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「ハンドメイドインジャパンフェス冬(2020)」出演アーティスト特別インタビュー【Vol.3:王舟さん】

「ハンドメイドインジャパンフェス冬(2020)」出演アーティスト特別インタビュー【Vol.3:王舟さん】

こんにちは、クリーマの針生(はりう)です。

 

いよいよ今週末に迫った「ハンドメイドインジャパンフェス冬(2020)」(以下、HMJ)へ向けて、初の試みとしてスタートした出演アーティストへの特別インタビュー企画。
当日会場を盛り上げてくださる素晴らしいアーティストさんたちについて、これまで知らなかったという方や、普段あまり音楽に触れる機会がない方にも、もっともっと知っていただきたい。そんな思いでお届けしています。

 

第3回のインタビューにお答えいただいたのは、これまでHMJをはじめ、Creema主催のイベントに数多く出演いただいている王舟(おう しゅう)さん。音楽の道を歩まれた経緯や楽曲制作におけるこだわり、HMJへの思いなどを教えていただきました。

王舟 Oh shu

王舟 Oh shu

【王舟 PROFILE】
2014年7月、多くのゲストミュージシャンを迎えてバンド編成で制作したデビューアルバム「Wang」をfelicityからリリース。2015年11月、12インチ重量盤シングル「ディスコブラジル」をリリース。B面にはnakayaan(ミツメ)によるリミックス収録。「ディスコブラジル」のミュージックビデオは、UKのアーティスト、KINDNESSことアダム・ベインブリッジが監督。2016年1月、たったひとり、宅録で制作した2ndアルバム「PICTURE」をリリース。2016年9月、MOCKYによるリミックスが収録された7インチシングル「Moebius」をリリース。2018年5月、BIOMAN(neco眠る)と共作でインストアルバム「Villa Tereze」をイタリアにて制作、NEWHERE MUSICからリリース。2019年5月、宅録とバンド演奏を融合させた3rdアルバム「Big fish」をリリース。
バンド編成やソロでのライブ活動のほか、CMへの楽曲提供、他アーティスト楽曲へのゲスト参加、プロデュースなども行っている。

※オフィシャルサイトはこちら

音楽の道を歩んだきっかけ

―今回はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。まずは王舟さんの音楽活動について伺っていきたいと思います。音楽の道に進まれたきっかけは何だったのでしょうか?

子どもの頃に友人がギターを弾いているのを見て、かっこいいなと思って自分も始めてみたのが最初だったと思います。始めた当初は音楽の道に進もうとまでは考えていなかったのですが、子どもながらに「会社勤めは向いていないかな」とは思っていて。自分で曲を作るようになった頃から徐々に「音楽を仕事にしていきたい」という気持ちが芽生えていきました。

―初めて曲を作られた時のことを教えてください。

中学生の時に、映画を観た影響で作曲にチャレンジしてみました。歌詞を全部英語で書いたので、学校の英語の先生に文法を確認してもらいに持っていきましたね。優しい先生だったので、丁寧に付き合ってもらえたのを覚えています。

高校生くらいまでは、放課後はゲームをやっているか曲を作っているか、という風に趣味として曲作りを続けていました。「カセットMTR(マルチトラック・レコーダー)」という4つくらいの音を重ねて録音できる装置があって、それで曲を作り、学校で友人に聴いてもらったりしていました。

―趣味だった音楽をキャリアにしていこうと決められたきっかけは何だったのでしょうか?

高校で仲良くなった友人が中学からバンドをやっている子で、その子が「将来、自分は音楽で食べていくんだ!」という話をよくしていたのが一つのきっかけだったと思います。
それまでそういうことを真面目に考えている人と会った事がなかったので「そういう選択肢もあるんだ」と興味が芽生えていった感じですね。学校の授業や勉強が面白くないな、と思うようになった時期と重なったこともあり、「じゃあ音楽をちゃんとやろう」という気持ちになったというか。

イメージからあえて「ずらす」ことも。完成を意識しすぎない曲作り

―楽曲制作において、特にこだわっている点を教えてください。

制作を続けていると、だんだんと作り始めた曲がどのような完成形になるのか、早い段階で分かってくるようになってきます。依頼を受けた仕事であれば、完成イメージを持ったうえで取り組むことも大切なのですが、純粋に自分の作品やアルバムを手掛けているときは、逆に固めすぎてしまうとそれ以降の工程がすべて作業になってしまう気がするので、あえて「こうなるな」という方向からずらしていくようにしています。

全然ポップじゃない出発点から生まれた曲でも紆余曲折を経てポップな曲に仕上がることもありますし……後から自分の曲を聴いて「なんでこんな曲作れたんだろう?」と思えるような形に着地できて、かつシンプルな形でそう思える曲ができたときは、すごく楽しいと感じますね。

王舟 "Lucky"(Official Music Video)

―始めから「こうしよう」と固めすぎないで、制作過程の中で作品を練っていかれるんですね。曲作りにおける「紆余曲折」というのは、具体的にどのようなプロセスなのでしょうか?

