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「オンラインで、アトリエ訪問」 ネパールで作られる優しい洋服|tsutsumuさん

「オンラインで、アトリエ訪問」 ネパールで作られる優しい洋服|tsutsumuさん

こんにちは、イベントディレクターの針生(はりう)です。

 

普段は、イベント等で作家さんと直接お話できる機会が多いのですが、ここしばらくはなかなかお会いすることが出来ておりません。

作家さんの言葉・思いに触れる瞬間は、私にとってとても大切な時間。これまでとは違ったかたちで作家さんにお会いすることはできないか、と考えました。

 

作品が命をふきこまれる場所であるアトリエは、作品の世界観がはぐくまれる場所でもあります。

そこで、自分がはじめてアトリエに足を運んだときの感動や、アトリエの様子から伝わる作家さんのクリエイティビティ・熱量を皆さんにもお届けするべく、 「オンライン アトリエ訪問企画」をはじめることにいたしました!

 

まるでアトリエに伺っているような気分を味わいながら、皆さんにも一緒にアトリエ訪問をしているような気分を楽しんでいただけたら……そんな思いで、オンラインでの取材を重ねました。

 

今回アトリエをみせていただき、お話を伺ったのは、ファッション作家のtsutsumuさん。

電気を使わない手紬ぎ、手織りの素材や、手編みのニット……。人の手でしかつくりだせないものを、大切に丁寧に作られています。アトリエについてのお話や、洋服ができるまでの工程、そしてアトリエを置くネパールの風景をお届けします。

人の手の温もりを感じていただけるようなもの作り

ー普段製作されている作品について教えてください。

「着心地の良い、優しい洋服」をコンセプトにした洋服を手がけております。

昔ながらの丁寧な手仕事に魅力を感じ、ヒマラヤの国ネパールで、人の手の温もりを感じられるようなものづくりを目指しています。

素材選びから始まり、手紡ぎ、手織り、手編みなど、すべて手仕事で作品を仕上げています。

また、一つ一つの作品の背景にある、たくさんの人の手の温もりを感じていただけるようなものづくりを目指しています。

ーネパールで活動されることになったきっかけを教えてください。

以前、アパレルの会社で仕事をしていた時に色々な国を訪れ、ネパールにも何度も足を運びました。

そこで1から全ての手仕事に関わることで、ものつくりの楽しみを肌で感じ、人の手で作られたもの・人の手でしか作り出せないものを作品に込めていきたい、そして伝統的な手仕事をこれからもずっと受け継いでいきたい。そんな想いから、ネパールでのものづくりを始めました。

 

当時、電気も一日に数時間しか使えないという状況で、初めはびっくりしましたが、ここネパールでは、電気を使わない手仕事がまだまだ現役で、ほとんど全ての工程が手作業でした。

また、服作りに使われる素材も生の状態から始めることも多く、糸を紡いで、織って、洗って、縫って……などなど本当にたくさんの工程があります。

 

また、ものつくりに関わる人々はほとんどがネパールの人たちです。私も一年の半分はネパールで暮らしているので、作品作りの間は、一緒に作業しています。

ネパールの国柄、ここに暮らす人々の人柄もあって、作品つくりはとっても和気あいあいと進んでいきます。

時々、チベットやインドの職人さんにも仕事をお願いしています。

ーアトリエについて教えていただけますか?

作品作りのほとんどの工程をネパールで行なっています。

生地を織るための手織り工房、機械織りの工場、糸紡ぎの工房、ボタンの彫刻工房、パターンを作ったり縫製する工場、手編みの作業場など、色々な場所で作業をしています。

 

生地を織る工房、染めの工房、ボタンの工房、縫製工場など色々な工房があるのですが、主に私が作業しているのは、縫製工場です。

 

縫製工場の作りは、パターンを作ったり、生地を裁断する大きなテーブルが2台、縫製に使う数種類のミシン、仕上げに使うアイロン台が一つの大きな部屋に置いてあります。広さはだいたい20畳くらいです。

あと、生地を保管する6畳くらいの部屋があります。

手織り工房での手織りの様子
縫製工場での風景
機械織りの工場
パターン製作
手彫りのボタン工場での風景

まずは全ての素材を手にとってイメージを膨らませる

ー製作に入る際の「切り替えスイッチ」や、ルーティーンがあれば教えてください

作品作りの際、まずは素材選び、生地選びから始めるので、その日に作る洋服の生地はもちろん、全ての素材を手にとってイメージを膨らませるところから始まります。

縫製工場では出来上がった作品を着た時の質感のチェックも欠かせません。

ー「在宅作業のコツ」を教えてください

年明けからネパールに滞在し、作品作りをしているのですが、コロナウイルスの影響でネパールでは現在2ヶ月以上ロックダウンしています。

「2ヶ月も外に出ずに家で過ごすのは人生で初めてかもしれないなー。」と思っています。

tsutsumuの洋服を作る工場も全て休みで、今できることが限られているので、主に自宅で新作のデザインや素材を考えています。

やはりずっと自宅にこもっていると気分転換がとても大切で、屋上で景色を見ながら作業してみたり、ヨガとかストレッチで身体を動かしてリフレッシュしています。

「日常の風景」を五感で感じることがインスピレーションの源

ーリフレッシュしたい時はどんな事をされていますか?

料理をするのもとても好きです。 

ものづくり、デザインをしている合間に、一息つきたくなったら料理をしています。

一年の半分をネパールに暮らしているので、日本にはない新しいスパイスの組み合わせとか、季節野菜とか、新しいアレンジに挑戦するのも好きです。

 

景色をながめることも、リフレッシュに繋がっています。​

一日に何回もベランダや屋上に出て景色をみています。特に夕暮れ時のマジックアワーの空の色がとても好きです。

ベランダや屋上でデザインなどの作業をすることもとても多いです。

 

路地裏を散歩するのがとても好きです。 

華やかな表通りよりも、人々の生活感の感じられる路地裏を歩いて、季節ごとのの色彩や香り、生活音や、いろんな匂いとか、日常の風景を五感で感じで、そうしたささやかな日常から物作りのインスピレーションを受けることがとても多いです。

また、街の色合いや、昔ながらの民族衣装の形、質感からインスピレーションを受けることもあります。

インタビューを終えて

 

「今、ここは日本だよね?……」

 

ふと記事を書き終わって、手を休めていたら、ネパールに足を運んでいるような感覚になっていました。

ネパールでの生活の写真はどれもが美しく、心が自然と優しい気持ちになっていきました。

作業場で生み出されるtsutsumuさんの洋服には、様々な工程や人との関わり、そしてインスピレーションから生まれるんだなと感じました。

 

もうすぐ夏がやってきますね。

今年も暑さが厳しそうですが、tsutsumuさんの洋服を着て、心地の良い爽やかな夏を過ごしたいなと思いました。

皆さんもぜひお気に入りの一着を探してみてくださいね!

 

そして、次回のアトリエ見学もどうぞお楽しみに。

《夏もさらっと着れる!》tsutsumuさんの作品一覧はこちら

これまでの作り手インタビューはこちら

「今、私が会いたい人」 と題してクリーマスタッフが「お会いしたい人」「お話をしたい人」にインタビューをしてみるシリーズ企画。作家さんのものづくりへの思いはもちろん、スタッフと作家さんの間に流れるほのぼのとした空気感や、スタッフが思い思いに紡ぎ出す作家さんへの愛をぜひご覧ください。

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