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「Creema 自由研究 青森ねぶた祭の廃材でランプを作ろう!」開催レポート

「Creema 自由研究 青森ねぶた祭の廃材でランプを作ろう!」開催レポート

夏休みも終盤に差し掛かった8月23日(水)と8月26日(土)、家族で参加できる小学生のお子さん向けのイベント「Creema 自由研究 青森ねぶた祭の廃材でランプを作ろう!」を開催しました。

 

ものづくりを通して、未来ある子どもたちを応援したいという思いから2019年に始まり、毎回多くのご家族にご好評をいただいております。そんな人気企画が、今年は初めて「青森ねぶた祭」とコラボレーションし、日本の伝統行事やSDGsを身近に感じることができるワークショップをお届けしました。

 

募集を開始してすぐに定員を超える応募をいただき、たくさんのご家族の笑顔で溢れた二日間。

今回はその様子をレポートします!

迫力と美しさあふれる青森ねぶた祭の裏側で

東北三大祭りのひとつで、国の重要無形民族文化財にも指定された「青森ねぶた祭」。

幅約9m、奥行き7m、高さ5m、重さ約4トンにおよぶ、人形の形をした大型の“ねぶた”が市内を練り歩き、毎年200万人を超える人出でにぎわいます。

 

祭で使われる大型ねぶたは、ねぶた師と呼ばれる職人が趣向を凝らし1年をかけて作り上げます。ねぶたは、木の角材を組んだ上に針金や糸で骨組みをつくり、電飾を仕込んだ上に和紙を貼り、墨やパラフィン、染料で着色し模様を描いていくことで完成します。ねぶたはねぶた師の熱い気持ちとこだわり、長年の経験から培われた技術がつまった巨大な作品なのです。

 

そんなねぶた、お祭りが終わったあとどのようにされているか、皆さんご存知でしょうか?

実は引き取られるもの以外は解体し、残りはすべて廃棄処分されているのだそうです。巨大なねぶたが重機で崩され、解体されていく姿には心に刺さるものがあります。

 

今回の「Creema 自由研究」では、そんな廃棄されるねぶたから回収した和紙を使って、華やかなランプに蘇らせるワークショップを開催しました。

▲回収したねぶた廃材(和紙)丁寧に絵付けされており、一つひとつ模様や色が異なります。

ねぶた師さんによる「ねぶた講座」

ランプ作りの前に、青森にいらっしゃるねぶた師の福士裕朗さんを講師にお迎えし、「ねぶた講座」をオンラインで実施!ねぶたの歴史や制作工程、ねぶたについての豆知識を教えていただきました。

▲「ねぶた講座」の様子。

質疑応答コーナーでは、参加者さんから「個人でねぶたを作るにはどのくらいの費用が必要ですか?」という質問が飛び出し、「制作費や運行経費など、色々合わせておおよそ2,000万円ぐらいあれば!」という回答に会場がざわめく場面も(笑)

▲ねぶたに絵付けをする福士先生

ねぶたを制作し、お祭りの最前線で尽力されている福士先生の生の声は、これから廃材でランプ作りをする参加者の皆さんにとって、とても興味深いものだったのではないかと思います。

▲福士先生が今年制作したねぶた。このねぶたの廃材もランプ作りに使用させていただきました。

アップサイクルランプ作り開始!

「ねぶた講座」が終わったら、廃材を使ったアップサイクルランプ作りがスタートします。今回ワークショップの講師を務めてくださったのは、グラフィックデザイナーとしての経験や技術をもとにものづくりに取り組むotomenohaneの平瀬尋士さん・公子さん。

▲otomenohaneでは尋士さんが考案した手漉き和紙を使ったランプや、公子さんが手掛けるアクセサリーが販売されています。

まずは先生の周りに集まって、全体の流れのレクチャーを受けます。今回のランプは、まず土台となる白い和紙を四角錐に組み立てて、ねぶたの和紙を貼り付けるというもの。先生がねぶた和紙の質感を生かした切り方やちぎり方を教えてくれました。

 

流れを教えてもらったら、早速自分で作ってみます。今回は色とりどりの和紙の中から、好きな模様や色のものを選んで自由にデザインしてもらいました。

▲模様や色をどう活かすか考えながら、和紙を選ぶ参加者の皆さん

和紙をカッターで好きな形に切ったり、手で破いたりして、土台に貼り付けていきます。

どの模様の和紙を、どんな風に貼り付けるのかによって個性が出る今回のランプ。皆さん思い思いの完成図をイメージして、じっくり考えながら制作されていました。

▲土台の和紙ランプに、ねぶた廃材を貼り付けている様子。

作り終わったら、いざ点灯!

ランプが完成したら、会場の明かりを消してみんなでランプを点灯させてみました。和紙が光に透けて、明るいところで見たときと表情がガラッと変わります。

 

ねぶたの素材として明かりが灯されていた時と同じように、廃材がランプとしてまた蘇ったように感じられました。

 

「なんでこんなに素敵なねぶたなのに、捨てられてしまうんだろうと思っていた。その和紙で今回ランプを作ることができて嬉しかった」と言ってくれたお子様もいました。

 

一度役目を終えて廃棄をされるものでも、ひと工夫を加えればまた新しいものとして素敵に生まれ変わることができる、ということを体感していただけていたら嬉しいです。

また「来年は絶対に青森にねぶたを見にいきたい!」と言ってくださった方も。

こんなふうに伝統行事である青森ねぶた祭の魅力を知った方が、今後お祭りに関わっていってくれれば、青森ねぶた祭がこれからも末長く続く、多くの人にとって大切なお祭りになるのではないかと思いました。

ワークショップを終えて

▲ワークショップ終了後みんなで集合写真を撮影しました。作ったランプの中でも、お気に入りの面を見せてパシャリ。

ねぶた師の先生やクリエイターのotomenohaneさんにご協力いただき、ものづくりを通して青森ねぶた祭の素晴らしさを知り、そのサステナビリティについて考える「Creema 自由研究」。

作ったランプをおうちで長く楽しんでもらいながら、時々青森ねぶた祭へ思いを馳せてくれたら嬉しいなと思います。

 

ご協力いただいたクリエイターの皆さん、ご参加くださった皆さん、誠にありがとうございました。

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