機能的でサスティナブル！メイドインジャパン生地「ソアロン™」の魅力とは？

皆さんは普段身にまとう服に、どんなこだわりを持って選びますか。

その服が持つデザイン性？袖を通した時の着心地？世界に一つしかない希少性？……人それぞれの決め手はあると思いますが、なかでも肌触りの良さや機能性も重要な判断軸で、また作り手も大切にしているポイントではないでしょうか。

そこで今回は、肌触りの良さはもちろん機能性に優れた服作りにもおすすめの生地「ソアロン」の魅力をたっぷりご紹介します。その特性とともに、Creemaの人気クリエイター3名に実際にソアロンを使って服やバッグ作りに挑戦してもらい、その使用感についても伺いました。ソアロンの驚きの特性や開発の裏側、そして環境に配慮したサスティナブルな取り組みなど、様々な角度からソアロンの魅力に迫ります！

「ソアロン」は、「半合成繊維トリアセテート」という繊維素材についての三菱ケミカル株式会社の商品名。天然繊維・合成繊維のいいところどりをした、世界で唯一三菱ケミカル株式会社のみが手がける、オンリーワンの素材なんです。1967年に日本で生産が開始されて以来、ファッションの創造性を高める繊維として常に注目されています。

ソアロンの主原料は天然のパルプで、環境にも優しい「樹のせんい」。そんなソアロンで作られた生地は、自然の良さと化学の良さをどちらも取り入れた唯一無二の生地となっているんです。

両方の良さが取り入れられているので、発色のよさ等のデザイン性・機能性どちらも優れた生地なんです。「樹のせんい」ならではのナチュラルな風合いもありながら、使い勝手が良い点はソアロンならではの魅力。実は、国内のみならず海外の高級婦人服にも使われ、ファッション業界のクリエイターたちから高い評価を得ています。

シルクというと、「繊細でケアが難しい」といったイメージを持つ方も多いと思いますが、ソアロンは機能性にも優れた生地となっています。

シルクのような光沢を持ちながらも使い勝手が良い点は、強みのひとつ。熱加工もできるので、プリーツ加工などデザイン性の高い加工を施すこともできます。

そんなソアロンの生地は、Creemaでの販売もスタート！1967年の生産開始からファッション業界で愛され、着る人に着心地の良さと利便性を届けてきた生地が並びました。

今回はソアロンを世界中で販売する担当者さんと企画全般を担当しているデザイナーさんのお二人に、出品されている生地の中から特にイチオシの生地を伺いました。

一般的には服作りの際に、裏地に別の生地を重ねて縫い合わせることが多いと思いますが、この生地は裏がサテンのような質感になっているため、裏地が不要。肌当たりがさらりとしているので、これ一枚で服を仕上げることができます。

サテンのつるっとした生地はCreemaでも今の時期需要が高まっているフォーマルバッグにも使用されることもあります。

海外では先ほど紹介したシルク調の生地が人気ですが、国内で非常に人気が高いのは麻調の生地です。麻は使っていませんが、麻と見間違えるほどのクオリティー。そこには三菱ケミカルの技術力の高さが伺えます。

一般的に、麻＝シワになりやすい　というイメージを持たれがちですが、見た目や質感はまるで麻なのにシワになりにくいというソアロンならではの扱いやすさが嬉しいですね。メンズ・レディースともに人気で、着心地も良い生地です。

実際にソアロンの麻調の生地から作られた製品を手にとったお客様からは「何回はいてもへこたれないし、シワにもならない」という声をいただくことも。着心地はいいけれど、シワになりやすいなど麻の気になる点を、人の力を加えることでカバーし、綺麗な状態で長く愛用できます。その機能性と質感のとりこになるリピーターさんもいらっしゃるそうです。速乾性にも優れているので、シワに気を付けたいビジネススーツにも重宝されています。

つややかなシルク調からナチュラルな麻調まで。ソアロンは様々な質感の生地のバリエーションがあるんですね。

また、黒の発色が他の繊維と比べて良いという評価も受けており、ソアロンはフォーマルブラックにも使われることも多いといいます。フォーマルブラックなどは、価格が高くとも、長年着続けるものだからこそ本当にいいものを使いたいというお客様も多く、フォーマルアイテムとも相性が良い生地なのです。

ソアロンは公式のユニセックスのアパレルブランド「age3026™」も展開しており、40代、60代、80代と、三世代で着ているというお客さんも……！幅広いデザインが可能なソアロンだからこそ「どんな世代・性別の方にとっても着心地が良いと思ってもらえるもの」なのです。

そんな唯一無二の生地「ソアロン」をCreemaでも人気の3名のクリエイターに実際にご使用いただき、作品を制作していただきました！今回作品を制作してくれたのは、下記3名のクリエイターです。

