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ガラス作家・YUGEN GLASSさん - 夫婦で作り上げる、笑顔になれるガラス_作り手インタビューvol.5 

千葉県九十九里浜の海が見えてくると「もうすぐだ」と胸が高鳴りました。真っ白い家々や、背の丈をゆうに超すほどの植物を目にしながら、海のある街特有の香りをたどっていくと、まるで冒険をしているような気分になります。さらに細い道を進んで行くと、青い空に映える、YUGEN GLASSさんの工房がありました。

 

あまりに元気な陽射しを浴びたのか、ふっかふかに生い茂る芝生は、これでもかと健康的な緑色です。その敷地の中にある、憧れるほど素敵な木のログハウスとガラス工房、そして、ミニトマトが育っている緑々しい畑。その場にいるだけで、パワーがみなぎるようでした。

 

「ようこそ!」と出迎えて下さったのは、YUGEN GLASS 由元信吾さん、裕美さんご夫妻です。「名字の由元(よしもと)をユゲンと読んでね、YUGEN GLASSです」と、にこやかに自己紹介をして下さった、すいこまれそうに美しい瞳のお2人です。2010年に九十九里浜に工房を構えられて、ご夫婦で制作されています。

 

今回は、ハンドメイドインジャパンフェスPVのインタビューもかねて、工房にお伺いしてきました!

ガラスに出会ってガラス一筋に

「(裕美さん)私はガラスに触り始めて10年くらい、主人は18〜19年になります。私がガラスに興味を持ったきっかけは、本当にちょっとしたこと。沖縄に住んでいた時に琉球グラスに興味を持って、少しでも興味を持ったものがあればやってみよう!と飛び込んで。それからずっとですね。吹きガラスという技法自体に2人は魅力があるかなと思っています」

 

「(信吾さん)ガラスは共同作業なので、声を掛け合いながら作業をするところが魅力的ですね。溶けているガラスを扱うこと自体が面白いですよね。ライブ感があって!」

そこで実際にお二人の共同作業を見せていただきましたが、驚きのはるか先を行く光景でした。

2人の完璧な間合いが制する、ガラスとの一瞬の勝負

1000度以上もあるという窯の中でゆるゆると溶けたガラスに竿を入れ、静かにガラスを引き出す信吾さん。すぐさま竿を作業台に置くと、ガラスと反対側で待ち構えていた裕美さんが、竿を左右に回す動きに合わせて空気を吹き入れます。その完璧すぎる間合い。ぴたりと息を合わせた2人を目にした時、本当の「共同作業」とはこういうことだと思いました。さらに驚くのは、裕美さんは赤ちゃんをおんぶしながらの作業。その勇姿は、見とれるほどでした。

 

この「宙吹きガラス」は、空中で息を吹き込み、竿を回して中心を感じながら形を整える技法で、一瞬の勝負。

 

「(信吾さん)作り始めたら止まらないから、それはライブと一緒かもしれないね。そんな緊張感を楽しんでいる感じだね」

 

「そうそう、そうだよね」という相づちも心地よいお2人は、会話のリズムも息がぴったりです。

夫婦のコミュニケーションがそのまま作品に

「(裕美さん)ガラスの制作は2人の相性が大事なので、ちょっとしたことでコミュニケーションがとれないと共同作業がうまくいかないんです。そのまま作品に出ますよ。良い作品ができるということは、仲良くしているのが作品に出ているのかな。何より夫婦のコミュニケーションが大事なんです」

 

「お互いにガラス作家だけど、ケンカをしたりはしないね。作風は違うけど、それはそれで良いんです。制作しつつの運命共同体なので。会社員が家族しかいないからね、農家さんみたいな感じなのかな」と信吾さんは優しく笑います。

作品に込める想いとこだわり

「(裕美さん)私は、家族、愛、笑顔をテーマにしています。普段の生活から出たものが作品ににじみ出ていると思うし、それがお客さんに伝わっていければうれしいです。今は、家族が自分の軸になっているので、幸せに暮らすことでそれが作品に表現できていたら良いですね。そうして作品を見てくれた人を幸せにしてあげたい、にこっと笑ってくれたら良いなと思っています」

 

「私たちのガラスを、結婚や出産のお祝い品にしていただくことがあるのですが、『相手のお子さんが喜んで使ってくれているよ』と聞くとうれしいですね。お子さんが大きくなってもガラスは腐らないので、ずっと使ってもらえます。お家でも笑顔が増えてくれるとうれしいなと思いますね」

 

「(信吾さん)僕は自然をテーマにして作っています。工房は、九十九里浜から数分のところだし、朝陽がすごくきれい。そんな朝陽や波、水の流れる気持ち良さを感じられるガラスが日々の中にあったら、その人も気持ち良く暮らせるんじゃないかな。僕は都会育ちなんですけど、年齢とともに、気持ちよいことを気持ちよいと感じられる、そんなニュートラルな状態でいられる、この場所にいられることがうれしく思っています」

お客様との距離を縮めながら、密に繋がっていきたい

「クリーマにはいろいろなジャンルの作家さんが所属しているので、それに応じてサイトを見てくれている人達も様々なところが魅力です。例えば、普段はファッション作品を探している方が『そういえば父の日だからグラスでも?』というようにネットサーフを楽しんでYUGEN GLASSまでたどり着いてもらえるとうれしいです。その偶然も運命的な出会いのような気がします(笑)。

それに加えてクリーマは、リアルに作品に触れることができるイベントやポップアップショップにも力を注いでいるところがもう一つの魅力ですね。そういうチャンスにできるだけ参加していき、お客様と出会い、話して、作品の魅力を伝えて、まず普段の生活の中で使っていただく。そこで使い心地の良さを気に入ってもらえたなら、次はギフトなどにもネットを利用していただく。というようにお客様との距離を縮めながら、密に繋がって、広がっていきたいです」

今年は、クリーマ主催の「ハンドメイドインジャパンフェス2015」へ出展されるYUGEN GLASSさん。イベントへの思いを語って下さいました。

「自分たちも楽しみたい!」ハンドメイドインジャパンフェス初出展

「(信吾さん)イベントって楽しいですよね。すごいパワーがあるじゃないですか!1つ1つの作品も、何をやるにも、すごい時間をかけて作って来たものが集まる。そのパワーを感じて、僕たちも元気をもらって、それを次の作品に転換していく。そういうことも良いですよね」

 

「来て下さるお客さんには、それぞれの暮らしがあって、求める用途が違っていて。詳しく聞いていくと『そういうことがあったのか!』という驚きがあって面白いですよね。直接会うと、僕たちの雰囲気だったり声のトーンだったり、人となりが見えて、こういう人たちが作っている作品なんだと、お客さんが感じるみたいなんですよね」

 

 

「今年は他の作家さんの作品も見ながら私たちも楽しみたいですね!」と楽しそうに語るYUGEN GLASSさん。幸せ感たっぷりのスマイルグラスは、お二人の笑顔そのものでした。

 

お2人が出演しているPVは、ものづくりへの情熱と愛情があふれています。ぜひ、ハンドメイドインジャパンフェスでは、YUGEN GLASSさんのブースで直接お話してみてくださいね!

ハンドメイドインジャパンフェス2015 PV
YUGEN GLASSさんの迫力の創作風景にぜひご注目ください!
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