〈メルマガエッセイ#4〉くらげのガラスペンに、一目惚れ｜ランプワーカー・a_beeさん

ある作品に、一瞬で目も心も奪われた……みなさん、そんな経験はありますか？

私はあります。

ふとCreemaを眺めている中でパッと目に留まり、気づいたら心を射抜かれていた......。数え切れないほどの作品の中で自分の「好き」と出会える瞬間は、とても尊いものです。

一目惚れのきっかけは一体何だったのか。どんな魅力に惹かれたのか。当たり前の日常の中にふと訪れる思いがけない出会いを語る、そんな場としてこのメルマガエッセイをお送りすることにしました。

第四回となる今回は、ガラス造形作家・a_beeさんの「くらげのガラスペン」との出会いについてお話しします。

ガラスならではの涼やかな透明感に、細部までうっとりと見入ってしまうようななだらかなラインと繊細なペン先。もはや文房具の域を越え、ガラスペンはその芸術品のような美しさから近年大きく注目を集めています。スマホやパソコンが当たり前のコミュニケーションツールとなり文字を書く機会が減ってはいるものの、美しい文具や色とりどりのインクを見ると、子どものように心がときめくのは何故なのでしょう。

Creemaにも、眺めているだけで心躍るような個性豊かなガラスペンがたくさん出品されており、目にするたびに「いつかこんな素敵なペンで文字を書いてみたい……！」という思いが募るようになっていきました。

数ある作品の中でも、一目で心惹かれたのがa_beeさんのくらげのガラスペン。ペン先のグリップ部分にはゆらゆらとくらげが泳ぎ、まるで小さな水槽のようです。洗練された雰囲気もありながら、遊び心も感じる唯一無二のデザインに一目で引きこまれていきました。

待ちに待った作品が届き箱をあけてみると、想像以上に上品な輝きと存在感にまず驚きました。氷のように透き通る淡い水色がガラスの魅力を引き立て、その美しさは、「綺麗……！」と思わず声をあげてしまうほど。優雅に泳ぐくらげは、繊細な足の一本一本まで全てガラスで作られているというのが驚きです。ぷくぷくと不規則に入った気泡も、まるで本物の水の中のような雰囲気でなんとも神秘的。

アート作品のように素敵な作品を、箱にしまいこみ文字を書く時だけ登場させるのはもったいない！そう思った私は、常に見えるようお部屋に飾ってインテリアとしても楽しんでいます。

見た目の美しさはもちろん、書き心地の良さもガラスペンの大きな魅力のひとつ。細やかなペン先が紙に擦れるカリカリとした感触と摩擦音が心地よく、どんどん文字を重ねていきたくなります。ペン先をインクにひたすと、先端の細かい溝にインクがのぼっていく様子もなんだか不思議で面白いです。いつインクが切れるんだろう……と初めはどきどきしながら書き進めていましたが、一度インクをつければ小さな便せん一枚分は書くことができ、黙々と“書く”楽しみに浸れるのも嬉しいポイントでした。使うインクの色によってガラスペンの印象も変わるので、インクの色との対比を楽しみながら、ガラスペンのいろんな表情を見つけていきたいなと思っている今日この頃です。

手に心地よい、ほどよい重みのガラスペン。使い終わった後水に浸してお手入れをするひと手間も、愛おしい時間です。

大切な人への手紙や、日々のことを綴る日記。自分の心と向き合う時間を、美しい文具で彩ってみませんか。

次はどの作品について語ろうか…考える時間もまた幸せです。

どうぞ次回もお楽しみに。

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