春先にはワンピースや一枚で着映えるデザインブラウスが人気のMELUMOさん。滋賀県に江戸時代から伝わる下着や肌着として重宝されていた上質な生地・楊柳生地を使用し女性のための服作りを手がけるクリエイターです。今回は、ブラウスとワンピースをソアロンVer.で制作していただきました！

MELUMOさん：ギャザーが寄ったデザインやふんわりとしたデザインは甘めの雰囲気になりがちですが、媚びた感じにならないように長めの襟と袖口カフスで引き締めました。どこから見られても可愛いデザインというのをいつも心がけるようにしています。

このブラウスは前後どちらでもお楽しみいただける仕様になっているので、気分やコーディネートに合わせてお楽しみいただければと思います。

MELUMOさん：誰が着用してもオシャレに見えるシルエットやデザインに仕上げることを目標に日々制作しています。このワンピースは細見えするシルエットですが、実は身幅にゆとりを持たせているので、ゆったりと着ることができます。シャーリングゴムを入れることで細かなギャザーが寄ったデザインになり、ゆったりした着心地ながらも引き締まったシルエットを生み出しています。

また、どこから見ても素敵なデザインにするという点を普段から心がけており、こちらのワンピースも前後どちらでもご着用いただける2way仕様にしています。

MELUMOさん：生地の表面はテロッとした風合いでつるっとした肌触りなのですが、生地の裏側がふわふわ・もちもちの肌触りで気に入りました。ソアロンで作られた服は、とても着心地が良さそうです。適度な光沢感もあるので、仕上がりも上品です。高級感があり、レディースアイテムに適していると思います。また、環境にも優しい生地という点もソアロンの最大の魅力だと思います。

心地良い着心地でありながらも、品があって高級感のある仕上がりになるのはソアロンの魅力ですね。きちんとした印象に見せたい日にも着ることができそうです。ふわふわ・もちもちな手触りは「樹のせんい」ならでは。ソアロンで作られたワンピースなら、袖を通した瞬間からリラックスできそうですね。

トレンドに関係なく長く愛用できるボトムスやカーディガン、ワンピースなどを手がけるatelierprove1995さん。人と環境に優しい自然素材を中心に、良質な生地にこだわった着心地の良い服を制作するクリエイターです。今回は、ワンピースをソアロンVer.で制作していただきました！

atelierprove1995さん：せまめの丸襟が上品な印象ですが、じつは首から下は思いっきり分量（ボリューム）が出されています。ただ実際着てみるとそこまでボリュームは感じず、キレイに裾まで流れるよう計算して制作されており、楽な着心地とこれ一つでコーデが決まるアイテムです。シンプルに、ワンピースを楽しんでいただきたい！という想いが込められた、普段着としてたくさん着ていただきたいワンピースです。

atelierprove1995さん：まず落ち感がとても良かったです。初めての生地なので試しに軽くトルソーにあててみましたが、トップから裾まで文字通りストンと落ちるドレープがとてもキレイでした。当アトリエでふだんよく使っているコットンやリネンではなかなか出せないドレープ性としなやかさでした。分量の多めなワンピースや長めのフレアなスカートなどにぴったりではと感じました。

それから寸法安定性もばっちりでした。制作前に試験的にカットして洗ってみましたが、縮みも伸びもほぼありません。使い手にはありがたい性能です。

そしてシワにもなりにくかったです。当アトリエの他の作品と同様に、完成品のワンピースは縫製後に洗いをかけてありますが、全くアイロンをかける必要はなかったです。実際にユーザー様が日常の中で着用されるのにとても便利な素材です。

atelierprove1995さん：サスティナブルな生地である事です。当アトリエは「これからの良い服を作りたい。」というコンセプトで活動していますが、服もこれからよりサスティナブルになるべきと常々思っています。ソアロンはトリアセテートなので、コットンやリネンなどの天然繊維とポリエステルやナイロンなどの化学繊維の中間に位置する、半合成繊維になると思いますが、特にソアロンは原料が天然由来の植物で、そこに人の知恵の力が加わって利便性の高い生地になっている点が素晴らしいと思いました。

ソアロンのストンと落ちるドレープの美しさは、ふわっと広がるワンピースやフレアスカートにもぴったり。またシワになりにくいのでお手入れに悩まされることなく、目一杯おしゃれを楽しむことができそうですね。

ロングスカートからヘアバンドなどのアクセサリーやバッグまで手がける、cucu 「ハレノチネコ」布作家さん。生地や素材の組み合わせには個性がありながらも、上品さが光る作品を手がけているクリエイターです。

