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捨てられるものに、命を吹き込む。廃材・端材を活用したクリエイター作品13選

捨てられるものに、命を吹き込む。廃材・端材を活用したクリエイター作品13選

こんにちは、クリーマの竹中です。

 

最近、ニュースなどでもよく「エコ」や「持続可能性」という言葉を耳にするようになってきましたね。先日、当ブログでも「Creemaで出来るエコなアクション」をご紹介させていただきました。その際は、主に買い手や使い手の目線でできるエコについて考えてみましたが、実はCreemaで活躍している作家さんの中にも、様々な手段でサスティナブルなものづくりを実現している方が多くいらっしゃいます。

 

そのままだとごみとなってしまう端材や廃材を活用して作品を制作したり、消耗品をリサイクル・アップサイクルして長く使えるものに作り変えたり、流通の都合で買い手へ届かなくなってしまったものに手を加えて蘇らせたり。掘り下げてみると、多くのクリエイターさんが、アイデアや工夫を凝らして大切にものづくりをされていました。

今回は、そんな作品をたっぷり13選お届けします。

アップサイクルとは?リサイクルとの違い

近年話題になることも増えてきた「アップサイクル」という言葉ですが、まだ聞き慣れないという方も多いかもしれません。

 

従来のリサイクル(再循環)は素材の原料化とその再利用のことを指す言葉でしたが、「アップ」という言葉がついているように、アップサイクルは元の製品や素材の特徴を活かしながら、さらに次元・価値の高いものを生み出す行為を指しています。

例えばアップサイクルの先駆けと言われている事例として、ドイツのブランドが自動車のシートベルトを耐水性のバッグへ作り変えたというケースも有名です。環境問題が強く呼びかけられるようになった今、持続可能なものづくりの方法論として注目を浴びているようですね。

クリエイターの手で生まれ変わる、木の廃材・端材

それでは、ここからは実際にそんなサスティナブルなものづくりを実現している作品たちをご紹介します。

木のカケラピアス

木工作家・cocochiさんは、材木店の一角で、本来ならば捨てられてしまう木材を活用してものづくりをされています。こちらの作品は、木材をレーザー加工した際に生まれる欠片に、カラフルな色付けを施したピアス。鮮やかな色と、温かみのある木の色味や木目のコントラストがユニークなアクセサリーです。

廃材木を使ったトースト皿

廃材作家・hakoshikiさんは工場や建設現場などで生まれた廃材木を使い、「廃材木らしくない」けれど「廃材木だからできるもの」をコンセプトに制作されています。

そんなhakoshikiさんが手掛けるトースト皿は、等間隔に削り出した三角形の凹凸が特徴的。この凹凸によって、焼き立てのトーストを置いたとき少しパンが浮き、蒸れを軽減させることができます。凹の底部分にはギザギザの細かいスリットを入れ、余分な湿気を吸いやすくしているのだとか。綿密に設計された、優秀な暮らしの道具です。

国産 桐の食パンケース(二斤サイズ)

桐匠 根津さんは、大正6年に創業した、群馬県みなかみ町にある老舗の桐製品専門店。桐を苗木から育て、切り、加工する工程をすべて自分たちの手で行うというこだわりを持ち続けています。

そんな桐匠 根津さんが手掛けるオリジナル雑貨ブランド「PAULOWNIA LEAF(ポローニア リーフ) 」シリーズは、板を切った際に出る端材を活かし、貴重な桐の国産材を有効利用するべく誕生したそう。こちらの食パンケースは、桐の特性によってパンの味・品質の劣化を抑えてくれます。長年の技術を駆使した作品です。

お片付けが楽しくなる「木」のカタチの本棚 【本のナル木】

暮らしの道具製作処 鈴木権之助商店さんは、長年、神社仏閣の仕事を中心に行ってきた漆・金箔・木工職人。漆や金箔の技術を生かしながら、そこで出る端材を使用した家具制作をされています。

こちらの木の形をした本棚は、子どもも楽しんで片付けができるような作り。部屋のアクセントになるインテリアで、一生ものとして長く愛せる作品です。

銘木端材のネクタイピン/ウモレギ

木製品の工房を営む丹野製作所さんは、作品制作の過程で生まれる希少な材木の端材を、ネクタイピンに仕上げることで活用されています。木製のネクタイピンは珍しいため、ちょっとユニークなアイテムとして目を引きそうですね。小さな端材も無駄にしない、アイデアが光る作品です。

寄木の名刺入れ チェック

白谷工房さんは、「何十年・何百年とかけて成長した木を大切にしたい」という思いから、古い民家を解体した木や建築現場で出た端材を使用して寄木細工の小物やアクセサリーなどを手掛けています。

