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「今、私が会いたい人」絵からエネルギーを受け取ってほしい|画家・MUSHUKO(むしゅこ)さん

こんにちは。クリーマのイベントディレクターの針生です。

「今、私が一番会いたい人」。初めに頭に思い浮かんだ作家さんが、画家のMUSHUKO(むしゅこ)さんです。

 

実は、MUSHUKOさんには以前にも何度かお会いしています。

初めてお会いしたのは、2014年の夏に開催したイベント「アート・イスとマーケット@日本橋三越」でした。

当時まだクリーマに入社したての私は、憧れのMUSHUKOさんにお会いして、うれしい感情が高まり、涙目になりながらお話をさせていただいた記憶があります。

MUSHUKOさんの作品を見ていると気持ちがぱっと明るくなり、みなぎるパワーをもらいます。そして、何よりも絵に登場する人物や動物の「瞳」にひかれて、MUSHUKOさんの作品が好きになりました。

虹ずきん・赤いブーツと惑星

今回はこの機会に、もっとMUSHUKOさんを知りたい、そしてもっと皆さんに作品の魅力をお伝えしたいと思いました。

そこで、MUSHUKOさんが「にがお絵かき」のイベントを開催している、茅ヶ崎の「Teppo」というイタリア食品店にお伺いしました。

 

会場のTeppoは、以前からMUSHUKOさんの行きつけのお店とのこと。

お店の奥の小部屋から「こんにちは!」と笑顔で出迎えてくださったMUSHUKOさんは、お店に溶け込んでいました。

店内は海外ラジオが流れ、ヨーロッパのチーズや食材が並び、まるで地元に愛されている海外のバルのような、そんな雰囲気でした。

MUSHUKOさんとお会いしたTeppo

MUSHUKOさんとお会いしたTeppo

店内にはMUSHUKOさんの作品が並びます

店内にはMUSHUKOさんの作品が並びます

絵のルーツは「愛犬の瞳」

— MUSHUKOさんの絵には、特徴的なボブの髪型をした女の子と赤ずきんちゃんが登場して、MUSHUKOさんの絵を印象づけるキャラクターだなと思っていたのですが、何かをイメージして描かれているのですか?

「実は、飼っていた犬を擬人化したものなのです。赤ずきんちゃんは飼っていた犬が赤ずきんちゃんのようなコートを着ていて、それを描いてみようと思ったのが始まりでした。

犬の姿をみていると、何を見るでもなく、考えるでもなく「遠くを見ている目」をしていて、それを表現してみたんです。だから実は、描きだしたはじめの頃はもっとギラギラした目をしていたんですよ!笑」

 

— 飼っていた犬をイメージされていたと聞いて、びっくりしてしまいました!作品の中の人物と動物の瞳にひかれ、いつも不思議なほどにパワーをもらっているんです。

MUSHUKOさんは、絵を描くときに何か意識していることはありますか?

「絵を描く時はなるべく、何も意識しないようにしています。

これまでイラストレーターの仕事を長年していて、クライアントに対して要望に合わせたものを描いたりしていたけれど、アートはなるべく自由に描くことにしているんです。

描く前に色々なイメージはあるけれど、色のイメージが始めに浮かんで、こういう色を使いたいなって思いながら描いています。だから、なるべく感覚で描くようにしているんですよ。

誰かが部屋に飾るっていうことは、そこにむだな説明みたいなものが入ってこないほうがいいなって思うんです」

 

意識せずに感覚で絵を描くということ。それが、MUSHUKOさんの絵の中に、柔らかくも力強くも表れていました。

絵のイメージとなった、赤ずきんをかぶったMUSHUKOさんの愛犬

絵のイメージとなった、赤ずきんをかぶったMUSHUKOさんの愛犬

春のちょうちょになる

絵を描くことは、良いエネルギーを転写すること

— MUSUHKOさんにとって絵を描くとはどういうことですか?

「私は、色々なところから力をもらっているんです。何かを食べたり、聞いたり、香りをかいだりして、良いエネルギーを沢山もらっていっぱいになった時に、それをどこかに出したい!っていう気持ちになるんです。その沢山もらったエネルギーを転写することこそが、絵を描くことだと思っています。自分の中だけだと、以前は何かもやもやしてしまったり、怒ったり、エネルギーがあり余っていたんですけど、今はもらったエネルギーを外に出すということが、絵を描く原動力になっています」

— エネルギーを外に出すことそのものが、MUSHUKOさんが生み出す絵になるんですね。絵はいつ頃から描いていらっしゃるんでしょうか?

