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真珠(パール)とは?種類と意味、シーンに合わせた選び方|アコヤ・淡水・バロックの違い
普段のおしゃれにはもちろん、入学式・卒業式、結婚式をはじめとした冠婚葬祭など、さまざまなシーンで活躍してくれるパールのアクセサリー。フォーマルな印象が強いかもしませんが、真珠(パール)は色や形など種類も豊富で、カジュアルなスタイルにも馴染んでくれるものも。
この記事では、そんなパールアクセサリー選びがもっと楽しくなる真珠(パール)の種類とその違い、見分け方についてご紹介します。アコヤパールや淡水パール、バロックパールなど、種類も豊富な真珠の種類を知れば、シーンに合わせて上手にアクセサリーが選べるようになるはずです。
目次
● 貝が生み出す美しさ。そもそも真珠(パール)とは?
● パールに込められた意味・石言葉
● 6月の誕生石である真珠(パール)
● 天然真珠と養殖真珠の違いって?
● 色も形もさまざま。真珠(パール)の種類を紹介
− 世界中の憧れ。日本の「アコヤパール」
− 可憐でまろやかな輝きが特徴。「淡水パール」
− こっくりと深い大人の輝き。「黒蝶真珠」
− 存在感たっぷり。大ぶりで豪華な輝きの「白蝶真珠」
− 天然ならではの個性を楽しむ、「バロックパール」
− 日常で楽しむ、「イミテーションパール」
● 個性豊かなパールのなかから、シーンに合わせたアクセサリーを選んで
貝が生み出す美しさ。そもそも真珠(パール)とは?
真珠(パール)とは、海や川、湖で採れる二枚貝の中から採取できる宝石のことを指します。パールをつくっているのは、実は貝殻とまったく同じ成分です。貝の中に偶然異物が入り込んだことがきっかけとなり、貝殻と同じ成分が貝の中で分泌され、その成分が何層にも重なって丸くなることでパールが成形されるのだそう。
また、パールは人類が初めて出会った宝石だともいわれています。鉱石と違って研磨等の必要がなく、採れたままの状態で美しいパールを、古くから人々はアクセサリーやジュエリーとして身にまとってきました。
パールに込められた意味・石言葉
パールの石言葉は、「純粋無垢」・「純潔」・「富」・「健康」などがあります。その白いイメージや、貝の中で育まれることから、家族の愛の象徴とも。パールが円を描くように連なったネックレスは、"縁を結ぶ" ともされ、家族の愛を象徴する結婚式にも好まれて使われています。
また、パールは「人魚の涙」や「月の涙」と呼ばれ、涙の象徴としても知られています。葬儀で身につけても良いとされている唯一の宝石であるのも、これが理由です。
6月の誕生石である真珠(パール)
真珠(パール)は、ムーンストーンやアレキサンドライトと並び、6月の誕生石としても有名です。誕生石とは、1月から12月までそれぞれの月にちなんで決められた宝石のことで、誕生石を用いたアクセサリーは大切な人への贈り物や自分へのご褒美として人気を集めています。
天然真珠と養殖真珠の違いって?
真珠(パール)は、「天然真珠」と「養殖真珠」、大きく分けてこの2つに分類されます。
「天然」、「養殖」という言葉を見ると、天然真珠の方が良いのでは? と思われるかも知れませんが、真珠に関してはどちらも美しさには優劣がなく、どちらも美しい点では変わりありません。
では、天然真珠と養殖真珠の違いは何か。それは主に、真珠の中の構造の違いです。
貝の中に偶然小さな異物が入り込んだことがきっかけとなり、貝の中で形成される宝石が真珠ですが、天然真珠の場合はきっかけとなるのは細胞単位の小さなもの。ほとんどが真珠の中心まで真珠層でできています。
一方で養殖真珠の場合は、貝に人工的に核と呼ばれる球体の異物を入れることで、貝の作用を利用して真珠をつくっています。見た目は天然真珠と全く変わりないですが、その断面に核があるかどうかで、天然真珠か養殖真珠かを見分けることができます。
天然真珠も養殖真珠も、同じ貝の自然の力を利用してつくられていることには変わりなく、真珠自体の外観だけ見て見分けることはとても困難です。
天然真珠は核がないことから、成形されるのにも長い年月がかかり、綺麗な形の真珠ができることもわずかです。その希少性から、丸くてより美しい天然真珠には高い価値が付けられてきました。
とくに真珠の養殖ができるようになる以前は、真珠は幻の宝石とされ、とても高価なものとして扱われてきたのも事実です。
色も形もさまざま。真珠(パール)の種類を紹介
「真珠」と聞くと、白くてつやつやと美しい、丸い珠を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実は真珠の色は、真珠を生む母貝の種類や、育つ海域などに影響され、また採取後の加工で色の調整が行われるなど、さまざまなバリエーションがあります。ここでは、主に養殖されている海産真珠3種と、淡水真珠についてご紹介します。
■ 世界中の憧れ。日本の「アコヤパール」
