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「今、私が会いたい人」修理をしながら、ずっと長く使っていただけるものを。|革小物作家・AmakusaFactoryさん

「今、私が会いたい人」修理をしながら、ずっと長く使っていただけるものを。|革小物作家・AmakusaFactoryさん

こんにちは。クリーマの安部です。

僕が今回お話しを伺ったのは、思わず目を奪われるような美しい革小物を作っていらっしゃるAmakusaFactoryの西森さんです。

 

2017年4月に新卒でクリーマに入社した僕が、社会人になった初任給で親にプレゼントしたもの。それが、AmakusaFactoryさんの革小物でした。

 

プレゼントを決めるときには姉にも相談にのってもらい、数ある作品の中でも一際目立っていた革の色合いや、デザインの美しさに惹かれて購入を決めました。仕事で設計や図面を書くことの多い父へのプレゼントとして選んだのは、革のペンケースです。

 

そんな、思い出に残る品を作っていただいた作り手の方に、直接お会いしてみたい!と思い、今回はインタビューに伺いました。

16年間勤務した会社をやめて、ものづくりの道へ

- ものづくりを始めたきっかけについて教えていただけますか

実は小さい頃からものづくりでの生活を目指していたわけではなく、16年間ずっと広告会社に勤めていました。新卒から一つの会社に勤めていましたが、何かおもしろいことをやってみたい、自分にしかできないことを一生の仕事にしたい、と思っていました。

 

40歳を目前に、会社を辞めて退路を絶った時、これまで何の接点もなかったのですが路上での靴磨きをはじめてみました。自分の殻を破る、何かをしたかったんです。

 

新しいことを始めたら、何か新しい発見があるのではないかと。普通のことや、他の人と同じことではないことをやってみようと思いました。

靴磨きから、ものづくりへ

毎日毎日、靴磨きをやっていると、お客さまから「これはこんな革を使っているんだ」といった、靴や革についての話を耳にする機会が増えてきました。

 

その会話についていけなくて。これはお代をもらっている仕事ですから、靴の構造や革について知識を身につけた上でサービスをしなければいけない、と思いました。

 

そこで、思いきって手製靴の学校に入学したんです。基本からきちんと学びたいと考えました。卒業後は学校で学んだことを生かし、靴作りと靴の修理を仕事にするようになりました。

 

そうすると、今度はお客さまが財布をお持ちになって「これ気に入っているんだけど、ボロボロになっちゃって。同じような財布を作ってくれないかな?」そんな一言が、革小物づくりの最初のきっかけでした。

思いがけず出会った「革」が一生の仕事に

革って、一つひとつ表情も違いますし、完成した後も使い方によって色が変わりますし、本当に個性豊かでおもしろいんです。だからこそ、素材そのものの良さや作り方にはこだわっています。

靴を作るときと革小物を作るときでは、素材も道具も変わってきます。それぞれが完成したときはもちろん、使い続けていくうちに、より良い状態になっていくことをイメージして使い分けています。

靴磨きをきっかけに、思いがけず出会った革職人の道ですが、今となっては、私の人生になくてはならないものになっています。大きな会社で分業制の仕事をプロフェッショナルに担当するのも楽しいですが、仕入れからデザイン、制作、販売、その後の修理やフォローまで。全てを一人でやるのが自分には合っているのかもしれません。今はずっと続けたいなと思っています。

お客さまの声からアイデアが生まれる

- 新作はどうやって生み出しているのでしょうか?

革の学校に通ったきっかけも、革小物の制作をスタートしたきっかけもそうでしたが、新作のアイデアもやっぱりお客さまの声からいただくことが多いです。

 

例えば、このカードケースもそうです。ここを引っ張るとカードが出てくるんです。「こういうの面白いから作ってみてよ」とお声をいただき、試行錯誤の上、商品化に至りました。

イタリア製リスシオ レザー カードケース 名刺入れ パスケース

眼鏡ケースについては、近所のおばあちゃんの声がヒントになりました。「パカっと開ける眼鏡ケースではなく、サッと入れられるケースが欲しい」と(笑)

 

デザインも大事ですが、使い勝手も大事ですよね。

 

イタリア製リスシオ レザー 手縫いメガネケース 

大切にしているのは「売りっぱなし」にしないこと

- ものづくりをする上でのこだわりがあれば、教えてください

経年変化を楽しめる「革」を素材にしている、ということもありますが、どれも「売りっぱなし」にはしたくないと思っています。おかげさまでリピーターの方も増えてきたので、「調子はいかがですか?」といった感じで、お声掛けするようにしています。

 

修理をしながら、ずっと長く使っていただける“ものづくり”が出来たらいいな、と思っています。

今回、安部さんから「初任給で買ったんです。ぜひ直接お会いしたい。」と連絡をいただいた時は嬉しかったですよ。大切な記念の品として選んでもらえたなんて。

 

安部さんのお父さまにも、長く使ってもらえたら嬉しいですね。

>>実際にプレゼントしたペンケースがこちら(父の手と実物)

>>実際にプレゼントしたペンケースがこちら(父の手と実物)

イタリア製リスシオ レザー手縫い ペンケース

インタビューを終えて

はじめてのインタビューで緊張している僕に、冗談を織り交ぜながら楽しい雰囲気を作ってくださる、気さくな西森さん。その一方で、お客さまの声から学校に通ったり、革小物を作るようになったり。お客さまの声に心から耳を傾け、ものづくりと真摯に向き合うとても素敵な方でした。

 

西森さんが手がける、素材を生かした丁寧であたたかい作品は、そんな作り手の気持ちがこもっているようでした。今回のインタビューで、素敵なデザインや使い勝手の良さの背景に、一つひとつストーリーがあることを知り、初任給でのプレゼントをAmakusaFactoryさんで購入して、本当に良かった!と改めて実感しました。今度実家に帰ったら、西森さんに伺った話を父にも伝えたいと思います。

 

皆さんも大切な人への贈りものに、いかがでしょうか。お相手のことを考えて選んだ素敵なアイテムとともに、作り手のストーリーも添えて贈ってみてください。きっと、これまで以上に想いが伝わるはずです。

写真左:AmakusaFactory-西森さん、写真右:クリーマスタッフ安部

AmakusaFactoryさんのギャラリーはこちら

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