今回は、人気のロングスカートとショルダーバッグをソアロンVer.で制作していただきました！

cucu 「ハレノチネコ」布作家さん：着るだけで印象的なふんわりコクーンシルエット（繭のように身体を丸く包み込んだようなシルエット）にこだわって作ったスカートです。大胆なシルエットに、繊細な生地感で大人の遊び心をたっぷり詰め込みました。歩くたびに風を含んだような、ふわりとしたコクーンデザインは、細かいタック位置を調整することで仕上げています。着るだけでとても印象的なシルエットをお楽しみいただけます。

cucu 「ハレノチネコ」布作家さん：個性的な色使いと手作りならではのデザインにこだわって制作したショルダーバッグです。モノトーンな中に、あざやかなロイヤルブルーをプラスすることで、モードなイメージに個性的な印象をプラスしたお色使いで作りました。

デザインのポイントは、贅沢に生地を使った、一目惚れしてしまう程の大きなリボン。モードな印象に甘さをプラスした、こだわりの作品に仕上がりました。

cucu 「ハレノチネコ」布作家さん：とても滑らかで、するすると何処までも落ちていくようなしなやかな触り心地でした。型紙に合わせて裁断をしてみると、生地の厚さのわりに程よい収縮性があり、お洋服を仕立てるのにとても適している生地だと感じました。

いつまでも縫っていたくなるようなとても滑らかでちょうど良いすべり心地で、ストレスフリーに作業を進めることができました。とても触り心地の良い生地で、お洋服の完成度は勿論、着心地もとても良いお洋服が完成致しました。

もちろん、お洋服の生地選びのポイントになるお色も、鮮やかなお色から高級感のあるモノトーンカラーまであり、大変気に入りました。

「いつまでも縫っていたくなるほどの、滑らかさ。」ぜひ、クリエイターの皆さんにも実際に触っていただきたいです。ソアロンは先ほどご紹介したシルク調の生地や麻調の生地に限らず、様々なバリエーション・風合いの生地が生産されています。よりどりみどりの生地から、作品イメージに合う1枚がきっと見つかるはずです。

昨今話題の「サスティナブル」というキーワード。ファッション業界では、生地を作り染める工程にいたるまで、環境に与える影響が大きいとされています。

ソアロンの生産でファッション業界とも大きく関わる三菱ケミカル社は、実はサスティナブルな取り組みを担う存在でもあります。環境負荷低減に向けた、その取り組みについてもご紹介します。

むやみやたらに森林を伐採するのではなく、持続可能となるよう適切に管理された森林から、ソアロンの原料であるパルプを調達しています。

原糸・生地生産の各段段階において、有害物質の発生を取り除く努力をしています。持続可能な生産過程を経た繊維製品に与えられる「エコテックス®スタンダード100」の認証を受けています。

富山工場で糸の生産を行う際にも、廃熱を回収したり、トリアセテートを作る際の原料を溶かす工程でも、使用する溶剤を再利用するなど、省エネを意識して稼働しています。

そのほかにも実施されている様々な取り組み▼

・ブルーサイン®の認証

ソアロン原糸の生産では、サステナブルな製造（有害物質・環境・労働安全などに配慮）を行っていることを表す「ブルーサイン®」の認証を受けています。

・バイオマスマークの認証

天然のパルプを使用して生まれるソアロンは、素材そのものの原料が天然由来であることを指すバイオマスマークの認証も受けており、CO2の削減を試みています。

そのほか「SOAGREEN™ Program」では、一つ一つの商品に対して環境負荷レベルを分析・把握し、サスティナビリティ価値向上を目指して、全社一丸となって環境負荷削減に取り組まれています。

メイドインジャパンにこだわって、丁寧に生地に向き合う。

取材中にも「大量生産ができないことは一見マイナスではあるけれど、その分繊細に、丁寧に、ゆっくりと制作をすることができる。そのような向き合い方にこだわっていきたい」という一言が印象的でした。そんな唯一無二の製品作りに向き合い作られるソアロンは、時代を越えても変わらずに愛され続けていき、高品質な生地として求め続けられていくのではないでしょうか。

今やどこでも生地を手に入れることができる時代。

服作りのみならず、ものづくりにおいて「この素材の原料にはどういうものが使用されているんだろう？」「この生地は、どういった過程を経て作られたのだろう？」……そんな素材そのものの背景にも価値が見出されています。

この記事が、ソアロンの原料の良さからなる機能性やデザイン性の高さ、環境へ配慮した生産過程などに興味を持ってもらえるきっかけになれば。そして、服づくりに使いやすい生地の一つとしてソアロンに触れて、ファンになってもらえれば。そんな想いがお届けできればと思います。ぜひ素材にもこだわって、人にも環境にも優しい服・小物作りをソアロンの生地ではじめませんか？