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「オンラインで、アトリエ訪問」服に恋をする。長く大切にできる服とカバン作り|アパレル作家・もりのがっこうさん

「オンラインで、アトリエ訪問」服に恋をする。長く大切にできる服とカバン作り|アパレル作家・もりのがっこうさん

読みものでは、これまで複数回にわたり、作家さんのアトリエにオンラインで訪問する「オンラインでアトリエ訪問!」という企画をおこなってまいりました。

 

今回お話を伺ったのは、アパレル・カバン作家として活躍を続けるもりのがっこうさん。

作家活動のきっかけや制作時のインスピレーション、作品へのこだわりについてたっぷりとお話を伺いました。

 

「あの人気作品の裏にはこんな過程が……」と驚くようなお話も。また、今期からはじまった新たなチャレンジについてもご紹介します。

作品の背景を知れば、日々のコーディネートがもっと楽しくなるはず。ぜひ最後まで、お楽しみください。

――まず初めに、作家活動のきっかけについて教えてください!

物心ついた頃から、温かみの感じられる手作りのものに心惹かれていました。

いつしか「自分でも作りたい!」と思い、お小遣いで布や手芸本を買っては擦り切れるくらい読み込んで、制作に没頭していました。

 

そんな私の様子を見た母が、当時小学3年生くらいだった私に、ミシンを買ってくれたんです。9歳の私にとって、洋服の作りはとても難解。型紙をひいても前身ごろと後ろ身ごろが合わなかったり、ときには怪我をすることもありましたが、「こんな風に、洋服の形になっていくんだ」ということが分かり、ミシンの楽しさにますます夢中になっていきました。自作したお気に入りのワンピースを学校に着ていったことを、今でもよく覚えています。

――どうして「もりのがっこう」というショップ名なのでしょうか?

次女が小さい時に、ママ友から学校用品のオーダーを受けていたことがきっかけです。幼稚園で使う通園バッグやピアニカを入れるバッグなどは、園によって細かいサイズ指定があり既製品では対応できないことが多く、なかなか自作できないママさんもいらっしゃいます。

小物バッグ、学校のエプロンやナフキン等、最初はママ友達に頼まれて作っていましたが、もっと多くの子どもたちに、毎日使うものを手作りのもので過ごしてもらいたい!と思い、2009年頃に「もりのがっこう」というブランド名でインターネットショップを作りました。

▲ロングセラーのかばん「ころんとポーチ」。クリーマスタッフ森永もグレーを長らく愛用しております。見た目の可愛らしさだけでなく、がばっと開く大容量で旅行にも使えるのが嬉しいポイント。

――トレンドや世の中のニーズにいちはやく対応した新作を出されているもりのがっこうさん。作品制作のインスピレーションは、どのようなところから得ているのでしょうか?

私にとってものづくりは、恋をするような感情からはじまります。

街を歩いているときや、雑誌を読んでいるとき、SNSを眺めているとき……。日常の中で、ふと目に入ったものに「一目惚れ」をする瞬間があります。そういう感情があったら、迷わずメモをしてそのとき感じたこと・印象的だった特徴を書き残すようにしています。

それらを自分の表現として再解釈して形に落とし込み、もっと使いやすい、より良い形があるのではないかとか、こうしたらもっとカッコ良くなるのではないかとか、まずはデザインベースでじっくり時間をかけて、試作、着用、また試作……と、完成に向かって進み始めます。

 

恋をするのに努力がいらないように、ファッションが大好きな為、特別意識しなくても自然と情報が入ってくるのです(笑)

▲オールシーズン使える、大人っぽいシルエットのサロペット。重ね着もしやすいので着回し力抜群◎

――ひとつの作品が出来上がるまでには、どんな工程があるのですか?

デザイン→パターン(制作するための型紙おこし)→スワッチ(生地見本)で生地を決定→試作→チェック……。この繰り返しです。多い時は、この工程を5回以上も繰り返す時もあります。

 

試作が出来上がるときは、一番わくわくしますね。プレゼントを開封する瞬間のように、はじめて完成形の作品と出会う、幸せな瞬間です。

制作作業は私にとってはどれも本当に楽しいのですが、難しいことを挙げるとすれば、小さなスワッチ(生地見本)で完成図を想像してから試作をするので、小さなスワッチで見たものと実際の出来上がりの試作とでは「思ってたのと印象が違う……」という時があります。


