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まさに偶然の産物!クリエイターにきく、「ワケありな逸品」が生まれるまで

まさに偶然の産物!クリエイターにきく、「ワケありな逸品」が生まれるまで

Creemaで出会える、クリエイターの手作業によって生み出される作品たち。

手作りだからこそ、制作過程において、意図せずして「個性」が生まれることがあります。

例えば、染める過程で色むらが出てしまったもの、規格外のサイズに仕上がったもの、絵付けや表情に個性が色濃く出たもの……

どれも使用上に問題はなく、一見するとほとんどわからない差異ではあるものの、クリエイターの作品制作への徹底したこだわりやプロ意識から、販売には至らないケースも少なくありません。

 

先日Creemaでは、そんな "一点もの" に新たな価値を見出し、「ワケありな逸品」としてご紹介する特別企画を実施しました!

本特集はユーザーさまからたくさんの注目をいただき、この特集をきっかけに作品との一期一会の出会いを果たせた方も。

今回は、本企画に参加いただいた3名のクリエイターの方に、「ワケありの逸品」が生まれるまでのストーリーを教えていただきました。

個性のある器たちを、新たな旅へと送り出す|陶器工房 anさん

淡路島にある森のふもとで陶器屋「あ⇔ん」をいとなむanさん。どこかあたたかみを感じるような、手に取るとほっとするような陶器を出品されています。

今回の企画では、初期の頃の作品から最近の作品まで、これまで販売されずに眠っていた器たちをご出品いただきました。

「テーブルの上では、カタカタとかたつくおしゃべりな器を出品しております」――器の息吹を感じるような、ユーモラスな作品紹介文に惹かれ、お話を伺いました。企画に参加されたきっかけは何だったのでしょうか?

作品はどれも大切に丁寧に制作したものですが、手で叩いて作るため、
圧力の具合が違ったり、
乾燥中の空気のあたり具合や、
目土をつけて焼く時に、
米粒ほどの大きさの目土の高さが違ったりで、
歪むことがあります。

カタツキや歪みはあれど、使用することに問題のない器たちの個性を受け止め購入してくださる方と出会うことで
器たちが、旅に出れるかもしれない機会だと思いました。

anさん

手を使って作る過程で、ほんの少しの違いによって歪みが生じることのある器。制作のなかで、そうした器の個性とはどのように向き合っておられるのでしょうか。

制作初めの時は、自分たちで山の中から粘土を掘って、水簸(すいひ=採取した土を水でかき混ぜて余分なものを取り除く作業)し、粘土から作っていました。
材料屋さんで売っている粘土と比べ、より自然に近いものですので、歪みやすい性質な上、
目焼きという、底に米粒サイズの粘土を付けて焼く方法をして、更に歪みが出やすい状態で、
その当時は、歪みのある器が沢山できました。

歪みのある器はアジのある器でもありますが、オンラインで売るとなると直接お客様が触って購入するわけでないので、歪みやカタツキのない器の方が良いだろうと、こちらで選んで送り出していました。

今は使用している粘土が変わりましたので、歪みのある器は随分と減りましたが、それでも数個はでてきます。
特に新しい器を作る時は失敗も多く、まったく売れない程の状態のものもあります。


骨董やお茶にまつわる器などを見てますと、
穴が空いていたり、口元が割れていたり、釉薬の縮れなどの器達も沢山あり、偶然そうなってしまったものもありますし、あえてそう作っていたりもします。

そういったものを楽しむ文化は、おおらかで豊かさや自由な楽しみみたいなものを与えてくれるように思います。

歪みやカタツキで脇役になった器達は、次の器へと考えやアイデアを与えてくれますし
いつか主役の舞台に出れるような時や世界があればいいなと思います。

anさん

粘土を作る段階からはじまる、anさんの器づくり。

扱うのは、自然の産物である土。必ずしも作り手の思い通りにはいきません。

 

そうして生まれたアジのある「ワケあり」な器を購入されたお客様からは、こんな声が届いているそう。

「ワケありとなっていますが、あまり気になりません。使う度に愛着が湧いてくると思います。味があるというのでしょうね」

「色合い、形、ともに気に入ってます。生活になじむ素敵な逸品です。ありがとうございました。」

「マットな質感がおしゃれで素敵です。訳あり商品とのことですが、私はほとんど気になりません。早くたくさん使いたいです。」

anさんご自身も、作品の紹介文の中で、このような想いを綴っています。

 

「完璧じゃないからこそ美しくて、可愛くて、素敵で
まるで人と同じようで
それも個性だと

むしろ、その一枚の器にしかない
たった一つの表情」

 

人と同じ。完璧ではないからこそ愛せる表情を、器たちも持っています。

偶然生まれた器との出会いは唯一無二。長く使い続けるほどに、きっとその個性がますます愛おしく思えてくるのでしょう。

ちょっぴり不思議な模様や形に、心安らぐ|ウッドモビール作家 MAASA.さん

空気の流れで回転する木目のきれいなウッドモビールを手掛けているMAASA.さん。あたたかみのある木で作られたモビールは、どんなお部屋にも馴染みやすく、リビングや子ども部屋のインテリアに最適。

ゆらゆらと優しくゆらめくモビールは、赤ちゃんの追視をうながす知育おもちゃとしてもとても人気で、出産祝いとして購入される方も多いのだそう。

 

今回の企画では、なんと完全受注制作で、近くでまじまじと見なければ実は気にならない傷や、ちょっとへんてこな模様や形をした、作品を作る過程で弾かれたウッドボールを使用したモビールをお求めいただけます。

作品を制作する為にウッドボールを仕分ける段階で、あ、これは使えないかな、という感じのものがどうしても混ざっていて、前々からもったいないな〜どうしようかな〜?と考えていました。