「ペンを持てる頃から描いているかなぁ。小さい頃はファッション画や少女漫画が好きだったので、真似して描いていましたよ。

小さい頃からアウトドア派ではなかったので、ずっと絵を描いていました。

それから、専門学校の頃はインテリアデザインに興味をもって学んでいたんですけど、住宅になると建築などを学ばなければならなくてね。建築関係のところでアルバイトをしていたんだけど、組織に入るのが苦手だったのか、あまりなじめなかったですね。

それから10年くらいは、フリーランスでグラフィックデザインをしていました。

当時は、グラフィックデザイナーが集まった会社に所属して、同い年くらいの人と一緒にお仕事をしていました。イラストレーターとしては、雑誌の挿絵や、絵本の表紙など幅広くやらせていただいていましたね。

 

そしてある時、近所のカフェのオーナーに「お店の壁に絵を飾らない?」って声をかけてもらったんです。その時に、イラストではない絵が良いかなと思って、描いてみたのが今の絵に至るきっかけです。

そして、15年間一緒に生活してきた犬を通じて感じた、社会のつながりなどから色々な影響を得たので、それを絵に表現してみたんです」

 

MUSHUKOさんが今の絵を描き出すきっかけが、カフェのオーナーさんの一言だったことにまた驚きました。お話を聞いていて、まるでドラマのような、偶然のような必然のような出来事だなと感じました。

絵が「今日も一日頑張ろう!」のエネルギーに

— これまでにCreemaで200点以上の作品を販売されていますが、特に印象に残っているお客さまとのお取引はありますか?

 

「お客さまからは自分が想像もしていないような、作品と自分をリンクさせた視点をもって運命的にご購入いただくことがあります。例えば「この女の子の絵は、私のもとに来る絵だと感じました」という風にね。

相手がエネルギーを受け取ってくれて、それを思って飾ってくれるのはとてもうれしいですね。

 

作品は現実的には「売る」ということになっているけれど、外にどんどん出て行って、エネルギーを受け取ってもらえたら、うれしいなと思っています。

友人が絵を買ってくれることはあっても、Creemaのようなウェブサイトで見て買ってくださるってことは、とても低い確率で出会って、自分との関連性を見てくださっているっていうこと。とっても素敵だなと思っていますよ。

そして、ほとんどの方から、「朝出勤する前に、今日も1日頑張ろうっていう気持ちになります!」っていうコメントをもらえて、とってもうれしいです」

木のあるところに気は宿る_1

大好きなオレンジと黄色の「笑顔の似顔絵」

最後に「針生さんの似顔絵を描きますよ!」とMUSHUKOさん。

私は緊張した顔つきで、似顔絵を描いていただきました。うれしくて飛び跳ねてしまいそうでした!

 

MUSHUKOさんはペンを取り出し、私の顔を優しい表情で見つめ、紙に描き出しました。その間はMUSHUKOさんの作品やご一緒したイベントの話で盛り上がって、数分間があっという間にたって…「出来上がりました!」とMUSHUKOさん。

完成した似顔絵は、私の大好きなオレンジと黄色に包まれ、優しい雰囲気に仕上げていただきました。MUSHUKOさんからは私がこういう風に見えるのかな?と、ちょっとうれしくなりました。

地元の方々にも愛されるMUSHUKOさんの足あとをたどって

インタビューの後に、MUSHUKOさんがよく行くという、おすすめのお店を2つご紹介いただき、足を運んでみました!

 

1つめは、会場のTeppoを出てすぐにある移動販売車の鯛焼き屋さん「一丁焼このは」です。

レジには、MUSHUKOさんの作られた置物がちょこんと置いてありました。

「先ほどMUSHUKOさんにお会いしに行ってきたんですよ!」とMUSHUKOさんのお話をしながらいただく鯛焼きは絶品でした。もっちりとほんのり甘くとても美味しかったです。

 

2つめは、優しいたたずまいの、辻堂ちかくのカフェ「おもて珈琲」です。

ゆったりとした落ち着いた雰囲気で、とっても美味しいコーヒーをいただきました。何より、店主さんがとても明るく、MUSHUKOさんのお話をすると、「私もMUSUKOさんとMUSHUKOさんの作品が大好きでね!」と素敵な笑顔に。お店には、MUSHUKOさんが描いた店主さんの似顔絵も飾ってありました。

 

地元の方々にも愛されているMUSHUKOさんの、また新たな魅力を知ることができました。

インタビューを終えて

インタビューの最後に似顔絵を描いてくださった時に、うれしさのあまりに、 MUSHUKOさんの前で涙があふれだしてしまいました。

MUSHUKOさんの絵に対する熱い思いに触れて、この一瞬一瞬がとても素敵な時間に感じられました。

絵を描くことは自分にとって「もらったたくさんのエネルギーを転写するもの」と語ってくださったMUSHUKOさんの言葉に、感動してしまいました。

 

何気なく過ごしている生活の一部をエネルギーに置きかえるMUSHUKOさん。視点を変えて「絵」として改めて見てみると、また違った見方ができました。

 

私も色々なところから得たたくさんのパワーをいつか形にして、人を笑顔にさせることを創りあげたいなと思います。

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