その場合には生地選びからやり直し、となりますが、なるべくそうならないようにスワッチの段階で自分の想像力を目一杯働かせて、頭の中で精度の高い完成図を思い描くところが難しいところです。
長時間、ただひたすらスワッチをみているようなときもありますが、それは時間の無駄に見えても、大事な時間だと思っています。

――たくさんの試作のうえに完成しているのですね……!制作するうえでの「こだわり」について教えてください。

一番に浮かぶのは、「着心地がいい」ということです。

洋服もバッグも、どれだけ気に入ったデザインでも、着心地が悪いとクローゼットを開けた時の選択肢からだんだんと外れていってしまいます。日常生活で使いやすく、かつ「さらっと着るだけできまる服」をモットーにしています。

 

例えばニットでは、アクリルなどの化学繊維だと毛玉ができやすく、日常生活でのお手入れも大変。その点コットンは、着心地よく長く使うことができます。使えば使うほどナチュラルな味わいを楽しめるのも大きな魅力ですね。

天然の抗菌防臭 コットン100 ハイネックニット

▲よりお手入れがしやすく環境にもやさしい、コットン100%の新作ニット。天然の抗菌素材で、防臭効果も!

――これまでに、完成までに苦労があった作品について教えていただけますか?

ここ最近ですと、こちらのタンクトップ&ショーツセットです。
ショーツのはき心地にこだわり、これでもか!というほど何回も試作をしました。

ガーゼグランドテレココットン100% タンクトップ&ショーツセット【グリーンブルー】

女性のお客様やスタッフからも、ショーツのくいこみが苦手!という声はたくさん上がっており、ずっと着ていたくなるようなインナーを作りたいと思い、制作しました。納得のいく着心地になるまで、何度も試作を繰り返しました。

 

また、長らく完売していた撥水加工のポンチョコート。(復活しました!)

こちらも、ちょうどよいサイズ感やシルエットができるまでスタッフみんなで試着し、時間をかけて完成させました……!

雨にも風にもつよい!撥水加工 中綿キルト ポンチョコート【カーキ】

▲着心地の良さ、機能性、絶妙なサイズ感が揃った万能アウター。くるくると小さくたためるので、持ち歩きもらくちんです。

――これから挑戦してみたいことについて、お聞かせください。

リアルに日常生活の中で選ばれる服を作りたいと思っています。クローゼットの中の、いわば”レギュラー陣”と表現できるかもしれません。

そして、ここ最近は特に強く感じますが、環境にも身体にも優しく長持ちする自然な素材を使いたいです。もちろんお手入れのしやすさも重視したいので、すべて天然素材を使うというのは難しいのですが、安価だとしてもワンシーズンで使えなくなってしまうようなものづくりは避けたいと常々思っています。制作のうえでも、なるべくロスを減らし、素材を余すところなく使っていくよう心がけています。

 

また、今季から「もりのがっこう」では新たにプラスサイズの展開をはじめました!

自分らしくオシャレをしたいと思っている女性にとって、その人らしい、多様性のある服選びを、もりのがっこうがお手伝いできれば、これ以上幸せなことはありません。

これからも全ての女性にとって、日常を彩る作品制作を続けていきたいです。

プラスサイズ展開スタート!すべての女性に、ファッションを心から楽しんでほしい。

プラスサイズ展開スタート!すべての女性に、ファッションを心から楽しんでほしい。

長く着るものこそ、想いのこもった作品を。

日常生活のなかでのふとした"一目惚れ"から、次々と新しいチャレンジに挑み、作品制作を続けるもりのがっこうさん。

トレンド感だけではなく、環境や着心地にも配慮したやさしいものづくりには、作家さんご自身の等身大の想いが存分に活かされています。

 

生活必需品で毎日身に着ける洋服は、ついインスタントに消費してしまうという方も多いはず。

毎日の"レギュラー陣"だからこそ、作家さんの想いを知ったうえで「お気に入り」を選べたら、日々のコーディネートがもっと楽しくなりそうですね。

 

どこまで自由で、いつまで自分らしく輝く方へ服を届ける『もりのがっこう』さん。これからも、リアルクローズな服をどうぞお楽しみに!

もりのがっこうさんのギャラリーページはこちら!

今季の新作も要チェックです!

これまでの作り手インタビューはこちらから!

動画やインタビューで、作家さんの制作風景をご紹介!作品が出来上がるまでを知れば、もっともっとお買い物が愛おしくなるはず。
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