばれたデザインで、背景の色はcigarette-burnsさんが糸島芥屋で過ごしたなかで目に入ったものを使ったそうです。

(高さ7mにも達する民宿の壁面に、3階建ての足場が組まれました)

――普段はアクリル板に描いているのですが、今回は壁面なので、スプレーで描くか、ペンキにするか、直前まで悩みました。また、こんな高い場所で絵を描くのは初めてのことだったので、怖かったです(笑)。

「おはよう」「こんにちは」「いらっしゃい」「また来てね!」……そんな意味を込めて「Hey!」と挨拶しているキャラクターを描きました。

「笑顔には笑顔が還ってくる」という思いを込めて、キャラクターは芥屋に来てくれた皆さんに微笑んでいます。

民宿にも描かれたキャラクターは、次の舞台となる観光施設「糸島ピクニックヴィレッジ」のキャンピングカーにも登場。

制作はゴールデンウィーク期間中に行われ、地元紙の取材も行われるなど、糸島の方の期待を窺える一コマとなりました。

(糸島ピクニックヴィレッジの様子)

――ここはキャンプ場にもほど近く、カフェや遊具もあるので親子連れも多く訪れる場所です。

最初はトレンドな色を使ったお洒落なイメージで考えていましたが、この場所は家族連れも多く、たくさんの子ども達が遊んでいて、そんな雰囲気を反映させた色合いになりました。

描いている後ろで、子ども達が「次は何色?」「あの色は何色?」「あの色とあの色混ぜたら何色?」と興味を持って見てくれて、僕も笑いながら描きました。

絶妙なバランスでポップな色がたくさん詰まった、その場をぱっと明るく照らすcigarette-burnsさんの作品。かわいいキャラクターと陽気な「Hey!」の文字に、こちらまで笑顔になってしまうパワーが込められています。

周りで遊んでいた子どもたちもますます元気になる、素敵なパブリックアートが完成しました!

cigarette-burns

cigarette-burns
cigarette-burns(シガレットバーンズ)とは、画家、デザイナー、イラストレーター、ペインターとして、福岡を拠点に活動するMaruによるアーティスト活動。ガラス用塗料を使用し、透明なアクリル板に絵を描く独特の手法が特徴。光の透過を利用し、見る角度により表情が変化するアート作品を制作。ライブペイント(即興で絵を描く表現手法)を用い、絵を描いている姿もパフォーマンスとして楽しんでもらうのが主なスタイルとなっている。

「くまさんの船に乗りたい!」とおねだりされるようなデザインを。animaloopさんの遊覧船アート

糸島最後の舞台は「芥屋の大門」遊覧船。これは、毎年3月から11月頃までの波が静かなシーズンに運航している観光遊覧船で、国の天然記念物で日本最大の玄武岩洞のダイナミックな造形美を間近で堪能できるとあって人気です。

(遊覧船から見た芥屋の大門)
(運がよければ、船ごと洞窟内に入って柱状の玄武岩を間近で見ることができます)

海から見る糸島の景色もまた一興。芥屋に訪れたらぜひ体験いただきたいスポットです。

潮の満ち引きの関係から、船を陸揚げするチャンスは月に一度きり。そのタイミングを待って、5月末の晴天の空の下、制作作業が行われました。

この遊覧船をキャンバスに絵を描いたのは、イラストレーターのanimaloopさんです。

――いろんなデザインを考えた中で、小さい子もわかるものが良いと考え、動物モチーフにしました。「くまさんたちのお船を見たい」「また乗りたい」と思ってもらえるようなものが芥屋にあればいいなと思って。

ポップな色が海と空に映える楽しいアートになった船。

実はこのデザイン、当初の予定からは大きく違ったものになったそうです。

――最初はたくさんの絵を描き込んだんです。でも、2日間かけて下描きしたところで、「遠くから見た時に何がなんだかわからないんじゃ?」と感じて。一旦、全て塗りつぶして一から描き直すことにしました。

(下描き時の船)

