ハレもケも。あこや真珠を毎日のジュエリーに。｜この星のしたたりさん

クリーマが運営する、クリエイターの創造的な活動を応援することに特化したクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」。あらゆるジャンルのクリエイターが、アイデアや夢、想いを応援してくれる仲間を募り、プロジェクトに挑戦しています。

読みものでは、Creema SPRINGSで実施中の魅力的なプロジェクトをピックアップして、クリエイターの想いや夢とともにみなさまにご紹介します！

本日ご紹介するのは、あこや真珠をはじめたとしたアクセサリーを手掛ける、この星のしたたりさんのプロジェクト。天然パールを一人でも多くの方の手に取っていほしいとの想いから、「パールのデザインを一新させたい！」と、普段使いできるようなデザインに挑戦されています。

この星のしたたりさんの、パールにかける想いと、今回のプロジェクトで生まれた新作のあこや真珠ジュエリーをご紹介します。

はじめまして。「この星のしたたり」と申します。

確かな品質のパールを日常づかいできるデザインで、そして高価格で価値付けをせず（価格が高いと実際の価値よりいいものと感じてしまうことがありますよね。そうした価格設定はしないと決めています）、「一人でも多くの方に天然パールをお手に取っていただきたい」との一貫した願いをもって、お作りしています。

今回は、天然真珠の中でもっとも日本人の肌に気持ちにしっくり馴染む「あこや真珠」の魅力をお伝えし、毎日でもお着けいただけるデザインをご紹介したいとの思いからプロジェクトを立ち上げました。

あこや真珠をハレの日だけの宝物にしておくのはあまりにもったい、とずっと感じてきました。

それでも実際に買うとなると二の足を踏んでしまうとしたら、一般に出回っているパール製品のデザインが同じようなものばかりだから。思い切って買っても冠婚葬祭以外は引き出しに仕舞われたままなのも、仕方ないのかもしれません。

5年前の初夏のこと。

青森県三内丸山の縄文遺跡が見たくなり、新幹線を乗り継いでいました。

ベージュの緩いパンツに白いコットンのシャツ。シャツはボタン代わりにあこや真珠のブローチで衿元を留めていました。20代のころ思い切って初めて買ったパールで、Tシャツにもコートの衿元にも一年中手放せないブローチでした。

ところが、気が付いたらどこかに落としてしまったようで、帰宅してからすぐにそのブローチと同じかそれ以上のお気に入りを探し始めました。

シンプルな意匠なのにシルバーの魅力が一粒のパールを引き立てるデザインで本当に気に入っていたのですが、出掛けられる範囲の百貨店や産地のパール専門店に行っても、落としたブローチ以上に好みのものは見つけられなかったのです。卒・入学式用か普段使いしにくい豪華すぎるデザインのどちらかでした。

「なら自分で作ろう」

これが、「この星のしたたり」の出発点です。大好きなパールの魅力を新しいデザインで伝えたい、そう思いました。

パールの世界に入って、あらためてデザインが何十年も変わってこなかったことがわかりました。洋服にはシーズンごとの流行があるのに、悲しいことにパールジュエリーは何も変わってこなかったのです。

デザインをする人は昔から男性が多く、女性が求めているのはどんなデザインかということ自体、考えられてこなかったのではないかと感じています。

「今を生きる女性たちが可愛いと感じ、日常に取り入れたくなるあこや真珠の製品を作りたい」

それが、この星のしたたりを立ち上げた時からの目標でした。

懇意の取引先パール卸業者と話している時、何気なくその思いを口にしていました。

すると思いもかけず、その場でリング枠のデザインをキャドに起こしてくれるクリエイター、実際に制作してくれる山梨の工房を紹介してもらえたのです。

その日からデザインを考え、修正に修正を重ね、職人さんたちと話し合いながら理想の作かたちに近づけていきました。

その過程で、あこや真珠のリング枠はいわゆる手作り感のあるものではなく、やはりプロのジュエリー職人の手で精緻に作られてこそ相応しい、との思いを強くしました。

最終的に出来上がってきたリング枠のプロポーションは、こちらの予想を越えたフォルムと品格を備えたものだったのです。

そのようにして昨年に一型、そして先日には二型めのオリジナルデザインリングが出来上がりました。

あこや真珠がほしくても、パール自体より金属部分の価格が高くて手が出せないという方も多く、実際に私もそうでした。

それではせっかくのパールを手にしていただけないので、「この星のしたたり」ではシルバー925ロジウムコーティング、シルバー925・K18コーティングの枠でお作りしています。シルバー925は、比較的柔らかいのでサイズ調整しやすく、また指先に滑らかにフィットするという利点もあります。

