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陶器のお手入れ方法 基本の"き"。陶器のうつわを買ったら最初にしたい2つのこと

日本で古くから使われ、独自の文化を育んできた陶器のうつわ。
作り手による手づくりの陶器のうつわは、手づくりならではの温もりがあり、食卓や料理を彩ってくれます。また、季節に合わせたうつわのあしらいは、四季の移ろいを卓上で身近に感じられる生活文化です。
一方で、作り手による手づくりの陶器のうつわは、食洗機が使えないことも多く、日常使いしづらいと感じている人もいるかもしれません。
陶器の日常使いをもっと手軽にするには、使い始める前のひと手間が大切。それだけで、毎日気軽に使えるようになるうえ、大切なうつわをずっと綺麗に使うことができるんです。たとえ、においやシミがついてしまっても大丈夫。家にあるものでできるお手入れ方法や対処法もご紹介します。
目次
● そもそも陶器ってどんなもの? 特徴と魅力
− 陶器とは?
− 日本で独自に育まれてきた、陶器の魅力
● これをすればずっと綺麗に。陶器を買ったら最初にしたい2つのこと
1. 「目止め」をする
2. 「高台」の確認をする
● 陶器の使い方や注意点・お手入れ方法。もっとうつわを愉しむには?
− 急激な温度変化や電子レンジに注意
− 陶器の洗い方・お手入れ方法
● においやシミがついてしまったときの対処法
− レモンを使って、陶器のにおいやシミを取る方法
− 重曹を使って、陶器のにおいやシミを取る方法
● 大切に愛用したい、Creemaでみつけた陶器のうつわ12選
● 陶器のうつわを生活に取り入れて、食卓をもっと豊かに。
そもそも陶器ってどんなもの? 特徴と魅力
陶器とは?
陶器とは、地中の粘土層から掘り出された粘土を用いて1000〜1300度で焼かれたうつわのこと。素地は茶色やグレーなど、土っぽい色をしていることが多いですが、"水分を吸う" という特徴があるため、大抵は釉薬(ゆうやく・うわぐすり)というガラス質の膜が掛かっています。
「陶器」と似たもので「磁器」がありますが、こちらはガラス質を含む石が原材料です。
陶器と磁器の見分け方は、軽く叩いたときの音。磁器はたたくと金属製の高い音がする一方、陶器は鈍い音がするのが違いです。
日本で独自に育まれてきた、陶器の魅力
カトラリーを使う西洋では、食事中もうつわはテーブルにおいたままですが、日本ではお茶碗などを手に持って食事をする文化があります。そのため、うつわを手にしたときの重さや手触りにこだわるようになったのだそう。
いまでは陶器のうつわは、生活を楽しむ道具として注目されてきています。作り手だけでなく、使い手が育てることができるという点に魅力を感じる人が増えてきているようです。
陶器は吸水性があり、使うほどに色や形の味わい、風合いが出ることがあるのもほかの素材にはないところ。素材感や土の温かさを感じることができるという点も多くの人を惹き付ける理由なのかもしれません。
これをすればずっと綺麗に。陶器を買ったら最初にしたい2つのこと
1. 「目止め」をする
陶器を長持ちさせたいと思ったら、まずは使う前に「目止め」をするのが大切です。陶器には目に見えない小さな凹凸がたくさんあり、そこに料理による水分が入り込むことで変色やにおい移りが起こってしまうんです。
「目止め」とは、その変色やにおい移りを防ぐために表面をコーティングすること。シミやひび割れの予防にもなります。
目止めに必要なものは、米の研ぎ汁だけ。米のでんぷん質が陶器の凹凸に入り込み、穴を塞ぐ役割を果たしてくれます。米の研ぎ汁がない場合は、小麦粉や片栗粉でも代用できます。
〈「目止め」のやり方・手順〉
1)大きめの鍋に、米のとぎ汁をうつわが完全に浸るくらいまで入れ、弱火で15〜20分ほど煮沸します。
2)煮沸が終わったら、鍋ごと自然に冷めるまで放置します。
3)冷めたら水洗いして乾かせば完了です。
2. 「高台」の確認をする
陶器を購入したら、「高台」を確認するのも大事なポイント。「高台」とは、うつわの底についた台座部分のことを指します。
高台の面にざらつきがあるとテーブルを傷つけてしまったり、重ねたときにほかの皿を痛めたりしてしまう原因に。
ざらつきが気になるときは、ほかの陶器の高台と擦り合わせることでざらつきを目立たなくすることができます。ざらつきが強い場合は目の細かいサンドペーパーで擦る方法もおすすめです。
陶器の使い方や注意点・お手入れ方法。もっとうつわを愉しむには?