ある日、4歳の息子がモビールを作ってみたいと言うので作品には使えない玉で一緒に作ってみると、意外とアラが気にならなかったので、作品には使わないウッドボールを何かに使えないかな?とずっと残していたんです。
それがどんどん溜まっていたので、今回の機会に出品してみる事にしました。

MAASA.さん

ひとくちに「ウッドボール」といっても、写真のように、色も木目も全く異なります。

まるでタイガーアイのようなもの、アイボリーのやわらかい印象のもの……

 

MAASA.さんによると、「どうしても1割程度は、通常販売する作品には使えないウッドボールが出てきてしまう」とのこと。

そんな個性も内包した木のモビールは、子どもの「木育(幼少期から木と触れ合い親しみを感じることで、豊かな心を育てる教育)」にもぴったりかも……!と、今回の企画でおもわず目に留め、MAASA.さんにご連絡をとってみたのです。

 

今回のウッドモビールは、完全受注生産というのも嬉しいポイント。

こちらは完全に受注制作致しますので「模様を目立たないようにor目立つように作ってほしい」「色んな種類のウッドボールを混ぜたい」「なるべく茶色いものだけがいい」などご要望にできる限りお応えします!
どのパターンも大変お得にお買い求めいただけます。

眠ったままになっていた、一つひとつ異なる表情を持つウッドボール。
暮らしに、癒しをお届けできることを願っています。

MAASA.さん

なんだか惑星のようにも見えてくる、あたたかくて不思議な存在感に癒される木のモビール。

統一感が美しいものも良いけれど、「どんな色が好き?」「いろんな種類を混ぜてみる?」そんな会話をしながら、オーダーをするような感覚でおうちに迎えてみてはいかがでしょうか?

きっと、より思い出に残るお買いものになるはずです。

革本来の魅力を、永く楽しむ|northern roosterさん

『そばにあるだけでニヤけてしまう、どこまでも溺愛できる相棒』をお届けするプロダクトメーカー、northern roosterさん。購入後も永く愛用してほしいという想いから、使用に伴い発生するステッチ切れなどの簡易修理は永年無償メンテナンスをしてくれます!

今回の企画には、ブランドの中でも人気の配色でデザインされた、シンプルなミニマムウォレットをご出品いただきました。

こちらは、本来であればリリースしたいニューカラーだったのですが、仕上がった商品を見たところ、
ピンクレザーを多く使う事でトラや血筋、バラ傷がどうしても目立ってしまうため、販売は難しいと判断しました。

以降保管しておりましたが、今回の企画を知り、この1点だけのアイテムが欲しいと思ってくださる方と繋がることができれば……と思い参加させていただきました。

マルチポケット付きパスケースをベースにお財布としての機能性を高め、コンパクトウォレットとして再開発したミニマムウォレットです。

northern roosterさん

革本来が持つ、トラ(直線状のシワや帯状の色ムラ)や血筋は、大きな個性の一つ。革小物を愛用する方の中にはそういった革ならではの個性を好まれる方も多くいらっしゃいますが、クリエイターとしては通常販売に悩むポイントでもあります。

今回の作品のピンク色は、やわらかで魅力的なカラーである反面、そういった革の個性が出やすいことから、検討を重ねた結果通常販売にはいたらなかったそう。

 

裏を返せば、今回の企画へエントリーいただいたからこそ出会える配色!

革本来の特徴を楽しみたいという方にとってはとてもおすすめな逸品となっています。

▲使ううちに、こうした風合いを楽しめるのも革ならではの楽しみ方。

今回出品したような"ワケあり"な作品は、制作数に応じて一定の数出るという訳ではありませんが、
今回のように使用するカラーに起因してワケありが出てしまう場合もありますし、新作のアイテムが完成したとしても生産コストと販売価格とのバランスが取れず泣く泣くワケありになってしまう場合もあります。

対面販売のイベントの際に事情をお話ししてお売りする場合もありますが、多くはそのまま保管されている場合が多いです。

アイテム自体には使用上の問題は無いですし、ご理解いただいた上でご購入いただける方と出会えたら嬉しく思います。

northern roosterさん

northern roosterさんの作品は、どれも使い込むほどに味わいと深みが出る革を使用。永く使えば使うほどに変化していくツヤ感や色味を楽しめるのは、革作品ならではの魅力です。

永年無償で簡易修理を受け付けていらっしゃる背景には、『気に入ったものはいつまでもしつこく愛用したい』というデザイナーの方の想いがあります。

 

革にみえる個性は、革本来の持つ魅力の一つ。

ぜひこの機会に、経年変化を一緒に楽しむ相棒との出会いを見つけてみませんか?

まさに偶然の産物。唯一無二の"ワケあり"作品との出会いを楽しもう

3名のクリエイターさまに、今回の企画にご参加いただいた理由や背景を教えていただきました。

ほかにも、今回ご参加いただいたクリエイターさまからは「お蔵入りするにはもったいない作品を出品する機会が出来て嬉しい」「新製品開発にあたってサンプルやお蔵入りアイテムが増える中で、嬉しい企画でした」といった声を数多くいただき、またユーザーのみなさまからも高い関心を寄せていただいた今回の企画。

 

本来は日の目を見ず、眠ったままになってしまうかもしれない、ワケありの作品たち。私たちは「そんな一点ものが生まれるのも手作りならではの魅力」と捉えています。

クリエイターの手仕事とこだわりの結果生まれた唯一無二な作品との出会いを、この機会に楽しんでいただけたらこんなに嬉しいことはありません。

 

あらためまして、本企画にご注目いただいたみなさま、ありがとうございました。

第2弾も、鋭意企画中です。お楽しみに!

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