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「今、私が会いたい人」幼い頃のあこがれを形に。|アクセサリー作家・Little Witchさん

「今、私が会いたい人」幼い頃のあこがれを形に。|アクセサリー作家・Little Witchさん

こんにちは。クリーマ編集部のアリエルです。

 

幼い頃、魔法使いや妖精に憧れたことはありませんか?

 

Little Witchさんがつくる繊細なアクセサリーは、大人になった私たちに魔法をかけてくれる、ファンタジックな雰囲気が魅力です。今回、ハンドメイドインジャパンフェス2018に台湾からご出展いただいた機会に、Little WitchのデザイナーHanaさんにもの作りに対する色々なお話を伺いました。

ゲームの中からリアルな世界へ。アクセサリー作家になるまで

― 初めてものづくりの世界に触れたのはいつですか?

 

小さい頃から、ファンタジックで幻想的な世界に夢中で、身の回りにある素材を使って魔法使いの気分でいろいろなアイテムを作っていました。部屋に飾る装飾品を作ったり、切り絵で立体的な花を作ったり、瓶に染料や植物を混ぜて魔女がつくる薬をイメージした小瓶を作ったり。自分で作る以外にも、ユニークなアクセサリーを集めるのも、身につけるのも大好きです。

璀璨花火 - 永遠 (ピアス・イヤリング可)

※作品はパソコンまたはスマートフォン用ウェブサイトよりご覧ください。

— 小さい頃から、いずれは作家になりたかったのでしょうか?

 

作家にこだわっていたわけではありませんが、ものづくりに関わりたい気持ちは強かったですね。今のアクセサリー作りには、前職のゲームデザイナーの経験も影響しています。

 

前職のゲームデザイナーでは、UI/UX設計などに携わっていました。ゲーム操作の流れを企画するだけでなく、ゲーム中に出てくるさまざまなアイテムのデザインも担当します。開発中は、100を超えるアイテムのデザインをする必要があるのですが、その中でも特に魔法使いのキャラクターのアクセサリーやアイテムを想像するのが好きでした。

 

頭の中に思い描いたアクセサリーをスケッチして、素材やパーツを選んで、どう形にするか…今アクセサリー作りをしていて、そういった作業がスムーズにできるのは、前職の経験が活かされているからかもしれません。

転機は、管理職になり、デザインではなく違う部門とのコミュニケーションがメインの業務になったことでした。繰り返しの日々の中で、自分がまるでロボットみたいな生活をしていると感じ、一息つきたくて会社を辞めたんです。長い間デザインから離れていたのですが、独学でワイヤーと樹脂液を使って花びらのような形をつくるディップアートを始め、だんだん面白くなって、アクセサリー作りに専念すると決心しました。

花々を咲かせる、独学で磨いてきたディップアートの技術

— アクセサリー作りに、ディップアートを選んだ理由は?

 

前職でのウェブサイト上で行うデザインとは異なり、ディップアートは出来上がるまでどんなふうに完成するか分からなかったり、意図しない形になったりします。それが面白かったんです。今まで見たことがない美しさで、その透き通った色合いに心惹かれ、好奇心が湧きました。

 

当時台湾では、ディップアートはあまり知られていなかったので、海外作家さんの作品写真を見たり、言葉がわからなくても様々な海外サイトを参考にしたりして、独学で試行錯誤しながら技術を磨いてきました。初めて作った作品「花火」は、構想から完成まで3〜4ヶ月もかかったんです。

マジックコア - ゼロ (ピアス・イヤリング可)

※作品はパソコンまたはスマートフォン用ウェブサイトよりご覧ください。

ディップアートはもともとアメリカ生まれの芸術で、ワイヤーを曲げて、ディップ液に浸し、膜を作る手法です。乾くまで数時間かかりますが、乾けばワイヤーと花びらの膜を曲げて自由に造形できるので、自分のイメージを形にするのにぴったりだと思います。単色だけでなく、スプレーでグラデーションをつけたり、強化液やレジンで花びらの強度を高めたりといった加工もできます。ガラスのような質感で、色落ちなく長く美しい状態を保てるのが特徴です。

— どんな風に作るのか、詳しく教えていただけますか?