また、「この星のしたたり」では、当初よりリングデザインはすべてサイズフリーでご用意することにいたしました。人差し指、中指、薬指とお好きな指にご装着いただくことも可能ですので、おしゃれの幅も出番もぐんと広がります。

薔薇も百合も素敵だけれど、元気にしてくれる花は何かと思いめぐらせた時、マーガレットとガーベラが浮かびました。

マーガレットは優しい気持ちに。ガーベラは明るく強い気持ちに。

20号サイズまでは上下のリング枠がサイズによって異なる趣で重なり、21号サイズでは上下が繋がりますので輪のデザインとしてお楽しみいただけます。

花たちと、同じ大きさのあこや真珠と照り返し合って、草原でたわむれているような幸福感を運んでくるリングです。

リングのデザインを優先するのではなく、装着したときにその方だけのデザインとして完成するリングを作りたい……そう思って制作したリングです。

20号の方ならフォークリングの趣きに、15号の方はパールが流れるようなデザインに、11号の方なら上下にパールが重なります。着けた方によってパールの位置が変わるので、いっそう愛着が深まります。

5粒のあこや真珠は大変豪華ですが、パールだけのノーブルなデザインは普段使いにもぴたりと決まります。

今回のプロジェクトで「あこや真珠　マーガレットとガーベラのオープンリング」「あこや真珠　5drops ring」を購入いただいた皆様には、特別にあこや真珠のイヤーカフをプレゼントいたします！

耳たぶへの負担も軽く、着けていないように一日を過ごせます。

シャツにもセーターにもドレスにもさりげなく似合う一粒パール。リングと合わせ一年を通してお着けいただけるイヤーカフです。

ほんの小さな一粒なのに、引き出しに入っていると訳もなく時々取り出して眺めたくなるあこや真珠。

生活を少しだけ豊かにする、そんな一粒を持っていただけるとうれしいです。

注文が入ると、その方のお気に入りなど拝見し、お人柄や雰囲気を想像します。

午前中の太陽のもとで、その方にご満足いただけそうな一粒を選び、パール専用の機械で穴開け作業を施します。

固着を確認し、磨いてジュエリーケースに納める時、「この真珠がたくさんの喜びをお届けできますように」と一回一回祈るような気持ちです。

「この星のしたたり」では、お選びしたパールについて「その一粒の個性や魅力」などメッセージを添えてお届けしています。

パールについてのストーリーも一緒にお届けすることでより深く思いを寄せ、ご自身だけの一生の宝物にしていただきたいのです。

お届けの作品が完成すると、夜眠る前に、ついもう一度制作部屋の灯りをつけてしばらく見入ってしまいます。

そして翌朝は太陽の光のもと、奥深くから湧き上がる光沢と虹のような干渉色に、安堵とともに頬を緩めてしまいます。発送まで何回も眺めて、一粒ずつが異なるパールの愛らしさ、美しさを堪能して確認する、その時間が至福です。

海からやってきたパールは、生きようとする心に共鳴してエネルギーをくれる…人生の伴走者のような宝石かもしれません。

いま、心配なことが一つあります。

あこや真珠の人気が海外でも広がるのはとてもうれしいことですが、資本力によって買い占めに近い状態になっているのです。入札会では高値で落札され、「この星のしたたり」を立ち上げた4年前と比べて2倍から5倍の落札価格が続いています。

地球温暖化や海洋汚染の影響で収穫量も激減している中、これからどうなっていくのか本当に心配です。

今回ご紹介するリングはすべて値上げ前の価格でご提供することに決めましたが、これから先は不透明な状況です。

日本が世界に先駆けて養殖に成功したあこや真珠だからこそ、日本の宝として誰もが手にできるものであってほしいと願っています。

「この星のしたたり」では、これからさらにオリジナルデザインのパール作品を増やし、皆様がパールをいっそう身近なものと感じてくださるよう努力していきたいと願っております。

一つのリングが出来上がるまで、構想を練ってスケッチを描き、キャドのやり取りをし、複数回の見本品の型起こしと制作、実際のリング枠制作など時間と費用が掛かります。

この度のプロジェクトでご賛同いただきましたご厚意は、今後とも皆様に手に取っていただきやすいパールジュエリーを制作するために大切に使わせていただきます。

刻一刻と移り変わる不安な社会だとしても、「この星のしたたり」はこれからも日常の中のきれいなもの探し、楽しいもの探しの旅を続けます。

ご同行いただけましたら、それ以上の喜びはありません。