――海に浮かんでいても「あれ見て!」とわかってもらえるデザインにしたくて、なるべく色を重ねずシンプルに描き直しました。

普段は小さいものに描いているので、大きく描くのは本当に難しかったですね。毎日ペンキまみれになりながら制作しました。

「くまさんの船に乗りたい!」と子どもたちに言ってもらえたら嬉しいです。

(船体に書かれた 「WELL」「COME」には、芥屋においでよ!という意味が込められています)

こうして出来上がった、船をキャンバスにしたパブリックアート。赤と青と白のトリコロールにブイ(浮袋)の黄色がアクセントとなってとってもポップな印象です。animaloopさんの名前の由来ともなっているanimal(動物)とloop(輪)の通り、親しみやすい動物たちのイラストが、表情豊かに船を彩ります。

初出航となった日。晴れ渡る青空のもと波を切りながら進んでいく船の姿は、とっても感動的でした!

また、特別に『ENLIGHT2021』糸島の返礼品の一つにご用意していたのが、animaloopさんに似顔絵を描いてもらえるプラン。

当初は待合室の壁に描く予定でしたが、感染症対策により待合室が使えなくなったため、待合室の前のパネルに描いていただくことに。一枚一枚丁寧に描かれた31人分の似顔絵に、ご支援いただいた方からも感激の声が聞かれました。

animaloop

animal(動物)とloop(輪)の最初と最後のLをくっ付けた、オリジナル名:animaloop(アニマループ) として活動。 ハンドメイドでオリジナルキャラクターの一点ものの作品を制作し、ロゴデザイン・冊子・絵本・グッズ製作・似顔絵・ウェルカムボード・似顔絵イベントなど幅広く手がける。

糸島芥屋を、一日中楽しめる観光地に ――糸島芥屋をさらに明るく、楽しくするアート。

この度のプロジェクトに多大なるご支援をいただいた、 柴田后映様よりコメントをいただきました。

始まりはクリーマの大橋さんからのお声掛けでした。

「パブリックアートを糸島へ」

コロナ第一波真っ只中、本当に救われた気がしました。

コロナ禍を振り返る時、このプロジェクトもセットで思い出すでしょう。立案から実行まで4〜6ヵ月の予定が、プロジェクト公開まで約1年かかりました。沢山の方々に支援頂き、実行に移せた事、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

4月より製作開始し、今、完成したパブリックアートを前に、このプロジェクトが時と共に劣化していくのではなく、糸島芥屋エリアの進化のきっかけにしていこうと考えております。

沢山のご支援をくださった皆様、本当にありがとうございました。また、このプロジェクトにお声がけ頂きましたクリーマ大橋さんはじめ、企画実行を共に踏ん張ってくださった高島さん、クリーマの皆様に改めて感謝申し上げます。

柴田后映さん

こうして完成を迎えた『ENLIGHT2021』糸島のパブリックアート。

 

3人のアーティストたちに共通していたのは、「地元の方や、糸島を訪れた方に楽しんでいただける作品をつくる」という想いでした。

地元の方々との心温まる交流や、糸島の空気を感じて制作されたパブリックアートは、糸島をさらに輝かせ、街の魅力のひとつになりました。

これからも長く愛される作品として、糸島の街をエンライトし続けてくれることを願います。

プロジェクト実現に向けて「Creema SPRINGS」でご支援いただきました皆様、様々な形で応援くださった皆様、本当にありがとうございました。

糸島市志摩芥屋地区 パブリックアートMAP

糸島市志摩芥屋地区 パブリックアートMAP

『ENLIGHT2021』の最後の舞台は富山。巨大ガスタンクをキャンバスに、画家のむらいさきさんのペインティングが行われます。

その模様は、改めて読みものでご紹介します。どうぞ引き続きご注目ください。

>>『ENLIGHT2021』横浜地下街のパブリックアート 完成報告はこちら

ブログで紹介する▼
HTMLコードをコピーしてブログに貼り付けてください
この記事のタグ
同じカテゴリーの記事
人気の記事