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「Creemaの気になる世界」愛情と感謝を包みこみ、軽やかに彩る - 糸玉ジュエリー作家|ひらり the airy jewelryさん
こんにちは。クリーマ編集部の川越です。
作家さんの魅力を1分間の動画でご紹介する「Creemaの気になる世界」クリエイター編。今回は、糸玉アクセサリーを制作されている、ひらり the airy jewelryのきたがわさえこさん(以下、ひらりさん)にお話を伺いました。
ひらりさんが大好きなのは、糸玉。絹糸を、中が空洞の球体型の糸玉アクセサリーに仕立て、オリジナルのアクセサリーとして販売されています。着けているのを忘れてしまうほど軽やかで、透け感のある丸いシンプルなフォルムの糸玉。
「今、とってきますね」と言って、部屋の天井に手を伸ばし、楽しげに糸玉をもぎるひらりさん。作業部屋の天井には大きめサイズの糸玉がゆらゆらと連なっていました。ではまずここで、糸玉の虜になったひらりさんの、制作秘話から糸玉への愛まで、動画でご覧ください。
続いて、作家活動をスタートしたきっかけや、ものづくりを通して芽生えた日々の思いなど、動画ではお伝えしきれなかったエピソードを当日のインタビューの様子とともにたっぷりお届けします。
「とにかくずっと作っていきたい」糸玉に魅了されて
ー糸玉との出会い、糸玉をアクセサリーにしようと思ったきっかけは何だったのでしょう
海外のクラフトサイトで、ゴム風船に糸を巻きつけて10cmぐらいの糸の玉を作っている映像を見たのが糸玉との一番最初の出会いです。その瞬間に、「一体これは何なんだ」と糸玉の不思議な存在感に自分でもびっくりするぐらい魅了されてしまって……。
でもそれでは大きすぎるので、どうにかして身につけられないものかと工夫を始めたのが、作家活動のスタートでした。実際に小さくすることに成功したら次は、この糸玉をとにかくずっと作っていたいと思うようになって、そんな時にそれを販売してほしいというお声をいただいたんです。作品として届けるためには、郵送に耐えられるくらい強度を上げなければいけないし、パッケージも作らなければいけない、など、人の手に届けるために必要なことをを少しずつ考えることで、だんだんと今の形になっていきました。
ひらり the airy jewelryさんの作品の中でも人気の糸玉シリーズのピアス・イヤリング。今年の春の新色が登場しました。淡いピンクの濃淡に、柔らかなグレーを組み合わせた春霞カラーは5月までの期間限定!3つの淡い春色と、アシンメトリーな左右の表情の違いをお楽しみいただけます。
3色の絹糸から生まれた、柔らかな色合いのイエロー、グリーン、ピンクのピアス・イヤリングも華やか。柔らかな陽ざしと芽吹きの春を感じさせ、心踊る軽やかな季節をいっそう彩ってくれそうですよね。ボリューミーな3つの糸玉が、それぞれに軽やかに揺れてお顔周りに華やかな印象を与えます。コットンやリネンなどの春夏の軽やかなお洋服にもぴったりです。
巻きたくてたまらない、巻き始めると止まらない
ー制作において、大切にされていることは何でしょうか
糸玉って基本的には、太めの糸を使ってしっかりと目の詰まった状態にしないとなかなか丸い形が出しにくいんです。素材が糸なので強度が心配というお声もいただくのですが、私の場合は、デザイン面での透け感と繊細さを失わないようにしながらも、アクセサリーとして長く身に着け続けられるようなしっかりとした強度を保たせることを意識しています。
一番好きな作業は糸巻きです。アイデア出しや、仕上げ、発送など、作品を一つ完成させるまで色んな工程がある中でも、「今日は糸を巻くぞ」という日になるとそわそわするんです。巻きたくて、巻きたくて仕方なくて、巻き始めると止まらまくなって……。何年経ってもそうなんです。何もないところから模様ができあがっていく瞬間がすごく好きで、糸を巻いている時は不思議な世界に行っているような気分になります。日が暮れてもずっと一日中巻いているので、家族からは糸巻き妖怪って呼ばれています……笑
もう一つ、次はプレゼントに。そう思っていただけるよう
ー活動を続けられる中で嬉しいと感じる瞬間はどんな時でしょうか?
イベントで初めてお会いするお客さまももちろんなのですが、「お久しぶりです」とイベントごとに毎回いらしてくださるお客さまは本当に励みになっています。サイトではプレゼント用にご購入いただいたり、ご自身用として購入されたものを今度はギフトでと選んでいただいたり、一度私のアクセサリーに触れていただいた方がもう一つと思ってくださることが一番嬉しいですね。
ーこのアクセサリーの魅力は何だと感じていますか?