余裕があれば試して欲しい、料理を盛り付ける前のひと手間
料理を盛りつける前に、温かい食べ物を盛り付けるときにはぬるま湯に、冷たい料理を盛り付けるときには冷たい水に、陶器をくぐらせてみてください。
温かい料理も、冷たい料理も、温度感を損なわずに美味しく食べることができます。
さらにこのひと手間で、油分や調味料が染み込みづらくなるので、においやシミもつかず、いつものお手入れだけで、うつわをずっと綺麗なまま使い続けることができます。
水を含んだ布巾でさっと皿を拭くだけでも、シミやにおい対策になりますよ。
急激な温度変化や電子レンジに注意
陶器は温度変化に弱く、電子レンジに入れてしまうと急激な温度の変化でひび割れてしまうことも。一回で変化がなくても、繰り返し電子レンジを使用することで傷みも早くなってしまいます。
最近では、電子レンジが使える陶器のうつわも多くみられるようになってきました。どうしても電子レンジを使いたい場合は、予め電子レンジが使える仕様でつくられた陶器のうつわを選ぶのがおすすめです。
陶器の洗い方・お手入れ方法
陶器の洗い方の基本は、使い終わったらなるべくすぐ、やわらかいスポンジで食器用洗剤で洗い、よく洗い流すこと。
洗わずに時間を置きすぎるとにおいがうつわ染み込む原因になってしまうので、なるべく使用後早めに洗うのがポイントです。
また陶器は水分を吸いやすいのが特徴。洗ったあとは、風通しの良いところでしっかり乾燥させることが大切です。乾き切らないまま、食器棚に仕舞ってしまうと、においやカビの原因になるので注意が必要です。
においやシミがついてしまったときの対処法
目止めをしていても、陶器ににおいやシミががついてしまうこともあります。そんなときの対処法をご紹介します。
〈レモンを使って、陶器のにおいやシミを取る方法〉
1)大きめの鍋に、レモンの絞り汁を混ぜた水をうつわが完全に浸るくらいまで入れ、弱火で15〜20分ほど煮沸します。
2)これを2〜3回繰り返します。
3)レモンの酸の力でにおいがすっきり。
〈重曹を使って、陶器のにおいやシミを取る方法〉
においが強く、それでも取れない場合は、重曹を使います。
1)水1リットルあたり大さじ4杯ほどの重曹を水に溶かします。
2)そこに陶器を半日以上浸け、丁寧に洗い流します。
3)完全に乾燥させてもまだにおいが取れない場合は、2〜3回繰り返します。
※ 酢大さじ一杯を重曹に加えるとさらに効果的です。
上記の方法でも取れない場合は、キッチン用漂白剤を使う方法も手です。陶器に濃いシミが付いてしまったときにも、気づいたらなるべく早く漂白剤に浸ける方法がおすすめです。
ただ陶器は吸水性が高いため、数十分程度で取り出して、漂白剤が染み込んでしまわないよう注意してください。
大切に愛用したい、Creemaでみつけた陶器のうつわ12選
錆釉・丸皿-soleil-L-
この錆釉のうつわは、使い始めは手や食物の油分が染みることがありますが、そのまま使うほどに全体に艶が出てくるのだそう。日常の食器として、愛用したい人におすすめです。
Flower bowl 花のうつわ
直径約10センチの程よい大きさと、シンプルな形なので、ティーカップやスープカップ、ちょっとした小鉢としてなど、さまざまな用途で活躍しそうです。
刷毛目楕円皿/黒・焼き〆陶器(レンジ、オーブン、食洗機対応)
信楽焼 日本列島のお皿 ZIPANG 白
北海道はチーズ。本州は、ハンバーグ? 四国はうどん? などなど食卓に日本を描いて楽しめます。
波佐見焼 「Shabby chic style」箸置き
食卓の彩りに程よく馴染む統一感のある6色のストライプ柄は、単なるデザインとしてだけでなく、お箸が滑り落ちないという機能性も持ちあわせています。
creema限定 漆黒丸リム皿LMS3枚セット
陶芸家・佐久間 満太さんによるのこの焼き物は、半磁器土でつくられています。一般的な陶器と比べて吸水性が低いことで、お手入れも気軽にたのしめるのが特徴。
3枚セットなので、届いたらすぐ食卓のコーディネートが楽しめそう。
【波佐見焼 中皿】マリーゴールド プレートM エメラルド
名前の通り、ぱっと花開くマリーゴールドのデザインがプレート一面に描かれています。波佐見焼は一つ一つ丁寧に手描きされていて、陶器の温もりを感じられる一品。おもてなしや、おやつの時間のプレートにいかがでしょうか。
スープ鍋(味噌汁鍋)
土鍋は蓄熱効果が高く、スープなどの料理がなかなか冷めない状態でキープできるので、キッチンで温めた汁物をそのまま食卓に置くのがおすすめ。
伊羅保釉という釉薬で施された質感や色合いも見どころです。
黒釉に花絵のbowl
このボウルの大きさはラーメンの丼サイズ。肩ひじ張らずに使える、使い勝手の良い器です。
ハス柄のシカクトレー
ちなみにハスは、実をたくさんつけるので、子孫繁栄の縁起の良い柄として昔から用いられているのだそう。
パスタ皿 「蒼」
鳥絵付けの大きな皿、物語を感じるお皿です。
青緑色の色化粧土をまわりに塗って、さらに2色の色化粧土を塗り重ねたことでこのような質感や雰囲気を表現しています。
陶器のうつわを生活に取り入れて、食卓をもっと豊かに。
陶器のうつわは、同じデザインでも焼き目や色の出方によって必ずしも同じでないところに、自然の造形と近い味わいや深みがあります。
使い続けるにつれて手に馴染みやすくなるといわれており、まさに食卓にはぴったり。
陶土を使った作品は、うつわだけにとどまりません。Creemaには、洋風のマグカップや、陶土独特の風合いを生かしたアクセサリーまで勢ぞろい。どれもあたたかみに溢れています。ぜひ、お気に入りをさがしてみてください。