日本でつくられていることで名前もよく聞くのが「アコヤパール」です。1858年に御木本幸吉が世界で初めてアコヤパールの養殖に成功し、今日でもアコヤパールのおよそ9割が日本でつくられています。真珠表面のてり、透明感のある白さなど品質の高さから、日本のアコヤパールは世界中で愛されています。
よく知られているホワイト、クリーム系の色以外に、ピンク、イエロー、グリーン、ブルーなどさまざまな色があります。
このアコヤパールは、冠婚葬祭などフォーマルなシーンでも間違いのない真珠の種類のひとつです。
形も綺麗なラウンド型のものが多く、控えめな大きさのものが一般的で派手すぎないのがその理由。冠婚葬祭には白、黒、グレーのいずれかの色から選んで着用していくのがふさわしいとされています。
■ 可憐でまろやかな輝きが特徴。「淡水パール」
「淡水パール」とは、川や湖など淡水に棲む貝がつくる真珠を総称のこと。
海水産のパールと比べて小粒なものが多く、その輝きはまろやかでやさしいのが特徴です。現在、淡水パールはほとんどが中国で養殖されており、日本では滋賀県の琵琶湖や茨城県の霞ヶ浦などで、ごくわずかに育てられています。
小さめのサイズが控えめながらも美しく、その特徴からたくさんの淡水パールを使った派手すぎない華やかな印象を持ったアクセサリーが多いような気がします。
入学式や卒業式などセミフォーマルなシーンから、カジュアルなシーンまで、幅広く活躍してくれるのが淡水パールです。
淡水パールでは一般的に母貝の表記はされませんが、主に「イケチョウガイ」や「ヒレイケチョウガイ」などが母貝となります。色は白のほか、パステル調のオレンジ、紫、ピンクなどが多く産出されます。
■ こっくりと深い大人の輝き。「黒蝶真珠」
「黒蝶真珠」は、ほとんどがタヒチで養殖されていることから「タヒチ黒蝶真珠」という呼び方もよく聞きます。
母貝の黒蝶貝はその名の通り黒っぽい色をしており、そこから生まれる真珠もブラック系や、グリーンやイエロー、パープルなどでもほかの貝に比べ色が濃く、シックで深い輝きが特徴です。
黒蝶真珠とリーフのペンダント
黒蝶パールをはじめとした黒真珠のアクセサリーは、お悔やみの場やお葬式でも着用できます。パールは涙の象徴としても考えられており、パールのものを身につけることは悲しみの気持ちの表現にもつながります。
弔事で着用するのにふさわしいとされるパールの色は白、黒、グレーですが、特に黒真珠のアクセサリーは大人っぽくシックな雰囲気になるため、40代〜の女性にも似合う色合いです。
■ 存在感たっぷり。大ぶりで豪華な輝きの「白蝶真珠」
インドネシア、フィリピン、オーストラリアなど南の海で養殖されており、「南洋白蝶真珠」という呼び方もされる「白蝶真珠」。最大の特徴はつくられる真珠の大きさで、大きいもので約19ミリにもなることも。色はホワイト系のほか、ゴールド系、シルバー系などがあります。
「白蝶真珠」は、その大きさや華やかさから、結婚式の花嫁が着用することも多いパールです。パールの大きさとシーンによっては派手すぎる印象になることもあるので、気をつけながら選んでみてくださいね。
■ 天然ならではの個性を楽しむ、「バロックパール」
実は、完全な丸に近い真珠は、全生産量の1%にも満たないといわれています。貝という生き物がつくる真珠は本来、丸いものではないんです。
この真珠そのものの形状を活かした、変形した真珠のことを「バロックパール」と呼んでいます。個性的でカジュアルな装いにも不思議と馴染んでくれるバロックパールは、丸い真珠とまた違った魅力があります。
バロックパールは、若者〜幅広い世代で親しまれているパールで、Tシャツやスエットなど、カジュアルな装いを少しスタイルアップしたいときなどにぜひ選んでほしいパールです。
アクセサリーのデザインによってはカジュアルすぎる場合もあるパールではありますが、選ぶデザインに気をつければ入学式などのセミフォーマルな場面でも活躍してくれます。
■ 日常で楽しむ、「イミテーションパール」
真珠の輝きを人工的に再現した、いわゆる模造真珠(イミテーションパール)も、いまでは種類が豊富に揃っています。本物の真珠は汗や酸に弱いですが、イミテーションパールは真珠に比べると強く、価格も手頃なため日常で気軽に身につけることができます。
貝殻やガラス、プラスチックを核に、パールエッセンスと呼ばれる液体を何重にもかけて、真珠のような輝きを生み出します。核にするものでそれぞれ「貝パール」「ガラスパール」「プラスチックパール」などと呼ばれます。とくにプラスチックパールは軽いため、本物の真珠では不可能な、大粒のパールをふんだんに用いたボリューミーなデザインも可能になります。
個性豊かなパールのなかから、シーンに合わせたアクセサリーを選んで
ひとくちに真珠といっても、その色も形も本当に種類豊かで、それぞれの真珠が育った時間を感じさせます。
アコヤパールや淡水パール、バロックパールなど、大きさや形、色の違いでずいぶん印象も違ったのではないでしょうか。真珠の種類を知っていればパールアクセサリー選びもさらに楽しくなるはず。
パールをつけていきたいシーンや雰囲気に合わせて、自分らしいパールアクセサリー選びをしてみてください。