こちらの名刺入れは、木の持つ独特の色合いを活かした美しい市松模様。材料の選別はあえてせず、節や虫食いの穴、時とともに朽ちた部分も自然が作り出した表情として作品に取り入れるのが、白谷工房さんのポリシーだそうです。

小さな切れ端も、余すところなく。レザーの端材を活かした作品

yacht-s(杤木レザーキーケース ナチュラル)

かばん作家・cluetoさんが手掛けたキーケースは、植物性タンニンなめしの栃木レザーを使った、小さな船をイメージした作品。お財布などを制作した際に生まれる端材を活かし、小さなケースにされています。鍵のほかに、印鑑やリップクリームなど、小物入れとしても活躍してくれそう。

パッチワークレザーシューズ カラフルグラデーション メンズ27.5cm

靴職人のガロチャさんが手掛けるこちらの靴は、なんと中敷きまでパッチワークで作られた芸術的な作品。パッチワークでも質の高い仕上がりになるよう、色合わせに徹底的にこだわって革を組み合わせています。どんなに良い革でも切れ端は捨てざるを得ないことが多いそうですが、そんな切れ端も生かせるデザインになっています。

そしてもちろん見た目だけではなく、履き心地や修理しながら長く履くことを考えて作られた、靴職人の技術がぎゅっと詰まった作品です。

はんこケース

https://www.creema.jp/item/318761/detail

wasabi CRAFTさんは、カバンや財布などを制作した際に生まれた革の端材を使い、はんこケースを制作されています。認印がすっぽりおさまるレザーケースは、高級感もありプレゼントにもしたくなりますね。ちょっとしたアイデアで、端材に命が吹き込まれた素敵な作品です。

蛍光灯が、こんなに素敵なガラス作品に。リサイクルガラス

フレッシュ!フルーツ! ガラス製箸置き

WORK SHOP +SOLOさんのフルーツモチーフの箸置きは、元気なビタミンカラーで食卓がぐっと明るくなりそう。実はこちら、蛍光灯を再利用した「リサイクルガラス」を使用して作られているんです。使い終わったら捨ててしまう蛍光灯が、こんなに素敵な作品に生まれ変わってしまう。そんな嬉しい驚きを感じる作品です。

水面 glass PRISM

硝子家すずめさんの手掛ける水面をイメージしたグラスも、蛍光灯をもとにした再生ガラスを使用して作られています。光に当たるとキラキラと輝き、幻想的な影を落とします。太陽にかざしてみながら、飲み物を楽しみたくなるグラスですね。

眠っていたストックが、職人の技術で蘇るアップサイクルプロジェクト

~染(sen)~ リネン100%プルオーバーブラウス 大帽子絞り抜染 サックス

伝統工芸とカジュアルを繋ぐツムギラボさんが手掛けたこちらのブラウスは、もともと新品の状態で在庫品になってしまった商品を伝統技術により生まれ変わらせる、アップサイクルプロジェクトの一環で制作されたもの。日本の絞り染め職人さんが一点一点手作業で染めているため、一着ごとに表情が異なります。眠っていた既製品を伝統技術で蘇らせた作品です。

大人向けTシャツの端切れで、子ども服を

赤ちゃんに最高の“はじめてのTシャツ” EIJI-Baby(エイジベイビー)オーガンニックコットンTシャツ

「人生で最高の一枚を」がコンセプトのTシャツ町工場・EIJIさんは、大人向けのTシャツを制作する際に余ってしまう端切れを再利用し、ベビー服に活用されています。もともと、「本当にいいものだからこそ、大人になってからではなく、まだ経験の少ない子どもの肌に覚えてほしい」とベビー服の制作を検討されていたEIJIさんですが、サイズが小さい分縫製などのコストがかさんでしまうという課題があったそうです。そんな中、端切れを有効活用することで極力費用を抑えた制作が可能になりました。

端材を再利用することが、作り手の課題解決に繋がることもあるんですね。

素材を大切に使う、持続可能なものづくり。

今回は、廃材や端材、デッドストックを活用して制作された作品たちをご紹介しました。クリエイターさんの創作力によって、ごみとなるものや役目を終えたものが、新たな形で蘇る。そんな素敵なサイクルがものづくりの世界で生まれています。

素材を大切に使い、素敵な作品を世に送り出す作り手と、それに共感して、作品を長く大切に使う買い手。そんな持続可能なものづくりとお買いものが未来のスタンダードになっていくと嬉しいですね。

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