まず最初にワイヤーを曲げて形を整えてから、色のついたディップ液に浸します。乾いたら強度をあげるためのレジン液をぬって、他のディップアートのパーツと組み合わせたあともう一度レジン液を塗ります。

最も難しいのは、ディップ液につける工程です。乾くまで2〜3時間かかります。この過程で泡ができてしまったら、もうアクセサリーに使えなくなります。無事にきれいに乾いても、その後ワイヤーを曲げてデザインする時に膜にシワが入ったら、それも失敗。ディップアートはとても繊細で、アクセサリーとして多少の衝撃に耐えられるようレジン液で強化しますが、この最後の段階で泡が入ってしまうこともあります。

ワイヤーを曲げて花びらの形を作り、ディップ液に浸して膜を作ります。そのまま発泡スチロールに刺し、乾くまで待ちます。
レジン液を塗ってUVレジンで花びらの強度を高めます。
複数のディップアートの花びらを組み合わせてからレジンなどでもう一度強化し、パーツと組み合わせます。

完成までにかかる時間は、花びらの枚数によって違いますが、9重の花びらを制作するには1〜2日間かかります。

 

作品はかなり大きめの花びらを使っているので、ピアスフックなどもそれを支えられるものを使います。パーツをレジン液で接着してからも、もう一度レジン液で全体をコーティングして強化します。それでも繊細な作品なので、耳につける際はやさしく扱っていただくのがおすすめです。

デザインと技術への飽くなき追求

— 制作へのこだわりを教えてください。

 

「華やかさ」をデザインのテーマに、ディップアートの花びらだけではなく、スワロフスキーや天然石なども使っています。組み合わせる素材も、いつも心を込めて選んでいます。そのせいか、品切れになったら再入荷しないパーツも多くて、そのパーツを使った作品が販売できなくなってしまうこともあります。

この作品「アイスフラワー」に使った特別なスワロスキーはもう販売されていないので、この作品も廃盤になってしまいました。

※作品はパソコンまたはスマートフォン用ウェブサイトよりご覧ください。

デザインにはヨーロピアンでレトロな雰囲気も取り入れていて、それがLittle Witchの独特な作風になっていると思います。そういった雰囲気を生み出すため、ワイヤーの曲げ具合ひとつひとつまで、繰り返し修正を重ねます。完璧に美しい作品ができた喜びを、作品を手にしたお客様と分かち合うために…このこだわりは、支えてくれているファンの皆さまへの、一つの尊重の形です。

 

私の一番のお気に入りは、ロータスリーフシリーズです。デザインにフリルを取り入れ、これまでにない柔らかく美しい曲線が生まれました。フリルは中世ヨーロッパの上流階級で生まれ、今日まで廃れずに残ってきたモチーフで、Little Witchの作風が強く現れていると思います。これからも、このフリルモチーフを使った様々なデザインに挑戦していきます。

ロータスリーフシリーズ - シンデレラペチコート(アシンメトリーデザイン。ピアス・イヤリング可)

※作品はパソコンまたはスマートフォン用ウェブサイトよりご覧ください。

今日つけている「プリンセスフラワー」イヤリングもロータスリーフシリーズの新作で、今年のヨーロッパのファッションショーからインスピレーションを得たアシンメトリーなデザインになっています。一方は耳元にぴったり沿う形で、もう一方はゆらゆらと揺れるイヤリング。使用しているパールも今年のトレンドのものを取り入れています。

ロータスリーフシリーズ - グランドプリンセスフラワーカラー/ホワイト(ピアス・イヤリング可)

※作品はパソコンまたはスマートフォン用ウェブサイトよりご覧ください。

― 将来はどんな作品に挑戦してみたいですか?

 

アクセサリー以外に、ディップアートの技術を取り入れたアート作品に挑戦したいと思っています。アートはアクセサリーに比べるとより自由な表現ができるので、今も作品とまではいきませんがいろいろ試してみています。ディップアートの可能性が広がりますし、絶対おもしろいはずです。機会があれば、ギャラリーでの作品展示も目指したいですね。

インタビューを終えて

本当はものづくりが好きだ、向いていると思いながら、一歩踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。Hanaさんも最初は、自分が作家として活動するとは思ってもいなかったといいます。戸惑いもあったそうですが、作家として認められたいという気持ちで試行錯誤を重ねる中で、つくること自体にものめり込み、人気アクセサリー作家を目指して努力を続けています。

 

「童心を忘れず、いつも好奇心を持って、自分自身の限界を決めなければ、”試練”だと思えることでさえ新しい夢に繋がるはず。」作家を志す人へ、Hanaさんからのメッセージです。

(左)クリーマ台湾チーム、アリエル (右)Little Witchデザイナー、Hanaさん

Little Witchさんの作品一覧はこちら

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