これを一つ身に着けるだけで自分らしさを出せるという点に自信を持って制作しています。個性的な形なので万人の方が好きと言ってくださるかどうか、着けたいと思っていただけるかは分からないですけれど、これをいいと思って身に着けてくださる方にとってその人らしさを表現するアイテムになったらいいなと思っています。
一つだけ自慢に思っていることがあるんですけど……。糸玉は色やサイズが選べることもあって、10代の女の子から70代以上のご年配の方まで、お客さまの年齢層も幅広いんです。お客さまお一人おひとりがご自身に合った糸玉ジュエリーを見つけてくださることが私の喜びになっています。
できることなら糸玉の中に入りたいんです
ーどのような思いで制作を続けられているのでしょう
この作品を好きだと言ってくださる方に、いい糸玉ジュエリーを届け続けたいというのが今の一番の思いです。それと同じくらい、この糸玉への偏った私の情熱がどこまで続くのかという好奇心もあります。
私はこの糸玉をずっと作り続けて、一体いくつ作るんだろう。どうしてこんなに作り続けるのか、よく考えるんです。シルエットはシンプルなんだけど、すごく複雑な構造になっていたり、確実に個体なんだけどぎゅっとしたら潰れてしまったり、相反する真逆の性質が糸玉の中に詰まっているところが私は好きなんだろうな、という答えにやっとたどり着きました。毎日生きていると白黒つかないことや、何が良い悪いとはっきり言えないことも多いですが、そういった言葉にしきれないものが糸玉として形になっているような気がしています。
まずは、お客さまへの感謝を
ー作家活動をスタートされてから今日まで、いかがでしたか
作家活動を始める前は、自分が思う方向になかなか進まない時期がありました。そんな時に、じゃあ、一度全てを取り払って自分が好きなものや、やりたいことをやってみたらいいんじゃないかと思ったんです。そのタイミングで糸玉と出会い、糸を巻き続けたことでお客さまが目に留めてくれました。たくさんの素敵なお客さまとの巡り合わせで、今でも糸を巻き続けることができています。だって、私が糸を巻き続けてもお客さまが買ってくださらなかったら私のお部屋は糸玉だらけになる一方で、埋もれてしまいますからね……笑。冗談のようですが、こんなに糸を巻かせていただいて、お客さまには本当に感謝の気持ちしかないんです。この思い、伝わっていますか!?
私が大好きなこの糸玉を、同じように好きと言ってくださる方に出会えたことが本当に嬉しいんですよね。糸玉を通してお友達になれたような思いで、この気持ちを輪を作るようにしてたくさんの方と共有していけたら嬉しいなと思っています。そのために私は、これからも質の良い糸玉ジュエリーを作り続けられるよう努力もしていきたいですし、身に着けてくださる方を引き立たせる最高の脇役になれるような作品作りに励みたいと思っています。
インタビューを終えて
これまでに、ハンドメイドインジャパンフェス(HMJ)などのイベントにご出展いただくなど、何度もお会いしたことはありましたが、じっくりとものづくりについてインタビューさせていただくのは今回がはじめて。はじける笑顔が印象的なイメージのひらりさんでしたが、こんなにも糸玉への偏った愛で満ちた方だったとは、本当に驚きました。お話を聞けば聞くほど糸玉の不思議な世界へ誘われていくのと同時に、ひらりさんの糸玉への情熱もヒートアップ。
「今日は作品や私のことを知っていただく前に、お客さまへ日頃の感謝を伝えたいんです。」そう強く語るひらりさんの言葉や表情からは、糸玉への熱量にも負けないほどのお客さまへの感謝の気持ちで溢れていました。糸玉に囲まれて終始幸せそうに語る姿を見て、こんなにも愛情を注がれて生まれた作品たちだからこそ、多くの方々から愛されるのだと感じました。
最後には、私まで糸玉に魅了されたのか、はたまたひらりさんの情熱に圧倒されたのか、糸玉のイヤリングを購入させていただきました。耳元でふんわり寄り添ってくれる存在感がありながら、着けていないかのように本当に軽いので、ぜひ皆さんもこの軽やかな着用感を体感してみていただけたら嬉しいです。
さらに、販売中の定番作品以外にも、カラーやサイズをアレンジしたオーダー制作もされています。糸玉のカラーやチェーンの長さを変えたい、アシンメトリーに使いたいなど、お客さまのご希望に合わせた一点ものを作ってもらうことができますので、興味のある方はぜひ気軽にお問い合わせくださいね。