自分がよくやるのは「作ってから一度放っておく」ということです。同時並行で複数の曲を作っていって、試してみたことがハマらなければ、その曲は2,3日寝かせておきます。その間にまたアイデアが生まれることもあるので、あまり完成させることに固執せず進めていくイメージですね。それでもやっていく中で完成にはたどり着くので。

―日頃どのようなことからインスピレーションを受けていらっしゃいますか?

正直これというのはあまりなくて、日々インプットした様々なものから無自覚に影響を受けているという感じだと思います。ただ、自分の価値観が揺れ動くような体験をすることは意識しています。

ずっと同じ場所で同じようなものに触れているばかりだと、価値観に変化が生まれず、引き出しも増えません。例えば映画を観るときは、エンターテインメントとして純粋に楽しんで観るのも良いと思いますが、それを観ることで価値観が揺さぶられたり、自問自答できたりするような作品を観るとか。ツアーで普段行ったところのない所に行ってみて、そこの人々の暮らしを見てみるとか。そういった体験が積み重なって、無意識に自分の作るものに反映されているのだと思います。

王舟 Oh Shu "瞬間" @Shibuya WWW(2014)
(今回のHMJのPVに使用させていただいた楽曲)

初のトリオ編成ライブを披露!HMJへの思い

―これまでHMJをはじめ、Creemaのイベントに何度もご出演いただいていますが、抱かれているイメージがあれば教えてください。

作家さんたちが自分の作品を自分で売っているというのがすごくいいなと思っていて、しかもそれがフェスという形で集まっているので、迫力のあるイベントだと思っています。毎回ライブの前にマーケットエリアを回っているのですが、皆さんの作品を見ていると、直接会話をしていなくてもコミュニケーションをとっているような気持ちになります。作家さんに会いにいく場、というイメージを持っています。

先ほどの話にも繋がりますが、自分にもっていないものを持っている人がいたり、普段接することのない人の暮らしぶりが見えたり、色んな価値観が集まっている場所なのがいいですよね。

(HMJ2016にご出演いただいた際のライブシーン)

クラフト作品は、CD等とは違ってそれ自体の持つ時間軸が見えるような気がして、そこがすごくいいなと思っています。その作品が完成するまでの工程を想像するのも面白そうですし、それを家に持ち帰った後どう使うか、というイメージもできますよね。CDは曲を聴く瞬間は楽しめると思いますが、その後経年変化を楽しめるものではないので、そこはクラフトならではの良さだなと思います。

―当日のライブを楽しみにされている、来場者の皆さんへも一言メッセージをお願いいたします。

HMJは3回目の出演になりますが、今回は僕自身初めてのトリオ編成でのライブステージをお届けします。トリオ編成はアコースティックな楽曲との相性がよく、会場の雰囲気とも合いそうだと思っているので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

―最後に、今後の活動目標やチャレンジしてみたいことがあれば、教えてください。

実は、今ちょうど『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系列、1/10(金)深夜0時12分放送開始)というドラマの劇伴(伴奏音楽)を作っていて、それが自分にとって新しいチャレンジなんです。かなり面白い作品なので、興味のある方はぜひチェックしていただけると嬉しいです。

取材を終えて

第1回のトクマルシューゴさん、第2回のkiki vivi lilyさんに続き、第3弾としてお届けした王舟さんの特別インタビュー。優しく包み込まれるような王舟さんの楽曲たちがどのようにして生まれているのか、すこしだけ垣間見ることができた気がしています。

今回の企画を通して、3名の音楽アーティストさんに取材をさせていただきましたが、同じ音楽というジャンルでも曲作りのアプローチや楽曲の特徴、大切にされている哲学はさまざま。それでも真摯に音楽に向き合う姿勢や、ものづくりへの思いはやはり共通するものがあり、とても熱く心に響きました。

王舟さん、ありがとうございました!

 

日々熱い思いで音楽と向き合うアーティストの皆さん、ものづくりに情熱をかたむける出展クリエイターの皆さん、そのクリエイティビティを全力で体感して楽しむ来場者の皆さん。みんなの思いが一つになって、2020年一度きりのHMJはきっと忘れられない2日間になると思います。

ハンドメイドインジャパンフェス冬(2020)、いよいよ今週末開催です!

《いよいよ今週末開催!》ハンドメイドインジャパンフェス冬(2020) in 東京ビッグサイト

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